- 個人年金保険の加入と健康診断がどのように関連しているのか知りたい
- 個人年金保険の種類や加入するメリットが知りたい
- 自分に適した個人年金保険を選ぶ方法が知りたい
少子高齢化がいよいよ加速し、かつ平均寿命もどんどん長くなり、公的年金制度だけでは経済的に安心して老後の生活を送ることは期待できない。
年金制度そのものの維持についても、様々な問題が指摘されている。
そこで注目されているのが個人年金保険である。
個人年金保険とは、公的年金制度とは別に、各自が自身の老後に備え個別に加入する私的年金制度のことである。
この保険に加入する際に、健康診断の結果がどのように影響するのか知っているだろうか。
通常の生命保険では健康状態が良好であれば、保険料が安くなったり加入審査が通りやすくなる。
個人年金保険の場合はどうなのか。
本記事では、個人年金保険の加入時に健康診断が必要なのか、また個人年金保険の種類やメリット、自分に適した個人年金保険の選び方について解説する。
個人年金保険に加入したいが、健康状態に不安があるという方は、ぜひ参考にしてほしい。
個人年金保険と健康診断の関連性を理解しよう
まず最初に、個人年金保険についての基本的な事柄を説明することから始める。
公的年金との違い、健康診断との関連性などについても解説するので、基礎的な理解の参考にしてほしい。
個人年金保険について
年金といえば18歳以上であれば加入の義務がある国民年金保険を真っ先にイメージするだろう。
対して、個人年金保険とは、日本国民の義務である国民年金保険への加入とは別に、各自が自身の判断で加入する年金である。
まず、そもそも国の年金制度について簡単に話しておきたい。
年金制度は、賦課方式という仕組みで成り立っており、これは今働いている世代が保険料を支払い、その保険料を高齢者などの受給世代が受け取るという方法である。
国民年金は「世代と世代の支え合い」という考え方を基本として運営されているのだ。
ただし、実際にはこの財源だけでは年金の給付には足りないので、年金積立金や税金を充てることによって、不足分を補い制度が維持されている。
しかし、ここに問題点がある。
2022年10月1日時点で日本の65歳以上の人口は約3,623万人である。これは、総人口の29.0%にあたる。これが2040年には、 約35%になると予想されている。
さらに、2065年には総人口が9,000万人を割り込み、高齢化率は38%台となる予想だ。
このように少子高齢化が進む日本において、「世代と世代の支え合い」を基本とし、自分が払った保険料が自分を助けるのではなく、現在の受給者たちへの給付に充てられている年金制度は、そもそも維持に無理があるのだ。
だからこそ「個人年金保険」が検討すべき保険商品となるわけである。国の年金制度だけで、充分な老後の資金を期待するのはかなり厳しい。
その不足分を補うために、貯蓄型の個人年金保険へ加入し、年金として保険金として受け取れるようにするのである。
- 参考:総務省統計局「人口推計(2022年(令和4年)10月1日現在)‐全国:年齢(各歳)、男女別人口 ・ 都道府県:年齢(5歳階級)、男女別人口‐」
- 参考:厚生労働省年金局「年金制度を取り巻く社会経済状況の変化」
通常の保険と健康診断の関連性
通常の生命保険の場合、健康であればあるほど保険料が安くなる場合がある。
これは、被保険者が健康である方が、病気になる可能性は低いという考え方に基づいており、つまり保険金を支払う確率が低いと判断されるためである。
保険会社によっては「健康体割引」というものを取り入れている場合がある。
これは、喫煙の有無や、血圧やBMIの数値により、健康と判断されればされるほど、保険料の割引が受けられるというものである。
つまり、民間の生命保険は健康診断の結果と無関係ではなく、その内容に応じて保険料や場合によっては契約そのものに影響がでる場合もあるということになる。
個人年金保険への加入に健康診断は必要ない
生命保険の加入には、健康診断の結果など健康状態の告知義務がある。
しかし、個人年金保険の加入条件には、一般的に健康状態の告知や健康診断の結果などは設定されていない。
年齢制限を満たせば、基本的に誰でも加入できるので安心してほしい。
だが、なぜ健康診断が不要なのだろうか?それは、個人年金保険というものが、老後に備えた貯蓄型の保険商品だからである。
毎月コツコツと自ら貯蓄していくイメージだ。通常の生命保険と違って、死亡時の死亡給付金などの支払いもない。
被保険者が死亡した場合には今まで払い込んだ保険料がそのまま返戻されるのみで、死亡時の返戻金が払い込んだ保険料の総額以上に割り増しされたりなどはしないのだ。
そのため、健康診断の結果などは不要で加入可能なのである。
このように、個人年金保険とは名称そのままの通り、あくまで「年金」であり人生の「もしも」に備えるものではない。
とは言え、保険金を払い込むのならば、老後への貯蓄という個人年金保険の性質は理解していても、それでもやっぱり死亡時などの保障も兼ねたい、と思う人も中にはいるかもしれない。
そのような時は、保険会社によっては特約を付けることで、死亡給付金等の受け取りができる個人年金保険を扱っている場合があるので、そちらを検討してみてはどうだろうか。
ただし、その場合は健康診断などの結果が必要となる場合もあるので注意してほしい。
健康診断は不要!個人年金保険の種類と加入するメリット
では、個人年金保険にはどのような種類が用意されているのだろう。
少しでも貯蓄に対してのリターンが多い、有利なものに加入したいものだ。
個人年金保険のメリットとともに紹介していく。
個人年金保険の分類
個人年金保険には、保険金の受け取り方によって大きく3つに分類される。
それが「終身年金」「有期年金」「確定年金」である。
- 終身年金
- 被保険者が生存している限り一生涯年金を受け取れる
- 被保険者が死亡した場合、年金の支払いは終了する
- 早く死亡した場合は元本割れとなる可能性がある
- 有期年金
- 被保険者が生存している限り、契約期間に限って年金を受け取れる
- 被保険者が死亡した場合、年金の支払いは終了する
- 早く死亡した場合は元本割れとなる可能性がある
- 確定年金
- 被保険者の生死に関係なく、契約期間に限って年金を受け取れる
- 被保険者が死亡した場合、遺族に年金が支払われる
これらを組み合わせた商品や、年金受取開始時に夫婦年金(夫婦いずれかが生存している限り年金を受け取れる)に変更できるものなども存在するが、元となる大きな分類は以上の3種類である。
個人年金保険に加入するメリット
公的な年金保険だけでは、受給額が少ない上に、今後何十年後には制度そのものが大きく変わっている可能性も否定できない。
少子高齢化が進む事は確実なので、財源となる若い世代が減るということは受給額が今よりもさらに少なくなることも十分考え得る。
このように、不安と不確定な要素が多い公的年金を補うのが個人年金保険である。
自分の手で自分の未来を守り、少しでも安心できる老後を自らの手で作り出すのである。老後の生活資金がある程度約束されていれば、安心して今を生きる事ができる。
つまり、現在と未来の両方にメリットをもたらすのが、個人年金保険なのである。
個人年金保険に加入する際の注意点
まず保険というのは、適当に契約するのではなく、自分の収入や生活の状況、加入の目的などを明確にした上で、その目的を達成するのに最適な保険を探すということを行う必要がある。
これは、個人年金保険に限らず、あらゆる保険に共通の要素として覚えておいてほしい。
その他に、個人年金保険の契約に際して注意するべき事として、代表的な事柄を紹介する。
まず、契約をした時点で受給開始時期が決まる。何らかの理由で解約する場合、解約が早いと元本割れをすることになるので注意したい。
また、個人年金保険は、払い込んだ保険料を保険会社が運用することによって得られる運用益により、支払った保険料よりも多くの金額を年金として受け取れる商品だ。
そのため、支払った保険料と受け取った保険金の差額(利益)に対して課税されることを覚えておこう。
その時かかる税金は、保険料の支払いと保険金の受け取りが同じ人物であれば所得税、異なる場合は(死亡保険については)相続税となる。
もう1点挙げると、個人年金保険は、契約した時点で受け取れる年金の額が決まっている。
そのため、契約後、インフレが進んだり円安が進むなどで物価が大きく上がった場合、受け取る年金の価値が相対的に目減りしていくことになる。
以上が、主な注意点である。契約の際は、こういったことを考慮した上で、商品を選ぶ事が大切である。
自分に適切な個人年金保険を選択するには
保険というのは、誰にでも最適な万能の保険というものがあるのではなく、個々人の目的に応じて最適解が変わるものである。
商品ごとに保障の内容が様々だからだ。個人年金保険も例外ではなく、生命保険ほど複雑だとは言わないが、それでも保険料、期間、保障内容などが保険によって異なる。
自分に合った保険を選ぶためにも、保険商品だけではなく自分が何を必要としているかをしっかりと考える必要がある。
個人年金保険を保険会社ごとに比較する
個人年金保険を扱っている保険会社は複数存在するので、その中から自分に合った保険をいかにして見つけるかが非常に重要である。
まず、大前提としてなるべく多くの保険会社を比較するようにしてほしい。
目についた1社だけで決めてしまうのではなく、可能な限りたくさんの会社、そして商品を見るようにしてほしい。
そのためには、インターネットの活用が有効だ。各保険会社は例外なくウェブサイトを持っており、そこに個人年金保険の商品説明を掲載している。
店頭に足を運ぶよりも、圧倒的に効率が良く、営業マンのバイアスがかかった意見に惑わされる事なく、自宅で冷静に比較ができる。
また、インターネットには、多くの個人年金保険をランク付けや比較しているサイトもある。
商品ごとの詳細までをここで知ることはできないが、大まかな特徴などを比べることには役立つので、参考にしてみると良いだろう。
個人年金保険が自分のライフステージに合っているか考える
個人年金保険や生命保険に加入する際に、実際の保険を選ぶにあたって非常に重要なのが、自分のライフステージを自身で把握することである。
人生の現在地、そして未来の見通しや目標などを、自分自身が分かっていなければ、保険に何を求めるのか、目的がハッキリとしない。
つまり、どういった保険が適切なのか輪郭が見えてこないので、判断のしようがなくなってしまう。
ライフステージをしっかりと認識していれば、保険に対して求めるものも明確になり、それを満たす商品を探せば良い。
その際に、必要以上の保障内容のものだと保険料が高くなるなどのデメリットが出てくるので、ちょうど良い内容の商品を選択するように気をつけたい。
個人年金保険の保険料や返戻率を確認する
どのような保障を求めるのかにもよるのであるが、保険料や返戻率が適切かどうかは損得に直結するのでしっかりと確認するべきである。
- 途中解約の可能性が自分にはどの程度ありそうか。その場合の返戻金は満足できる内容か。
- 収入に対して保険料のバランスは適切か。
- 保障期間に対して保険料は見合っているか。
確認するべきポイントは多いが、自分が個人年金保険に対して求めている保障の内容や条件によって、気にするポイントが変わってくる。
必ずしも保険料が高いからといって良いわけではなく、安いからといって悪いわけではない。
これが、保険選びの難しいところだ。
もし、少しでも不安や迷いがあるのならば、自分だけで決めるのではなく、専門家に相談してアドバイスをもらうのも有効な選択肢だ。
特に、老後の人生を左右する個人年金保険であるから、間違いのない適切な保険選びをしたい。
専門家ならば、あなたの個人的な事情を考慮した上で、目的に合った適切な個人年金保険を選ぶことができるだろう。
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個人年金保険への加入に健康診断は必要なし!あなたに最適な保険選ぼう
本記事では、個人年金保険と健康診断の関連性、個人年金保険の種類やメリット、自分に適した個人年金保険の選び方について解説した。
個人年金保険の加入については、特約などを付けた特殊なケースでない限り、健康診断の結果は必要ないので、持病がある方でも安心して個人年金保険を利用することが可能である。
しかし、保険にはいくつかの種類があり、しかも商品内容は複雑である。
保険料や返戻率、ライフステージとの整合性など、様々な観点から自分に適した保険を選ぶとなると、どうすればよいか迷ってしまう人も多いだろう。
そんな時は、保険のプロに相談することが、非常に良い解決策となるだろう。ひとりひとりに合ったアドバイスをもらうことで、適切な保険を的確に選択することができる。
ただし、保険の専門家は全国に数多く存在し、自分に合った専門家を見つけることもまた難しい。
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