- 学資保険の保険金は300万円で十分なのか知りたい
- 学資保険の賢い選び方と利用時の注意点が知りたい
- 学資保険を途中解約しないようにしたい
学資保険は、子どもの教育資金を貯蓄する目的で加入するものだ。
加入を検討する中で、保険金の設定金額をいくらにすべきか悩む方も多いだろう。
中でも300万円程度あれば十分だ、と聞いたことがある人もいるのではないか。
果たして本当にそうなのだろうか。そこで本記事では「学資保険は300万円で足りるのか?」という疑問について解説を行う。
記事の内容が理解できれば、学資保険を効果的に活用することができるはずだ。
学資保険の保険金は300万円で足りるのか
さっそく実際に必要な教育費を、文部科学省が調査した結果に基づいて下記に掲載する。
ご存じのとおり教育費は公立や私立、または大学進学の有無によって大きく異なる。
そのため、下記の4つのパターンをモデルにして必要な教育費を掲載するのでぜひ参考にしてほしい。
- 子どもを幼稚園〜高校まで公立で通わせた場合
- 幼稚園〜大学まで公立で通わせた場合
- 幼稚園〜高校まで公立、大学を私立で通わせた場合
- 幼稚園〜大学まで私立で通わせた場合
幼稚園 | 小学校 | 中学校 | 高等学校 | 大学 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|
幼稚園〜高校が公立 | 662,340 | 1,821,397 | 1,379,518 | 1,175,267 | – | 5,038,522 |
幼稚園〜大学まで公立 | 662,340 | 1,821,397 | 1,379,518 | 1,175,267 | 2,697,200 | 7,735,722 |
幼稚園〜高校が公立・大学が私立 | 662,340 | 1,821,397 | 1,379,518 | 1,175,267 | 5,267,200 | 10,305,722 |
幼稚園〜大学が私立 | 1,610,918 | 8,810,687 | 3,839,621 | 2,755,243 | 5,267,200 | 22,283,669 |
幼稚園〜高校まで公立の場合
まず、大学に進学せずに幼稚園から高校まで公立に通った場合、約500万円の教育費がかかることがわかった。
大学に進学しない場合、大きな出費が必要なのは小学校入学、中学校入学、高校入学だ。
そのため、学資保険の受け取り時期は満期時ではなく、途中でお祝い金を受け取る方法がおすすめである。
300万円の学資保険との差額は約200万円となるが、大学に進学しない場合は、学資保険と自助努力で十分準備できる金額と言えるだろう。
幼稚園〜大学まで公立の場合
幼稚園から大学まですべて公立に通う場合の教育費は、約770万円である。
300万円を学資保険で準備しても、約470万円足りない計算になる。
大学の4年間だけで約270万円かかるので、学資保険の300万円は大学費用だけでなくなると考えられる。
幼稚園〜高校まで公立、大学が私立の場合
幼稚園から高校まで公立、大学が私立の場合は1,000万円以上の教育費が必要だ。
私立の大学となると、大学4年間だけで500万円以上かかるため、300万円では到底足りないことがわかるだろう。
幼稚園〜大学まで私立の場合
幼稚園から大学まですべて私立に通った場合は、2,000万円以上のさらに大きな教育費が必要になる。
子どもの進学先を私立にしたいという希望のある方は300万円ではとても足りないため、大きな金額で学資保険に加入することをおすすめする。
必要な教育費は、子どもの進学先によって大きく差が出ることがわかった。
また、子どもが家を出て1人暮らしをする場合は教育費以外にも大きな資金が必要になることもあるだろう。
設定すべき学資保険の金額は各家庭によっても異なるのだ。
いずれにせよ、学資保険の保険金は300万円では足りないということである。
300万円では足りない!学資保険の選び方と利用時の注意点
300万円では足りないことが判明したが、さまざまな保険会社が学資保険を販売しており「違いがよくわからない」「どう選べばいいの?」とお悩みの方もいるのではないだろうか。
より学資保険の恩恵を受けるためには、学資保険の選び方が重要だ。
ここからは、学資保険の選び方と利用時の注意点について解説していく。
学資保険の返戻率
返戻率とは、支払った保険料の総額にたいして受け取る学資金がいくらになるか、を表した数字だ。
つまり、返戻率が高ければ高いほど支払い総額が低くなるため、効率よく教育費を準備することが可能になる。
返戻率の高さは学資保険を選ぶうえで、多くの人が注目するポイントと言えるだろう。
ここで注意したいのは、受け取る金額や払込期間、払い方によって返戻率は変わってくるということだ。
返戻率をより高くしたい方は、下記の方法を参考にしてほしい。
- 年払いや一時払いを検討する
- 払込期間を短く設定する
- 保険金の受け取り時期を遅らせる
- 子どもと契約者の年齢が若いうちに加入する
返戻率の計算方法は下記のとおりだ。
学資保険の保険期間と受け取り時期
学資保険を選ぶうえで重要になるのが、保険期間と学資金の受け取り時期だ。
学資保険は一括で満期金を受け取るだけでなく、中学や高校の入学時に祝い金として分割で受け取る方法もある。
また、満期の時期も高校3年生の18歳、大学4年生の22歳など、加入する際に選択可能だ。
途中でお祝い金を受け取るよりも、受け取り時期をなるべく遅くするほうが多くの保険金を受け取れるのが一般的である。
どのタイミングで受け取るべきかを、加入前によく検討することをおすすめする。
すべて学資保険で賄うのは要注意
どの進学先においても、教育費が多額になることがわかった。
学資保険は子どもの教育費を準備するものだが、教育費すべてを学資保険で賄うのは注意が必要だ。
理由は下記のとおりだ。
- 学資保険には限度額がある
- 途中解約のリスクが高い
詳しく解説していくのでぜひ参考にしてほしい。
学資保険には限度額がある
どの保険会社も学資保険の限度額を1,000万円としていることが多いのはご存じだろうか。
仮に限度額の1,000万円の学資保険に加入したとしても、子どもがすべて私立に行けば2,000万円以上の教育費が必要なのでそもそも足りないということになるのだ。
私立に通いながら1,000万円の学資保険の保険料を払い続けるのはあまりにリスキーである。
途中解約のリスクが高い
学資保険ですべてを賄おうとすると、保険料は高額になるだろう。
詳しくは後述するが、途中で支払いが困難になり解約した場合は、大きく元本割れすることが考えられる。
途中解約のリスクが高くなるため、教育費は預貯金・投資信託・他の保険商品など複数に分けて準備することをおすすめする。
では、いったい学資保険の保険金はいくらに設定するべきなのだろうか。
その答えは子どもの年齢や家計の状況によって変化する。
以下の記事では学資保険の満期保険金の決め方についてまとめているので、あわせてチェックしてみてほしい。
300万円の学資保険を途中解約しないようにするには
学資保険は、払い込んだ保険料の総額よりも多くの保険金が受け取れることが魅力の1つだ。
しかしそれは、あくまでも払込期間終了まで契約を継続できたらの話である。
ここからは、途中解約するリスクと途中解約を防ぐための方法を紹介していく。
学資保険は元本割れするリスクが高い
学資保険は途中解約をした場合、元本割れするリスクが高い。
そのため、将来のことも踏まえて継続して支払える金額にすることが重要だ。
できれば途中解約をせずに払込み終了期間まで継続することが望ましいが、子育てをするなかで出費が増えたり、突発的にお金が必要になったりすることもあるだろう。
例えば銀行預金なら、お金が必要になったときに積み立てた分と利息が確実に手元に入る。
しかし学資保険は、途中解約するとほとんどの確率で元本割れするので注意したいところだ。
万が一途中で支払いが困難になった場合に有効な方法を3つ下記で紹介するので参考にしてほしい。
払済保険
途中解約を回避する方法として、まず挙げられるのが払済保険に変更する方法だ。
払済保険とは、保険料の支払いをストップさせて現時点までの支払った保険料をもとに契約を続ける方法である。
当然受け取る保険金は少なくなるが、保険料の支払いがなくなり、自分たちのタイミングで保険金を受け取れるというメリットがある。
契約者貸付制度
解約したい理由が「急にまとまった資金が必要になってしまった」という方におすすめなのが契約者貸付制度である。
現時点での解約返戻金のなかからお金を借りられる制度のため、解約せずにまとまった資金が受け取れるのがメリットだ。
しかし借りた金額には利息がつくため、契約者貸付制度を利用する際は、今後返済と保険料の支払いが可能かよく考えることをおすすめする。
一部解約
一部解約とは、受け取る保険金額を下げて保険料の負担を少なくする方法だ。
たとえば保険金額300万円の学資保険に加入している場合、300万円から100万円にすると保険料を抑えることができる。
「保険料の負担が大きいけれど解約はしたくない」という方におすすめの方法だ。
学資保険の保険金を300万円にした場合の保険料
学資保険の保険金を300万円にした場合、どのくらいの保険料を払う必要があるか気になる方もいるだろう。
アフラックの「夢みるこどもの学資保険」で下記の条件で保険料を試算したので確認してほしい。
契約者年齢(男性) | 30歳 |
---|---|
被保険者年齢 | 0歳 |
学資年金支払開始年齢 | 18歳 |
受取総額 | 300万円 |
保険料 | 13,230円 |
子どもが0歳で加入しても1万円を超える結果となった。
子どもが大きくなると食費も上がり、部活費用や交際費などもかかるため、現在よりも負担は増えるだろう。
将来を見据えて、途中解約しない金額にすることが重要である。
学資保険は300万円では足りない可能性も!ご家庭にあった教育資金貯蓄法を検討しよう
本記事では、「学資保険は300万円で足りるのか?」という疑問について解説した。
必要な教育費用は子どもの進学先によって大きく異なることがわかった。
しかしどの進学先においても学資保険を300万円だけでは足りない可能性が高いため、各家庭の経済状況を踏まえて適切な保険金額を設定することが重要だ。
学資保険を選ぶ際は、返戻率の高さ、保険金の受け取り時期で選ぶと効率よく教育費を準備することができるだろう。
ただし、学資保険は途中解約するとほとんど元本割れするリスクもあるため、最後まで支払い続けられる金額設定にすることが重要だ。
しかし、学資保険は多数あるため選ぶのが難しいこともあるだろう。
そんな時は、保険のプロに相談することでスムーズに希望の学資保険を見つけ出せる可能性がある。
保険のプロに相談することで、自分に必要な学資保険を見つけることができるだろう。
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