- 専業主婦に生命保険は必要なのか知りたい
- 専業主婦の生命保険への加入率やおすすめの保険が知りたい
- 専業主婦が生命保険に加入する際のポイントが知りたい
家計を支える存在である夫が、万が一の事態に備えて生命保険に加入することは一般的である。
一方、妻、とりわけ専業主婦が生命保険に入る必要性についてはあまり意識していない人が多いのではないだろうか。
しかしながら妻に万が一の事態が起きた場合、家族の生活は大きな影響を受けることは避けられない。
妻が生命保険に入るべきかを検討することは、家庭を守るために欠かせないのである。
そこで本記事では、専業主婦が生命保険に入る必要性や実際の生命保険加入状況、さらに専業主婦に適した保険商品とその選び方について解説する。
専業主婦の方やそのご家族の方には、ぜひ参考にしてほしい。
専業主婦に生命保険はいらない?妻に保険が必要な理由とは
専業主婦の妻に生命保険の必要性があるのか、お悩みの方も多いだろう。
保険加入の必要性を判断するためには、専業主婦の妻に万が一のことが起きた場合のリスクを想定しておくことが重要だ。
ここでは、専業主婦の労働価値や備えるべきリスク、さらに生命保険が必要なケースについて解説していく。
主婦の労働価値とその評価
専業主婦はさまざまな家事労働をしているが、適切に評価されにくいという現実がある。
金銭的な対価が発生する労働ではないため、どのくらいの価値があるのかを把握しづらいことが原因だ。
しかし内閣府が発表した「無償労働の貨幣評価(平成30年12月公表)」によって、一人当たりの家事活動の貨幣評価額が発表された。
女性は一人当たり193万5千円という結果になっており、家庭にとっての労働価値が数値化された。
つまり、専業主婦は現金による収入はないものの、一人当たり年間で200万円近い価値のある労働を行っているということだ。
もし専業主婦の妻に万が一のことが起きた時、これだけの労働価値を失うことになる。
こうしたリスクを正しく把握した上で、専業主婦の妻が生命保険に加入すべきかどうかを判断しよう。
主婦が備えるべきリスク
専業主婦が備えておきたいリスクとしては、主に以下の3点が挙げられる。
- ケガや病気による入院・手術費用
- 入院期間中の妻の不在に伴う費用
- 万が一死亡した場合の葬儀代など
妻がケガや病気で入院・手術となった場合、治療費やその他の費用が発生する。
公的医療保険制度である程度の治療費はカバーできるものの、自分で負担する費用が発生するリスクには備えておきたいところだ。
特に、長期入院となった場合は治療費以外の差額ベッド代や食費なども負担が大きくなっていく。
入院や手術に費用がかかる点は専業主婦が備えておくべきリスクのひとつだ。
また、入院期間中に妻が自宅にいないことによって費用がかかるケースもある。
家事代行サービスやベビーシッターなどのサービスを利用するパターンだ。
こうした費用も、入院期間が長引けばその分負担が大きくなってしまう。
妻の不在で家事代行サービス等を頼む予定がある場合は、しっかりと備えておくべきだろう。
そして、万が一妻が亡くなってしまった場合のことも考えなければならない。
専業主婦であれば家計や生活費へのダメージはそこまで大きくないものの、葬儀代や墓石代、整理費用などがかかる。
場合によっては数百万円以上必要となるケースもある。
残された家族の経済的負担を軽減させるためにも、保険等でリスクに備えておくべきだろう。
主婦に生命保険が必要なケース
専業主婦に生命保険の加入が必要とされるケースは、主に以下の3つのパターンである。
- 十分な貯蓄がない、または貯蓄を減らしたくない
- 妻がいないと家事・育児が難しい
- 夫の収入が安定していない
十分に貯蓄がなかったり、貯蓄しているお金を別に使う予定があったりする場合は、専業主婦でも生命保険に加入する必要性が高い。
入院・手術の際にかかる医療費や、万が一の時に必要な葬儀代などを医療保険などで準備しておくと良いだろう。
また、夫の仕事が忙しく、妻の不在によって家事・育児が難しくなってしまう場合も保険の必要性は高い。
特に幼い子どもがいる場合、ベビーシッターなどを頼むことになる可能性があり、妻の不在中に大きな費用を負担しなければならなくなるためだ。
そして、夫が自営業やフリーランスなどで会社員に比べて収入が不安定という場合も、保険に加入しておく必要性が高いだろう。
妻が入院するタイミングと収入が減少するタイミングが重なってしまう可能性が考えられるためだ。
上記のパターンに該当する方は、専業主婦でも生命保険への加入を検討することをおすすめする。
なお、以下の記事では夫婦に必要な保険について解説しているので、あわせて参考にしていただくとより具体的にイメージすることができるはずだ。
本当にいらない?専業主婦の生命保険の加入状況
ここまで専業主婦の妻に生命保険が必要かどうかという点を解説してきたが、実際の加入状況はどうなっているのだろうか。
次に、専業主婦の生命保険への加入率や保険金の平均額、加入をおすすめする保険について解説していく。
生命保険への加入率
生命保険文化センターの「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」では、生命保険の加入実態を調査した結果が公表されている。
本調査によると、「所得はない」と回答した配偶者の生命保険の加入率(個人年金保険を含む)は79.5%だった。
もちろん世帯主が女性で配偶者が男性(専業主夫)というケースもあるため、専業主婦のみのデータではない。しかし所得がない配偶者の約8割が生命保険に加入しているというデータは間違いではない。
また、配偶者の年収別で見る生命保険の加入率(個人年金保険を含む)は以下の表の通りだ。
配偶者の年収 | 加入率 |
所得はない | 79.5% |
50万円未満 | 75.7% |
50〜100万円未満 | 78.0% |
100〜200万円未満 | 84.3% |
200〜300万円未満 | 81.8% |
300万円以上 | 84.8% |
上記の表を見ると、年収によって加入率に多少の差はあるものの、専業主婦(夫)の加入率が極端に低いわけではないことが分かる。
専業主婦(夫)であっても保険の必要性が高いと判断している人が多いと考えられる。
保険金の平均額
同調査では、普通死亡保険金額の平均についても発表している。
「所得はない」と回答した配偶者の普通死亡保険金額の平均は637万円だった。
こちらも世帯主が女性、配偶者が男性(専業主夫)というケースが考えられるため、専業主婦のみのデータではない。
しかし、平均すると所得がない配偶者は600万円以上の死亡保険金を備えていることが分かる。
先ほどと同様に、配偶者の年収別に分けた普通死亡保険金額の平均額をチェックしてみよう。
配偶者の年収 | 普通死亡保険金の平均額 |
所得はない | 637万円 |
50万円未満 | 553万円 |
50〜100万円未満 | 563万円 |
100〜200万円未満 | 613万円 |
200〜300万円未満 | 808万円 |
300万円以上 | 1148万円 |
加入率は配偶者の年収による大きな差がなかったが、死亡保険金額は概ね年収と比例している。
配偶者の年収が増えるほど、手厚く備えているケースが多い。
配偶者の年収が高くなると家計への影響も大きく、死亡したときの経済的リスクが高いためと考えられる。
死亡保険金額をいくらに設定するか悩んでいる方は、平均額を参考にしてみても良いだろう。
おすすめの保険
専業主婦におすすめの保険は以下の3つだ。
- 医療保険
- がん保険
- 女性保険
おすすめの保険1つ目は「医療保険」だ。
ケガや病気で入院・手術となった場合に給付金が受け取ることができ、長期入院等の経済的なリスクに備えられる。
十分な貯蓄がなく、入院費用などを負担できない場合は加入しておくと良いだろう。
2つ目は「がん保険」である。
がんと診断されたり、がん治療のために入院・手術をしたりすると給付金を受け取ることができる。
がんは2人に1人が発症すると言われている病気であるため、手厚い保障を用意しておこう。
3つ目は「女性保険」だ。
「乳がん」「卵巣がん」などの女性特有の病気で入院・手術をした場合に、通常の医療保障に上乗せして給付金が受け取れるタイプの保険である。
妊娠・出産時のリスクにも備えられるため、女性が加入しておきたい保険のひとつである。
上記の保険の中から自分の状況に合ったものを選び、組み合わせながら最適な保障を準備しよう。
専業主婦に適した生命保険の選び方
専業主婦が最適な生命保険を選ぶためには、以下のポイントを押さえておくことが重要だ。
- 保険加入目的の明確化
- 保障内容の考慮と選択
- 保険料と予算のバランス
ここでは上記3つのポイントについて解説していく。それぞれ確認し、最適な保険商品を選択しよう。
保険加入目的の明確化
まず「なぜ保険に加入するのか」という目的を明確にしておこう。
目的がはっきりすると加入すべき保険商品や必要な保障内容も見えてくるため、保険選びの前にしっかりを検討することが大切だ。
保険加入の目的として、例えば以下のようなものが挙げられる。
- 妻の入院・手術にかかる費用を準備したい
- 妻の入院中の家事・育児をプロに依頼したい
- 女性特有の病気に備えておきたい
- 妻が亡くなった時の葬儀代・整理費用を準備したい
上記のリスクにはそれぞれ対応した保険商品があり、選ぶべき商品も異なる。
「どういったリスクに備えたいのか」を検討した上で、保険選びを進めていこう。
また、保険加入の目的を考える際は夫婦でしっかりと話し合うことも重要である。
妻が加入する生命保険であっても、夫側にも大きな影響があるためだ。
夫婦でしっかりとライフプランを話し合い、必要な保障内容や保険加入の目的を明確にしておこう。
保障内容の考慮と選択
保険加入の目的が明確になったら、次は保障内容を選んでいこう。
自分たちに必要な保障をカスタマイズし、最適な保険プランを設計することが大切だ。
例えば妻が万が一亡くなった時のことを考え、死亡保険に加入する場合を考えよう。
妻が専業主婦の場合、万が一のことがあった時に収入が大幅に減少するリスクは少ない。
一方、葬儀代や墓石代などの費用がかかるケースがある。
1,000万円以上の死亡保険金を準備する必要性は低いが、葬儀代等を支払うために数百万円の保障は必要となるだろう。
どの程度の死亡保障を準備するべきか検討し、選んでいくことが重要だ。
また、妻が長期入院するリスクを考えて医療保険に加入する場合。
「入院・手術にかかる治療費を備えたい」のか「妻の入院期間中のベビーシッターや家事代行サービスの利用料を準備したい」のかによって必要な保障内容は異なる。
前者の場合、公的医療保険制度のおかげで医療費の自己負担は原則3割となっているため、最低限の入院・手術に関する保障があれば十分と言える。
一方、後者の場合は入院が長期化すると費用がかさむ可能性があるため、入院給付金を手厚く準備しておく必要がある。
このように必要な保障内容は備えたいリスクの内容によって大きく異なる。
前述したように保険加入の目的をしっかりと明確にし、必要な保障内容を判断しよう。
保険料と予算のバランス
保険選びの際には、支払う保険料と予算のバランスを見極めることも重要となる。
高額な保険料を支払うことができずに途中で解約することがないよう、無理のない範囲で保険料を設定しよう。
万が一のリスクに備えたいと考えると、保障内容を「あれもこれも」と付け足してしまうケースがある。
しかし保障を増やせばそれだけ保険料も高額になり、家計に与える負担は大きくなっていく。
保障の手厚さはもちろん重要だが、現在の生活を犠牲にしてまで求めるものではない。
必要最低限のシンプルな保障を準備し、無理のない範囲で保険料を負担するように心掛けよう。
また、保険に加入するタイミングで一度家計の見直しをしてみることも大切だ。
無駄な出費を減らすことで保険料を負担する余裕が出てくるかもしれない。
例えばコンビニでのドリンク購入を減らし、自宅から飲み物を持っていくように心がけるだけでも大きな差となる。
1日200〜300円程度の差でも、1ヶ月で見ればかなりの節約となるだろう。
また、毎月必ず負担する「固定費」を減らすと大きな節約効果が得られる。
格安SIMへの乗り換えや電力会社の見直しなどで固定費の削減は可能である。
生活に負担をかける必要はないが、無駄な支出がある場合は保険料に回して保障を備えた方が安心だ。
家計を見直して「どの程度保険料を支出できるか」という予算を考え、無理のない範囲で保険料を設定しよう。
妻に保険がいらないとは限らない!生命保険の加入で家族を未来の経済的リスクから守ろう
本記事では、専業主婦が生命保険に入る必要性や実際の生命保険加入状況、さらに専業主婦に適した保険商品とその選び方について解説した。
妻が亡くなった際には家事や子育てなど家族内での負担が増え、それに対応する費用も必要となる。
そういったリスクを考慮し、生命保険加入を検討することは、家族を未来の経済的リスクから守る一歩となるはずだ。
ただ、保険を選ぶ際には加入の目的や保障内容などを総合的に判断する必要がある。
そのため、保険の比較や自身にとって適切な保険の選択に少しでも疑問や不安があれば、保険のプロに相談することも検討してみよう。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、あなたに必要な保険を的確に判断することができるはずだ。
また、全国の保険のプロから自分に合った担当者を探す際には「生命保険ナビ」の活用をおすすめする。
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