- 収入保障保険のメリット・デメリットが知りたい
- 収入保障保険が自分に必要かどうか分からない
- 収入保障保険を選ぶポイントを理解したい
収入保障保険は、割安な保険料で充実した死亡保障が備えられる保険である。
結婚や出産に伴い家族が増えると、収入保障保険をすすめられることが多いのではないだろうか。
とはいえ、収入保障保険が本当に必要か、分からない人も多い。
収入保障保険のメリットやデメリットが分かれば、自分にとって備える必要があるか判断できるだろう。
そこで今回は、収入保障保険を契約する必要があるか、メリットやデメリットをあわせて解説する。
さらに、収入保障保険を準備する場合に踏まえておくべきポイントも解説するので、加入を検討している人はぜひ参考にしてほしい。
本当に必要か?収入保障保険のメリット・デメリット
収入保障保険の必要性を判断する場合、仕組みをはじめメリットやデメリットを把握しておく必要がある。
収入保障保険の基本的な特徴について、以下のポイントを踏まえて解説する。
- 収入保障保険の仕組み
- 収入保障保険のメリット
- 収入保障保険のデメリット
それぞれのポイントについて確認していこう。
収入保障保険の仕組み
収入保障保険は、定期保険の一種で満期が定まっている保険である。
そのため、契約時に保障が満了するタイミングを決めておかなければならない。
基本的な保障内容としては、被保険者が死亡時もしくは高度障害状態に該当すると、死亡保険金が支払われる。
保険金は、一括で受け取る場合もあるが、分割して保険金を受け取ることもできる。
たとえば、月額10万円の死亡保険金を支払う収入保障保険を60歳まで保障期間として契約すると、被保険者が死亡した場合、60歳になるまで毎月10万円が支払われる。
定期保険との違いは、契約期間が過ぎるごとに、死亡保険金として受け取れる保障額が減少していく点にある。
たとえば、30歳の被保険者が定期保険を60歳まで契約したとする。
保険金額が3,600万円の場合、被保険者が60歳までのどのタイミングで亡くなっても3,600万円が支払われる。
一方、収入保障保険は被保険者が死亡したタイミングによって、保険金額の総受取額が異なる。
- 30歳で死亡時:月額10万円×12ヵ月×30年=3,600万円
- 40歳で死亡時:月額10万円×12ヵ月×20年=2,400万円
- 50歳で死亡時:月額10万円×12ヵ月×10年=1,200万円
以上のように、30歳時点を保障額の頂点として、徐々に保障額が少なくなる特徴がある。
また、収入保障保険は働けなくなった場合にも給付金が受け取れる「就業不能保障特約」や、特定の疾病で所定の状態に該当すると保険料の支払いが免除される「保険料払い込み免除特約」がオプションで付けられる。
収入保障保険のメリット
収入保障保険は、保障額に対して保険料が割安に準備できる点がメリットである。
同じ掛け捨ての生命保険である定期保険と比較しても、割安に準備できる。
たとえば、はなさく生命の「収入保障保険」を準備した場合を見てみよう。
40歳男性が、63歳までの期間で毎月12万円ずつ保険金を受け取る保障を準備する場合、以下の条件では毎月の保険料は2,732円になる。
- 年金支払保証期間 2年
- 特定疾病保険料払込免除特約(3大疾病Ⅰ型)
- 非喫健康体料率
保険金の支払総額は3,312万円に対して、保険料の支払総額は75万4,032円である。
一方、収入保障保険と同程度の保障内容で試算すると、定期保険の保険料は約3倍になる。
40歳男性が、チューリッヒ生命の「定期保険プラチナ」を、以下の条件で試算した場合の保険料を確認してみよう。
- 40歳男性
- 死亡保険金3,300万円
- 保険期間60歳
上記の条件で試算すると、8,184円となった。
以上から、割安な保険料で必要な保障を準備できる点がメリットといえるだろう。
収入保障保険のデメリット
収入保障保険は、保険料を割安に備えられるが、保険料は掛け捨てなので、契約が満了をむかえると、保障が終了し、それまで支払っていた保険料は返金されない。
そのため、保険料や保障期間が無駄にならないように注意しておく必要がある。
また、保障額が徐々に減少する点も注意が必要である。
そのため、保障が満了となるタイミングに近づくにつれて、保障額が徐々に減少するので、被保険者が死亡するタイミングによって、受けられる保障額が変わる点に注意したい。
たとえば、30歳の被保険者が定期保険を60歳まで契約したとする。
保険金額が3,600万円の場合、被保険者が60歳までのどのタイミングで亡くなっても3,600万円が支払われる。
一方、収入保障保険は被保険者が死亡したタイミングによって、保険金額の総受取額が異なる。
- 30歳で死亡時:月額10万円×12ヵ月×30年=3,600万円
- 40歳で死亡時:月額10万円×12ヵ月×20年=2,400万円
- 50歳で死亡時:月額10万円×12ヵ月×10年=1,200万円
以上のように、30歳時点を保障額の頂点として、徐々に保障額が少なくなる点がデメリットである。
収入保障保険が必要か判断する基準とは
収入保障保険を準備する場合、どのような基準をもとに必要性を判断すれば良いか確認する。
世帯状況や資産状況によっても、準備が必要な保障期間や保障額は異なる。
そのため、収入保障保険の必要性を判断するために、以下のポイントに沿って解説する。
- 配偶者が公的年金を受給するまで
- 子どもが経済的に自立するまで
- 遺族年金が利用できるか
それぞれのポイントについて、確認していこう。
配偶者が公的年金を受給するまで
配偶者が公的年金を受給するまで、収入保障保険は準備する必要があるだろうか。
結論としては、資産状況や世帯状況によって異なる。
世帯の資産が少ない場合は、配偶者が年金を受け取るまで生活費を準備しておかないと、生活資金が不足する可能性がある。
そのため、資産状況によっては収入保障保険を準備すると良いだろう。
1点注意したいのは、適切な保険期間が設定できない場合だ。
公的年金は、原則65歳から支給されるが、受給するタイミングを繰り下げ、もしくは繰り上げすることができる。
- 繰り上げ:65歳より前倒しして受け取る
- 繰り下げ:65歳より後ろ倒しして受け取る
そのため、収入保障保険の契約期間が、実際の年金受給時期とずれる可能性がある。
たとえば、65歳で年金を受け取ると想定して収入保障保険を契約したのに、実際は67歳から年金を受け取ると、保障期間がずれてしまう。
子どもが経済的に自立するまで
子どもが経済的に自立するまでの期間では、収入保障保険が必要なのか解説する。
一般的に、子どもが独立するまでの間に親が亡くなった場合、仕事で得る収入がなくなり、今後の生活ができないリスクがある。
また、それまで蓄えてきた資産を切り崩してしまう可能性があるので、子どもが経済的に独立するまでは収入保障保険を準備しておくと良いだろう。
共働き世帯であれば、世帯主だけでなく配偶者もそれぞれ生活費を確保する目的で準備しておくと良い。
遺族年金が利用できるか(自営業やフリーランスは必要性が高い)
子どもがいる世帯では、亡くなった場合に遺族年金が支払われる。収入保障保険を準備する場合は、遺族年金だけでは不足する生活費を保障額にすると良い。
適正な保障額をいくらにするかは、加入している年金の種類によって異なる。
- 基礎年金:遺族基礎年金
- 厚生年金:遺族厚生年金
遺族基礎年金は、自営業やフリーランスが受け取れる遺族年金である。
遺族基礎年金の受給額は、以下の通りになる。
子どもが増えるごとに、22万8,700円が加算される。3人目以降の加算は、7万6,200円となる。
子どもの人数に応じた遺族基礎年金がいくらになるのか確認していこう。
- 子ども1人:約8万5,000円
- 子ども2人:約10万4,000円
- 子ども3人:約11万円
ただし、18歳到達年度の末日までにある子(障害の状態にある場合は20歳未満)のいる配偶者」または「子」が受けることができる。
つまり18歳未満の子供がいなければ、配偶者は遺族基礎年金は受給できないのである。
一方、遺族厚生年金は会社員や公務員が支払われる遺族年金である。給付額は、以下の通りである。
子どもの人数 | 平均標準報酬月額 | ||
---|---|---|---|
25万円 | 35万円 | 45万円 | |
子ども3人の期間 | 約14万4,000円 | 約15万7,000円 | 約17万円 |
子ども2人の期間 | 約13万7,000円 | 約15万1,000円 | 約16万4,000円 |
子ども1人の期間 | 約11万8,000円 | 約13万2,000円 | 約14万5,000円 |
遺族年金の保障額を比較すると、自営業やフリーランスの保障が手薄い。
そのため、特に遺族基礎年金の支給対象者である自営業者やフリーランスの人は、収入保障保険を準備しておくと良いだろう。
本当に必要か?収入保障保険を選ぶポイント
収入保障保険を実際に準備する場合に、どのようなポイントを踏まえて準備すべきか確認していこう。
収入保障保険を選ぶポイントは、主に以下の3つである。
- 保険期間がいつまで必要か確認する
- 最低支払保証期間がどれくらい必要か確認する
- 必要な保険金額や保険料を事前に計算する
それぞれのポイントについて解説しよう。
保険期間がいつまで必要か確認する
保険期間を適切に設定する点も重要である。収入保障保険の加入目的を明確にしていれば必要な保障期間が自ずと分かる。
そのため、無駄な保険期間を設定する必要がなくなり、適切な保険料で準備できる。
- 子どもが経済的に独立するまでの保障
- 定年に到達するまでの保障
- 配偶者が公的年金を受け取れるまでの保障
どの目的で備えるかを明確にしたうえで、必要な保障額や保障期間は専門家に相談してアドバイスを受けると良いだろう。
最低支払保証期間がどれくらい必要か確認する
最低支払保障期間は、保険金が必ず支払われる最低の期間である。
2年もしくは5年、10年と保険会社に応じて自由に設定できる。
たとえば、60歳満期の収入保障保険で最低保証期間が2年の場合、59歳で死亡したら61歳まで保険金を受け取ることができる。
最低支払保障期間を長く設定するほど、毎月の保険料が高くなる。
保障期間が適切に設定できていれば、最低支払保障期間を長く設定する必要はない。
保険商品によっては、最低支払保障期間を設定して保険料を割安にできる商品もあるので、期間を確認しておくと良い。
必要な保険金額や保険料を事前に計算する
保険金額がいくら必要かを事前に計算して、適切な保険料で準備できるようにすることも重要である。
遺族年金が加入している保険によって異なるため、保障額として準備すべき内容も異なる。
遺族年金の保障額で比べると、自営業やフリーランスに支払われる遺族基礎年金は、会社員や公務員に対して支払われる遺族厚生年金に比べて保障が薄い。
そのため、特に自営業者やフリーランスの人は、収入保障保険で受けられる保障額を手厚く設定しておく必要があるだろう。
また、収入保障保険は世帯主だけが準備すれば良いわけではない。
共働き世帯であれば、どちらも収入を得て生活を維持しているので、収入保障保険は夫婦それぞれが準備しておく必要があるだろう。
保障額をいくらに設定するべきかは、世帯状況や資産状況によって異なる。
そのため、保険の専門家に相談したうえで、適切な保障額や内容を準備すると良い。
収入保障保険は必要か?と感じたら家族構成と現在の貯蓄額を見直そう
本記事では、収入保障保険を備える必要があるか、保険の特徴や仕組み、またメリットやデメリットをあわせて解説した。
収入保障保険は、世帯主をはじめ、生活を維持するための収入を得ている人が亡くなった場合に、保険金が毎月受け取れる。
ただし、収入保障保険は掛け捨ての保険なので、保険期間や保険金額を計算して準備すると良い。
子どもが独立するまでの期間や、配偶者が公的年金を受給するまでの期間を考えて設定すると良い。
また、遺族年金の保障額で比べると、自営業やフリーランスに支払われる遺族基礎年金は、会社員や公務員に対して支払われる遺族厚生年金に比べて保障が薄い。
そのため、特に自営業者やフリーランスの人は、収入保障保険で受けられる保障額を手厚く設定しておく必要があるだろう。
収入保障保険は、さまざまな会社から販売されており、保険会社ごとに特徴も異なる場合もある。
そのため、最適な収入保障保険を選ぶ場合、何をポイントにすべきか判断がつかないケースもあるだろう。
保険選びに少しでも疑問や不安があれば、保険のプロに相談することをおすすめする。
専門的なアドバイスを受けることで自分に必要な保険を見つけることができるだろう。
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