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学資保険の保険金はいくらに設定すべき?保険金の金額を決めるためのポイントをおさえよう

この記事で解決できるお悩み
  • 子どもの教育費の目安となる金額が知りたい
  • 学資保険の保険金を決めるポイントが知りたい
  • 学資保険へ加入する際の注意点をおさえたい

学資保険は子どもの教育資金を貯蓄するためのものだ。

近年子供一人あたりにかける教育費は増加傾向にあるなかで、満期の保険金額をいくらに設定すべきか、目安の金額を知りたい人も多いのではないだろうか。

そこで本記事では、「学資保険の保険金はいくらに設定すべきなのか?」という疑問について解説する。

そもそも子どもの教育費はいくら必要なのか、公立・私立の別で詳しく紹介しているので、どのパターンの場合にどの程度の保険金を用意すべきか目安になるはずだ。

学資保険への加入を検討している人は、保険を効率的に活用するためにもぜひ参考にしてほしい。

目次

学資保険の保険金を設定する前に!子どもの教育費はいくら必要なのか

学資保険への加入を検討する前提として、そもそも子どもの教育費がどれくらいかかるのか把握しておく必要がある。

老後資金と考え方は全く同じだが、必要な金額を事前に明らかにしておかなければ、不足する金額がいくらで、その不足分をどのように補填するかの対策は立てられない。

子どもの教育費に関して言うと、自治体によって保育料が異なることもあれば、中学生の間までは児童手当がもらえるだろう。

これらは教育費の負担の軽減につながるため、学資保険で用意したい金額を算定する際は必ず考慮すべきだ。

ほかにも、公立学校と私立学校の違いで教育費は全く異なるうえ、習い事や部活動で何をするのか、大学進学に伴って一人暮らしをすることになり、仕送りするのかどうかなど、状況は家庭によってさまざまである。

ここでは、以下3つの観点で子どもの教育費について具体的に紹介する。

  1. 子どもを幼稚園から高校まで通わせた場合の教育費
  2. 子どもを大学に進学させる場合の教育費
  3. 塾など学校以外でかかる教育費

上記2つに関しては公立・私立を分けて解説しているので、まずはどれくらいの教育費がかかるのか正確に把握しよう。

子どもを幼稚園から高校まで通わせた場合の教育費はいくらか

ここでは、子どもを幼稚園から高校まで通わせた場合の教育費について解説する。本記事では、文部科学省が発表した「令和3年度子供の学習日調査の結果を公表します」をもとに教育費を算出している。

はじめに、親が一年間に支出した子ども一人あたりの学習費総額(学校教育及び学校外活動を含めた総額)について、幼稚園から高校までの教育機関別の内訳は下表のとおりであった。

ちなみに、本調査における「学校外活動費」には、「補助学習費」「その他の学校外活動費」が含まれており、家庭教師や学習塾、各種習い事や部活動にかかる費用が該当する。

つまり、以下で紹介するのは「すべての教育費」であることを押さえておいてほしい。

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公立(令和3年度)公立(平成30年度)私立(令和3年度)私立(平成30年度)
幼稚園165,126円223,647円308,909円527,916円
小学校352,566円321,281円1,666,949円1,598,691円
中学校538,799円488,397円1,436,353円1,406,433円
高校512,971円457,380円1,054,444円969,911円

次に、幼稚園3歳から高校3年生になるまでの15年間において、教育機関別の総額は下表のとおりであった。

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公立(令和3年度)公立(平成30年度)私立(令和3年度)私立(平成30年度)
幼稚園472,746円649,088円924,636円1,584,777円
小学校2,112,022円1,926,809円9,999,660円9,592,145円
中学校1,616,317円1,462,113円4,303,805円4,217,172円
高校1,543,116円1,372,072円3,156,401円2,904,230円
総額5,744,201円5,410,082円18,384,502円18,298,324円

なお、公立・私立学校に通うすべての生徒のうち、私立学校に通う生徒の割合は以下のとおりである。

幼稚園小学校中学校高校
87.2%1.3%7.7%34.4%

これらの結果をもとに、想定される4つのパターンで幼稚園から高校まで通わせた場合の教育費を算出すると以下のとおりとなる。

幼稚園から高校まで
すべて公立の場合
5,744,201円
幼稚園のみ私立で
小学校以降は公立の場合
6,196,091円
幼稚園と高校が私立、
小学校・中学校は公立の場合
7,809,376円
幼稚園から高校まで
すべて私立の場合
18,384,502円

幼稚園ではなく保育園に通わせた場合は上記とは異なるものの、概ね同様と考えてもよいだろう。

この結果からわかるように、幼稚園のみ私立に通い、小学校以降はすべて公立学校の場合で約620万円の教育費がかかることがわかる。

私立学校に通う生徒の割合や体感的な状況も加味すると、幼稚園のみ私立を選択する進学スタイルが最も一般的とされるだろう。

次に想定されるのが、高校も私立に通うスタイルだ。

全体の3人に1人が私立高校に通っているため、この場合にかかる教育費の約780万円も、比較的想定される金額といえるだろう。

ちなみに、幼稚園から高校まですべて私立を選択すると、教育費は約1,840万円かかる。

幼稚園のみ私立を選択した場合に比べておよそ3倍の開きがあり、小学校でかかる教育費はほぼ1,000万円というのが特筆すべき点と言えるだろう。

子どもにどのような教育を受けさせるかは将来に大きな影響を及ぼすため、できるかぎり選択肢は多く持っておきたいところだ。

しかし、現実的に見ても幼稚園から高校まですべて私立に通わせるのは簡単ではないだろう。

また、後述する大学費用もピンキリだ。

幼稚園から高校までの教育費に関しては、約600〜800万円を一つの目安として捉えておくのが確実だろう。

子どもを大学に進学させる場合の教育費はいくらか

続いて、子どもを大学に進学させる場合の教育費について、国公立・私立の場合にわけて解説する。

文部科学省が発表した「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」によると、授業料や入学料などの平均は以下のとおりであった。

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私立大学私立短期大学私立高等専門学校
授業料930,943円723,368円627,065円
入学料245,951円237,615円246,753円
施設設備費180,186円166,603円105,195円
合計1,357,080円1,127,586円979,013円
卒業までの授業料を加えた合計4,149,909円1,850,954円3,487,273円

上記は私立大学に入学する1年目にかかる費用であり、あらゆる学部を平均しているものだ。

続いて、私立大学の学部別における初年度の授業料を見ていこう。

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文科系学部理科系学部医歯系学部その他学部
授業料815,069円1,136,074円2,882,894円969,074円
入学料225,651円251,029円1,076,278円254,836円
施設設備費148,272円179,159円931,367円235,702円
合計1,188,991円1,566,262円4,890,539円1,459,612円
4年ないし6年分の授業料を加えた合計3,634,198円4,974,484円19,305,009円4,366,834円

私立大学の総合計の平均は約135万円であったが、上記を見てもわかるように、学部によって実態は全く異なる。

なお、それぞれの学部の内訳は以下のとおりだ。

  • 文科系:文学・教育・仏教・社会福祉・法商経済学
  • 理科系:理工学・薬学・農・獣医
  • 医歯系:医学・歯学
  • その他:家政・芸術・体育・保健

定員や設置されている学部数によって加重は異なるが、経済学部や文学部などの文系学部に進学する場合が、私立大学のなかで最も学費を抑えられることがわかる。

4年間の学費に関して、授業料のみ4年ないし6年分がかかるものとして計算すると、文科系学部で約360万円かかる結果となった。医歯系学部の場合は約1,930万円かかるようだ。

上記はあくまで簡易的に求めた数字であり、実態としてはさらに上乗せされると考えておいたほうがよいだろう。

次に、国公立大学の授業料についてであるが、文部科学省がまとめた「国公私立大学の授業料等の推移」によると以下のとおりであった。

国立公立
授業料の標準額535,800円536,363円
入学料の標準額282,000円391,305円
合計817,800円927,668円
4年の授業料を加えた合計2,425,200円2,536,757円

国立大学の場合、初年度にかかる教育費は約81万円、4年間の教育費概算は約242万円であることがわかる。

私立大学の総平均である約415万円と比べると、国立と私立のどちらに進学するかで170万円ほどの開きが出るようだ。

幼稚園から大学まで通わせた場合の教育費はいくらか

ここまで解説した幼稚園から高校まで通わせた場合の教育費と大学に進学させる場合の教育費を踏まえ、想定されるパターン別で幼稚園から大学卒業までの教育費総額をまとめると以下のようになる。

幼稚園から大学まですべて公立(大学は国立)の場合8,169,401円
幼稚園のみ私立で小学校以降は公立(大学は国立)の場合8,621,291円
幼稚園と高校が私立、小学校・中学校は公立、大学は国立の場合10,234,576円
幼稚園と高校・大学が私立、小学校・中学校は公立の場合11,959,285円
幼稚園から大学まですべて私立の場合22,534,411円

教育費を最も抑えられるパターンが、幼稚園から大学まですべて公立(上記の場合は国立大学への進学)を選択した場合で、約817万円になることがわかる。

幼稚園のみ私立を選択した場合は約50万円の違いだが、私立高校に進学すると約200万円の差が生じる結果となった。

さらに、高校・大学で私立に進学すると、すべて公立・国立の場合に比べて約380万円の違いがあり、すべて私立に進学すると1,400万円以上の開きが出ることがわかった。

幼稚園のみ私立を選択した場合で約900万円、高校と大学で私立を選択した場合は1,000〜1,200万円ほどの教育費がかかるのが一つの目安と言えるだろう。

仮に、私立の医学部や歯学部への進学を検討しているとなれば、大学を卒業するだけで最低でも2,000万円はかかる。

進学先は子どもの希望をできる限り反映させたいが、私立の医歯系学部への進学は慎重に考えざるを得ないだろう。

ほかにも、進学に伴い一人暮らしを始めた場合には、仕送りするケースも想定される。

毎月の仕送りを5万円と仮定して年間60万円、4年間で360万円かかることになる。

教育費には仕送りの金額は含まれていないため、別途かかり得る費用として計上しておいたほうがよいだろう。

塾など学校以外でかかる教育費はいくらか

ここまで紹介した教育費は、授業料や給食費、塾などの学校外活動費を含む総額であった。

塾などにかかる費用は家庭の考え方によって異なり、教育熱心な家庭であれば学校以外にかかる費用はプラスでかかるだろう。

もちろん、部活動に熱心に取り組んだ場合には、相応な費用がかかるケースもある。

ここでは、幼稚園から高校までの間における塾などの学校以外でかかる教育費について詳しく見ていこう。

文部科学省がまとめた「令和3年度子供の学習日調査の結果を公表します」によると、両親が一年間に支出した子ども一人あたりの学習費総額と学校外活動費は以下のとおりだった。

学習費総額学校外活動費
幼稚園公立165,126円90,555円
私立308,909円144,157円
小学校公立352,566円247,582円
私立1,666,949円660,797円
中学校公立538,799円368,780円
私立1,436,353円367,776円
高校公立512,971円203,710円
私立1,054,444円304,082円

「学校外活動費」には、「補助学習費」「その他の学校外活動費」が含まれており、それぞれ以下の内容が該当する。

  • 補助学習費
    • 学校教育に関係する学習のために支出した費用 (学習机や参考書等の購入、家庭教師や通信添削等の通信教育、学習塾の費用など)
  • その他の学校外活動費
    • 知識や技能などを身につけるための習い事や学習活動、スポーツ、文化活動などにかかった費用

なお、その他の学校外活動費は、以下の5区分に分けて詳細にアンケートをとっている。

  1. 体験活動 ・地域活動
  2. 芸術文化活動
  3. スポーツ・レクリエーション活動
  4. 国際交流体験活動
  5. 教養・その他

学校外活動費を公立・私立の別で比較すると、総じて私立のほうが多い結果となっている一方、中学校においては公立のほうが若干多い結果だった。

公立と私立で差が特に開いているのが小学校で、約3倍ほどの開きがあることがわかる。

学校外活動については、公立の場合は中学でピークを迎えて高校でガクッと下がり、私立の場合は小学校で費用の増加が顕著に見られ、中学・高校では小学校の約半分ほどの費用をかけているようだ。

学習費総額に対する学校外活動費の割合で見てみると、公立の幼稚園・小中学校においては学校外活動費の割合が比較的高い結果となった。

言い換えると、公立学校の教育費そのものはかなり安価であることがわかる。

私立学校の場合は学校外活動費の割合は30〜40%となっており、公立学校よりも低い傾向にある。

これは、学校外活動費の増加よりも学校に支払う教育費の負担が大きい点が要因と考えられるだろう。

続いて、各教育過程において、どのような費用にどの程度支出しているか詳しく見ていこう。

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1位(万円)2位(万円)3位(万円)
幼稚園公立補助学習費:3.0スポーツ・レク:2.5教養・その他:1.9
私立スポーツ・レク:4.6補助学習費:2.5芸術文化・教養・その他:2.5
小学校公立補助学習費:12.0スポーツ・レク:5.7教養・その他:3.4
私立補助学習費:37.8芸術文化:9.2スポーツ・レク:8.8
中学校公立補助学習費:30.3スポーツ・レク:3.0芸術文化:2.0
私立補助学習費:26.2芸術文化:3.4教養・その他:3.2
高校公立補助学習費:17.1教養・その他:1.3芸術文化:0.9
私立補助学習費:24.7教養・その他:1.8芸術文化:1.7

各教育過程における、学校外活動費に占める各種費用の内訳で金額の多かった上位3項目は上記のとおりであった。

私立幼稚園を除いて1位は補助学習費となっており、要するに塾への費用が最もかかっていることがわかる。

特に顕著なのが、私立小学校の37.8万円と、公立中学校の30.3万円だ。

これらに関しては、私立中学への入学に向けた受験対策、高校受験に向けた受験対策としてまとまった費用をかけていることが推測される。

年間30〜37万円の支出と仮定すると、多い時期には月に2.5〜3万円ほどの費用を塾にかけていると言えそうだ。

高校に進学して以降は、塾への費用として月に2万円前後がかかっているものと計算できる。

上記の費用はあくまで平均であるため、塾に通う必要がなければ「補助学習費」に相当する分は考慮しなくてもよいだろう。

ここまで紹介した教育費用は学校外活動費を含めた総額を紹介しているため、本見出しで解説した学校外活動費はある程度変動する前提で、教育費の総額を算出するようにしてほしい。

学資保険の保険金はいくらにするかを決めるポイント

幼稚園から高校・大学まで進学した場合にかかる教育費は、高校進学までであれば600〜800万円、大学に進学するのであれば900〜1,200万円ほどかかることがわかった。

上記の金額には塾などの費用の平均額も含まれており、進学に伴い一人暮らしをする場合の仕送りなどは別途考慮する必要がある。

そのため、よりリアルな教育費をシミュレーションする場合は、これらの費用をどのように負担するかも慎重に検討しよう。

ここでは、必要な教育費に対して学資保険の保険金を決める際のポイントを紹介する。

さまざまなポイントがあるが、以下3つのアプローチで保険金を決めるとよいだろう。

  1. 必要な教育費と学資保険でまかなう金額を決める
  2. 保険金額と保険料のバランスを取る
  3. 保険金を受け取りたい時期や保険料払込期間を決める

上記は一例であるが、これら3つのポイントを押さえておけば、比較的スムーズに保険金額を決められるはずだ。

必要な教育費を学資保険でいくらまかなうかを決める

学資保険の保険金を決めるポイントとして最初に押さえておきたいのが、学資保険で必要な教育費をいくらカバーするのかだ。

先ほど解説したように、高校卒業までであれば600〜800万円、大学に進学するなら900〜1,200万円の教育費がかかる。

想定を上振れするのは家計を圧迫する要因になるため、教育費は多めにかかると考えておいたほうがベターだ。

そのため、幼稚園と高校・大学は私立を選択し、小・中学校は公立学校に進学した場合の平均値である1,200万円を教育費として考えておくとよいだろう。

しかし、1,200万円はあくまで総額であり、各教育過程や年齢で必要な金額は異なる点にも注意が必要だ。

  • 幼稚園の間にかかる費用(3年間)
    • 924,636円
  • 小学生の間にかかる費用(6年間)
    • 2,112,022円
  • 中学生の間にかかる費用(3年間)
    • 1,616,317円
  • 高校生の間にかかる費用(3年間):3,156,401円
  • 大学の初年度にかかる費用(子どもが18・19歳の時)
    • 1,357,080円
  • 大学の授業料(大学2〜4年生)
    • 930,943円

中学校までの期間であれば、1年にかかる教育費は30〜50万円ほどである。

平均すると月に4万円前後の教育費がかかる計算になるが、これらの期間においては学資保険ではなく児童手当や毎月の家計でやりくりすべきだ。

後述するように、学資保険の性質上、満期までの期間が長くなるほど受け取れる保険金額を増やしやすくなるため、子どもが中学生の頃までは学資保険をアテにしないのが普通である。

むしろ、教育費の負担が一気に増える高校以上に備えて、子どもが中学を卒業するまでの間に学資保険と各種の手段で教育資金を貯めるのが鉄則なのだ。

これらの点を踏まえると、学資保険で用意したいのは、大学初年度にかかる費用の補填や大学の授業料になるだろう。

学資保険で300万円用意すれば、初年度にかかる費用のうち100万円を保険金から充当し、残り200万円を66万円ずつ、3年間にわたって割り当てられれば毎月の家計の負担は相当軽くなるはずだ。

学資保険以外の手段で教育資金を貯められるのであれば、初年度にかかる費用をカバーできるように、150万円を満期保険金とする契約にしてもよいだろう。

どのようにまかなうかは家庭によって異なるため、上記の例も参考にしながら、学資保険で用意したい保険金額を算出しよう。

学資保険の保険金額と保険料のバランスを取る

ファーストステップで用意したい保険金額を算出できたら、次は毎月の保険料とのバランスを考えてみてほしい。

毎月の保険料を左右する要素は大きく分けて以下の4つだ。

  1. 満期保険金の額
  2. 保険料の払込期間
  3. 保険金を受け取る時期
  4. 保険料を払い込む回数

学資保険は子どもの将来を見据えた貯蓄の性質が強い保険商品であり、払い込んだ保険料は保険会社が運用し、運用益が上乗せされて満期保険金として受け取れるものである。

この性質を踏まえると、払い込む保険料(運用元本)は早ければ早いほど望ましく、リターンを期待しやすいことがわかる。

仮に、満期の保険金額として300万円を受け取りたいとしても、12年かけて毎月払い込む場合と、10年かけて半年ごとにまとめて払い込む場合では、払込額の合計は異なるのだ。

この点は各社の学資保険紹介ページでシミュレーションしてみてほしいのだが、保険料を左右する上記の4要素をもとにパターン分けして、無理なく支払える保険料を検討しよう。

毎月の保険料として1万円を一つの目安にすると、10年で120万円払い込むことになる。月に1万円程度であれば、家計を見直すだけでも捻出できる金額であるため、無理なく払い込めるはずだ。

家庭によって状況が異なるため具体例を挙げられないが、先ほど検討できた保険金額を実現するために払い込む保険料が妥当であるか、セカンドステップとして確認してみてほしい。

学資保険の保険金を受け取りたい時期や保険料払込期間を決める

3点目のポイントは先ほどのシミュレーションと重複するのだが、保険金を受け取りたい時期や保険料の払込期間を決めることで、どのような学資保険が最適かはっきりするだろう。

保険金を受け取りたい時期として最も一般的なのが、大学入学時及び入学以降の学費の支払い時ではないだろうか。

私立大学であれば進級する都度、約100万円近くの教育費がかかるため、これらを補填するために学資保険を活用するのが落とし所になるはずだ。

つまり、子どもが18歳になるタイミングと、19歳以後の毎年というのが保険金を受け取りたい時期になりやすい。

もちろん、人によっては高校進学時に必要な場合もあるだろう。

この点、保険商品によっては祝金として10万円などが振り込まれるものもあるため、詳細を確認しておいてほしい。

そして、保険料の払込期間についてであるが、この期間を短くできるほど運用に回せる期間が長くなるという特徴があるのは先ほど解説したとおりだ。

保険料の払込期間は、そもそも保険の加入時期によって変わるため一概には言えないが、多くの商品が10年や15年などから選べるようになっている。

払込期間が短くなれば返戻率を高めやすいものの、毎回の保険料は上がるためバランスを取る必要がある。

最終的には各家庭で最適解を探すしかないのだが、保険金を受け取りたい時期と保険料払込期間もシミュレーションすることで、ニーズを満たす最適な学資保険を見つけられるだろう。

保険金額別の具体例

以下に、満期保険金の金額別に具体例を並べる。上記3つのポイントからおおよその目安額が決まった方は、こちらを参考にさらにイメージを膨らませてほしい。

あわせて読みたい

学資保険の保険金をいくらにするか決まったら!加入する際の注意点

ここまでの内容で、子どもが高校または大学を卒業するまでにかかる教育費と、学資保険でまかないたい保険金額をイメージできたはずだ。

ただし、学資保険を活用する際は、いくつか覚えておきたい注意事項がある。

ここでは、注意事項のなかでも特に押さえておきたい3点について紹介しよう。

  1. 途中解約するとほぼ損になる
  2. 契約者を誰にするかで税金の取り扱いが変わる
  3.  加入年齢によって条件や入れる保険の選択肢が変わる

学資保険は使い方を誤ると損するため、以下の内容は正確に理解しておいてほしい。

学資保険を途中解約するとほぼ損になる

学資保険で最も気をつけなければならないのが、途中解約である。

なぜなら、学資保険を保険期間が満了する前に解約すると運用成績が元本割れして、払い込んだ保険料よりも少ない額しか返戻されないからだ。

学資保険で払い込んだ保険料は保険会社が運用しており、運用益が上乗せされる仕組みになっている。

そのため、運用期間が予定した満期期間を下回ると、どうしても損失が出てしまう。

これは仕組みとして避けられないため、払込期間中は支払い続けられる保険料を設定することが極めて重要なのだ。

どの程度損するかは状況次第だが、払込保険料の80%ほどしか戻ってこないケースもあるため注意が必要である。

学資保険の契約者を誰にするかで税金の取り扱いが変わる

学資保険に加入する際は、契約者と保険金の受取人の関係性にも注意が必要だ。

なぜなら、学資保険が満期を迎えて受け取れる保険金について、契約者(保険料を払い込む人)と保険金の受取人が同一かどうかで、所得税または相続税がかかるようになるからである。

契約者と保険金の受取人が同じ場合、保険金は所得税の課税対象になる。

一方、契約者と保険金の受取人が異なると、保険金は贈与税の課税対象になる。

所得税の場合は控除の仕組みが豊富に用意されているため、税金がかかるケースはほとんどないのだが、贈与税の場合は税金がかかってしまう可能性が比較的高い。

そのため、契約者が両親のいずれか、保険金の受取人が子どもの形で学資保険に加入したり、契約者が父親、保険金の受取人が母親などにするのも避けたほうがよいだろう。

加入年齢によって学資保険の条件や入れるプランの選択肢が変わる

学資保険の場合、子どもの年齢はもちろん、両親(契約者)の年齢によって条件や入れる保険の種類が異なる点にも注意が必要だ。

一般的に、子どもや契約者の年齢が若いほど、保険料は安く抑えられる。

言い換えると、子どもが幼稚園や小学校に入学するタイミングでは、学資保険の種類が減るだけでなく、返戻率も下がってしまう。

学資保険への加入を検討している場合、加入する最もおすすめなタイミングは今すぐである。

現在妊娠中やこれから予定している場合は、予定日の120日前から加入できる学資保険が多いため、そのタイミングを狙うとよいだろう。

学資保険の保険金はいくらに設定するべきかはポイントを押さえて慎重に判断しよう

本記事では、「学資保険の保険金はいくらに設定すべきなのか?」という疑問について解説した。

教育費は子どもの進路によって変化するため、高校や大学で私立を選択した場合でもまかなえる金額を想定しておいたほうがよいだろう。

そして、学資保険を利用する必要性は高いものの、全額をまかなうために加入するものではない。

教育費が特にかかる時期は限定されているため、その時期を乗り越えるための対策として学資保険を利用しよう。

学資保険の保険金額は、無理なく支払える保険料を前提に、払込期間や受け取るタイミングを踏まえて、慎重に判断する必要がある。

そして、学資保険に加入する際は、契約状況によって税金の扱いが異なったり、加入年齢による条件が違ったりする点にも注意が必要だ。

最適な学資保険を選ぶにはさまざまなシミュレーションを踏まえて検討する必要があり、どれを選べばよいか悩んだり不安に感じたりする人は、保険のプロに相談したほうがよいだろう。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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