- 学資保険の特約について知りたい
- 学資保険の入院特約のメリットやデメリットを知りたい
- 学資保険の選び方について知りたい
学資保険は、子どもの教育資金を積み立てることを目的とした保険だ。
その学資保険には、保障を充実させるために様々な特約を付加できる商品があることをご存じだろうか。
「学資保険に付加できるのはどんな特約?」「子どもの病気やけがに備えられる特約もあるの?」などと、疑問に思った方もいるだろう。
そこで本記事では、学資保険に付加できる「入院特約」について詳しく解説する。
加えて、学資保険に入院特約を付加する必要性や、メリット・デメリットもあわせて紹介していく。
最適な学資保険を選ぶために意識すべきポイントについても言及しているため、学資保険への加入を迷っている方は、この記事の内容を参考にしてほしい。
学資保険の入院特約とは
ここでは、以下の3点について解説していく。
- 学資保険に付加できる特約の種類
- 入院特約の特徴
- 入院特約を付加する前に確認すべきポイント
それぞれ見ていこう。
学資保険に付加できる特約の種類
学資保険は、子どもの教育資金に備えるために加入するものだ。
そして、多くの学資保険は、契約者となる親に万が一のことがあった際には、保険料の支払いが免除される仕組みになっている。
しかし、保障をさらに充実させるために、特約が付加できる商品も存在する。
学資保険に付加できる特約は、主に以下の4種類だ。それぞれの特約の保障内容は以下のとおりである。
特約名称 | 保障内容 |
---|---|
入院特約 | 病気やけがで入院したり、手術を受けたときに給付金が受け取れる |
傷害特約 | 事故などによるけがに特化した保障で、入院や手術などをした際に給付金が受け取れる |
災害特約 | 事故などで子どもに万が一のことがあった場合や高度傷害状態になった場合に保険金が受け取れる |
育英年金特約 | 契約者に万が一のことがあった場合に、保険期間が満了するまで年金が受け取れる |
これらの特約を付加することで、子どもが病気やけがで入院したり、手術を受けたりしたときの保障や事故などで万が一のことがあった際の保障、そして契約者となる親に万が一のことがあった際の生活保障を準備することが可能だ。
ただ、これらの特約は掛け捨て型(解約返戻金がないタイプ)の保障である場合が多いため、返戻率※が下がってしまう点には注意が必要だ。
※返戻率=受け取る保険金額(一定期間ごとに受け取れるお祝金や保険期間満了時に受け取れる満期保険金の総額)÷支払った保険料総額×100
学資保険の入院特約の特徴
入院特約の保障内容は、通常の医療保険の主契約と大きく変わらない。
通常の医療保険では、病気やけがで入院・手術をしたときの保障を「主契約」とし、さらに保障を充実させたい場合は、通院時やがん治療時などを保障する「特約」を付加することとなる。
一方で、学資保険に付加できる入院特約は、通常の医療保険における「主契約」の保障内容を特約化した形となっているのだ。そのため、シンプルでわかりやすいのが特徴といえる。
学資保険に入院特約を付加する前に確認するべきポイント
入院特約を付加する前に確認すべきポイントは2つある。
- 重複して保険に加入していないか
- 自治体における医療費の助成制度はあるか
まず確認すべきなのは、入院特約を付加することによって保障の重複にならないかという点である。
すでに子どもの医療保険に加入しているにもかかわらず入院特約を付加してしまうと、保険料を無駄に払ってしまうことになる。
保険期間は長期にわたることが多く、支払う保険料も安くはない。加入している保険がある場合は、保障内容を確認しておこう。
また、自治体における医療費助成制度についても調べておく必要がある。
各自治体で異なるものの、大まかな内容は以下のとおりだ。
- 18歳までの子どもが医療機関を受診した場合に、かかった医療費の一部または全部を自治体が助成
- 医療費を助成してもらうためには、あらかじめ受給者証などの申請手続きが必要
- 入院・外来問わず助成してもらえる
自治体によっては、医療費の助成が受けられるのは15歳までであったり、所得制限が設けられていたりするケースがある。
さらに、注意しなければならないのは、医療費助成制度の対象となるのは健康保険が適用される治療などに限られている点だ。
そのため、入院した場合の差額ベッド代や入院中の食事代、先進医療など全額自己負担となる治療を受けた場合は、助成されない。
自身の住む自治体では具体的にどのような内容で医療費助成制度を実施しているか、把握しておくことが大切だ。
学資保険の入院特約の必要性とメリット・デメリット
学資保険には、入院特約を付加する必要性はあるのだろうか。ここでは、入院特約を付加する必要性からメリットとデメリットについて解説していく。
学資保険の入院特約を付加する必要性
実際に子どもが入院する可能性はどれほどあるのか気になる方も多いだろう。以下は年齢別の入院割合だ。
年齢階級 | 総数 | 男 | 女 |
---|---|---|---|
総数 | 960 | 910 | 1,007 |
0歳 | 1,065 | 1,155 | 971 |
1〜4 | 134 | 153 | 115 |
5〜9 | 71 | 79 | 64 |
10〜14 | 99 | 106 | 92 |
15〜19 | 123 | 121 | 126 |
20〜24 | 141 | 128 | 156 |
25〜29 | 198 | 142 | 258 |
30〜34 | 246 | 165 | 331 |
35〜39 | 257 | 215 | 301 |
40〜44 | 273 | 278 | 267 |
45〜49 | 345 | 387 | 302 |
50〜54 | 478 | 551 | 404 |
55〜59 | 664 | 776 | 551 |
60〜64 | 895 | 1,064 | 730 |
65〜69 | 1,207 | 1,444 | 983 |
70〜74 | 1,544 | 1,797 | 1,318 |
75〜79 | 2,204 | 2,461 | 1,997 |
80〜84 | 3,234 | 3,440 | 3,088 |
85〜89 | 4,634 | 4,795 | 4,546 |
90歳以上 | 6,682 | 6,706 | 6,673 |
上記は人口10万人に対する入院受療率である。
学資保険の多くは、加入できる子どもの年齢を10歳未満に絞っているが、その年代のデータを見てみると、入院する確率はかなり低いことがわかるだろう。
ただ、子どもであっても入院する確率はゼロではない。加えて、先述のとおり子どもの医療費に対しては助成制度を設けている自治体が多いが、助成が受けられるのは健康保険が適用される治療費に限られる。
そのため、健康保険が適用されない治療や差額ベッド代、食事代の負担に対する保障を準備しておくと安心だ。
しかし、貯蓄が十分にある方など、必ずしも入院特約で子どもの医療費を準備する必要はない。入院特約の必要性については、自身の資産状況などを踏まえて検討しよう。
学資保険の入院特約を付加するメリット
入院特約を付加するメリットとしては、以下の2つが挙げられる。
- 教育資金の準備と同時に病気やけがに対する保障も準備できる
- 保険の管理に手間がかからない
学資保険に入院特約を付加することで、教育資金の準備だけでなく、子どもの病気やけがに対する保障が同時に準備できる点は大きなメリットといえる。
先述したとおり、子どもであっても入院する人は一定数いることは確かだ。
もしものときに備えて入院特約に加入していれば、安心して治療を受けられるだろう。
また、医療保障を準備するために学資保険以外に医療保険に加入したとする。
そうすると、医療保険と学資保険のどちらも管理しなければならない。
しかし、学資保険に入院特約を付加することで1つの保険の管理ですみ、もしものときの問い合わせ先にも迷わない点はメリットとなる。
このように、1つの保険で貯蓄と保障を同時に準備したかったり、契約管理の手間をなるべく減らしたい方にとっては、学資保険への入院特約の付加がおすすめといえる。
学資保険の入院特約を付加するデメリット
入院特約を付加するデメリットとしては、以下の3つがある。
- 告知が必要となる
- 満期と同時に保障がなくなる
- 入院特約を付加することで返戻率が下がる
まずデメリットとして挙げられるのが、告知が必要となる点だ。
一般的に、学資保険に加入する際には、親の告知だけでよく、被保険者となる子どもの告知は必要とされない。
しかし、入院特約を付加することによって告知が必要となったり、場合によっては健康診断書などの提出を求められることもあるのだ。
そのため、手続きが煩雑になるだけでなく、子どもが大きな病気を経験していれば入院特約を付加できない可能性もある点には注意しよう。
また、学資保険は保険期間が限られている保険だ。
入院特約単体では保障を継続させることが不可能なため、主契約である学資保険の満期が訪れると、入院特約も同時に消滅することになるのはデメリットの一つである。
学資保険で医療保障を準備する場合は、満期後の医療保障をどのように準備するかも考えておこう。
さらに、入院特約を付加することで、返戻率が下がるケースが多いのはデメリットといえる。
入院特約は基本的に掛け捨てであることから、学資保険部分だけで見ると返戻率が100%を超えていたとしても、入院特約分の保険料を加味することで返戻率が100%を下回るケースも少なくない。
学資保険における返戻率を重視するのであれば、他の医療保険に加入したり資産運用したりするなど、別の方法で子どもの治療費を準備することをおすすめする。
学資保険の入院特約について理解したら!最適な保険の選び方
あなたや子どもにとって最適な学資保険を選ぶ上で、大切なポイントは以下の3つだ。
- ライフプランを考える
- 加入の目的を明確にする
- 無理のない範囲で検討する
それぞれ解説していく。
ライフプランを考える
保険に加入する際には、ライフプランを考える必要がある。
子どもを私立に通わせるか公立に通わせるか、大学まで進学させるかなど、考えなければならない項目はいくつもある。
例えば、幼稚園から高校まで私立校に通わせるとしよう。
その場合、15年の間にかかる教育費は平均約1,840万円※だ。
一方、幼稚園から高校まで全て公立校に通わせることとした場合は、必要となる教育費は平均約577万円※となる。
大学まで進学させることを考えると、必要となる教育費はさらに増えるだろう。
これらを総合して検討することで、いつまでにいくら準備すべきなのか、その金額を準備するために学資保険への加入が必要なのかについて結論が出せるはずだ。
学資保険への加入の目的を明確にする
学資保険への加入目的だけでなく、入院特約を付加する目的も明確にすることも大切になる。
なぜ学資保険に加入するのか、なぜ学資保険に入院特約を付加するのか。
先述した入院特約の必要性や、メリット・デメリットを踏まえた上で検討することがおすすめだ。
そして、自身の資産状況やリスク許容度に応じて、どのような方法で保障を準備すべきか考えよう。
無理のない範囲で検討する
学資保険は貯蓄を目的とした保険であるため、保険料が高くなりやすい。
それだけでなく、入院特約などの各種特約を付加することで、さらに保険料が上乗せされる。
満期まで保険を継続できれば、返戻率が100%を超える商品も少なくない。
しかし、保険期間の途中で解約してしまうと、多くの商品で元本割れ※が発生する。
※支払った保険料の総額よりも戻ってくるお金の方が少ないこと
家計を圧迫せず無理なく支払える保険料で設定することで、着実に教育資金をためられるはずだ。
また、保険料の払込方法についても検討しなければならない。
保険料の払込方法には、主に「月払い」「半年払い」「年払い」などがあり、保険料の支払いタイミングはそれぞれ「毎月」「半年ごと」「1年ごと」となる。
一般的に、保険期間の間に払い込む回数が少なければ少ないほど、保険料が安くなる傾向がある。
一方で、払込回数が少ないと一度に払い込む保険料が高額となるため、一時的に家計に負担がかかってしまう。
それぞれの払込方法のメリットとデメリットも踏まえながら判断することが大切だ。
学資保険の入院特約の必要性を理解してご家庭にあった保険を選ぼう
本記事では、学資保険に付加できる特約の種類から入院特約の必要性やメリット・デメリット、そして最適な学資保険を選ぶために意識すべきポイントについて解説した。
学資保険は、子どもの教育資金を確保するための方法として、重要な選択肢の一つである。
そして、学資保険には特約というものが存在し、教育資金以外の万が一に備えることも可能だ。
しかし、特約以外にも、保障内容や保険料などを踏まえ、自分たちのライフステージやリスク許容度に合わせたプランを選ぶ必要がある。
保険選びに不安がある場合は、保険のプロへの相談も検討しよう。
あなたの不安を解消してくれるだけでなく、最適な保険選びの手助けをしてくれるはずだ。
ただ、保険のプロは数多く存在するため、自分に合った担当者を探すのが難しいこともあるだろう。
そのようなときは、個人と保険のプロをマッチングさせる「生命保険ナビ」の活用がおすすめだ。
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