- 定期保険特約がどんなものなのか知りたい
- 定期保険特約を利用するメリット・デメリットが知りたい
- 実際に定期保険特約を付けられる保険が知りたい
中でも定期保険特約は、定期保険以外の保険に定期保険の保障内容を付け加える役割を果たす。
この特約には、どんなメリットがあり、どのような時に活用するべきなのだろうか。
そこで本記事では、定期保険特約について、特徴やメリットとデメリット、さらに特約が付加できる実際の保険商品についての解説を行う。
定期保険特約を付けるべきか悩んでいるという方には、ぜひ参考にしてほしい。
定期保険特約の特徴
定期保険は、一定期間の死亡保障を備えられる保険である。
保険料は掛け捨てになるので解約返戻金がない分、保険料が割安に準備できる。
子どもが経済的に独立するまでの期間、また公的年金を受ける期間まで備える人が多い。
こうした定期保険で備えられる保障を、他の保険に付加できるのが「定期保険特約」である。
定期保険特約の概要と、特約として付加できる保険の種類について解説する。
定期保険特約の概要
定期保険特約は、死亡もしくは高度障害状態に該当した場合に保険金が支払われる。
高度障害状態に該当した場合とは、以下の状態に該当した場合である。
番号 | 状態 |
---|---|
1 | 両目の視力を全く永久に失ったもの |
2 | 言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの |
3 | 中枢神経系または精神に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの |
4 | 胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの |
5 | 両上肢とも、手関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの |
6 | 両下肢とも、足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの |
7 | 1上肢を手関節以上で失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの |
8 | 1上肢の用を全く永久に失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったもの |
出典:オリックス生命「よくあるご質問」
保障期間中に死亡もしくは高度障害状態に該当した場合、契約時に設定していた保険金が支払われる。
たとえば、30歳の被保険者が定期保険を60歳まで契約したとする。
保険金額が3,600万円の場合、被保険者が60歳までのどのタイミングで亡くなっても3,600万円が支払われる。
定期保険は解約返戻金がない分、保険料が割安なので、手頃な保険料で保障を備えたい場合に適した商品である。
定期保険特約の更新型と全期型
定期保険特約には、更新型と全期型の2つに分かれる。
更新型は、契約期間が満了すると、保障期間が延長するタイプの定期保険特約である。
更新後の保険料は、被保険者となる年齢が上がるため、保障期間が更新前と同額であれば保険料は高くなる。
保険料は、日本生命の「みらいのカタチ」で準備できる定期保険特約で確認してみよう。
30歳の男性が死亡保険金1,000万円を準備した場合、更新後の月払い保険料は以下の通りである。
- 30歳:2,470円
- 40歳:3,510円
- 50歳:5,920円
このように、保険料は更新をするごとに高くなる。
一方、全期型の場合は保険料の更新がなく、契約時に定められた保険料を支払う。
原則として、保険期間が満了した場合は、更新手続きができないケースがあるので、必要な期間をあらかじめ計算しておくと良い。
全期型で定期保険特約を組む場合、保障期間が長くなるにつれて保険料は高くなる。
そのため、更新型に比べると、当初の保険料は高くなりやすい。
以上から、定期保険特約にも異なるタイプがあるので注意したい。
では、定期保険特約を付加できる保険の種類について解説する。
定期保険特約を付けられる保険種類
定期保険特約を付けられる保険の種類は、以下の通りである。
- 終身保険
- 養老保険
- 医療保険
終身保険は、死亡保障が生涯にわたって保障される。
また、解約返戻金があるので、将来の資金を準備するために利用されている。
養老保険は、定期保険と同じく保障は一定期間だが、満期を迎えると満期金が支払われる。
生命保険を準備しながら、教育費や老後資金にも活用できる。
医療保険は、病気やけがで入院した場合に保険金が支払われる。
病気やケガの種類を問わず保障されるので、病気全般の治療に必要な費用をカバーできる。
主契約の保障内容としては、入院給付金や手術給付金で構成されている。
定期保険特約を、どの保険で準備すべきかは、個別の商品や資産状況によって異なる。
そのため、保険の専門家に相談して決めると良い。
定期保険特約のメリット・デメリットとは
定期保険特約は、割安な保険料で保障を準備できる一方で、解約返戻金がない。
メリットがある分、デメリットもあるため、それぞれを把握して準備すると良い。
定期保険特約のメリットとデメリットについて解説する。
定期保険特約のメリット
定期保険特約は、終身保険と異なり、保障額に対して保険料が割安に準備できる点である。
そのため、生活費が圧迫されるリスクや、収入が減少して保険を解約してしまうリスクは低い。
遺族への生活費の確保など、経済的な損失を割安な保険料で準備できる点はメリットといえる。
また、自分が必要な保障期間を設定できる点もメリットである。
保険商品によっても異なるが、保険期間も年単位で設定できるので、子どもの独立や配偶者の年金受給までの期間まで自由に設定できる。
定期的な見直しをしたい人にとってはメリットがあるといえるだろう。
定期保険特約のデメリット
定期保険特約は、保険料が掛け捨てになるので、契約が満了するとそれまで支払っていた保険料は返金されない。
また、特約として準備できる保障額が制限されているケースもある。
あくまでも主契約に付加する特約なので、保障額にも上限が決められている場合がある点に注意したい。
保険料や保険期間を無駄にしないためには、主に以下の2つを踏まえて準備すると良い。
- 保険期間がいつまで必要か確認
- 必要な保険金額や保険料を事前に計算
定期保険特約の加入目的を明確にしていれば、必要な保障期間が自ずと分かる。
加入目的としては、以下のケースが一般的な目的にあたる。
- 子どもが経済的に独立するまでの保障
- 定年に到達するまでの保障
- 配偶者が公的年金を受け取れるまでの保障
また、保険金額がいくら必要かを事前に計算して、適切な保険料で準備できるようにすることも重要である。
一般的に、配偶者や子どもがいる世帯には、遺族年金が支払われる。
ただし、加入している年金や子どもの有無、子どもの人数によって支給額が異なるため、事前に計算しておく必要があるだろう。
一般的に、遺族年金は自営業やフリーランスに支払われる遺族基礎年金より、会社員や公務員に対して支払われる遺族厚生年金が多く支給される。
そのため、特に自営業者やフリーランスの人は、定期保険特約で受けられる保障額を手厚く設定しておく必要があるだろう。
定期保険特約を付けるべき場合
定期保険特約に加入すべき人の特徴としては「経済的な損失を自己資産でまかなえない人」「自己資産で経済的な損失をカバーすると家計の圧迫や生活苦に陥る可能性がある人」「目的をもって貯蓄や資産形成をしている人」が挙げられる。
治療費や介護費、遺族の生活費の確保など、経済的な損失を自己資金でまかなうことが難しい場合であれば、保険に加入する必要があるだろう。
また、教育資金や住宅購入資金、老後資金といった目的をもって貯蓄や資産形成している場合も保険に加入する必要性が高い。
必要な保障額や保障期間は、収入状況や子どもの人数、また年齢によって異なる。
どの目的で備えるかを明確にしたうえで、必要な保障額や保障期間は専門家に相談してアドバイスを受けると良いだろう。
定期保険特約を付けられる保険を紹介
定期保険特約を付加できる保険商品から、代表的な保険商品を紹介する。
定期保険特約は、すべての保険で準備できるわけではない。
以下の保険商品から、保険商品の概要と注意点について解説する。
- ジブラルタ生命「終身保険」
- フコク生命「複合型保障 未来のとびら」
- 明治安田生命「ベストスタイル」
それぞれの内容について解説する。
ジブラルタ生命「終身保険」
ジブラルタ生命の「終身保険」は、一生涯の死亡保障を備えられる保険である。
死亡時もしくは高度障害状態に該当した場合に、保険金を受け取れる。
保険料を支払期間中に、疾病によって所定の身体障害状態に該当すると、保険料の支払いが免除される。
ジブラルタ生命の終身保険に付加できる特約の1つに「平準定期保険特約」がある。
平準定期保険特約は、自分が必要な保障期間を定めて保険を準備できる。
一定期間、大きな保障を準備したい人にとって適したプランとなる。
特約として設定した期間が満了した場合、保障を更新できる。
メリットとしては、健康状態にかかわらず所定の範囲内で自動的に更新できる。ただし、保険を更新した場合は保険料が高くなる。
そのため、保険期間を適切に設定するように注意しておく必要がある。
フコク生命「複合型保障 未来のとびら」
フコク生命が販売している「未来のとびら」は、必要な保障を必要な分だけ自由に組み合わせられる保険商品である。
特約として付加する保険は、基本的に主契約の制限を受ける。
しかし「未来のとびら」では、それぞれの保障を自由に組み合わせできる。
未来のとびらで準備できる保険ジャンルは、以下の保障である。
- 万一の保障
- 身体障がい・介護の保障
- 就業不能保障
- 病気やけがの保障
- 高度ながん治療の保障
- 資金準備の保障
定期保険特約は、万一の保障で準備できる特約である。
定期保険特約で設定できる保険金額は、自分に適した額を設定できる点がメリットである。
また、3歳から75歳まで契約できるので、年齢によっては定期保険特約が付加できない点に注意したい。
明治安田生命「ベストスタイル」
明治安田生命の「ベストスタイル」は、ライフステージの変化に対応した保障を組み合わせられる保険である。
更新型の保険なので、加入後のライフステージが変化しても豊富な特約のラインナップから見直しができる。
健康診断の結果を提出すれば、保険料の一部を毎年キャッシュバックができる保険なので、健康状態に応じて保険料が優遇されている面もメリットである。
以下のランクに応じて、キャッシュバックの割合が異なる。
- ランク1:1ヵ月分相当キャッシュバック
- ランク2:0.5ヵ月分相当キャッシュバック
- ランク3:0.1ヵ月分相当キャッシュバック
組み合わせられる特約は、以下4つのカテゴリーから準備できる。
- 病気・ケガへの備え
- 重い病気への備え
- 就業不能・介護への備え
- 万一への備え
特約として設定した期間が満了した場合、契約は更新できる。
ただし、保険を更新した場合は保険料が高くなるので注意が必要である。
そのため、まずは適切な保険期間を確認したうえで、適切に設定しておくと良いだろう。
定期保険特約を、どの保険で準備すべきかは、個別の商品や資産状況によって異なる。
そのため、保険の専門家に相談して決めると良い。
定期保険特約は保障額に対して保険料が割安に準備できる!
本記事では、特徴やメリットとデメリット、さらに特約が付加できる実際の保険商品についての解説を行った。
定期保険特約は、終身保険や養老保険、また医療保険に定期保険を付加できる特約である。
契約を更新して保障を延長する「更新型」と、保険期間を延長せずに保障を備える「全期型」に分かれる。
どちらも一定期間の保障がある点に変わりはないが、前者は更新時に保険料が高くなる点に注意したい。
後者については、原則保障を更新して延長させられないので、適切な保障期間を設定する必要があるだろう。
また、定期保険特約を付けられる具体的な商品について紹介したが、あくまで一例である。
無駄な保険料や保障期間を設定しないようにするには、必要な保障期間や保障額を明確にしたうえで、最適な保険商品を見つけることが重要である。
そのため、保険選びに少しでも疑問や不安があれば、専門家である保険のプロに相談すること良い。
専門的なアドバイスを受けることで自分に必要な保険を見つけることができるだろう。
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