学資保険は入らない方がいい?デメリットと代替案、向いている家庭 学資保険のポイント

学資保険のポイント
  • 学資保険は、教育資金を計画的に準備しながら、契約者に万一のことがあった場合の払込免除も期待できる保険商品です。
  • 一方で、途中解約による元本割れ、受取額が固定されることによるインフレへの弱さ、必要な時期に自由に引き出しにくい点には注意が必要です。
  • 必要かどうかは、教育費のピーク時期、毎月の貯蓄余力、親の万一時の保障、預金・NISAなど他の準備方法との役割分担で判断しましょう。

学資保険は、子どもの教育資金を準備する代表的な方法のひとつです。

ただし、すべての家庭に必要なわけではありません。すでに教育資金を計画的に貯められている家庭や、途中で資金を動かす可能性が高い家庭では、預金やNISAなどを組み合わせた方が使いやすい場合もあります。

一方で、貯蓄が苦手な家庭や、親に万一のことがあった場合でも教育資金を確保したい家庭にとっては、学資保険の仕組みが合うこともあります。

この記事では、学資保険が本当に必要かを判断するために、向いている家庭・向いていない家庭、弱点、メリット、代替手段、すでに加入している場合の見直し方まで整理します。

※本記事は2026年5月13日時点で確認できた公式情報・公的資料をもとに作成しています。保険商品、税制、NISA制度、金利、教育費は変更される可能性があるため、契約・申込前には各公式サイトや担当窓口で最新情報を確認してください。

目次

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学資保険は本当に必要?まず3つのチェックリストで判断する

学資保険が必要かどうかは、家計の貯蓄力、資金の使い道、親の万一時の保障で判断します。

「周りが入っているから」「銀行預金より増えそうだから」という理由だけで加入すると、途中で保険料が負担になったり、必要な時期にお金を動かしにくくなったりすることがあります。

まずは以下のチェックリストで、自分の家庭に合うか確認しましょう。

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確認項目学資保険が向きやすい家庭学資保険以外も検討したい家庭
貯蓄の習慣自動で引き落とされないと貯めにくい毎月の積立預金や投資を継続できている
資金の使い道大学入学時など決まった時期に使う予定がある進路変更や住宅購入などで資金を動かす可能性がある
親の万一時の保障教育資金だけでも確実に残したい収入保障保険や定期保険で別に備えている
家計余力保険料を長期で無理なく払える保険料を払うと生活防衛費や他の貯蓄が止まりそう

教育資金の貯め方がすでに決まっている家庭

すでに積立預金やNISAなどで教育資金を準備している家庭では、学資保険を追加すると管理が複雑になることがあります。

NISAは、つみたて投資枠と成長投資枠を併用でき、年間投資枠は最大360万円です。長期で教育資金を準備する手段として活用できますが、元本保証はありません。

そのため、教育費の使用時期が10年以上先なら一部を投資で準備し、大学入学が近づいてきた資金は預金や個人向け国債など値動きの小さい手段に移す、といった役割分担が現実的です。

学資保険は、投資の代わりというより「決まった時期まで強制的に貯める」「親の万一時に払込免除で教育資金を守る」ための手段として考えましょう。

毎月の保険料が家計を圧迫しそうな家庭

学資保険は、長期間保険料を払い続ける契約です。

保険料を払うことで生活防衛費が貯まらない、急な出費に対応できない、NISAや預金に回すお金がなくなる場合は、無理に加入しない方がよいでしょう。

特に、転職、第二子以降の出産、住宅購入、車の買い替えなどが近い家庭では、固定費を増やしすぎないことが大切です。

学資保険に加入する場合でも、毎月の保険料は「払える金額」ではなく「途中で止めずに続けられる金額」で決めましょう。

お金を自由に動かしたい家庭

学資保険は、銀行預金のように自由に引き出せる商品ではありません。

満期前にまとまったお金が必要になった場合は、減額、払済、契約者貸付、解約などを検討することになります。ただし、商品によって利用できる手続きは異なり、途中解約では解約返戻金が払込保険料を下回ることがあります。

進路変更、留学、引っ越し、家族の病気などで資金を動かす可能性がある家庭は、学資保険だけに頼らず、普通預金や定期預金も併用しましょう。

学資保険が見直されている理由|注意したい3つの弱点

学資保険には、途中解約の元本割れ、インフレへの弱さ、流動性の低さという注意点があります。

この3点を理解せずに加入すると、将来「思ったより使いにくい」と感じる可能性があります。

途中解約すると元本割れする可能性がある

学資保険は、満期まで契約を続けることを前提に設計されています。

途中で解約すると、解約返戻金が払い込んだ保険料の総額を下回ることがあります。特に契約初期は、元本割れしやすい傾向があります。

そのため、加入前には以下を必ず確認してください。

  • 5年目・10年目・満期前の解約返戻金
  • 払込総額と受取総額
  • 元本割れが解消される時期
  • 途中で保険金額を減額できるか
  • 払済保険に変更できるか

返戻率だけでなく、解約した場合にいくら戻るのかを確認することが大切です。

インフレで受取額の実質価値が下がる可能性がある

学資保険は、契約時に満期保険金や祝金の金額が決まる商品が一般的です。

そのため、将来の物価上昇によって教育費が増えた場合、契約時に設定した満期額だけでは足りなくなる可能性があります。

総務省統計局の2025年12月分の消費者物価指数では、総合指数は2020年を100として113.0、前年同月比は2.1%上昇でした。

仮に年2%の物価上昇が続いた場合、13年後に受け取る300万円の実質価値は、現在の約232万円相当に下がる計算になります。これはあくまで単純計算ですが、固定額で受け取る学資保険はインフレに弱いことが分かります。

インフレへの備えを意識する場合は、学資保険だけでなく、預金、NISA、個人向け国債などを組み合わせて考えましょう。

契約者貸付は「引き出し」ではなく「借り入れ」

学資保険で急にお金が必要になった場合、契約者貸付を利用できることがあります。

契約者貸付とは、解約返戻金の一定範囲内で貸付を受けられる制度です。契約を続けたまま資金を用意できる点はメリットですが、借りたお金には所定の利息がかかります。

返済しないまま満期を迎えた場合、満期保険金から貸付金と利息が差し引かれることがあります。また、元利金が解約返戻金を超えた場合、保険契約が失効する可能性もあります。

契約者貸付は「自分のお金を自由に引き出す」仕組みではなく、「保険会社から借りる」仕組みです。使う場合は返済計画まで決めておきましょう。

学資保険が合う家庭|メリットの本質は払込免除と強制貯蓄

学資保険のメリットは、高い利回りよりも「教育資金を守る仕組み」にあります。

増やす目的だけで比較すると、預金や投資と比べて物足りなく感じるかもしれません。しかし、払込免除や強制貯蓄の仕組みが合う家庭には、十分に検討価値があります。

払込免除で教育資金を守れる

学資保険の大きな特徴は、契約者である親などが死亡した場合、以後の保険料の払込みが免除される商品が多いことです。

保険料の払込みが免除されたあとも、満期保険金や祝金を受け取れる場合があります。

たとえば、親に万一のことがあっても、子どもの大学入学時の資金だけは確保したい家庭にとって、この仕組みは大きな安心材料になります。

ただし、払込免除になる条件は商品によって異なります。死亡だけでなく高度障害なども対象になるのか、対象外となるケースはあるのかを確認しましょう。

生命保険料控除は「おまけ」として考える

学資保険の保険料は、一般生命保険料控除の対象になる場合があります。

通常の新契約では、年間支払保険料等が80,000円を超えると、所得税の一般生命保険料控除額は一律40,000円です。

令和8年分・令和9年分の所得税では、23歳未満の扶養親族がいる場合、新生命保険料に係る一般生命保険料控除の適用限度額が60,000円となる特例があります。ただし、一般生命保険料控除・介護医療保険料控除・個人年金保険料控除を合わせた合計適用限度額は120,000円のままです。

生命保険料控除によって税負担を軽くできる可能性はありますが、控除だけを目的に学資保険へ加入するのはおすすめできません。

節税効果よりも、返戻率、受取時期、払込免除、途中解約時の返戻金、家計への負担を優先して判断しましょう。

強制貯蓄が合う家庭もある

学資保険は、毎月保険料を支払うことで教育資金を積み上げる仕組みです。

貯蓄が苦手で、口座にお金があると使ってしまう家庭にとっては、この強制力がメリットになります。

ただし、強制貯蓄の仕組みは学資保険だけではありません。銀行の自動積立定期預金や、NISAの積立設定でも似た仕組みを作れます。

「引き出しにくいから貯められる」点を重視するなら学資保険、「途中で資金を動かせる柔軟性」を重視するなら預金やNISAを検討しましょう。

教育費ピークの診断プロセス|必要額と貯蓄余力を数字で見る

学資保険の必要性は、教育費のピーク時期と毎月の貯蓄余力を確認すると判断しやすくなります。

以下の3ステップで、家計に合う準備方法を整理しましょう。

  1. 教育費の総額とピーク時期を確認する
  2. 毎月の固定費と貯蓄余力を確認する
  3. 親の万一時の保障を別に計算する

教育費の総額とピークを把握する

教育費は、入学や進学のタイミングで増えやすいです。

文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査(訂正版)」によると、学校種別の年間学習費総額は以下の通りです。

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学校種別公立私立
幼稚園184,646円347,338円
小学校366,599円1,741,516円
中学校542,450円1,560,359円
高等学校(全日制)596,954円1,179,261円
※学校教育費・学校給食費・学校外活動費を含む令和5年度の年間学習費総額。

公立中心か、私立も検討するかで必要額は大きく変わります。

特に小学校は、公立366,599円、私立1,741,516円と差が大きいため、中学受験や私立進学を検討する家庭では早めの資金計画が必要です。

大学入学時の費用も確認しておきましょう。文部科学省によると、令和7年度の私立大学(学部)の初年度学生納付金等平均は1,507,647円です。

一方、国立大学の標準額は、授業料535,800円、入学料282,000円で、初年度の合計は817,800円が目安になります。

まずは「大学入学時にいくら必要か」を決め、その不足分を何年で準備するかを逆算しましょう。

家計の固定費と貯蓄余力を点検する

教育費の必要額が見えたら、次に毎月の貯蓄余力を確認します。

手取り収入から、家賃・住宅ローン、食費、光熱費、通信費、保険料、車関連費などの固定費を差し引き、毎月どのくらい教育資金に回せるかを確認しましょう。

学資保険は長期の固定費です。契約時点では払えると思っても、第二子以降の出産、住宅購入、転職、親の介護などで家計が変わることがあります。

保険料を払うことで、生活防衛費や他の貯蓄が止まるなら、無理に学資保険を選ばず、積立額を調整しやすい預金やNISAを検討しましょう。

親の万一リスクは生命保険で分けて考える

学資保険の払込免除は、教育資金を守る仕組みとして役立ちます。

しかし、親に万一のことがあった場合に必要なのは教育費だけではありません。残された家族の生活費、住居費、医療費、老後資金なども必要です。

そのため、親の万一リスクは、学資保険だけでなく、収入保障保険や定期生命保険などで別に計算するのが基本です。

教育資金は学資保険や預金、家族の生活保障は生命保険、というように役割を分けると、過不足を調整しやすくなります。

学資保険なしで教育資金を準備する方法|預金・NISA・国債・保険を分ける

学資保険が向かない家庭でも、教育資金を準備する方法はあります。

大切なのは、貯蓄、投資、保障を同じ商品にまとめようとしないことです。

ソニー生命「子どもの教育資金に関する調査2026」では、高校生以下の子どもの親が大学等への進学のために行っている準備方法として、銀行預金が53.3%、学資保険が38.5%、資産運用が25.3%でした。

学資保険だけでなく、複数の方法を組み合わせる家庭が多いことが分かります。

教育資金準備の役割分担

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手段主な役割向いている資金注意点
普通預金・定期預金安全に確保する5年以内に使う教育費、入学金、生活防衛費一般預金等は1金融機関ごとに元本1,000万円までと利息等が保護対象
NISA長期で増やす可能性を狙う10年以上先に使う余裕資金元本保証なし。使う時期が近づいたら安全資産へ移す検討が必要
個人向け国債中期の安全資産として使う5〜10年程度先に使う資金原則発行から1年経過後に中途換金可能。中途換金調整額に注意
収入保障保険・定期保険親の万一時の生活費を守る遺族の生活費、教育費不足分教育資金を貯める商品ではなく保障目的で使う
学資保険教育資金を強制的に貯める大学入学時など使う時期が明確な資金途中解約時の元本割れ、流動性の低さに注意

預金で元本を確保し、NISAは長期資金に使う

教育費のピークまで5年以内の場合は、元本割れリスクを避けることを優先しましょう。

普通預金や定期預金は、投資のような大きなリターンは期待しにくいものの、必要な時期に使いやすい点がメリットです。

一方、教育費のピークまで10年以上ある場合は、NISAを使って一部を運用する選択肢もあります。

ただし、NISAは元本保証ではありません。大学入学直前に相場が下落すると、必要な金額を確保しにくくなる可能性があります。

教育費をNISAで準備する場合は、使う時期が近づいたら投資信託などのリスク資産を売却し、預金などに移すタイミングも考えておきましょう。

なお、令和9年1月1日からは、NISAのつみたて投資枠の対象年齢の下限が撤廃される予定です。制度開始後に子ども名義で利用を検討する場合も、払出制限や非課税枠などの条件を確認しましょう。

個人向け国債や定期預金を中期資金に使う

教育費の使用時期が5〜10年程度先なら、個人向け国債や定期預金も選択肢になります。

個人向け国債は、原則として発行から1年経過後に中途換金できます。ただし、中途換金時には中途換金調整額が差し引かれます。

複数の満期に分けて定期預金を組む方法もあります。たとえば、3年後に使う資金、5年後に使う資金、10年後に使う資金を分けておけば、必要な時期に合わせて取り崩しやすくなります。

保障は収入保障保険などで別建てにする

親に万一のことがあった場合の備えは、教育資金だけに限定せず、家族全体の生活費として考えましょう。

収入保障保険は、契約者が亡くなった場合に、遺族が毎月一定額を受け取るタイプの保険です。

教育費だけでなく、住居費や生活費も含めて保障額を設計しやすいため、学資保険の払込免除だけでは不安な家庭では検討価値があります。

教育資金は預金やNISAで準備し、親の万一時の生活費は収入保障保険で備える、というように分けると、目的ごとに必要額を調整しやすくなります。

学資保険を選ぶなら確認すべき指標|返戻率だけで決めない

学資保険を選ぶ場合は、返戻率、受取時期、祝金、払込免除、解約返戻金をセットで確認しましょう。

返戻率だけを見て選ぶと、必要な時期にお金を受け取れなかったり、途中解約時の元本割れリスクを見落としたりする可能性があります。

返戻率と受取時期を同条件で比較する

返戻率とは、払い込む保険料総額に対して、受け取る祝金や満期保険金の総額がどのくらいになるかを示す割合です。

ただし、返戻率は、契約者の年齢、子どもの年齢、払込期間、受取時期、祝金の有無によって変わります。

複数の商品を比較する場合は、以下の条件を揃えましょう。

  • 契約者と子どもの年齢
  • 満期時期
  • 払込期間
  • 受取方法(一括・分割)
  • 祝金の有無
  • 払込免除の条件

同じ返戻率でも、大学入学前に受け取れる商品と、大学入学後に受け取る商品では使い勝手が違います。

教育費に使う時期と受取時期が合っているかを必ず確認しましょう。

祝金あり・なしで使い勝手が変わる

学資保険には、小学校・中学校・高校・大学などの入学時に祝金を受け取れるタイプがあります。

祝金ありのタイプは、進学時の制服代、教材費、入学金などに使いやすい点がメリットです。

一方で、祝金なしで大学入学時や満期時に一括で受け取るタイプは、返戻率が高めに設定されることがあります。

途中の進学費用を家計や預金でまかなえるなら、祝金なしを選ぶ方法もあります。中学・高校進学時にもまとまった支出が不安なら、祝金ありを検討しましょう。

外貨建て・変額型はリスクを理解してから選ぶ

学資保険の中には、外貨建てや変額型の商品もあります。

外貨建ては為替変動の影響を受けます。契約時の返戻率が高く見えても、受取時に円高になっていれば、日本円での受取額が想定より少なくなる可能性があります。

変額型は、運用実績によって受取額が変わります。市場環境によっては、元本割れする可能性があります。

教育資金は使う時期が決まっているお金です。外貨建てや変額型を使う場合でも、教育費の全額をリスク商品に寄せるのではなく、預金や円建ての安全資産と組み合わせましょう。

すでに学資保険に加入している場合|解約前に確認すべき選択肢

すでに学資保険に加入している場合、いきなり解約するのではなく、減額・払済・契約者貸付も確認しましょう。

解約は最終手段です。途中解約で元本割れする可能性があるため、保険会社に現在の解約返戻金や変更可能な手続きを確認してから判断しましょう。

解約前の確認順序

  1. 減額:保険金額を下げて、毎月の保険料を軽くする
  2. 払済:以後の保険料を払わず、保障を小さくして契約を続ける
  3. 契約者貸付:解約返戻金の一定範囲内で貸付を受ける
  4. 解約:やむを得ない場合に、解約返戻金を受け取る

商品によっては、減額や払済、契約者貸付を利用できない場合もあります。手続き前に保険会社へ確認しましょう。

解約の前に減額・払済を確認する

毎月の保険料が負担になっている場合、全額解約ではなく、保険金額を下げる「減額」を検討できます。

減額すれば、将来受け取る金額は減りますが、契約を残したまま毎月の負担を下げられる場合があります。

また、「払済」に変更できる商品もあります。払済にすると、以後の保険料払込みを停止し、その時点の解約返戻金をもとに保障を小さくして契約を継続します。

減額や払済は、解約より損失を抑えられる場合があります。ただし、受取額や保障内容は変わるため、変更後の満期保険金・祝金・払込免除の扱いを確認しましょう。

契約者貸付は利息と返済計画が鍵になる

一時的に教育費が必要になった場合、契約者貸付を使えることがあります。

契約者貸付は、解約返戻金の一定範囲内でお金を借りる仕組みです。契約を解約せずに資金を用意できますが、貸付金には所定の利息がつきます。

返済しないまま放置すると、利息が元金に繰り入れられて元利金が増える場合があります。未返済のまま満期を迎えた場合、満期保険金から貸付金と利息が差し引かれることがあります。

契約者貸付を利用する場合は、いつまでに、いくら返済するのかを決めてから使いましょう。

満期金・解約返戻金の税金と名義設定を確認する

学資保険の満期保険金や解約返戻金を受け取るときは、税金にも注意が必要です。

保険料を負担した人と受取人が同じ場合、満期保険金等を一時金で受け取ると一時所得の対象になります。

一時所得は、受け取った保険金の総額から、払い込んだ保険料等と特別控除額50万円を差し引き、その金額の2分の1が課税対象となります。

一方、保険料を負担した人と受取人が異なる場合は、贈与税の対象になります。たとえば、親が保険料を負担し、子どもが受取人になるケースでは、贈与税の確認が必要です。

名義設定や税金の扱いは家庭ごとに変わるため、契約前・受取前には税務署や税理士に確認しましょう。

学資保険が本当に必要かは、家計と教育費の使い道で決める

学資保険は、すべての家庭に必要な商品ではありません。

途中解約の元本割れ、インフレへの弱さ、流動性の低さという弱点がある一方で、払込免除による保障機能や、教育資金を強制的に貯められる仕組みにはメリットがあります。

判断する際は、以下の3点を確認しましょう。

  1. 教育費のピーク時期と必要額はいつ・いくらか
  2. 毎月の保険料を長期で無理なく払えるか
  3. 親の万一時の保障を学資保険で持つ必要があるか

学資保険を選ばない場合でも、預金、NISA、個人向け国債、収入保障保険などを組み合わせれば、教育資金を準備できます。

すでに加入している場合も、安易に解約せず、減額や払済などの選択肢を確認してから判断しましょう。

今すぐ実行できる3つのアクション

学資保険が必要か迷っている場合は、まず次の3つを数字で確認しましょう。

  1. 子どもの進路を仮定し、幼稚園から大学までの教育費ピークを表にする
  2. 手取り月収と固定費を確認し、毎月の教育資金積立に回せる金額を計算する
  3. 親に万一のことがあった場合の生活費・教育費を分けて必要保障額を確認する

この3点を把握すると、学資保険に入るべきか、預金やNISAで準備するべきか、別の生命保険で保障を持つべきかが判断しやすくなります。

よくある質問

学資保険に入らないと教育費は足りなくなりますか?

学資保険に入らなくても、計画的な貯蓄やNISA、個人向け国債などを使って教育費を準備することは可能です。

ソニー生命「子どもの教育資金に関する調査2026」では、高校生以下の子どもの親が大学等への進学のために行っている準備方法として、銀行預金が53.3%、学資保険が38.5%、資産運用が25.3%でした。

学資保険は選択肢のひとつであり、必須ではありません。毎月いくら貯められるか、いつ使うか、親の万一時にどう備えるかを確認して決めましょう。

学資保険の代わりにNISAだけで大丈夫ですか?

NISAは教育資金準備の有力な選択肢ですが、NISAだけに頼るのは慎重に考える必要があります。

NISAは運用益が非課税になるメリットがありますが、投資信託や株式には価格変動があり、元本保証はありません。

教育費の使用時期が10年以上先なら一部をNISAで準備し、入学金など近い時期に使う資金は預金で確保するなど、安全資産とリスク資産を分けるとよいでしょう。

学資保険はいつまでに入るのがいいですか?

学資保険は、子どもの年齢が低いほど満期までの期間が長くなるため、早めに検討する方が設計しやすいです。

ただし、早く入ることだけが正解ではありません。毎月の保険料を無理なく払えるか、途中解約せずに続けられるか、受取時期が教育費のピークに合っているかを確認してから加入しましょう。

すでに加入している学資保険は解約すべきですか?

すぐに解約するのではなく、まず現在の解約返戻金、満期保険金、払込残期間、減額や払済の可否を確認しましょう。

途中解約すると元本割れする可能性があります。保険料が負担なら、全解約ではなく減額や払済で負担を軽くできる場合もあります。

解約する場合は、戻ってくる金額と今後の教育資金準備方法をセットで試算してから判断しましょう。

学資保険の返戻率はどのくらいが目安ですか?

返戻率だけで良し悪しを判断するのはおすすめできません。

返戻率は、契約者や子どもの年齢、払込期間、受取時期、祝金の有無によって変わります。同じ返戻率でも、必要な時期に受け取れなければ使いにくい商品になります。

返戻率、受取時期、解約返戻金、払込免除、保険料負担を同じ条件で比較しましょう。

学資保険と終身保険、教育資金にはどちらがいいですか?

教育資金だけを目的にするなら、受取時期が明確な学資保険の方が分かりやすい場合があります。

一方、終身保険は死亡保障を持ちながら解約返戻金を活用する商品ですが、教育費の使用時期に解約返戻金が十分か、元本割れしないかを確認する必要があります。

教育資金、親の死亡保障、老後資金は目的が異なります。1つの商品にまとめるのではなく、必要な保障と貯蓄を分けて考えましょう。

出典

文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査 調査結果の概要(訂正版)」(公開日:2026年1月16日)
文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
文部科学省「国立大学と私立大学の授業料等の推移」
総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年12月分及び2025年平均」(公開日:2026年1月23日)
ソニー生命保険株式会社「子どもの教育資金に関する調査2026」(公開日:2026年3月24日)
金融庁「NISAを知る:NISA特設ウェブサイト」
国税庁「源泉所得税の改正のあらまし」(公開日:2026年4月1日)
国税庁「No.1140 生命保険料控除」(更新日:2025年4月1日)
国税庁「No.1755 生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき」(更新日:2025年4月1日)
生命保険文化センター「教育資金準備のための生命保険を知りたい」
生命保険文化センター「配当金の引出し・契約者貸付」
金融庁「預金保険制度」
財務省「個人向け国債の中途換金についてのよくある質問」
財務省「個人向け国債 変動10年 商品概要」

執筆者

生命保険ナビ編集部は、「保障を無駄なく、安心を最大化する保険選び」を目的として、保険相談のおすすめ先保険相談のキャンペーンを紹介。読者がライフステージに応じて最適な保険設計ができるよう、公平かつ分かりやすい情報発信を心がけている。運営元のアドバイザーナビ株式会社は、IFAや保険代理店のアドバイザーと生活者をつなぐマッチングサービス「生命保険ナビ」を展開中。