- かんぽの学資保険の特徴やメリットが知りたい
- 学資保険に加入する際、入院特約を組み合わせるべきかわからない
- 自分に合った学資保険がわからない
子どもの未来のために欠かせない学資保険。中でもかんぽ生命の「はじめのかんぽ」は、今年の3月にリニューアルし、現在保険金の受け取り時期に合わせて3つのタイプを用意している。
また、総合医療特約を付加すれば、入院時も充実した医療保障を受けることもできる。
果たして教育資金の準備に活用する学資保険に、入院特約は必要なのだろか。
そこで、この記事では、かんぽの学資保険「はじめのかんぽ」について理解するとともに、入院特約の内容やその効果について解説し、特約の必要性を検証する。
あなたが学資保険を選ぶ際の参考となれば幸いだ。
入院特約が必要かを考える前に!かんぽ生命の学資保険の基本
「学資保険がそもそもどんな保険かわからない」「はじめのかんぽの特徴を知りたい」という人もいるだろう。
ここでは、学資保険の概要や「はじめのかんぽ」の特徴を紹介する。
「はじめのかんぽ」のメリットについても触れているので、ぜひチェックしてほしい。
学資保険とは?
学資保険は、子どもの教育資金を準備するための保険だ。
定期的に保険料を支払っていると、子どもが特定の年齢に達した時(中学、高校、大学の入学時など)に、教育資金として一定額を受け取ることができる。
保険の契約者である親が亡くなった場合、以降の保険料払い込みは免除される。
しかし、教育一時金や満期保険金は当初の契約通りに受け取ることができる仕組みだ。
また、生命保険料控除の対象となるため、支払った保険料に応じて所得税と住民税が減額される。
年間の保険料によるそれぞれの控除額は以下のとおりだ。
年間の支払保険料等 | 所得税の控除額 |
---|---|
20,000円以下 | 支払保険料等の全額 |
20,000円超 40,000円以下 | 支払保険料等×1/2+10,000円 |
40,000円超 80,000円以下 | 支払保険料等×1/4+20,000円 |
80,000円超 | 一律40,000円 |
年間払込保険料額 | 住民税の控除額 |
---|---|
12,000円以下 | 払込保険料全額 |
12,000円超 32,000円以下 | (払込保険料×1/2)+6,000円 |
32,000円超 56,000円以下 | (払込保険料×1/4)+14,000円 |
56,000円超 | 一律28,000円 |
年間80,000円以上の保険料を支払っている場合は、所得税の計算で40,000円、住民税の計算で28,000円が所得から控除される。
「はじめのかんぽ」の特徴
かんぽ生命が取り扱っている学資保険「はじめのかんぽ」の特徴は以下のとおりだ
- 目的に合わせて3つのコースから選べる
- 契約者に万が一があった場合は保険料の払い込みが不要になる
- 被保険者が亡くなった場合は払込保険料相当額が死亡給付金として支払われる
- 保険料の払込期間も2パターンから選べる
- 出生前加入制度が用意されている
- 決算内容によっては契約者配当金があるケースもある
コース名 | 保障内容 | 加入可能な被保険者年齢 |
---|---|---|
「大学入学時」学資金準備コース | 総額200万円大学入学時(18歳)を迎えると学資金200万円が支払われる | 0歳~12歳 |
「小・中・高+大学入学時」の 学資金準備コース | 総額260万円小学校入学直前の12月に10万円、中学校入学直前の12月に20万円、高校入学直前の12月に30万円、大学入学時(18歳)を迎えると学資金200万円が支払われる。 | 0歳~3歳 |
「大学入学時+在学中」の 学資金準備コース | 総額200万円大学入学時に50万円、2年時に50万円、3年時に50万円、4年時に50万円が支払われる。 | 0歳~12歳 |
どの時期にどの程度のお金が必要かによって、コースを選択可能だ。
「大学入学時」「小・中・高+大学入学時」「大学入学時+在学中」がある。
それぞれ加入可能な被保険者年齢や保障内容に違いがあるため、必ず加入前に条件と合っているか確認しよう。
また、契約者に万が一があった場合は保険料の払込が免除され、被保険者に万が一があった場合は払い込んだ保険料相当額が死亡給付金として支払われる。
「はじめのかんぽ」のメリット
「はじめのかんぽ」のメリットは以下のとおりだ。
- 目的に合わせてコースを選べる
- 出生前の加入で保険料が安くなる
- 満期の年齢を設定できる
- 保険料の払込期間を選べる
- 契約者の万が一の事態にも備えられる
「はじめのかんぽ」は3つのコースがあり、目的に合わせて保障内容を選べる。
「大学の費用に備えたい」「進学ごとに学資金を受け取りたい」など、ニーズごとに適したプランを選択できるのは大きなメリットだろう。
出生前の加入も認められている。出生前に加入すると契約者の年齢が若いタイミングで加入できるのだ。
保険料は契約者の年齢によって決まるため、出生前加入を利用することによって、安い保険料が適用されるのだ。
出産前に万が一があった場合、払い込んだ保険料は払い戻される。
また、保険料の払込期間を「17歳または18歳まで」「10歳まで」の2パターンから選べる。
「17歳または18歳まで」の場合は月々の保険料が安くなるのに対して、「10歳まで」の場合はトータルの保険料を抑えられる仕組みだ。
家計状況と相談しながら、最適な払込方法を選択しよう。
かんぽ生命の学資保険に入院特約は必要なのか?
ここからは「はじめのかんぽ」の入院特約が必要なのかについて解説する。
総合医療特約とは?
総合医療特約とは、被保険者である子どもが病気や事故によって手術や治療を受けた場合に保険金が支払われる特約だ。条件や保険金額は以下のとおりだ。
保険金 | 支払条件 | 保険金額 |
---|---|---|
入院一時金 | 入院保険金が支払われる入院をし、1回の入院についてその入院の日数が1日、30日、60日、90日、120日の各日数に達したとき | 入院保険金日額の20倍 ※支払回数は病気・ケガの別に、それぞれ20回が限度 |
入院保険金 | 病気または不慮の事故でのケガにより1日以上入院されたとき | 入院保険金日額(特約基準保険金額の1000分の1に相当する金額)×入院日数 ※1回の入院につき120日分まで※病気・ケガの別に、入院保険金の支払われる最終の入院の退院日の翌日からその日を含めて60日以内の入院は、原因にかかわらず、1回の入院とみなす |
手術保険金 | 病気または不慮の事故でのケガにより公的医療保険制度の医科診療報酬点数表で手術料の算定対象となる手術または先進医療に該当する手術を受けられたとき | 入院保険金日額の10倍 ※創傷処理、皮膚切開術などお支払いの対象とならない手術がある |
放射線治療 保険金 | 病気または不慮の事故でのケガにより公的医療保険制度の医科診療報酬点数表で放射線治療料の算定対象となる放射線治療または先進医療に該当する放射線照射・温熱療法を受けられたとき | 入院保険金日額の10倍 ※放射線治療保険金が支払われる最終の放射線治療を受けた日からその日を含めて60日以内に受けた放射線治療は除く |
特約基準保険金額が200万円の場合、入院一時金40,000円・入院保険金2,000円×入院日数・手術保険金20,000円・放射線治療保険金20,000円が支払われる計算になる。
総合医療特約のメリットとデメリット
学資保険の総合医療特約を付加するメリットは、子どもの病気やケガに備えられる点だ。
事故に遭って手術や入院が必要になった場合の医療費をカバーしてくれる。
一方、元本割れしやすくなるというデメリットもある。
元本割れとは、払い込んだ保険料よりも満期保険金が少なくなることを指す。
医療保障を付加した学資保険の保険料は「教育費のための積立」と「医療保障の付加」という2つの側面を持つ。
医療保障を付加することによって掛け捨て保険に加入した状態になり、積立に回る保険料が少なくなるのだ。
同じ金額を払っていても総合医療特約に加入することによって、満期保険金の金額が少なくなり、運用の結果によっては元本割れする可能性が出てしまう。
総合医療特約は不要な人が多い
総合医療特約は「貯蓄がなくて突然必要になった医療費を払う余裕がない」という人以外は不要だろう。
メリットよりもデメリットの方が大きいからだ。
また、公的医療の助成制度が充実している地域も多い。「小学生は医療費無料」「中学生までは実質医療費無料」という制度を導入していると、学資保険で医療費に備える必要はないだろう。
自治体の情報をチェックして、子どもの医療費助成制度があるか確認してほしい。
入院特約について理解したら!自分に合ったかんぽ生命の学資保険を見つけよう
自分に合った学資保険を選ぶために必要なポイントは以下のとおりだ。
- 加入目的を明確にする
- ライフプランを整理する
- 現在の貯蓄を把握する
それぞれ解説しよう。
加入目的を明確にする
まずは学資保険に加入する目的を明確にしよう。加入目的が不明確なままだと、どんな保障が必要かわからないからだ。必要な保障が決まっていないのに、保険商品を選ぶのはかなり難しい。
「子どもの大学費用を用意したい」「進学ごとに必要になるお金に備えたい」など、学資保険に加入する目的を整理しておくべきだ。
ライフプランを整理する
次にライフプランを確認しよう。どのような生活を希望するかによって、必要な保障内容が異なるからだ。
「子どもは何人欲しいか」「マイホームの購入予定はあるか」「子どもは小学校から私立に通わせたい」など、現時点で希望するライフプランを整理してほしい。
参考までに子どもの教育費に必要な金額を掲載しておく。
国公立 | 私立 | |
---|---|---|
中学校 | 53万8,799円 | 143万6,253円 |
高等学校 | 51万2,971円 | 105万4,444円 |
大学 | 約450万円 | 約800万円 |
すべて公立に通った場合は約600万円程度だ。
ただ、大学で国公立に行けるかどうかは子どもの学力や学びたい分野によって異なるだろう。
私立大学に進学するケースも想定して、1人につき約1,000万円は用意しておくべきだろう。
ライフプランは途中で変わる可能性もあるので、完璧に設定する必要はない。
生活していく途中で考え方が変わった場合に備えて、定期的に保険を見直しておくと良いだろう。
現在の貯蓄を把握する
現在の貯蓄を把握しておくことも、保険選びには欠かせない。
自由に使えるお金がどの程度あるかによって、必要な保障内容が異なるからだ。
貯蓄があって生活に余裕がある人は、万が一に保険で備える必要がない。
資金に余裕がある状態で保険に加入しているケースでは、必要以上に保険料を支払っている可能性がある。
一方で、貯蓄がない人は万が一に備えて保険に加入しておくべきだ。
教育費や医療費を用意するために、保険を有効に活用しよう。
かんぽ生命の学資保険は入院特約をつけると返戻率が下がる!入院特約の有無は慎重に判断しよう
この記事では、かんぽの学資保険「はじめのかんぽ」の特徴、入院特約の内容やその効果について解説し、特約の必要性を検証した。
子どもの未来を見据えた学資保険と、急な入院が家計にもたらすリスクをカバーする入院保障。
この2つを組み合わせることで、双方の不安を一度に解消することが可能になるだろう。
しかし、入院特約をつけることで返戻率は下がってしまう。
今回紹介した保険選びのポイントを参考に、あなたに合った学資保険を見つけ、特約の有無についても慎重に判断してほしい。
このように、何より重要なことは、保険の特徴を理解し、また自分自身の生活環境や経済状況、健康状態を考慮して選ぶことだ。
そのため、自分が加入するべき保険について、少しでも疑問や不安があれば保険のプロに相談することも積極的に検討してほしい。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、あなたに合った保険を見つけることができるはずだ。
また、保険のプロは数多く存在し、その中から自分にとって最適な担当を見つけるのは難しいだろう。
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