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生命保険の解約返戻金とは?特徴やどれくらいもらえるのかについて解説

この記事で解決できるお悩み
  • 生命保険の解約返戻金や満期保険金に税金がかかるかわからない
  • 生命保険の解約返戻金や満期保険金を受け取る際の注意点が知りたい

生命保険はいざという時に自分や家族の暮らしを保障してくれるもので、日本ではほとんどの人が生命保険へ加入している。

保険には解約すると振り込まれる解約返戻金と満期を迎えると支払われる満期保険金が存在する。

みなさんはそれぞれの概要について理解しているだろうか。

そこで本記事では、生命保険の保険金の概要とかかる税金の種類を解説する。

また、受取時の注意点についても解説するので、ぜひ参考にしてほしい。

目次

生命保険の解約返戻金の概要

生命保険の解約返戻金の概要 生命保険ナビ

生命保険に加入していると、解約返戻金や満期保険金という形で保険金を受け取ることができる。

ただ、保険を契約していながら、保険金について詳しく理解できていない方が多いのも事実だ。

ここでは、それぞれの概要や解約返戻金の種類、どのような保険でどのような保険金が支払われるかを解説する。

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解約返戻金の概要

解約返戻金とは、契約期間の途中で保険を解約した際に支払われるお金だ。

加入する際に保障内容や保険料を比較して保険を選んだとしても、ライフスタイルや考え方の変化によって保険を変更したくなることもあるだろう。

終身保険や養老保険、学資保険など、保険期間が長かったり、貯蓄性があったりする保険を解約することによって、返戻金が支払われる。

満期保険金とは、契約時に定めた満期を迎えた際に保険会社から支払われるお金のことだ。

基本的に貯蓄型の保険には満期保険金がある。

ただ、貯蓄性があっても終身保険のように一生涯にわたって保障される保険には満期がなく、満期保険金が支払われない。

解約返戻金の種類

「従来型」「低解約返戻金型」「無解約返戻金型」と実は3種類存在している。

従来型は一般的な解約返戻金の形だ。トータルの保険料の金額が増加するにつれて、受け取れる金額がアップする。

3種類のなかでも、保険料が高い傾向にある。

低解約返戻金型では、払込期間が終了するまでは返戻金が通常よりも低めに設定されている。

通常の70%程度に設定している商品が多く、その代わりに割安な保険料で契約が可能だ。

払い込みを終えると、解約返戻金の額は増加する。

無解約返戻金型は、解約返戻金がない代わりに割安な保険料で保険に加入できる。

掛け捨て型と言っても良いだろう。定期保険や医療保険などが無解約返戻金に該当する。

解約返戻金が支払われる保険の種類

それぞれの保険金が支払われる保険の種類は以下のとおりだ。

  • 養老保険
  • 学資保険
  • 個人年金保険
  • 生存給付金付定期保険
  • 終身保険

養老保険は死亡保障と貯蓄の両方が備わっている保険だ。

保険期間が契約時に設定されており、期間内に死亡したり、高度障害状態になったりした場合は保険金が支払われる。

また、満期まで生きていた場合には、死亡保険金と同額の満期保険金が支払われる仕組みだ。

学資保険は、子どもの教育資金を貯めるための保険だ。

子どもが0〜3歳ごろに加入し、大学に進学する18歳や20歳に満期が設定されている。

満期を迎える前にも進学に合わせて定期的に教育資金を受け取ることができ、学資金とも呼ばれている。

「18歳になった時点で100万円、以降は1年ごとに22歳まで50万円ずつ」「18歳から毎年30万円ずつ、満期を迎える21歳に100万円」など、商品や契約内容によって受け取り方はさまざまである。

個人年金保険は、企業年金や公的年金だけではまかないきれない老後資金を補完する役割を果たす保険だ。

契約時に定めた一定の年齢に達すると、満期保険金を受け取ることができる。

個人年金保険の満期保険金は年金として定期的に受け取るか、一時金としてまとめて受け取るか選べる商品が多い。

生存給付金付定期保険は、死亡時に死亡保険金、生存していれば一定期間経過するごとに生存給付金が受け取れる保険だ。

つまり、定期保険の死亡保障に貯蓄性が付加されている。

生存給付金がある分、シンプルな死亡保障のみの定期保険に比べて、保険料も割高となる傾向がある。

終身保険には満期がない。そのため、解約返戻金のみ受け取ることができる。

終身保険は、加入してから一生涯にわたって、死亡や高度障害状態に備えられる保険だ。

終身保険加入後から更新がないため、加入した後に保険料が上がることはない。

生命保険の解約返戻金にかかる税金

生命保険の解約返戻金と満期保険金にかかる税金 生命保険ナビ

解約返戻金や満期保険金は、受け取った際に税金がかかるケースがある。

ここでは、それぞれの保険金によって支払義務の生じる可能性のある税金について話す。

税金(解約返戻金)

トータルの保険料よりも解約返戻金が多いケースでは、保険によって利益を得たと見なされて所得税がかかる。

受け取った金額そのものに対してではなく、払い込んだ金額よりもどれだけ多く受け取ったかが判断基準だ。

また、契約者と受取人が違うケースでは、贈与税の対象になることもある。

贈与税の場合はこれまでに支払った保険料は考慮されず、受け取った金額そのものに対して課税される。

税金(満期保険金)

それぞれの保険金で考え方は変わらない。

保険料を払い込む契約者と受取人が同一である場合は利益に対して所得税が課せられる。

払い込む人と受け取る人が違うケースでは、贈与税が課せられる。

以下の表では受け取りパターンを表している。

スクロールできます
契約形態契約者被保険者満期保険金受取人税金の種類
契約者と受取人が同一の場合A(例)夫A
(例)夫
A
(例)夫
所得税または源泉分離課税(※)
※一時払養老保険等で、保険期間が5年以下の契約については、そのお支払金(満期保険金・解約払戻金・契約者配当金等)は、源泉分離課税の対象となることがあり、一律20.315%(国税15%、復興特別所得税0.315%、地方税5%)の源泉分離課税が行われます。
A
(例)夫
B
(例)妻
A
(例)夫
契約者と受取人が異なる場合A
(例)夫
A
(例)夫
B
(例)妻
贈与税
A
(例)夫
B
(例)妻
B
(例)妻
A
(例)夫
B
(例)妻
C
(例)子
出典:太陽生命「満期保険金・解約払戻金にかかる税金」

解約返戻金にかかる税金の計算方法

税金の計算方法は基本的に同じであり、以下の式が使用される。

{(満期保険金・解約返戻金 – 払込保険料) – 特別控除額(50万円)}×1/2=課税所得

保険金は一時所得として見なされるため、上記の方法で課税される所得の金額が計算される。

実際に支払う税金額は、給与所得や事業所得、雑所得などの所得と合算される。所得ごとの税率や控除額は以下のとおりだ。

課税される所得金額税率控除額
1,000円 から 1,949,000円まで5%0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで20%427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで23%636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円 以上45%4,797,000円
出典:国税庁「所得税の税率」

保険金などの一時所得と給与所得の合計が5,000,000円の場合、20%の税率と427,500円の控除額が適用される。

贈与税は受け取った金額に対して納税義務が生じる。計算方法は以下のとおりだ。

満期保険金・解約返戻金 – 110万円=課税所得

課税所得に対する税金の計算方法は以下のとおりである。

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基礎控除後の課税価格200万円以下300万円以下400万円以下600万円以下1,000万円以下1,500万円以下3,000万円以下3,000万円超
税率10%15%20%30%40%45%50%55%
控除額10万円25万円65万円125万円175万円250万円400万円
出典:国税庁「贈与税の計算と税率(暦年課税)」

上記の表は兄弟間の贈与、夫婦間の贈与、親から子への贈与で子が未成年者の場合などに適用される。

一方で、父母や祖父母などの直系尊属から贈与を受けた場合の計算方法は以下のとおりだ。

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基礎控除後の課税価格200万円以下400万円以下600万円以下1,000万円以下1,500万円以下3,000万円以下4,500万円以下4,500万円超
税率10%15%20%30%40%45%50%55%
控除額10万円30万円90万円190万円265万円415万円640万円
出典:国税庁「贈与税の計算と税率(暦年課税)」

110万円の基礎控除があるため、1年間に贈与を受けた総額が110万円以内なら贈与税はかからない。

生命保険の解約返戻金を受け取る際の注意点

生命保険の保険金を受け取る際の注意点 生命保険ナビ

ここでは、生命保険の保険金が支払われる際の注意点を紹介する。

確定申告が必要なケース

確定申告が必要なのは、所得税や贈与税がかかるケースだ。

契約者と受取人が同一のケースでは、一時所得の課税額が20万円を超えると確定申告が必要になる。

つまり、{(満期保険金・解約返戻金 – 払込保険料) – 特別控除額(50万円)}×1/2が20万円を超えると、確定申告しなければならない。

契約者と受取人が違うケースでは、受取金額が110万円を超えると確定申告が必要だ。

一方、110万円以内であれば、確定申告は不要である。

また、国税庁は以下のケースでも、確定申告は不要であると説明している。

  • 一時払養老保険や一時払損害保険などで一定の要件を満たすものの差益(保険期間等が5年以下のもの又は保険期間等が5年を超えるもので保険期間等の初日から5年以内に解約されたものの差益に限られる)
  • 一時払個人年金保険(給付年金総額が定められている確定年金契約に限られる)で、契約開始から5年以内で年金支払開始前に解約されたものの差益(※1)

(※1)国税庁「金融類似商品と税金」

一部解約の場合も請求可能

一部解約とは、死亡保障額を減額したり、特約のみを解約したりすることを指す。

子どもの独立や団体信用生命保険に加入し、必要な保障額が減った際に有効な選択肢だ。

一部解約することで、保険料の負担を減らせる。

また、死亡保障額を減額する場合、解約分は返戻金として受け取ることができる。

解約返戻金を請求する際の注意点

請求する際は、元本割れする可能性がある点について注意が必要だ。

学資保険や個人年金保険は満期まで保有することを前提としているため、途中で解約すると払い込んだ保険料よりも返戻金が少なくなる可能性がある。

特に払込期間が短い場合では、元本割れする可能性が非常に高い。

急にお金が必要になったり、保障内容を見直して別の保険に契約したりと、解約するにもさまざまな理由があるだろう。

ただ、保険を解約して元本割れするのは非常にもったいない。途中解約する必要がないように、加入時に時間をかけて検討してほしい。

また、満期保険金を受け取る場合は、保険を見直そう。基本的に満期を迎えると、保険の効力は消滅する。

そのため、満期後に万が一があっても、保障してもらえない。

無保険の期間が存在しないように、満期保険金を受け取る時期が近づいてきたら、保険を見直してほしい。

解約返戻金の金額は保険の種類や保険料などによって異なる!

まとめ 生命保険ナビ

本記事では、生命保険の保険金の概要、およびそれぞれにかかる税金について解説した。

受取時の注意点についても解説を行った。生命保険の途中で解約した返戻金は3種類存在し、その有無は保険の種類によっても異なる。

また、満期保険金同様に受け取る際は税金がかかるため、実際にどれくらいの金額を受け取れるかは事前に計算しておくと良いだろう。

ただ、早期解約による返戻金は金額が少なくなるケースが多いため、解約を請求すべきかは慎重に判断する必要がある。

本記事を理解しただけでは、自分の生命保険を解約すべきか判断できない人は保険のプロに相談することも検討しよう。

一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、解約をするべきかの判断も的確にできるはずだ。

ただ、保険のプロは数多く存在し、自分にとって最適な担当なのかをすぐに見定めることもまた難しい。

そんな時はマッチングサイトである「生命保険ナビ」を使えば、自身の条件に合った保険のプロを簡単に見つけることができる。

無料で利用できるので、是非活用してほしい。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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