- がん保険の加入率を把握して加入を検討したい
- がん保険に加入する必要性を理解したい
- 自身に最適ながん保険選び方の知識が欲しい
がん保険の加入率が年々上昇傾向にあることをご存知だろうか。
20年前と比べると2倍近く伸びており、それだけがん保険のニーズが高まっていると言える。
しかしながら、「はたして自分には必要なのか?」と迷う方も少なくないだろう。
そこで本記事では、属性別の加入率について解説し、がん保険の必要性や、いつから検討するべきなのか、について検証していく。
現在がん保険への加入を検討しているという方には、ぜひ参考にしてほしい。
がん保険の加入率はどのくらい?
がんの治療費や、働けなくなった場合に減少する収入を補てんするために、がん保険は存在している。
年齢や性別に応じて、がん保険を加入している人の割合について解説する。
また、どのような人ががん保険に加入しているのか、特徴もあわせて確認する。
がん保険の加入率
公益財団法人生命保険文化センターが調査した「2022年度 生活保障に関する調査」によると、がん保険の加入率は39.1%だった。
民間保険会社のみで加入している割合でみると35.2%で、少なくとも3人に1人はがん保険を契約しているといえるだろう。
過去の調査結果を3年ごとにふりかえって時系列でみると、加入率は増加傾向となっている。
調査年 | 全生保 (すべての保険会社におけるがん保険の加入率) |
---|---|
2001年 | 21.2% |
2004年 | 25.3% |
2007年 | 31.2% |
2010年 | 33.1% |
2013年 | 37.3% |
2016年 | 37.8% |
2019年 | 42.6% |
2022年 | 41.9% |
2001年からの加入率から20.7ポイント増加しているので、時系列を見ていくとがん保険の需要は高まっているといえるだろう。
属性別にみたがん保険の加入率
男性と女性に分けてがん保険の加入率を見ると、全生保では男性より女性の加入率が高い結果となった。
民間保険では、男女に差は見られない。
- 男性:全生保38.0% 民間保険35.3%
- 女性:全生保40.0% 民間保険35.1%
年代別にみると、全生保では男女とも40歳代の加入率が最も高い結果となった。
男性年代 | 全生保 (すべての保険会社におけるがん保険の加入率) |
---|---|
20代男性 | 14.0% |
30代男性 | 42.9% |
40代男性 | 46.4% |
50代男性 | 45.5% |
60代男性 | 45.0% |
70代男性 | 30.0% |
男性の結果を見ると、30代から60代までの加入率が40%を超えている。
背景にあるのは、がんに罹患するリスクの高さや、結婚や出産といった世帯状況が変わったことで、必要な保障として準備する必要が生じていると考えられている。
女性の年代別に見た結果は、以下の通りである。
女性年代 | 全生保 (すべての保険会社におけるがん保険の加入率) |
---|---|
20代女性 | 21.9% |
30代女性 | 46.4% |
40代女性 | 50.6% |
50代女性 | 49.2% |
60代女性 | 38.2% |
70代女性 | 27.3% |
女性の加入率は、30代から50代まで加入率が40%を超えており、40代の加入率は50%を超えている。
20代の加入率を比較すると、男性に比べて女性の加入率は7.9ポイント高い。
反対に、60代以降の加入率は男性に比べて女性の加入率を下回っている。
20代における女性の加入率が男性よりも高い要因としては、女性のがん罹患率が高い点が関係している。
がん保険に加入している人の属性
がん保険に加入する人の特徴としては、以下の特徴が挙げられる。
- がんの治療費を継続的に確保できない人
- がんに罹患して収入が下がった場合の補てんが必要な人
- 男性の場合がんの罹患リスクが高くなる30代以上の人
- 女性の場合がんの罹患リスクが高くなる20代以上の人
年齢や性別だけでなく、世帯や資産状況によっても加入しているかどうかが変わる。
そのため、加入している属性や資産状況に関わらず保険の専門家に相談すると良いだろう。
加入率から見たがん保険の必要性
がん保険は、唯一病名が保険となっている商品であることからも分かる通り、治療費も高額で罹患リスクも高い実態がある。
そのため、漠然とでもがん保険の必要性を感じる人は一定数いるだろう。
本章では、がん保険がなぜ必要なのか、実際のデータを確認しながら解説する。
がんにかかるリスク(発症率)や治療費
国立がん研究センターの発表によると、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は、以下の通りである。
- 男性:65.5%
- 女性:51.2%
男女とも、2人に1人はがんに罹患する結果となっている。また、がんを原因として死亡する割合は以下の通りである。
- 男性:26.2%
- 女性:17.7%
男性で4人に1人、女性で6人に1人はがんで死亡する人がいる結果となった。
また、男性と女性で罹患する件数が最も多いがんの種類は、以下の通りである。
- 総数:大腸
- 男性:前立腺
- 女性:乳房
罹患件数が多いがんは、大腸、肺、胃、乳房、前立腺と続く。
男性は、前立腺、大腸、胃、肺、肝臓となっている。女性は、乳房、大腸、肺、胃、子宮の順で罹患数が多い。
男性と女性で、罹患しているがんの部位が異なっている点が特徴的である。
また、がんに罹患するとかかる治療費には、以下の項目がある。
- 検査費用
- 診察費用
- 手術費用
- 抗がん剤治療などの薬代
- 通院のための交通費
- 診断書作成料
- 入院時の日用品や消耗品
- 入院時の個室代、食事代
メットライフ生命の調査によれば、初めてがんを患った場合に必要な医療費は、平均で43万円となっている。
また、医療費以外では平均22万円の出費を要しており、合計で約66万円が初期費用としてかかっている結果となった。
また、がんのステージが進行しているほど治療にかかる費用は多く、ステージ0では平均37万円だったのに対して、ステージIVでは平均108万円となった。
その差は約2.9倍となっている。
がん保険の保障内容
保険会社によって細かく異なるが、がん保険の基本的な保障内容は、がんの治療をした場合に給付金が受け取れるというものだ。
たとえば、入院給付金や手術給付金、放射線治療給付金などである。
がん入院給付金は、入院日数の制限はなく無制限で保障されるケースが一般的である。
また、がん診断給付金は、がんと診断確定された場合にまとまった一時金を受け取れる保障だが、保険会社によって保障内容が異なる。
さらに、技術料が全額自己負担となる先進医療についても放射線治療給付金で保障が受けることができる。
なお、がん保険の基礎知識についてはこちらの記事でも解説しているので、気になる方はぜひ参考にしてほしい。
がん保険に加入するメリットやデメリット
がん保険の商品は保険会社によって特徴が異なるが、メリットになるケースやデメリットになるケースは世帯や資産の要件によって異なる。
一般的に考えられるがん保険に加入するメリットは、以下の通りである。
- がんの治療費や収入補てんがカバーできる
- 医療保険だと不足する保障部分をカバーできる
- 自己負担が必要な先進医療にも対応できる
がん保険は、その名の通りがんに対する保障が受けられる保険である。
がんによる治療にかかる費用や働けなくなった場合の収入を補てんできる保障が充実している。
そのため、がんで治療が必要な場合の費用や、収入が減った場合の経済的な補てんで困ることはないだろう。
また、医療保険ではカバーできない面を補える点もメリットである。医療保険は入院や手術を受けると、どのような病気でも保障が受けられる。
ただし、裏を返せば入院や手術を受けない限りは保険からお金が受け取れない。
一方、がん保険は診断給付金にあるように、がんと診断確定された場合に給付金が受け取れる。
そのため、医療保険でカバーしきれない部分を保障できる点がメリットといえるだろう。
最後に、全額自己負担が必要となる先進医療を受けた場合も、先進医療特約を付加していれば全額保障が受けられる。
より高額になりやすい治療費に対して保障が受けられるので、手元の資産や預貯金を目減りさせなくて済む。
では、がん保険のデメリットについて解説しよう。
がん保険に加入するデメリットは、以下の通りである。
- がんの保障しか受けられない
- 他の保険に加入する場合に保険料がかさむ
- 他の保険より保障が受けられるタイミングが遅い
がん保険は、名前の通りがんに対する保険なので、がん以外の病気には保障が受けられない。
そのため、病気や死亡に対する保障が欲しい場合は、別で医療保険や生命保険に加入する必要がある。
そうなると、保険に加入する商品が増えるため、結果的に保険料がかさんでしまう。
また、他の保険と比べて、免責期間がある分、保障がスタートするタイミングが遅い。
そのため、すでに加入している保険を解約して新たにがん保険を契約する場合、保障の空白期間を生まないようにするには、免責期間が過ぎるまで保険を残しておく必要がある。
そうなると、保険料の重複が発生して、保険料がかさんでしまう点もデメリットになるだろう。
加入率から見てがん保険はいつから加入するべき?
本章では、自分に適したがん保険を検討するポイントについて解説する。
若いうちに加入するメリットや注意点
若い時期からがん保険に加入するメリットとしては、以下の3点である。
- 保険料が安い
- 告知面で加入を断られにくい
- さまざまな保障を特約で付加できる
最大のメリットといえるのは、保険料が安い点である。
保険料は、契約する被保険者の年齢に応じたリスクの度合いによって決まる。
がんに罹患するリスクが高くなると、保険料が高くなるが、罹患率の低い年齢だと保険料を安く準備できる。
さまざまな保障を特約で付けられるメリットもあり、また選べる特約も幅広い。
年齢が高くなると、特約を付加できない場合もある。そのため、さまざまな選択肢がある点がメリットになっているといえる。
最後に、健康状態の告知で加入できないリスクが低い点がメリットである。
保険の加入時には過去の健康状態を告知する必要がある。年齢が若いと、一般的に告知に該当するケースが少ない。
一方、デメリットとしては保険の見直しや確認が都度必要になる点である。
若い年齢から加入していると、新たな内容のがん保険が出てくるので、その都度メンテナンスが必要になる可能性がある。
自分に適したがん保険を選ぶポイント
まずはライフプランを設計して、将来の資産が目減りする時期やタイミングを可視化する。
資産が目減りするタイミングを保険の加入時期として検討してみるのも手だろう。
その際に、がんに罹患した場合に手元の自己資産からカバーできるリスクなのか、必要以上に資産を目減りさせてしまい、ライフプランの設計が崩れる状況かを判断する。
資産を目減りさせて、理想的なライフプランを設計できないリスクであれば、保険で保障をカバーしておくと良いだろう。
次に、無理のない範囲で検討することが重要である。
保険に加入する場合は保険料を支払うが、途中で保険料を支払えないほど無理をしてしまうと、結局リスクが発生しても保障が受けられなくなってしまう。
そのため、保険料が無理なく準備できる範囲の中で、優先的に準備すると良いだろう。
専門家への相談も大切
がん保険に加入する必要性があるかどうか、さまざまな観点から解説したが、自分の世帯状況や資産状況を踏まえてがん保険を備えるべきかは、自分自身で判断できない可能性もあるだろう。
そのため、保険の専門知識をもつ専門家に相談して決めると良い。
年齢や性別、持病の有無といった保険料の加入目的以外にも、考慮すべきポイントはさまざまである。
総合的な観点で、適切なアドバイスがもらえる専門家を頼ると良いだろう。
加入率を参考にがん保険への加入を検討しよう
本記事では、属性別の加入率について解説し、がん保険の必要性や、いつから検討するべきなのか、について検証した。
男女ともに、がん保険への加入率は40代で最も高い。年齢を重ねるとともに、健康リスクに備えたいと考える人が増えることが関係しているだろう。
ただ、年齢が上がれば保険料も高くなる。
また、がん保険は長期間にわたって加入することが多いため、20代や30代のうちから加入を検討しておくと良いだろう。
また、保険に加入する際は、自分に必要な保障内容と保険料のバランスを見極めることが必要になる。
そのため、どの保険に入るべきかの判断に少しでも疑問や不安があれば、保険のプロに相談することも積極的に検討してほしい。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、あなたに合った保険を見つけることができるはずだ。
また、保険のプロは数多く存在し、その中から自分にとって最適な担当を見つけるのは難しいだろう。
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