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生命保険に介護特約は必要なのか?保障内容やおすすめの保険を解説

この記事で解決できるお悩み
  • 生命保険に付けられる介護特約について詳しく知りたい
  • 生命保険の介護特約を利用するメリット・デメリットを理解したい
  • 介護特約を付けられるおすすめの生命保険が知りたい

高齢化が進む日本では、介護への保障に関心が高まっているが、本記事では生命保険での介護特約の必要性について解説する。

この特約を付けることでのメリットやデメリット、介護保険との違いについても説明する。

さらに介護特約を付けられる生命保険の選び方、そしておすすめする生命保険まで紹介する。

生命保険に介護特約を付けるべきか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてほしい。

目次

生命保険に付加できる介護特約とは

ここでは生命保険の介護特約について解説する。

生命保険では、万一自分が亡くなったときに、家族を経済的に守ってくれる保険金が支払われる。

この生命保険を主契約として、保障内容を充実させるために付け加える契約を「特約」と呼ぶ。

生命保険の特約(一例)
  • 疾病入院特約
    • 病気で入院したときに、入院給付金が支払われる。また病気で所定の手術を受けたときには、手術給付金が受け取れる。
  • 通院特約
    • 入院後の病気・ケガの治療のために通院したときには、通院給付金が支払われる。
  • リビング・ニーズ特約
    • 医師から余命6ヶ月以内と判断された場合に、死亡保険金の一部または全部が、生前に支払われる。

など

介護特約とは、被保険者が要介護状態になった場合の保障を、生命保険に付け加えられる特約のことだ。

この「介護特約」とともに、「介護保険」や「公的介護保険」との違いについても紹介する。

介護特約の概要

介護特約では、被保険者が要介護状態になったときに、給付金として一時金や年金(またはその両方)が支払われる。※被保険者:生命保険の対象者

生命保険の保障内容には、介護保障が本来含まれていないが、この特約を付けることで、上記のような保障が加わる。

介護特約は、生命保険の加入時に付けて契約し、その後に介護特約だけの解約もできる。

しかし生命保険の加入後に、あとから介護特約を追加することは、保険商品によってはできない場合もある。

また主契約(生命保険)の契約が終了、もしくは解約した場合には、特約も終了する。

さらに、保険の更新のたびに料金も上がる介護特約も多いので、注意が必要だ。

介護特約の給付要件

どのような状態になれば、介護特約から、一時金や年金が受け取れるのだろうか?

この介護特約の給付要件は、生命保険会社や保険商品によって、さまざまだ。

一般的に下記のタイプ1〜3のすべて、タイプ1と2の組み合わせ、タイプ3のみのいずれかを給付要件としている。

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給付タイプ給付要件
タイプ1:
日常生活動作について介護が必要になった場合に受け取れるタイプ
「寝返り」または「歩行」ができない状態もしくは「寝たきり状態」であり、次のA~Dのうち2項目以上が自分ではできない状態
A:食物の摂取
B:入浴
C:衣服の着脱
D:大小便の排泄後の拭き取り始末
・タイプ1と2の状態が「180日継続」していることが必要な保険商品が一般的
・タイプ2に関しては「90日継続」でも給付とする保険商品もある
タイプ2:
認知症と診断され、見当識障害などがある場合に受け取れるタイプ※1
医師により「器質性認知症」と診断され、意識障害のない状態で「見当識障害」に該当した場合
※2上記に加えて以下の要件が該当する場合を給付要件とする保険商品もある。「問題行動」の有無※3日常生活で上記A~Dのいくつかに該当
タイプ3:
公的介護保険制度に連動して受け取れるタイプ※4
公的介護保険制度において、「要介護2」以上、または「要介護3以上」と認定された場合
※1 見当識障害:「今がいつか(時間)」「ここがどこか(場所)」「自分や家族のこと(人物)」がわからなくなる状態。
※2 器質性認知症:アルツハイマー型認知症など、脳そのものの形態が変わったことで発症する認知症。
※3 問題行動:徘徊、意欲低下、尿便の失禁、暴力・暴言、収集癖など周囲の人に影響を及ぼす行動。
※4 公的介護保険制度については、以下参照。
出展:厚生労働省「介護保険制度における要介護認定の仕組み」

介護保険とは

生命保険に介護特約を付ける以外に、介護保険に加入しても、介護保障を得られる。

介護保険は独立した保険として契約するので、介護特約のように主契約の影響を受けない。

個別に介護保険に加入するよりも、介護特約を生命保険に加えた方が、保険料は安くなる。

ただし生命保険と介護保険をそれぞれ契約する場合には、二つの保険を契約するため、介護特約と比べて保険料は割高になる。

なお、終身保障の生命保険や個人年金保険のなかには、介護保険に切り替えられる保険商品もある。

公的介護保険との違い

日本の社会保険制度には公的介護保険があり、介護特約や介護保険は、この制度を補うものだ。

このため介護特約や介護保険を契約する場合には、公的介護保険との違いを理解しておいた方がよいだろう。

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 介護特約・介護保険公的介護保険
加入任意40歳以上は強制加入
給付給付
対象者
保険契約者第一被保険者※1:65歳以上で要支援・要介護に認定された人
第二被保険者※2:40歳以上64歳未満で、末期がんや難病により介護が必要な人
給付
方法
現金支給介護サービスや介護用品などの現物支給
給付額保険契約による要介護度・要支援度による
手続き・支払先保険会社市町村
※1:65 歳以上の方
※2:40 歳から 64 歳までの医療保険加入者この公的介護保険制度は、今後の少子高齢化の進行にともない、制度の内容が見直される恐れもある。

このため、介護特約や介護保険への関心が近年高まっている。

生命保険に介護特約を付けるメリット・デメリット

要介護状態になった場合には、公的介護保険の給付が受けられるが、この保障だけでは不十分と考えている人も多い。

万一そのような状態になっても、快適な生活を送るためには、生命保険に介護特約を付けた方がよいだろう。

しかし、介護特約を付ける際には、注意すべき点もあり、「介護特約を付けない」という選択肢もある。

ここでは介護特約を付けるうえでのメリットとデメリットを解説する。

介護特約のメリット

生命保険文化センターの調査結果では、月々の介護費用に平均8.3万円、住宅の改築など一時的費用では74万円がかかる。

公的介護保険では、この制度で規定されている介護サービスや介護用品などが現物支給される。

しかし規定外の費用、例えば介護のために家事の代行が必要になっても、その費用を負担してくれない。

介護特約は現金支給であるため、支給されるお金は、さまざまな用途に充てられる。

また介護特約では、40歳未満や不慮の事故による要介護状態の人など、公的介護保険の給付対象外の人にも給付されることがある。

介護特約のデメリット

この介護特約を付けると、保険料が上がる。

またこの特約を付けたくても、特定の病気やケガの既往歴があれば、付けられない保険商品もある。

給付条件も保険会社により異なるため、公的社会保険では給付対象になる場合でも、保険会社の給付対象にはならないこともある。

以上のことから、介護特約を付ける前には保険商品の資料などを読み、特約の内容を十分理解しておく必要がある。

介護特約を付けるべきか?付けなくてもよいか?

介護保険は、必ず付けなければならないものではない。

介護費用に充てられる資産や年金がある人は、要介護状態になっても経済的不安は少ないだろう。

周囲にサポートをしてくれる親族などがいれば、公的介護保険を用いて利用できるヘルパーとの協力で、介護も可能になるだろう。

しかし資産や年金が少ない人、周囲にサポートをしてくれる親族がいない人、または親族に迷惑をかけたくないと考える人もいる。

そのような人や、介護付きの高級老人ホームなどで手厚い看護を受けたい人には、介護特約を付けるべきだ。

自分が住んでいる地域で受けられる介護サービスを調べてみよう

都心部と比べて、地方は介護サービス事業者が少ない地域や、また人手不足のためサービスレベルも低い場合が多い。

※介護サービス事業者:介護が必要な人に、在宅サービスや施設サービスを提供する事業者

しかし都心部では、通常の介護施設への入居の順番を待つ人も多く、簡単に入居できない。

そのため彼らは、介護付きの高級老人ホームへの入居を考えており、そのときに備えて介護特約を付けている。

このように介護特約を付けるかどうかを判断するうえで、自分が住んでいる地域で受けられる介護サービスを調べてみるのも一考だ。

介護特約を付けられるおすすめの生命保険を紹介

最近では介護特約を付けられる生命保険が増えてきたため、保険選びに悩まれている人も多いのではないだろうか。

ここでは、介護特約を付けられる生命保険のなかで、おすすめする生命保険を三つ紹介する。

さらに、介護保険を付けられる保険の選び方も説明する。

生命保険を選ぶ際の参考にしてほしい。

明治安田生命“ベストスタイル”

この生命保険は、「必要な保障を必要な分だけ」というコンセプトを持つ保険商品だ。

この保険には、30の特約があるため、ライフステージの変化に合わせて、自分に合った保障内容に変えられる。

この特約のなかには、以下の二つの介護特約がある。

  • 新・介護保障特約
    • 被保険者が要介護状態になった場合、一時金として介護保険金が給付される。
    • この特約は健康サポートキャッシュバックの対象であり、健康診断結果を提出すれば、毎年最大1ヶ月分の保険料がキャッシュバックされる。
  • 介護サポート終身年金特約
    • 被保険者が要介護状態になった場合、介護年金が一生涯にわたり毎年給付される。また保険料払込期間満了後に、被保険者が亡くなった場合には、一時金として死亡保険金(介護年金の年額の1割)が支払われる。

一方で、特約が30もあることが、この保険のデメリットになる場合もある。

つまりどのような保障が必要かが曖昧であると、付ける特約を迷うことや、余分な特約を付けてしまう恐れもある。

第一生命“ジャスト”

この生命保険は、14の保険のなかから必要なものを選んで、自分に合った保障を作る「組立型総合保険」だ。

その14の保険のなかで、以下の四つが介護保障をするものであり、個別で加入できるものもある。

  • 介護・身体障害所得保障保険
    • 被保険者が要介護状態になった場合、年金が支給される。
  • 3大疾病・介護・身体障害保険
    • 被保険者が要介護状態になった場合、一時金が支給される。
  • 軽度3大疾病・介護・身体障害保険
    • 被保険者が40歳以上で公的介護保険制度の「要介護1」と認定された場合、一時金が支給される。なお、この保険だけでの加入はできない。
  • 認知症保険
    • 医師から認知症と診断され、公的介護保険制度の「要介護1」以上と認定された場合、一時金が支給される。

この生命保険では、さまざまな保険を組み合わせて、自分に合った保障を組み立てられる。

一方で、さまざまな保険会社の個性的な保険商品を個別に契約して、「いいとこ取り」をしたい人には向いていない。

大樹生命“大樹セレクト”

大樹生命とは、かつての三井生命保険であり、日本生命グループ傘下となったために2019年から現在の社名に変更した。

この保険会社が販売している「大樹セレクト」には、主契約がない。

自分が加入する保険は、以下の四つの保障分野から自分に合った特約を選び、自由に組み立てられる。

  • 死亡保障セレクト
    • 被保険者が亡くなった場合に、一時金または年金が支給される。
  • 生前給付保障セレクト
    • 被保険者が重篤な病気などになった場合に、一時金または年金が支給される。
  • 介護保障セレクト
    • 被保険者が事故・病気・認知症などで要介護状態になった場合に、一時金または年金が支給される。
  • 医療保障セレクト
    • 病気やケガのため、治療・入院・手術を行った場合に、一時金または年金が支給される。

上記③の介護保障セレクトのなかには、以下の三つの介護特約がある。

  • 介護年金特約
    • 要介護状態になった場合に、年金が月々支給される。
  • 介護一時金特約
    • 要介護状態になった場合に、一時金が支給される。
  • だんかい介護特約
    • 軽度の要介護状態から重度の状態にわたり、段階的に一時金が支給される。

※軽度の要介護状態:公的介護保険制度の「要介護1」以上と認定された状態。

ただし主契約がないので、生命保険の加入や見直しが必要でない人には、この介護特約は介護保険として検討すべきものになる。

介護特約を付けられる生命保険の選び方

介護特約を付けられる生命保険を選ぶうえでは、まず主契約(生命保険)の保障内容が自分に合っているかを判断する必要がある。

そのうえで介護特約に対する、保険の目的を考えたい。

要介護状態になった場合に、住宅の改築などでまとまったお金が必要と考えるのであれば、一時金が支給されるタイプを選ぶべきだ。

継続的な介護費用の備えとして考えるのであれば、年金が支給されるタイプになる。

また支給される金額も目的によって変わり、支給金額により保険料も変わる。

そして自分が要介護状態になった場合は、一時金や年金を自身が直接受け取ることは困難になるため、成年後見人も考える必要がある。

※成年後見人:要介護者などの代理・財産管理などをするように定められた人。親族以外に弁護士・司法書士・社会福祉士などの専門家がなる場合もある。

介護特約を付けられる生命保険は限定される!要介護状態になった時の備えとして活用しよう

本記事では、「生命保険に介護特約は必要なのか?」について解説をした。

生命保険に付けられる介護特約は、要介護状態になった場合の備えになるが、付けられる生命保険も限定されるので注意しよう。

このため、おすすめする「介護特約が付けられる生命保険」も紹介したので、保険選びの参考にしてほしい。

もし保険選びに疑問や不安があるときは、保険のプロに相談すれば、自分に必要な保険を見つける助けになるだろう。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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