- 学資保険と終身保険の特徴と違いを知りたい
- 学資保険と終身保険がそれぞれどんな人に向いているのか分からない
- 自分に合った保険の選び方がわからない
学資保険は、一定期間にわたり保険料を払い込み、時期が来た際に子どもの教育資金を保険金や祝い金として受け取ることが出来る貯蓄型の保険である。
教育資金を貯める手段として人気が高いが、「終身保険が代わりになる」と耳にしたことがある人もいるのではないだろうか。
では、両者の違いは何なのか、そしてどちらを利用すべきなのだろうか。
そこで本記事では、学資保険と終身保険の特徴や違い、それぞれのメリットと加入すべき人の特徴を解説する。
また、自分に合った保険の選び方についても説明する。
学資保険と終身保険のどちらを選ぶべきか、悩んでいる人はぜひ参考にして正しく保険を活用してほしい。
学資保険と終身保険の違いとは
学資保険と終身保険。名前だけで判断すると、両者はまったく別の保険商品であることが分かるだろう。
確かに、学資保険と終身保険では加入目的だけでなく商品内容が大きく異なる。
しかし、どちらも貯蓄型の保険商品であることから、最近では終身保険を学資保険の代わりに利用する方も増えているようだ。
ここでは、まず貯蓄型保険とは何かについて触れ、学資保険と終身保険の違いについて解説する。
学資保険と終身保険はどちらも貯蓄型保険
貯蓄型保険とは、毎月の保険料の一部が積み立てられる保険商品のことである。
- 終身保険
- 養老保険
- 学資保険
- 個人年金保険
貯蓄型保険は、万が一の場合に備えられるだけでなく、満期時や中途解約時に保険金や返戻金を受けられるため、貯蓄機能を備えているのが特徴だ。
なお、戻ってくるお金には、それぞれ次のような違いがある。
- 満期保険金 : 保険が満期を迎えた際に支払われる保険金
- 解約返戻金 : 保険を中途で解約した際に支払わらるお金
続いて、学資保険と終身保険について詳しくみていこう。
学資保険
学資保険とは、子どもの教育資金を準備することを目的とした貯蓄型保険商品だ。
毎月支払った保険料が積み立てられ、子どもの入学時に祝金や学資年金を受け取ることができる。
学資保険は、契約者(親)に万が一のことがあった場合に以降の保険料が免除され、保障が継続される点が特徴だ。
学資保険は毎月決まった保険料を払う必要があるため、計画的な貯蓄が苦手な人に向いた商品といえる。
ただし、子どもの進学時に保険金を受け取る商品であるため、中途解約時は解約返戻金が保険料を下回り、実質的に元本割れする場合も多い。
このため、あくまでも教育資金の準備を目的として加入することが重要である。
終身保険
終身保険とは、生涯にわたって死亡保障・高度障害保障が続く生命保険商品のことである。
学資保険と同様に、中途解約時に解約返戻金が支払われるため、貯蓄目的として加入することも可能だ。
終身保険は契約更新がないため、原則として加入時の保険料が一生変わらない。このため、契約を継続しやすいという特徴がある。
ただし、終身保険は死亡時の保障を目的とした商品であるため、保険料払込が終わらない間は、解約返戻金が支払保険料を下回る場合がほとんどだ。
また、終身保険の中には保険料を抑えるために、解約返戻金を低く設定した「低解約型終身保険」もあるが、貯蓄性が低い点に注意する必要がある。
続いて学資保険と終身保険の違いをみていこう。
学資保険と終身保険の違い
学資保険と終身保険で大きく違うのは、保険の加入目的と保険金受け取りのタイミングだ。
また、保険金受け取りの時期が異なるため、解約返戻率が高くなるタイミングも異なってくる(終身保険は保険金を高齢期に受け取ることを想定)。
学資保険と終身保険の違い
学資保険 | 終身保険 | |
---|---|---|
加入目的 | ・教育資金の準備 | ・死亡保障 ・貯蓄目的 |
保険金受け取りの タイミング | ・高校や大学入学時 ・大学入学後年度ごと | ・契約者死亡時 ・お金が必要となった時(中途解約) |
契約者に万が一のことがあった場合 | 以降の保険料は免除され契約は継続 | 契約者と被保険者が同一である場合は、死亡保険金が支払われて契約終了 |
解約返戻率 | 一般的に満期が近づくにつれ100%を超える(17歳など) | 一般的に保険料払込終了後に100%を超える(60歳以降など) |
学資保険は、契約者に万が一のことがあった場合に、以降の保険料が免除されるが契約は継続される。
また、一般的に大学入学(18歳)に向けて解約返礼率が高くなるように設計されている。
このため、教育資金の準備に適した保険商品といえるだろう。
一方、終身保険は契約者に万が一のことがあった場合に、死亡保険金が支払われて契約が終了する。
また、解約返戻率は一般的に保険料払込終了後(60歳以降など)に100%を超えるため、教育資金の準備には不向きの保険商品といえる。
ただし、次のような方法であれば、教育資金の準備に終身保険を活用することも十分に考えられる。
- 保険料払込方法を一時払い(一括払い)にする
- 教育資金が必要な場合に終身保険の一部のみ解約する
なお、学資保険や終身保険へ加入する場合は、満期時や死亡時の受取額だけでなく、中途解約時の返戻金や返戻率も考慮すべきである。
これらの受取額や返戻率は生命保険の見積書や設計書に記載されているため、加入前に確認することが大切だ。
学資保険と終身保険のメリット・デメリット
ここまで紹介してきたとおり、学資保険と終身保険は商品内容や加入目的がそれぞれ異なる。
ここでは、学資保険と終身保険を利用する場合のメリットとデメリットを紹介する。
学資保険のメリット
学資保険を利用するメリットは次の通り2つある。
1つ目のメリットは、計画的に教育資金を貯められることだ。
学資保険は、毎月の保険料から満期時の受取額まで、加入前に設計を行い計画に積み立てられる。教育資金は大きな出費となることから、長期間にわたって計画的に貯められることは大きなメリットといえるだろう。
2つ目のメリットは、万が一の場合の保障機能があることだ。
学資保険は契約者に万が一のことがあった場合、以降の保険料が免除されるが、満期保険金や祝金は保障される。いざという場合でも、保険料負担なしで教育資金を用意できるのは遺族にとって大きなメリットになるはずだ。
学資保険のデメリット
学資保険には、教育資金以外の蓄えに向かないというデメリットがある。
学資保険は、高校や大学の入学時を中心に保険金を受取りできるよう設計された保険商品だ。
このため、教育資金以外の蓄えに向かず、貯まったお金を他の用途に使い難い点がデメリットといえる。
終身保険のメリット
終身保険を利用するメリットは次の通り2つある。
1つ目のメリットは、貯まったお金(解約返戻金)を教育資金以外にも利用できることだ。
終身保険を中途解約する場合、タイミングは自由に選ぶことができる。また、必要な額に応じて一部のみ解約することも可能だ。
このため、貯まったお金を教育資金以外にも流用でき、突発的な資金需要に対応できる点は大きなメリットだ。
2つ目のメリットは、節税効果があることだ。
終身保険は、一般生命保険料控除の対象となり、支払った保険料のうち一定額が所得から控除されるため、所得税と住民税が軽減される。
終身保険は保険料の払込期間が長いため、長期間にわたって節税効果が得られることは大きなメリットといえるだろう。
終身保険のデメリット
本来、終身保険は万が一の場合に備える保険商品である。
解約返戻金は高齢期に向け緩やかに上昇する設計となっている。
このため、短期間で中途解約した場合は元本割れする可能性が高い。
したがって、加入時には契約期間に応じた返戻率を確認しておくことが重要だ。
学資保険・終身保険を利用するべき人の特徴
それでは、これから教育資金を準備する人は、学資保険と終身保険のどちらを選ぶべきなのだろうか。
学資保険と終身保険、それぞれについて利用するべき人の特徴を紹介する。
学資保険を利用するべき人
学資保険を利用するべきなのは、計画的な貯蓄が苦手な人だ。
本来、貯蓄はライフプランごとの必要な金額を考慮して、計画的に行うものである。
しかし、計画的な貯蓄が苦手な人の場合は、毎月一定額を積み立て、進学時期に保険金をまとめて受取りできる学資保険が向いている。
終身保険を利用するべき人
終身保険を利用するべきなのは、ライフプランが定まっていない人だ。
終身保険はお金の受け取りタイミングを自由に選べる。このため、これからライフプランや資金計画を立てたいと考えている方に向いている。
また終身保険は、現在の契約を活用して、新たに他の契約へ乗り換える「転換」制度を利用できる場合も多い。
ライフプランが定まっていない方は、「転換」制度の利用を視野に入れ終身保険へ加入するという方法を選ぶことも可能だ。
ただし、「転換」にはさまざまな条件が付されていることが多いため、加入時には保険のプロからきちんと説明を受けることが重要である。
学資保険と終身保険はどちらが良い?自分や家族に合った保険選びのポイント
生命保険には、学資保険や終身保険以外にも多くの保険商品があり、商品内容や特徴、メリット・デメリットは大きく異なる。
加入を検討する場合は、自分や家族に適しているか確認することが大切だ。
ここでは、保険選びで重要なポイントについて紹介する。
満期時期や受取り金額が適切か確認しておく
生命保険商品は、必要な時に必要な保障を得られることが鉄則だ。
このため、まずライフプランを立て、満期時期や受取金額を明確にしてから保険商品を選ぶ必要がある。
これらを考慮せず不用意に保険へ加入すると、後になってから保険の見直しや乗り換えが必要となるケースが多くなるため注意が必要だ。
ただし、結婚の予定がないなど、今後のライフイベントが明確になっていない人も多いだろう。
このような場合は、医療保険や個人年金など、自分に最低限必要な保険へ加入し、生活費に余裕があれば預金として積み立てておくのがよいだろう。
必要のない保険へ加入して生活を圧迫したり、十分に貯蓄をできないようでは本末転倒である。
自分でライフプランを立てられない場合の対処法
もし、「自分でライフプランを立てられない」「どの保険商品を選ぶべきか分からない」ということであれば、FPや保険のプロに相談するのがよいだろう。
特に、複数の保険会社の商品を扱っている保険比較サービスやマッチングサイトであれば、公平な立場から、自分のライフプランに合った保険商品を選んでくれるはずだ。
ただし、相談にあたっては現在の家族構成の他に「何歳までに結婚したい」「子どもが何人欲しい」「自宅を購入したい」など最低限のライフプランを描いておいた方がよいだろう。
学資保険と終身保険は利用目的が違う!それぞれの特徴を理解して保険を選ぼう
本記事では、学資保険と終身保険の特徴と違い、それぞれのメリットや加入するべき人の特徴を解説した。
また、自分に合った保険の選び方についても説明を行った。学資保険は子どもの教育資金を貯蓄し、必要なタイミングで祝い金や満期保険金を受領できる保険である。
一方で終身保険は保険の契約者が死亡、もしくは高度障害状態になってしまった時に保険金が払われ、保障が生涯にわたって続く保険である。
どちらを利用するべきかは、保険を利用する目的によって異なり、本記事の理解だけではどちらを選ぶべきかわからないという人もいるだろう。
そんな時は、保険のプロに相談することも選択肢に入れておこう。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、どちらの保険を選ぶべきか的確に判断できるはずだ。
ただ、保険のプロは数多く存在し、自分にとって最適な担当なのかをすぐに見定めることもまた難しい。
マッチングサイトである「生命保険ナビ」を使えば、自身の条件に合った保険のプロを簡単に見つけることができる。
無料で利用できるので、是非活用してほしい。