- がん保険の責任開始日とは何かがわからない
- 責任開始日と免責期間の関係について知りたい
- 保険金が支払われない可能性があるのか不安
がんは2人に1人が発症すると言われ、そのための備えとしてがん保険は有効な手段である。
そんながん保険に加入する際には、「責任開始日」について事前に把握しておく必要がある。
なぜなら、十分に理解していなければいざという時に保険金が受け取れなくなる可能性があるからだ。
そこでこの記事では、がん保険の責任開始日について詳しく解説する。
これからがん保険への加入を検討している方に向け、有益な情報となれば幸いだ。
がん保険の基礎知識「責任開始日」とは?
がん保険をはじめ、生命保険の責任開始日とは、「請求事由が発生した場合に保障が受けられる最初の日」である。
この概念は、他の保険商品と変わらない。
本章では、がん保険の特徴をはじめ、責任開始日やがん保険特有の免責期間について解説する。
がん保険の特徴
保険会社によって細かく異なるが、がん保険の基本的な保障内容は、がんの治療をした場合に給付金が受け取れるというものだ。
たとえば、入院給付金や手術給付金、放射線治療給付金である。
がん入院給付金は、入院日数の制限はなく無制限で保障されるケースが一般的である。
保険会社によって、受け取れる金額や保障される回数といった内容に違いがある。
がん診断給付金は、保険会社によって保障額や保障要件、免責期間の考え方が異なる。
保障額については、悪性新生物、上皮内新生物を患ったケースで金額が異なるケースがある。
再発や転移の可能性がある悪性新生物に対して、上皮内新生物は受け取れる保障額を同額にしている商品もあれば、半額ないしは1割の保障額に引き下げられている商品も存在している。
保障要件は、診断給付金が生涯にわたって受け取れる回数である。
保険会社によっては何度も受け取れる無制限の商品もあれば、診断給付金が生涯に1度しか受け取れない商品もある。
また、一度給付金を受け取ってから次に給付金を受け取るまでには一定の期間を必要とし、保険会社によっては1年に1回とするケースもあれば、2年に1回にしているケースもある。
また、最近のがん治療では、治療後に症状が悪化しないよう予防を目的にした治療を行う。
このような再発や悪化を予防する目的で治療をしている場合にも保障が受けられる商品が登場した。
代表的な例として、FWD生命「がんベスト・ゴールド」のがん剤治療給付金特約がある。
このように、保険会社によってはホルモン療法や抗がん剤での再発や悪化を防ぐ目的で治する場合にも保障できる商品が出始めている。
さらに、治療費が全額自己負担となる先進医療の保障を受けることも可能だ。
なお、その他のがん保険に関する基礎知識や選び方についてはこちらの記事でも解説している。気になった方はぜひ参考にしてがん保険選びに役立ててほしい。
がん保険特有の免責期間
責任開始日以降に請求事由が発生すると、保険金または給付金が受け取れる。
しかし、がん保険の場合、責任開始日から一定期間、保障が受けられない「免責期間」がある。
保障がスタートする責任開始日が遅くなるほど、免責期間がずれていくので、注意しなければならない。
なぜがん保険に免責期間が設けられているのか?
免責期間は、以下の理由で設けられている。
- 契約の公平性を担保するため
- モラルリスクを排除するため
がんの病状は、自覚なく進行するケースが多い。
そのため、契約後に症状が発現してしまい、残念ながらがんと診断されてしまう可能性がある。
このような状態が出てしまうと、他の被保険者との間で契約の公平性が担保できない。
そのため、免責期間を設けて契約の公平性を担保している。
このケースは、保険に契約する人の自覚症状がないため、致し方ないといえるだろう。
問題なのは、自覚症状がすでにあるにもかかわらずがん保険に加入しようとするケースである。
実際に、がんと疑わしい症状がすでに出ている場合に、がん保険に加入して給付金を受け取ろうとする人がいる。
こうしたモラルリスクが高い人を排除する目的がある。
以上から、がん保険の免責期間については契約の公平性を担保する目的や、モラルリスクを排除する目的で設けられている。
すぐに責任開始日スタート!免責期間のないがん保険を紹介
がん保険の中には、免責期間がなく保障がすぐに受けられる商品もある。
本章では、免責期間のないがん保険である「アクサ生命 マイセラピー」の特徴を解説する。
また、免責期間のないがん保険に加入するメリットや注意点について解説するので、あわせて参考にしてほしい。
免責期間のないがん保険「アクサ生命 マイセラピー」の特徴
アクサ生命のマイセラピーは、がんの治療で主に用いられる「手術」「抗がん剤治療」「放射線治療」を受けた場合に給付金が支払われる保険である。
主契約には、以下の保障項目が挙げられる。
- 手術給付金:手術で給付金を受け取れる
- がん特定手術サポート給付金:特定の手術で給付金を受け取れる
- がん放射線治療給付金:放射線治療で給付金を受け取れる
- 化学療法給付金:化学療法を受けた場合に給付金を受け取れる
- 緩和療養給付金:症状の緩和を目的に入院または通院をした場合に給付金を受け取れる
免責期間がない商品なので、上記の保障は責任開始日からすぐに保障が受けられる。
マイセラピーは、基本の契約期間が10年となっており、契約は更新していく形で継続できる。
90歳までは自動更新となり、90歳を超えると一生涯保障が受けられる。
では、免責期間のないがん保険に加入するメリットや注意点について解説しよう。
免責期間のないがん保険に加入するメリット
がん保険に免責期間がないと、保障がすぐに受けられるので、新たに保険の契約を乗り換えやすい点がメリットである。
一般的には、保障の空白期間が生まれないように、免責期間を終えるまで新しく契約した保険と古い保険はそれぞれ重複して加入するケースが多い。
そうすると、保険料の重複が発生して保険料の負担が重くなり、結果的に家計を圧迫してしまう可能性がある。
免責期間のないがん保険は、保障の空白期間を考慮する必要がないので、乗り換え手続きがスムーズにいきやすい。
また、古い保険に加入していてすぐに保障をバージョンアップさせたい場合も、保障がすぐに始まるので利用しやすい。
そのため、メインで準備しているがん保険の上乗せとして活用できるといったメリットがあるといえるだろう。
免責期間のないがん保険に加入する場合の注意点
注意しておきたいポイントは以下の2点である。
- 必要な保障が準備できるのか
- 保障内容は見劣りしないか
保険料が割安になるケースがあるものの、準備できる保障内容が限られる可能性がある。
マイセラピーの保障内容は、がんと診断された場合にまとまった一時金はない。
そのため、自分にとって必要な保障が準備できるのかは、しっかりと確認しておく必要があるだろう。
同じ保障でも、保険会社によってどのような違いがあるのか把握しておく必要があるだろう。
保険会社ごとの比較や相談に関しては、保険の専門家に確認しておくと良い。
責任開始日も加味したがん保険の選び方
がん保険は、商品の良し悪しで選ぶ観点も必要だが、保険に加入する「目的」を明確にする点が重要である。
がん保険に加入する目的は「がんを患った場合の治療費や収入の補てん」なので、ここでは最適ながん保険を見つけるためのポイントについて解説する。
基本的にどのようながん保険を準備するべきかは、世帯条件や資産によって異なる。代表的なポイントについて確認していこう。
がん保険の保障内容を把握する
まず、がん保険の保障内容を把握することが何より重要である。
診断給付金や、各保障内容における細かい保障内容について、保険会社ごとにどのような特徴があるのかを確認して把握しておくと良いだろう。
また、免責期間のないがん保険に加入する必要があるのか検討するのも重要である。
免責期間があっても保障内容や保険料のバランスが取れているなら、免責期間のあるがん保険に加入するほうがメリットがあるだろう。
どちらの形で契約するべきかは、現契約の加入状況や世帯、資産の状況で異なるので、保険の専門家に相談すると良い。
掛け捨てと貯蓄型の特徴を把握する
がん保険の中には、掛け捨てで割安に準備できる保険もあれば、貯蓄の機能を備えたがん保険がある。
一般的には、掛け捨てのほうが保障内容が充実しているケースが多い。
貯蓄型の場合、一定の年齢になると、それまで払っていた保険料が返ってくる商品もある。
途中で解約して、解約返戻金を受け取れる商品もあるが、貯蓄性の高い商品に比べると、貯蓄効率はあまりよくないので注意が必要だ。
どちらの保険で準備すると良いか判断するためにも、両者の特徴を知っておくと良いだろう。
ライフプランと照らし合わせる
最後に、自分のライフプランと照らし合わせながらがん保険を準備するべきか検討する。
資産が少ないケースや、家族の生活が立ち行かない場合には、がん保険を準備する必要があるだろう。
仮に独身であっても、先々の生活資金に十分な資産がない場合や、資産を切り崩してしまうリスクが高い場合には準備しておく必要がある。
とはいえ、どのような状況だった場合にがん保険を備える必要があるかは、ライフプランを踏まえてアドバイスしてくれる専門家が必要だ。
ライフプランを把握しながら、保険についてよく知る専門家に相談すると良いだろう。
がん保険の責任開始日に注意して自分に合った保険選びを
本記事では、がん保険の責任開始日について解説を行った。責任開始日とは、がん保険の保障が開始される日のことを指す。
万が一の際に保険金が受け取れない、という事態にならないよう、必ず事前に確認するようにしよう。
なお、加入直後から保障を受けられるがん保険もあるが、診断一時金がないなどのデメリットには注意が必要だ。
がん保険に加入する際は、一人ひとりのライフステージに合わせ、自分に必要な保障内容を備えた保険を選ぶことが重要だと言える。
今回紹介した保険選びのポイントも参考に、あなたに合ったがん保険を見つけるようにしてほしい。
このように、何より重要なことは、保険の特徴を理解し、また自分自身の生活環境や経済状況、健康状態を考慮して加入するがん保険を判断することだ。
そのため、どの保険に入るべきかの判断に少しでも疑問や不安があれば、保険のプロに相談することも積極的に検討してほしい。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、あなたに合ったがん保険を見つけることができるはずだ。
また、保険のプロは数多く存在し、その中から自分にとって最適な担当を見つけるのは難しいだろう。
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