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学資保険に医療特約は必要?学資保険を利用する目的から考えてみよう

この記事で解決できるお悩み
  • 学資保険の特徴を正しく理解したい
  • 学資保険に医療特約をつける必要があるのか知りたい
  • 自分に適切な学資保険を選ぶためのポイントを知りたい

学資保険は、一定期間にわたり保険料を払い込み、時期が来た際に子どもの教育資金を保険金や祝い金として受け取ることができる、貯蓄型の保険である。

学資保険には様々な特約が付加できるが、中でも医療特約とは入院や手術の保険金を保障するものである。

ただ、貯蓄型の学資保険に保障を追加するのは果たして有効なのか、と疑問に感じている人もいるだろう。

結論から書くと、医療特約は学資保険には必要ないものと言える。

そこで本記事では、学資保険の特徴を踏まえ、学資保険に医療特約が必要ない理由を詳しく解説する。

また、自分に合った学資保険を選ぶポイントについても説明する。

学資保険に特約をつけるか悩んでいるという人には、ぜひ参考にしてほしい。

目次

学資保険の医療特約について理解する前に!学資保険の特徴

学資保険の特徴 生命保険ナビ

学資保険が子どもの教育費を貯めるための保険であることは、何となく想像がつくだろう。

ただ、具体的な特徴や利用するメリットについてよく分からないという人は多いのではないだろうか。

そこで本章では、学資保険がどんな保険なのかについて解説を行う。

また、学資保険で貯蓄すべき目安の教育費用も解説する。

学資保険とはどのような保険なのか

まずは、以下の表で学資保険の特徴について理解しておこう。

貯蓄型保険である

保険には掛け捨て型と貯蓄型の2種類の保険がある。

前者は保険が満期を迎えても保険料が戻ってこないもので、後者は保険が満期を迎えた時に支払った保険料がまとめて戻ってくる。

死亡保険や医療保険にはどちらの型もあるが、学資保険は貯蓄型のみとなる。

保険料払込免除制度がある

学資保険の契約者に万が一の事態があって保険料が支払えなくなった場合は、その時点から満期まで保険料の支払いが免除される。

この制度は全ての学資保険についており、途中で保険を解約しない限りは確実に満期保険金を受給できるようになっている。

保険金の受け取り方が3種類ある

  • 子どもが一定の年齢に達したら満期保険金を一括で受け取る
  • 子どもが一定の年齢になってから年金形式で分割して受け取る
  • 中学や高校卒業など特定のタイミングで祝い金として受け取る

上記のような形で、受け取り方を選べる場合が多い。

学資保険の特徴をまとめると、満期まで加入していれば確実に教育資金を受け取ることができる、ということになるだろう。

学資保険のメリット・デメリット

学資保険のメリットとしては、返戻率次第で保険金を大きく増やせること、および保険金の受け取りタイミングを調整できること、の2点が挙げられる。

学資保険の保険金は、支払った保険料がそのまま戻ってくるわけではない。

保険金の額は商品ごとに設定された返戻率によって決まる。

返戻率とは、「受け取れる保険金÷支払った保険料の総額×100%」で表される比率のことを指す。

この数値が高くなれば受け取れる給付金の額も上がるため、出来る限り高い返戻率の学資保険を探すべきだと言える。

また、前述したように学資保険の保険金の受け取り方法は数種類に分かれる。

例えば、大学の入学費用を用意したい場合は、高校卒業時に保険金を受け取る。

また、日々の塾代や教育用品の購入費に充てたいのであれば年金形式で毎年受け取れるようにすると良い。

資金使途が明確であれば、それぞれの家庭が必要な時期に合わせて受け取ることができるのだ。

このように、家庭状況に合わせて保険金の受け取りタイミングを調整できるのは、学資保険を使う大きなメリットと言える。

ただ、学資保険にはデメリットもある。

途中解約すると元本割れの可能性が高い点、そしてインフレに対応できない点には気をつけておく必要がある。

学資保険をはじめとする貯蓄型保険には、解約返戻金というものがある。

これは、保険の満期を待たずに解約した際に支払われる保険金のことである。

解約返戻金の金額は解約返戻率という会社ごとに定める比率で決まるのだが、この比率が原則100%を超えることはない。

つまり、もらえる保険金が支払った保険料を下回る可能性が非常に高いのだ。

途中解約をして元本を毀損することのないよう、保険料が高額になりすぎていないかを事前に確認する必要がある。

また、学資保険の保険料は契約した際の利率によって決まるため、途中で変動することはない。

そのため、インフレによって物価が上昇した場合、相対的に積み立てている保険金の価値が下がってしまう。

インフレが起きた場合は損することを頭に入れておく必要がある。

学資保険で貯蓄すべき教育費はどれくらいなのか

ここまでの説明で、学資保険の特徴について理解できたと思う。

では、学資保険を利用して貯蓄すべき教育費は、実際どれくらいの金額になるのだろうか。

文部科学省の調査によると、子どもを高校まで全て公立で通わせた場合の平均費用は156万9,462円となる。

また、私立大学に4年間通わせた場合の授業料・施設設備費と、入学金の平均額である24万5,951円を合わせた平均費用は、469万467円であった。

合計すると625万9,929円となる。

上記結果から、一般的な私立大学まで通わせたいと考える場合は600万円以上の教育費を用意する必要があると言える。

ただ、必要な教育費を全て学資保険で賄おうとすると保険料が高額となり、現実的ではない。

学資保険は保険金を受け取るタイミングを調整できるため、あくまでも一部を賄うものと考えておくといいだろう。

例えば高校までの費用+大学の入学金であれば、156万9,462円+24万5,951円=181万5,413円を用意すればいい。

保険金が200万円程度ならば、保険料もそこまで高額にならなくて済む。

以上のことから、保険金の額は200万円を一つの目安にすると良いだろう。学資保険を選ぶ際の参考としてほしい。

学資保険に医療特約が必要ない理由

学資保険に医療特約が必要ない理由 生命保険ナビ

学資保険には、他の生命保険と同様に特約を付けることができる。

中でも医療特約は入院時の保険金を支給してくれるものだ。ただ、教育費を貯めるのが主な目的の学資保険にはいらないのではないか、と思う人も多いだろう。

結論から書けば、学資保険に医療特約はつけるべきではない。

本章ではなぜつけるべきではないのか、その理由について解説を行う。

学資保険に付加できる特約とは

特約とは、保険に付加することで保障内容を拡張できる制度のことを指す。

では、学資保険の特約にはどんな種類があるのだろうか。主な特約は以下の表の通りだ。

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特約の名称特徴
医療特約子どもが入院や手術をした場合に、保険金を受け取ることができる。
育英年金特約契約者である親に万が一のことが起きた場合、子どもが育英年金を決められた期間受け取れるようになる。
代理請求特約契約者である親から保険金の請求ができない場合、代理人が手続きを行うことが出来るようになる。
災害特約事故で被害を受けた場合、保険金を受け取ることが出来る。

ポイントは、特約の対象が子どもの場合と親の場合の2パターンあることだ。

付加する場合は、どちらが対象になっているかを確認する必要があるだろう。

ただ、これらの特約の必要性は基本的に薄いと言える。

一体なぜそう言えるのか、2つの理由について解説しよう。

あわせて読みたい

学資保険に医療特約が不要な理由①保障内容が不十分なことが多い

医療特約が不要とされる一つ目の理由は、保障内容が不十分なケースが多いことが挙げられる。

医療保険と比較すると、どうしても足りていない部分が目立ってしまうのだ。

例えばかんぽ生命の学資保険『はじめのかんぽ 「大学入学時」の学資金準備コース』には医療特約を付けることができる。

公式サイトで紹介している無配当総合医療特約の場合、入院した際に一時金として4万円・日額2,000円の保険金を受け取ることが可能だ。

ただ、これは一般的な医療保険と比較して心許ない金額と言える。

チューリッヒ生命の終身医療保険「プレミアムZ」であれば、日帰り入院で10万円の一時金がもらえ、保険金の日額は5,000円が最低額となる。

このように、学資保険の医療特約では保障金額が不足する場合が多い。

医療保障を備えたい場合は、基本的に医療保険に加入すべきだろう。

学資保険に医療特約が不要な理由②返戻率が下がる

医療特約を付けると返戻率は下がってしまうため、特約は付けない方がいいと言える。

医療特約を付加すれば、その分支払う保険料は増える。ただ、上乗せされた保険料は特約を付けるために支払うものであり、貯蓄されることはない。

そのため、受け取れる保険金は変わらないにもかかわらず支払った保険料の総額だけが増えてしまい、返戻率が下がってしまうのだ。

前述したように、返戻率は「受け取れる保険金÷支払った保険料の総額×100%」で表される。

余計な保険料を支払っていれば、その分返戻率が下がり、元本割れしてしまう恐れもある。

以上二点の理由により、学資保険に特約を付ける必要は基本的にないと言えるのだ。

しかし、何より重要なことは、それぞれのニーズに合わせた最適な学資保険を選ぶことだ。

では、そのためにはどうしたら良いのだろうか。

次章で解説するので、参考にしてほしい。

基本的に学資保険に医療特約は不要!家族に合う学資保険を選ぶポイントとは

家族に合う学資保険を選ぶには 生命保険ナビ

家族に合った学資保険を選ぶには、以下の3点に注目してほしい。

  • 払込期間を考える
  • 子どもが生まれたらすぐに加入を検討する
  • 複数の保険会社を比較する

それぞれのポイントについて解説していく。

学資保険の保険料払込期間を考える 

まずは、学資保険の保険料払込期間を考えておくと良い。払込期間を短くすると返戻率を高めることができる。

ただ、一度に払う保険料の金額は高額になるため、自分の経済状況に合わせて選ぶべきだと言える。

ソニー生命の学資保険は、払込期間を最短10歳・最長22歳までにすることができる。

30歳男性と0歳の子どもを対象に、保険金200万円・22歳満期・払込期間10歳までにすると、月額保険料は15,700円だ。

この時の払込保険料の総額は188万4,000円になり、返戻率は106.7%となる。

一方、同じ条件で、払込期間だけ22歳に変更した場合の月額保険料は7,350円になる。

この場合の払込保険料総額は194万400円で、返戻率は103%と前者と比べて低い水準となる。

1度に支払う保険料を抑えるか、返戻率を高めたいかで、払込期間を調整する必要がある。

どちらを優先するか事前に考えておくといいだろう。

子どもが生まれたらすぐに学資保険の加入を検討する

学資保険を選ぶには、子どもが生まれたらすぐに検討し始めた方がいい。

なぜなら、子どもが大きくなるほどに加入条件が悪くなってしまうからである。

例えば、ソニー生命の学資保険に保険金200万円・18歳満期・払込期間18歳で加入する時の条件を比較してみよう。

30歳男性と0歳の子どもが入る場合、月額保険料8,980円・払込保険料総額193万9,680円・返戻率103.1%となる。

一方、31歳男性と1歳の子どもが入る場合は、月額保険料17,436円・払込保険料総額188万3,088円・返戻率106.2%だ。

返戻率こそ高くはなっているが、保険料は2倍近くに上昇している。

この金額だと、加入自体を躊躇する人も出てくるだろう。

また、子どもの年齢が上がればそもそも加入できない学資保険も出てくる。

学資保険は、基本的に6歳までの未就学児を対象にしていることが多い。また、返戻率が高ければさらに対象年齢が引き下げられている場合もある。

早めに学資保険への加入を検討することで、選択肢を広げることができる。

出来る限り早い段階から探し始めることを推奨する。

複数の保険会社を比較する

学資保険は多くの保険会社から提供されていて、返戻率や加入条件、保険金の支払い方法などがそれぞれ異なる。

そのため、保険金を何のために使うのかを考え、複数の会社を比較・検討することで家族にあった学資保険を見つけ出す必要がある。

学資保険は教育資金を貯蓄する目的で加入するものだが、保険金の使途は限定されていない。

そのため、子どもの医療費や生活費に利用しても問題ない。

貯めた費用を何に使うのか、事前に考えておくことで入るべき学資保険が分かりやすくなる。

また、学資保険を比較することでより保険料が低いものを見つけ出せる可能性もある。

学資保険を選ぶ際は、必ず2社以上確認することを忘れないようにしよう。

学資保険に医療特約は不要!学資保険を正しく活用しよう

まとめ 生命保険ナビ

本記事では、学資保険の特徴を踏まえ、学資保険に医療特約が必要ない理由について詳しく解説した。

また、自分に合った学資保険を選ぶポイントについても説明を行った。

学資保険は貯蓄を目的とした保険であり、保障内容を充実させる特約を付加する必要性は薄い。

医療保障が必要な場合は、医療保険を利用するようにしよう。

また、自分に適切な学資保険を選ぶには加入するタイミングや適切な払込期間の設定など考慮すべき点が多い。

そのため、自分一人では選ぶのが不安だという人は、保険のプロに相談することも選択肢に入れておこう。

一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、あなたに合った学資保険を選ぶことができるはずだ。

ただ、保険のプロは数多く存在し、自分にとって最適な担当なのかをすぐに見定めることもまた難しい。

そんな時はマッチングサイト「生命保険ナビ」を使えば、自身の条件に合った保険のプロを簡単に見つけることができる。

無料で利用できるので、ぜひ活用してほしい。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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