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糖尿病でも生命保険に入れるのか?審査に与える影響を解説

この記事で解決できるお悩み
  • 糖尿病など持病があっても生命保険に加入できるのか知りたい
  • 糖尿病の人が保険を選ぶ際のポイントについて理解したい
  • 糖尿病の人でも入りやすい生命保険が知りたい

この記事では、糖尿病になると生命保険に加入できるのか?という疑問に対して、解説する。

結論からいえば、糖尿病でも加入できる保険はあるが、一般的な生命保険に加入することは難しい。

保険に加入する際には保険会社で審査があり、一般的な生命保険では、糖尿病であると審査に通過しにくいからだ。

この保険会社での審査の内容についても説明する。

さらに糖尿病の人向けの保険の選び方、持病があっても加入できる保険についても紹介するので、参考にしてほしい。

目次

糖尿病と保険審査の関係性

ここでは、保険に加入する際に保険会社で行われる審査について解説する。

糖尿病などの持病を持っている人は、健康な人と比べて、重症化リスクや死亡リスクが高くなってしまう。

このため持病がある人は、健康な人を対象としている一般的な保険に、加入できない場合が多い。

しかし糖尿病でも加入できる保険もある。

この保険と一般的な生命保険の審査の違いについても説明する。

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なぜ生命保険の加入には審査が必要なのか?

生命保険とは、公平性を第一とした「相互扶助の精神(お互いに助け合い支え合う考え方)」にもとづく仕組みだ。

生命保険の始まりには諸説あるが、17世紀の英国で牧師たちが、葬式代のために積み立てを行ったことが始まりともいわれている。

年齢に関係なく同じ金額を集めたため、この活動は10年ほどでなくなった。

余命の短い高齢者は、若者と比べて支払った総額は少なくなるが、同じ金額が得られるために若者から不満の声があがったからだ。

ここでの高齢者を持病がある人と置き換えると、持病のある人を、健康な人と同等に扱うと不公平感が生じる。

このために保険会社では審査を行い、持病のある人を、健康な人向けの保険には入れないようにしている。

糖尿病が及ぼすリスク

保険会社にとっても、健康な人と比べて、さまざまな合併症の原因となる糖尿病の人はリスクのある存在だ。

重篤な糖尿病は、狭心症・心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を引き起こしやすく、ガンや認知症になる可能性も高い。

このような重篤な病気になる可能性が高い糖尿病の人は、保険会社にとっても、保険金を支払うリスクが高い存在になる。

このため保険料は割高だが、持病のある人でも加入しやすい保険商品を用意している保険会社も多い。

生命保険での加入審査

生命保険に加入する際には、保険の対象になる人(被保険者)は、保険会社に自分の健康状態を告知しなければならない。

その告知内容をもとに、社内審査のうえで、保険会社は保険の加入可否を決定する。

一般的な生命保険と持病がある人でも加入しやすい保険商品とでは、この告知内容が以下のように大きく異なる。

一般的な生命保険(例)

身長・体重
健康診断の受診について
・過去2年以内の健康診断の受診有無
・診断結果での異常指摘の有無

過去3ヶ月以内の健康状態について
・病気やケガによる手術・入院・受診の有無
・上記で「ある」と回答した場合は、その内容

過去5年以内の健康状態について
・手術の有無
・7日間以上の入院・受診の有無
上記で「ある」と回答した場合は、その内容

現在の障がい状態について
・障がいの有無
・上記で「ある」と回答した場合は、その内容
がんの罹患について
・悪性新生物・がん・肉腫・悪性リンパ腫・白血病上皮内がんの診断有無
・上記で「ある」と回答した場合は、その内容
女性の場合
・妊娠の有無
・過去5年以内の妊娠・出産に伴う入院・手術の有無
・上記で「ある」と回答した場合は、その内容

持病がある人でも加入しやすい保険(例)

過去3ヶ月以内に、医師より入院・手術・検査・先進医療をすすめられたことがあるか?
過去2年以内に、病気やケガで入院・手術先進医療を受けたことがあるか?
過去5年以内に悪性新生物・がん・肉腫・悪性リンパ腫・白血病上皮内がんで医師による診断を受けたことがあるか?
過去5年以内に肝硬変・認知症・アルコール依存症・統合失調症で医師による診断を受けたことがあるか?

上記を見てわかる通り、この二つの保険では告知する項目数が大きく違う。

糖尿病であることを偽るとどうなるか?

糖尿病であることを偽って、保険料が割安である一般的な生命保険に、加入しようとしてはいけない。

偽っていることがわかると、告知義務違反として、保険会社は保険契約を解除する。

保険契約が解除されると、被保険者への保障はなくなり、保険金が請求中であっても支払われない。

場合によっては、これまで支払ってきた保険金も戻ってこない場合もある。

さらに保険会社が悪質と判断した場合には、詐欺罪として訴えられることもある。

糖尿病の人が生命保険を選ぶ際のポイント

糖尿病の人は、合併症などを引き起こし重症化するリスクがあるからこそ、保険の加入は必要だ。

一方で糖尿病は、継続的治療が必要となるため、家計におよぼす医療費の負担は軽くはない。

このため保険を選ぶ際には、できる限り保険料を抑えることも考慮しなければならない。

しかし保険料を抑えることばかり考えすぎて、保障内容が十分でない保険に加入しても意味がない、

ここでは、糖尿病の人向けに、最適な保険の選び方を解説する。

定期保険を選ぶか?終身保険を選ぶか?

保険を選ぶまえに、定期保険と終身保険のいずれに加入するかを、決めておかなければならない。

定期保険は終身保険より保険料は割安であり、保険の加入時に保険期間が定められるため、満期の際には最新の保険商品を選べる。

しかし年齢を重ねるごとに保険料は高くなり、高齢になると、保険の更新や新規加入ができなくなる場合もある。

一方で終身保険の保険料は割高だが、生涯にわたり保険料は一定であり、自分が亡くなるまで保障は続く。

万一の場合に、保険のみに頼るならば終身保険、資産なども含めた保障資金のひとつと考えるならば定期保険とする考え方もある。

一般的な生命保険から加入可能な保険を探す

審査基準は保険会社ごとに異なるので、軽度の糖尿病ならば、一般的な生命保険に加入できる場合もある。

このため、さまざまな保険会社に問い合わせてみよう。

また保険会社によっては、以下のような「特別条件付き」で加入できる場合もある。

特別条件内容
特定疾病不担保保険会社が定める「特定の疾病は保障しない」という条件での保険加入
特定部位不担保保険会社が定める「特定の部位(からだの一部)の病気は保障しない」という条件での保険加入
障がい状態不担保保険会社が定める「特定の障がい状態 (視力障がいなど)になった場合でも、高度障害保険金の支払いや保険料払込免除も行わない」という条件での保険加入

持病を持っている人も加入しやすい保険も検討する

加入できる一般的な生命保険がなければ、「持病がある人でも加入しやすい保険」も検討しよう。

この保険を引受基準緩和型保険と呼び、先述した通り、告知項目は3〜5個程度しかない。

※この保険は、限定告知型保険や選択緩和型保険とも呼ばれることがある。

さらに告知を全く必要としない無選択型保険という生命保険もある。

これらの保険には注意すべき点もあるので、その点を考慮したうえで検討しよう。

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保険商品概要注意点
引受基準緩和型保険一般的な生命保険と比べて、告知項目数が少ない

加入前の持病も保障対象に含まれる加入前に医師からすすめられた入院・手術は保障対象外)
一般的な生命保険より、保険料は割高

保険加入から一定期間は、支払われる保険金が削減される場合がある
無選択型保険健康状態に関する告知をまったく必要としない

健康状態とは関係なく、加入できる
引受基準緩和型保険よりも、さらに保険料は割高であるが、支払われる保険金は少ない

保険加入から一定期間は、保障対象外となる場合や、保険金が削減される場合がある

なお、持病のある方に向けた保険加入のポイントについては以下の記事でも解説している。適宜参考にしていただきたい。

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社会保障制度も活用しよう

糖尿病の治療のために医療費が高額になる場合には、高額療養費制度を用いれば、医療費が払い戻される。

また重篤な糖尿病、もしくは糖尿病の合併症を起こした場合には、障がい年金が給付されることもある。

これらの社会保障制度を活用すれば、家計にかかる保険料の負担も、軽減できるだろう。

  • 高額療養費制度※1
    • 外来や入院で同一月内にかかった医療費の自己負担額が、一定の金額を超えた場合、あとから払い戻される。医療費が高額になることがわかっている場合は、事前に「認定証」を提示すれば、月ごとの上限額を超える分を窓口で支払う必要はない。
  • 障がい年金※2
    • 糖尿病では、以下のように年金の支給対象に該当する場合がある。
      • 糖尿病による眼・肢体・心臓・腎臓の障がいがある場合
      • 治療の難しい糖尿病にかかっている場合

糖尿病の人でも加入できる保険商品

これまで紹介してきた引受基準緩和型保険(定期・終身)、無選択型保険を下記の保険商品を例にして解説する。

  • 引受基準緩和型保険(定期)
    • はなさく生命“はなさく定期”
  • 引受基準緩和型保険(終身)
    • オリックス生命 “ライズ・サポート・プラス”
  • 無選択型保険
    • SOMPOひまわり生命“新・誰でも終身”

生命保険に加入しておかなければ、無保険状態になってしまう。

この状態にあると、万一のことが起こった場合に、残された家族へ経済的に何も残せない。

ここで紹介する保険商品は一例に過ぎないが、自分に合った保険を選ぶための参考にしてほしい。

はなさく生命“はなさく定期”

はなさく生命は、日本生命のグループ会社として2019年4月に営業を開始した保険会社だ。

この会社は、ネット型保険会社であるため、実店舗や営業担当者がいない。

そのため店舗経費や人件費が少ないため、保険料は割安だ。

この会社が販売している引受基準緩和型定期保険“はなさく定期”を以下に紹介する。

はなさく生命“はなさく定期”の特徴
  • 3つの基本告知項目が、すべて「いいえ」であれば申し込める
  • 以下の特約が付けられる
    • 引受緩和型3大疾病保険料払込免除特約
      • がん・心疾患・脳血管疾患により、保険会社が定めた状態になった場合には、保険料の払込みが免除される。
    • リビングニーズ特約(無料付加)
      • 余命6カ月以内と診断されたときには、死亡保険金の全部または一部が受け取れる。
  • 加入者には以下のサービスが受けられる
    • ご遺族安心サポート
      • 被保険者に万一のことがあった場合に、遺族へ相続や相続税などのサポートをする。
    • 24時間健康電話相談サービス
      • 健康に関する相談を24時間365日無料で受け付ける
      • 女性用専用ダイヤルもある
      • 医師・看護師・保健師・管理栄養士が対応する(女性用専用ダイヤルでは対応スタッフは全員女性)

オリックス生命 “ライズ・サポート・プラス”

この保険会社のコールセンターの対応に関する評価は非常に高い。

HDI-Japanが主催する「HDI格付けベンチマーク2021年」では、6年連続となる最高評価を得ている。

※HDI: ITサポートサービスにおける世界最大のメンバーシップ団体。HDI-JAPANは、その日本拠点。

この会社が販売している引受基準緩和型終身保険“ライズ・サポート・プラス”を以下に紹介する。

オリックス生命 “ライズ・サポート・プラス”の特徴
  • 一般的な終身保険と同じく、被保険者を生涯にわたり保障し、保険解約時には解約返戻金もある
    ※解約返戻金(かいやくへんれいきん):保険を解約すると払い戻される保険料
  • リビングニーズ特約は無料で付加される
  • 加入者には以下のサービスが受けられる
    • 糖尿病専門サポートサービス
    • セカンドオピニオンサービス
    • 重症化・再発予防カウンセリングサービス
    • 介護・認知症サポートサービス
    • 24時間電話健康相談サービス

SOMPOひまわり生命“新・誰でも終身”

この保険会社は、3メガ損保の一角にある、SOMPOホールディングスのグループ企業だ。

この会社のサービスは、顧客満足度が非常に高いと評価されている。

J.D. パワーが実施した「2023年生命保険契約満足度調査」の総合満足度ランキングでは、この会社は第1位を受賞した。

※J.D. パワー:米国ミシガン州に本社を置く世界的市場調査会社。

この会社が販売している無選択型保険“新・誰でも終身”を以下に紹介する。

SOMPOひまわり生命“新・誰でも終身”の特徴
  • この保険も一般的な終身保険と同じく、被保険者を生涯にわたり保障し、解約返戻金もある
  • 加入者には以下のサービスが受けられる
    • 健康・医療相談サービス
    • 医療機関情報提供サービス
    • 専門医相談サービス
    • 人間ドック等検診・検査紹介 予約・サービス
    • 介護関連相談サービス
    • 法律・税務・年金相談サービス
    • 家事代行紹介サービス
    • セキュリティサポート紹介サービス

保険のプロに相談しよう

この記事では糖尿病と保険審査の関係性、糖尿病の人が生命保険を選ぶうえでのポイント、そして具体的商品の紹介までを行った。

糖尿病になると生命保険への加入が簡単ではなくなるが、さまざまな選択肢を試みて、自分に合った保険に加入しなければならない。

そうしなければ、万一の場合には保障がまったくない無保険状態になってしまう。

糖尿病の人と向き合った経験のある保険のプロに相談すれば、有効なアドバイスが得られるだろう。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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