- 自分の職種に最適な医療保険を見つけたい
- 医療保険選びのポイントを知りたい
- 医療保険の種類とその特徴を理解したい
医療保険を探している人の中には、様々な職業の方がいるはずである。
それぞれの職場では、所属している公的医療保険の種類が異なり、利用できる制度も変わってくる。
そのため、職業によって新しく加入すべき医療保険も変化するのだ。その際の判断基準はどのように考えるべきなのだろうか。
そこで本記事では、医療保険を選ぶポイントを会社員・公務員・自営業の3種類の職業毎に解説する。
自分の職種ごとにおすすめの医療保険が知りたい人は、必見の内容となっているので、ぜひ最後まで読んでいただきたい。
会社員におすすめの医療保険
まず紹介するのは、会社員におすすめの医療保険だ。会社員は、各企業の健康保険(社会保険)に加入して、病気や怪我の費用を補ってもらっている。
そもそも、医療保険に追加で入らなくてもいいのではないか、と疑問に思う人もいるだろう。
そんな疑問を解消すべく、本段落では、医療保険と健康保険の両方に入るべき理由やおすすめの医療保険を紹介する。
また、実際に加入してから内容を見直すべきタイミングについても解説するので、ぜひ参考としてもらいたい。
健康保険と医療保険の両立
最初に結論から書くと、健康保険で賄いきれない部分を医療保険で補うために両者を併用する必要がある。
健康保険で受けられる保障内容の一部を、以下の表にまとめた。
給付制度の名称 | 実際の給付内容 |
---|---|
高額療養費制度 | 所得や年齢に応じて定められる毎月の上限額を医療費が超えてしまった場合、後日申請すればその差額分が支払われる。この制度があることで、日本では医療費が数百万円以上かかることはほぼない。マイナ保険証や限度額適用認定証を使えば、最初から支払いの上限額を上限額以内に収めることも可能。 |
傷病手当金 | 健康保険加入者が傷病で3日間以上就労できなくなった場合、収入のおよそ3分の2の額が最長1年6ヶ月にわたって支払われる。後述する出産手当金と併用不可。 |
出産手当金 | 健康保険加入者が出産で休んだ場合、傷病手当金と同程度の金額が支払われる制度。費用の計算は、出産日42日前〜出産後56日の範囲内で行われる。 |
出産育児一時金 | 健康保険の被保険者もしくは扶養家族が出産すると50万円が支給される。傷病手当金や出産手当金と併用不可。 |
埋葬料 | 健康保険加入者または扶養家族が死亡した場合、5万円が支給される。 |
上記のように、保障範囲は多岐にわたる。また、診療費の7割〜9割を支払ってもらえるのも重要なポイントだ。
個人の負担割合は収入や年齢によって変化するが、かなりの割合の医療費が健康保険で払ってもらえる。
これは、健康保険の最大のメリットと言えるだろう。
ただ、健康保険も万能ではない。以下の費用は、支給対象外となってしまう。
- 差額ベッド代
- 入院時、個室または2〜4人部屋を利用する際に追加でかかる費用
- 先進医療費
- 高度な技術を必要とする治療の費用
- 厚生労働省が定めており、医療的な実績が十分証明されていない等の理由で健康保険適用を検討中の治療法や薬
- 入院時の日用品購入費
- お見舞いに来る家族の交通費
特に差額ベッド代は、入院が長期化してしまうと加速度的に金額が増えていってしまう。
これらの費用を補ってくれるのが、医療保険なのだ。
また、先進医療を利用したいという人も医療保険に入っておけば、費用面を気にすることなく利用可能だ。
自己負担費用を準備するのに、医療保険は最適なのである。
会社員はいつ医療保険を見直すべき?
会社員が医療保険へ加入する意味は理解できたが、入った後に見直すべき時期や見るべきポイントを知りたい人もいるだろう。
ずばり、①新卒で会社へ就職する・転職や起業する時②結婚する・子どもが産まれる時がベストタイミングと言える。
それぞれ見るべきポイントと共に解説しよう。
新卒入社のタイミング
学生時代に親が加入してくれていた医療保険を継続利用することも出来るが、長年入っている場合は保障内容が不足している可能性もある。
医療技術の発達スピードは早く、数年前の内容では十分な金額が受け取れないというケースも希ではない。
そのため、新しく会社へ入るのと同時に新しい医療保険に入るべきか、検討する必要があるのだ。
転職や起業のタイミング
特に起業する場合は、健康保険ではなく国民健康保険に加入することになる。
詳しい内容は後述するが、国民健康保険は健康保険と比較して、利用できる制度が少なくなってしまう。
そのため、起業前と同じ感覚でいるともらえる金額が想定より少なく、家計管理に悪影響が出る可能性も高い。
こういった時に、医療保険の保障内容を手厚くすることで対処できる場合があるのだ。
新しい職場に行く際は、是非保険を見直すことをおすすめしたい。
結婚や出産のタイミング
家族が増えることによって、必要な生活費も増えるため、保障金額と保険料のバランスを取る必要が出てくるからだ。
総務省統計局の調査によれば、2023年度の平均支出額は単身世帯が167,620円なのに対し、2人以上の世帯は293,997円となった。
また、単身・2人以上の世帯のどちらも、2020年から平均支出額は上昇傾向にあり、今後必要な生活費はさらに増加することが予想される。
必要な生活費が上がるということは、入院時に家族の生活を保障するために必要な金額も上昇することになる。
ただ、保障内容を増やしすぎて毎月の保険料が払えなくなり、途中解約してしまっては意味がない。
あくまでも家計に負担をかけすぎず、家族の生活を守れるだけの保障内容を備える必要があるのだ。
そのため、結婚や子どもの誕生時には医療保険を見直すべきと言える。
会社員におすすめの医療保険
最適な医療保険を見極めるには、複数のものを比較することが欠かせない。
ここからは、会社員におすすめの医療保険を2種類紹介するので、検討時の参考にしてもらいたい。
まず紹介するのは、チューリッヒ生命の「終身医療保険 プレミアムZ」である。
この保険は、保険料を抑えつつ幅広く保障を備えられる点が特徴だ。
そのため、特に結婚を機にバランスの良い医療保険を探している会社員におすすめである。
35歳男性が公式サイトのおすすめプランへ加入した場合の条件について、以下にまとめたので参考にしてほしい。
月額保険料 | 1,134円 |
---|---|
入院給付金 | 1日につき、5,000円 |
支払限度日数 | 60日(1回の入院で最長何日まで給付金が支払われるかを表した数値) |
手術や治療時の給付金 (1回受ける度に払われる額) | 入院時の治療・・・5万円(放射線治療を含む) 外来の手術・・・2.5万円 骨髄ドナー・・・5万円 |
先進医療給付金 | 先進医療の手術費(〜2,000万円) 支援給付金(〜15万円) |
また、後から特約でがんなどへの保障を手厚くすることも可能であり、柔軟性も非常に高い。
保険料を抑えつつ、様々な場面に対応できるようにカスタマイズできる万能性が、プレミアムZに加入するメリットと言える。
2番目に紹介するのが、はなさく生命の「はなさく医療」だ。
この保険では、特約をつけることで、がんや腎不全など特定8疾病に対する保障を手厚くすることができる。
具体的には、指定の疾病に罹患した場合に10万〜100万円の「特定疾病一時給付金」を受け取ることが可能だ。
また、身体障害になった場合に費用が払われる特約や、特定疾病になった後の保険料支払いを免除する特約など、多種多様な特約を揃えている。
もちろん、特約をつければ毎月の保険料は高くなるため、自分に必要なものを考えて組み合わせる必要がある。
ただ、健康保険以外の保障を備えたい会社員にとっては、非常に有益な医療保険と言えるだろう。
以上の2種類以外にも、会社員におすすめな医療保険はいくつも存在する。
最適なものはどれか、様々な保険の内容を比べて見極めるようにしてもらいたい。
公務員におすすめの医療保険
続いて、公務員が医療保険を選ぶポイントやおすすめの商品を紹介しよう。
公務員は福利厚生が充実しているイメージがあり、医療保険は必要ないと思っている人も多いかもしれない。
ただ、中には入るべき人も存在する。
公務員の方は、この段落で説明する内容を理解して自分に最適なものを選べるようにしてほしい。
公務員に医療保険は必要ない?
公務員が医療保険に入る必要がないと言われるのは、共済組合が提供する医療保障で十分だと思われているからであろう。
確かに、共済組合は先述した健康保険と同様の制度が利用可能で、「団体保険」という民間の医療保険のようなものへ加入もできる。
2種類の医療保障が備えられるのであれば、加入の必要性は薄いと思うひとがいてもおかしくない。
ただ、共済組合の提供する医療保障も健康保険と同じく、差額ベッド代や先進医療費は保障の対象外だ。
そのため、十分な費用が用意できていなかったり、高度な技術を使用した治療を受けたい人にとって、医療保険に入る必要性は高いと言える。
さらに、団体保険も万能なものではなく、明確なデメリットがある。
それは、保障内容がシンプルすぎて不足しがちなことだ。
公務員の入れる団体保険には、民間の医療保険にはよくあるがんへの保障や女性特有の疾患に対する保障を手厚くできる特約がついていないことが多い。
入院時に備えるだけならば、保険料を抑えつつ利用できて良いが、それ以上を求めるには物足りない場合が多いのである。
上記のような事情から、公務員の中でも医療保障を手厚く備えたい人は医療保険へ加入すべきと言える。
【公務員向け】医療保険選びのポイント
公務員が医療保険を選ぶ際には、共済組合に足りない部分を確認して、補えるものに入ることが非常に重要となる。
例えば、がんへの保障を手厚くしたいと思ったのであれば、がんへの保障を充実させられる特約がついた医療保険を優先して選ぼう。
また、既に共済組合の団体保険へ入っているのであれば、がん保険と併用することを検討してもいい。
また、団体保険は年齢の上昇と共に月額保険料も上昇していく。
そのため、終身タイプの医療保険へ早い段階で加入しておいた方が、結果的に支払う費用が少なくて済む可能性がある。
そのため、団体保険へ入る前に保険料の計算をしておき、終身医療保険とどちらに入るべきか比較しておこう。
公務員は福利厚生が充実している分、必要な保障内容も絞りやすい。
自分に最適なものがどれか、事前に考えてから医療保険を選ぶようにしてもらいたい。
公務員におすすめの医療保険
実際に公務員におすすめの医療保険を2種類紹介する。
一つは、アクサダイレクト生命の「アクサダイレクトの終身医療」だ。
特徴は、様々なオプションを加入目的に合わせて組み合わせられる点にある。
例えば、長期入院時一時給付金特約では、入院が60日を超えた時点で50万円を受け取ることが可能だ。
入院時の支払限度日数も60日であり、そこからは入院給付金が支払われなくなる。
そういった点で、入院が長引いた時に備えたい人にはおすすめの特約と言えよう。
また、通院支援特約では退院時に年2回まで5万円を受け取ることができる。
病院に通う機会が増えると思う人は、つけておくことで交通費などに利用することができるようになっている。
上記のように、アクサダイレクトの終身医療には自分に最適な特約を組み合わせることができる。
そのため、団体保険だけでは物足りない公務員の方に、ぜひおすすめしたいものになっているのだ。
なお、アクサダイレクト生命は2024年4月1日から「アクサ生命」に吸収合併されて名前が変わる。
もし契約したいと考えている人は、注意してほしい。
もう一つは、アフラックの『「生きる」を創るがん保険 WINGS』である。
この保険は、特約をつけずとも幅広い保障内容を備えることができる。
そのため、がんに対する保障を徹底的に手厚くしたい人にとって、おすすめのものとなっている。
段階ごとに、給付される保険金を以下にまとめたので、確認してもらいたい。
がんの精密検査 | 1年に1回、2万円 |
---|---|
診断時 | 最初の診断で50万円、入院や通院が増えれば追加で50万円、再発の場合は2年ごとに50万円 |
入院・通院時 | 1日につき1万円 |
治療 | 1回につき3万円〜10万円 保険診療外の治療を受けた場合は1回につき50万円 がんゲノムプロファイリングを受けた場合は1回につき10万円 |
先進医療 | 最大2,000万円まで保障 一時金を1年に1回、15万円支給 |
他にも特約をつけることで、更に給付金を増やすことが可能だ。
その分、毎月の保険料も高くなるのでバランスには注意して選ぼう。
自営業者・フリーランスにおすすめの医療保険
最後に紹介するのは、自営業者やフリーランスの方が医療保険を選ぶポイントである。
実は、この2種類の職業の方は、今まで紹介してきた中で最も医療保険に入る必要性が高い。
なぜかというと、いくつかの公的医療保険制度が使えないためである。
本段落では、自営業者やフリーランスが医療保険を活用する重要性や選ぶ際のポイントを解説する。
最後にはおすすめ商品も紹介するので、保険を選ぶ際の参考としてもらいたい。
自営業者・フリーランスが医療保険に入る意義とは
国民健康保険に加入する自営業者やフリーランスの方は、以下の制度を利用することができない。(もしくは支給額が別の公的医療保険と比べて低くなる可能性がある)
- 出産育児一時金(条例で決められた金額になる)
- 埋葬料(条例で決められた金額になる)
- 傷病手当金
- 出産手当金
特に、傷病手当金が使えないのは大きな問題になりうる。
怪我や病気で働けなくなった場合の収入保障がないため、貯金でなんとかしなければならなくなるからだ。
その際、医療保険に加入しておけば入院給付金や手術給付金で医療費を賄うことができる。
また、出産手当金も使えないため、自営業の女性に子どもができた場合は一気に収入が下がってしまう。
子育て時には様々な支援制度が使えるとはいえ、家計に大きな負担がかかってしまうのは避けたいところだ。
医療保険の保険金が利用できれば、その影響を減らすことができるため、加入を検討してみても良いだろう。
このように、国民健康保険の加入者は利用できる制度や金額が少ないため、自分の生活をまもるために医療保険へ入る必要性が高いのだ。
医療保険を選ぶポイント
自営業やフリーランスの人が、医療保険を選ぶ際には「入院時の逸失収入がどれくらいになるか」を特に重視する必要がある。
逸失収入とは、怪我や病気で入院して働けなくなり、実質的な費用負担が増えることを指す。
傷病手当金がない自営業やフリーランスの方は、この金額が大きくなりがちなため、事前に計算して準備する必要がある。
入院時の逸失収入の平均額を参考に示すと、過去5年間で入院した人は、月額平均30万2,000円だ。
これは、1日当たり2万1,000円が失われていることを指す。
また、入院時には逸失収入だけでなく、日用品費や家族のお見舞い交通費など何かとお金が必要になりがちだ。
そのため、自分の逸失収入よりも少し多い金額を用意できるような医療保険を探して加入する必要性が高いと言える。
自営業者・フリーランスにおすすめの医療保険
最後に自営業者やフリーランスの方に最適な医療保険を2種類紹介しよう。
まずは、オリックス生命の「キュア・ネクスト」を紹介する。
保険としての特徴は、生活習慣病への手厚い保障がある点や様々な手術に対応して保険金が支払われる点にある。
特にがん・心疾患・脳血管疾患で入院した場合、入院給付金の支払限度日数が無制限になるのは非常に心強い。
更に、手術給付金もかなりの高額を受け取ることができる。
入院中の場合は20倍・外来の場合は5倍の額の入院給付金を受け取れるのだ。
国民健康保険で賄いきれない部分を補ってくれるキュア・ネクストは、おすすめの保険となっている。
ぜひ検討してみてほしい。
また、SBI生命の「終身医療保険 Neo」もおすすめである。
この保険は、かなりリーズナブルな価格で保障を備えられるのが大きなメリットとなっている。
加えて、特約の種類も多いため、自分に適したものが選べれば自営業者の強い味方となってくれるはずだ。
30歳女性が加入した時の条件を、以下にまとめたので参考にしてほしい。
月額保険料 | 1,155円(優良体料率適用時) |
---|---|
入院給付金 | 1日につき、5,000円 |
支払限度日数 | 60日 |
8大疾病支払日数 限度無制限特則 | あり(がんや糖尿病を含む8大疾病で入院した時、支払限度日数が無制限になる) |
上記のように、特約をつけなくても生活習慣病への備えを手厚くすることが可能だ。
そのため、月々の保険料を抑えたい自営業の人にはうってつけのものになっている。
自営業者・フリーランスの方は、国民健康保険で賄いきれない生活費を医療保険で補う必要性が高い。
必ず複数種類の保険を比較し、自分や家族の家計状況に合ったものを選び取れるようにしてほしい。
まとめ
本記事では、会社員・公務員・自営業の3種類の職種別に医療保険へ加入する意義や選ぶポイント、おすすめの商品を紹介した。
それぞれの職業で医療保険を選ぶ際のポイントは異なっている。
それぞれの公的医療保険で賄いきれない部分を補えるよう、複数の保険を比較してあなたに最適なものを見つけ出してほしい。
保険選びに少しでも疑問や不安があれば、保険のプロに相談してみよう。
専門的なアドバイスを受けることで、自分に必要な保険を見つけることができるだろう。
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