- 法人向け生命保険の基礎をおさえたい
- 法人向け生命保険を導入するメリットを知りたい
- 法人向け生命保険の具体的な活用方法がわからない
法人として生命保険に加入する意義やメリットを理解してるだろうか?
法人向け生命保険は、単に社員への福利厚生としてだけでなく、中小企業にとっても有効な経営戦略の一つだ。
本記事では、法人向け生命保険の選び方や、具体的な活用方法について詳しく説明する。
経営者や人事担当者の皆様が知るべき最新の保険情報をわかりやすくまとめたので、ぜひ参考にしていただきたい。
法人向け生命保険の基本とは
法人向け生命保険の基本を説明するために、以下の3つを解説する。
- 法人向け生命保険の定義
- 法人向け生命保険選びのポイント
- 法人向け生命保険の種類と特徴
法人向け生命保険の定義
法人向けの生命保険とは法人を契約者とし、経営者・役員・従業員のいずれかを被保険者とする保険だ。
法人向け生命保険に加入する目的は主に以下の4つだ。
- 事業保障
- 相続・事業承継
- 役員退職金
- 福利厚生
法人向け生命保険に加入していると経営者や従業員に万が一のことが発生しても、死亡保険金を事業承継資金や遺族弔慰金に充てたり、解約返戻金を退職金に使える。
法人向け生命保険選びのポイント
法人向け生命保険を選ぶポイントは以下の3つだ。
- 備えたいリスクにあった商品を選ぶ
- 支払い続けられる料金設定の商品を選ぶ
- 保険のプロに話を聞く
法人保険を選ぶ際は、事前に加入の目的を決めておくことが重要だ。
詳しくは後述するが、法人向け生命保険には、加入の目的別にさまざまな種類がある。
目的を定めず保険に加入すると、本来備えたかったリスクに備えられなくなり後悔する可能性が高くなる。
後悔しないためには、「どのようなリスクに備えたいのか」を明確にすることが大切だ。
一般的に保険商品は長期間にわたり保険料を支払い続けなければならない。
法人向け生命保険は個人向けの商品とは異なり、保険料も多額となるケースが多く、商品や保証内容によっては年間100万円以上の出費になることもある。
そのため保険商品に加入する前には、支払いシミュレーションを行い、長期にわたって保険料を支払い続けられるか検証する必要がある。
法人向けの保険は個人向けの保険と異なり、保険料や解約返戻金の経理処理、名義変更など取り扱いが非常に難しい。
また各保険会社が目的別にさまざまな商品を提供しており、法人保険に詳しくない担当者が、1人で適切な保険を選ぶことは非常に困難だ。
適切な法人向け生命保険を選ぶためには、保険のプロに意見を聞くことをおすすめする。
保険のプロを探す際は、保険のプロ専門のマッチングサービスの活用がおすすめだ。
例えば保険の専門家とのマッチングサービス「生命保険ナビ」では、全国の保険のプロからあなたにあった専門家を見つけられる。
「法人向け生命保険に加入するべきか悩んでいる」「自社に適切な保険を知りたい」という経営者や人事総務担当者は、「生命保険ナビ」から保険のプロに相談してはいかがだろうか。
法人向け生命保険の種類と特徴
法人向け生命保険には主に以下の7種類がある。
- 逓増(ていぞう)定期保険
- 長期平準定期保険
- 養老保険
- がん保険
- 医療保険
- 生活障害保障定期保険
- 収入保障保険
逓増(ていぞう)定期保険
逓増定期保険とは、加入から一定期間経つと保険金が増加する保険で、一般的には経営者や役員が被保険者になるケースが多い。
逓増定期保険は他の保険商品と比較して貯蓄性が高いため、経営者に万が一のことが発生した際の資金準備、解約返戻金を活用した退職金の準備に使われるケースが一般的だ。
解約返戻金のピークは5年〜10年に設定されているケースが一般的で、数年以内の退職や自費投資の準備のために活用できる商品だ。
ただし解約返戻率のピークを過ぎると、受け取る解約返戻金が急激に減ってしまうため、活用方法は加入前にしっかりとシミュレーションしておく必要がある。
長期平準定期保険
長期平準定期保険とは、保障期間が長期に設定されている定期保険で、商品によっては100歳まで設定されているものもある。
加えて「平準」とあるように、長期にわたり保険料が変わらない保険だ。
長期平準定期保険は、解約返戻率のピークが保険加入後10年〜30年と後の時期に設定されており、ピークの時期が長いことも特徴だ。
以上の特徴から長期平準定期保険は、経営者に万が一のことが起きたときの事業承継資金として活用されている。
また使用時期が決まっていない設備投資の準備金にも活用が可能だ。
ただし解約返戻率のピークは短い商品が多いため、急な資金需要に対応できない場合がある。
解約返戻金のピーク以外で解約すると十分な金額の返戻金を受け取れない可能性があるため、会社の手元資金から設備の修理費用や退職金を捻出しなければならないケースも出てくるだろう。
長期平準定期保険を利用する際は、保険以外にも現預金を蓄えておくなどの対策が必要だ。
また定期保険のため満期保険金がないことにも注意しよう。
養老保険
法人を対象とした養老保険では、被保険者を役員や従業員に設定する。
保険期間中に被保険者が、死亡時や高度障害と認定されたとき死亡保険金や高度傷害保険金が支給される。
また高度障害と認定されることなく保険期間の満了を迎えると、満期保険金が支払われる。
養老保険は役員と従業員の死亡退職金や定年時の退職金に備えられるため、福利厚生の一環として加入するケースが多い。
加えて一定の条件を満たして「福利厚生プラン」に加入すると、支払った保険料の半分を損金として計上できるため、節税が行えることも魅力だ。
がん保険
法人向けのがん保険は個人向けに比べると、事業保障の目的から充実した保障内容が特徴だ。
また個人向けがん保険は掛け捨てのため貯蓄性はないが、法人向けがん保険は終身型で解約返戻金が設定されている商品もある。
法人向けがん保険は個人向けよりも保障が充実しているため、保険料が高くなっていることには注意が必要だ。
医療保険
法人向け医療保険は、個人向けと保障内容にほとんど違いはない。
法人向け医療保険に加入するメリットは、経営者や役員に万が一のことが起きた際に保険金を事業用資金として活用できることだ。
また終身タイプの医療保険であれば解約返戻金を退職金として渡すこともできる。
解約返戻金を退職金として活用すると、会社の資金を減らすことがなく資金繰りの負担にならないことがメリットだ。
生活障害保障定期保険
生活障害保障定期保険は「死亡時・高度障害認定時」だけでなく、保険会社が定めた「要介護状態・生活障害状態」と認定された場合も、保険金が支払われる保険だ。
大きな事故や病気で働けなくなったときにも備えられる分、保険料が高めに設定されているため、資金繰りのシミュレーションはしっかり行おう。
収入保障保険
収入保障保険は被保険者が死亡・高度障害と認定されたときに、保険金を一時払いまたは年金払いで受け取る保険だ。
定期保険と同様に経営者に万が一のことがあっても、事業資金を用意できることが魅力だ。
年金形式でも受け取れるため、事業の安定化にも寄与する。
ただし一時払いで保険金を受け取る場合は、年金形式で保険金を受け取るよりも、受け取る額が少なくなる点には注意が必要だ。
法人向け生命保険の活用法
法人向け生命保険の活用方法を以下3つ解説する。
- 事業承継時の活用方法
- 法人税の軽減
- 社員の福利厚生
事業承継時の活用方法
事業承継時には、自社株の購入代金や相続税の支払いに多額の現金が必要となる。
会社の業績が好調だったり、潤沢な資金がある場合は数億円以上の資金が必要になるケースも珍しくない。
法人保険に加入すると自社株の評価額を下げられるため、自社株買取に必要な資金が少なくなる。
加えて保険金の受取人を後継者にすることで、直接現金を渡せることもメリットだ。
事業承継に必要な資金の準備や自社株の高い評価額に悩んでいる経営者は、一度法人保険の加入を検討するのはおすすめだ。
法人税の軽減
法人保険には、支払った保険料の損金計上が可能なものもある。
損金を多く計上すると課税所得(税務上の利益)が減り、法人税の負担を軽減できる。
法人税を計算するための課税所得は「法人税法上の所得=益金-損金」で求められる。
式を見てわかるように、損金が多くなると法人税法上の所得が少なくなるため、結果的に納めなければならない法人税が減る。
ただし2019年の税制改正によって、保険料の損金計上のルールが大変複雑になった。
保険によっては全く損金計上できないものもあり、ルールを把握せずに保険に加入すると、全く法人税の軽減にならなかったという事態になりかねない。
法人保険による法人税の軽減を考えている方は、保険の専門家に相談をして、慎重に加入する保険を検討することをおすすめする。
社員の福利厚生
法人保険の加入で、社員の福利厚生を整えることも可能だ。
例えば従業員に万が一のことが起きた際に、保険金を死亡退職金や弔慰金として渡せる。
また保険の満期を従業員の定年時に設定することで、満期保険金を退職金として活用することも可能だ。
ただし、法人保険に加入する前は必ず「福利厚生規程」を作成するようにしよう。
福利厚生規程がないと、保険料の損金算入が認められないケースがあり、法人税の負担が軽減されないことがあるからだ。
どのような規程を作ればいいかわからない方は、社会保険労務士や保険の専門家への相談をおすすめする。
法人向け生命保険の具体例
法人保険で事業承継や法人税の軽減、福利厚生の充実を考えている経営者に向けて、おすすめの法人向け生命保険2つと導入時の注意点を解説する。
おすすめの法人向け生命保険①
高額の保障を確保したい方にはエヌエヌ生命保険の「定期保険 Quality(クオリティ)」がおすすめだ。
この保険の特徴は、最大で9億円の保障を確保できることだ。そのため「保険料を安く抑えたい」「万が一の事態に備えたい」というどちらの需要にも対応できる。
また5年〜最長100歳まで設定できることも魅力だ。また保険金額が3,000万円以上になると、保険料が割引になる制度もある。
高額な保障、あるいは長期間の保障を確保したい方は検討してはどうだろうか。
おすすめの法人向け生命保険②
三井住友海上あいおい生命の「逓増定期保険 無配当」がおすすめだ。
この保険は一定の保険料で保険金額を増やせることが魅力だ。
例えば6年目までの逓増率を0%にして、7年目以降を50%にすることができる。
このような契約内容にすると、少額の保険料で、手厚い保障を受けられる。ただし、死亡保険金・高度障害保険金は、基本保険金額の5倍が限度になっている。
コストパフォーマンスの良い法人向け生命保険を探している方は、一度検討されてはどうだろうか。
導入時の注意点
法人向け生命保険を導入する際の注意点は以下の2つだ。
- キャッシュフローの悪化
- 解約タイミングによる損失
キャッシュフローの悪化
保険に加入すると、毎月保険料を支払わなければならない。
毎月資金が会社からなくなりキャッシュフローの悪化となる。会社に資金がないと、取引先への支払いや借入金の返済、必要な設備投資が滞ってしまう可能性がある。
仮に支払いや返済が滞ってしまうと、黒字であっても倒産してしまうリスクは見過ごせない。
そのため、保険に加入する際は保険料の支払いシミュレーションを行い、無理のない支払い計画を立てる必要がある。
解約タイミングによる損失
保険商品や解約タイミングによっては損失を被る。解約返戻率は商品や解約時期によって大きく変動する。
早めの解約や返戻率のピークを過ぎてから解約すると、計画よりも少ない保険金額を受け取ることになる。
解約返戻金を退職金や設備投資の資金に充てることを目的に保険加入している会社もあるだろう。
事業環境の変化によっては急に資金が必要となり、計画と異なるタイミングで解約せざるを得ないケースもある。
解約のタイミングによっては解約返戻率が低く、十分な返戻金を受け取れないということもあり得る。
会社のキャッシュフローや資金状況によっては、保険に加入せず手元資金として持っておいた方が良いケースもある。
まとめ
この記事では、法人生命保険の基本や活用法、そしておすすめする商品の具体例について解説した。
法人向け生命保険は企業にとって大きなメリットをもたらすが、その反面、設定や運営には専門知識が必要である。
それらは保険のプロに相談することで解決できる。
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