- 無告知で加入できる医療保険について知りたい
- 無選択型医療保険のメリット・デメリットが知りたい
- 無選択型医療保険の具体例が知りたい
医療保険の一種で、「無選択型医療保険」という保険があることをご存じだろうか。
保険加入の際に、医師による診査や健康状態の告知を必要とせず、「無告知」で加入可能な医療保険のことを指す。
持病や既往歴のある方にとって特に関心の高い無選択型医療保険だが、デメリットや加入時の注意点はないのだろうか。
そこでこの記事では、無選択型選択型保険の概要や、比較対象となる「引受基準緩和型医療保険」との違い、そして具体的な商品についても詳しく解説する。
適切に保険を利用し、安心した生活を送るためにも、是非参考にしてほしい。
無選択型医療保険とは
無選択型医療保険は、医療保険の加入条件の一つである「健康状態の告知」の必要がない医療保険のことである。
特定の疾病や症状に対してのみだけでなく、さまざまな病気やケガに対して保障を受けられるのが大きな特徴だ。
ここでは、そもそも無選択型医療保険とは何か、どのような人が選ぶ傾向があるのか、メリットやデメリットについて解説する。
無選択型医療保険の概要
通常の医療保険であれば加入時に現時点の健康状態や過去の病歴の告知を行い、保険会社による審査を受けなければならない。
保険会社から求められると場合によっては、人間ドックや定期健康診断の受診結果データや健康診断書の提出を求められることもある。
保険会社は告知内容や提出書類をもとに審査を行うが、内容によっては保険加入ができない可能性もある。
一方で無選択型医療保険は、告知や診断書等の提出が基本的に必要ないため、持病や既往歴のある人でも加入できるのが大きな特徴だ。
どんな人に選ばれているのか
一定年齢(例えば16歳から70歳)であれば、入院歴・手術歴があっても加入申込みが可能で、申込時に面倒な医師の診査や健康告知は必要ない。
これにより「過去に病気になってしまった」など健康上の理由で一般の医療保険や引受基準緩和型医療保険に加入できなかった人も加入できるメリットがある。
また、普段から健康管理に注意している人や予防医療にも積極的に取り組んでいる人にとっても、無選択型医療保険は安心感を提供できる。
無選択型医療保険のメリット・デメリット
無選択型医療保険のメリットとデメリットは主に下記のとおりだ。
- 保険加入時に健康状態を告知する必要がない
- 持病や既往歴のある人でも加入できる
- 通常の医療保険と比べて保険料が割高になりやすい
- 保険金や給付金の規模が小さく保障内容が限定される場合がある
保険加入時は基本的に健康状態の告知や健康診断の書類等を提出する必要があり、持病や既往歴がある場合は、一般の場合と比べると加入のハードルが上がってしまうことも少なくない。
その点、無選択型医療保険は告知や診断書の提出が不要で、無条件で加入が可能だ。
加入のハードルが低い一方で保険料は他のタイプに比べると高くなりやすい。
持病や既往歴があっても無条件で加入できることは加入者にとっては大きなメリットだが、保険会社にとっては通常よりも健康リスクが高い人を受け入れる形となり、保険金や給付金を支払う機会が増える可能性があるからだ。
加入のハードルを下げる一方で、多数の加入者への保障を担保するために保険金や給付金の支給規模が小さく設定されていることも少なくない。
どの保険商品もメリットやデメリットはともに必ず存在するため、加入前にしっかり検討することをおすすめする。
「無選択型医療保険」と「引受基準緩和型医療保険」
無選択型医療保険とよく比較されることが多いのが「引受基準緩和型医療保険」だ。
通常の医療保険に比べて保険加入時の告知項目数が少なく、3〜5個程度で済むのが大きな特徴である。
ここでは、そもそも引受基準緩和型医療保険とはどのような保険なのか、無選択型医療保険との違いなどについて解説する。
「引受基準緩和型医療保険」とは
健康状態に不安があっても加入できる可能性が高い保険の1つで、保険会社への告知しなければならない項目が3〜5個程度に抑えられたものを「引受基準緩和型医療保険」という。
「限定告知型保険」や「選択緩和型保険」などと呼ばれることもある。
引受基準緩和型医療保険でも告知が必要となる項目は主に下記が挙げられるが、保険会社や商品によって変わるので要注意だ。
- 過去2年以内に入院・手術をしたことがある
- 過去5年以内にがんで入院・手術をしたことがある
- 今後3カ月以内に入院・手術の予定がある
- がん・肝硬変と医師に診断または疑いがあると指摘されている
- これまでに公的介護保険の要介護認定を受けたことがある
例えば日本生命が用意している引受基準緩和型保険(限定告知・無解約払戻金型終身医療保険)のメディ・アンは下記3つの告知項目に全て「いいえ」であれば加入可能だ。
- 過去6ヵ月以内に、病気やけがで、入院をしたこと、または手術をうけたことがある。もしくは最近3ヵ月以内に、医師の診察・検査により入院または手術をすすめられたことがある。
- 過去2年以内に、ガン・悪性新生物および上皮内新生物(上皮内ガン)で、入院をしたこと、または手術をうけたことがある。もしくは現在、ガン・悪性新生物および上皮内新生物(上皮内ガン)で、医師の診察・検査・治療・投薬をうけている。
- 現在、慢性肝炎、肝硬変で、医師の診察・検査・治療・投薬をうけている。
現時点で大きな病気やけがで治療を受けている場合はもちろんだが、いまから半年以内に病気やけがで入院や手術をしたことがあるか、3ヶ月以内に医師にすすめられたことがある場合も保険への加入は難しくなる。
また1年以上前であってもがんになったことがある場合は厳しい可能性がある点も要注意だ。
告知項目の数や内容はあくまで保険会社の判断基準の1つだ。
そのため、たとえ告知項目の内容をクリアしたとしても保険会社が他の内容も含めて総合的に判断した結果、加入を却下されることもある。
「無選択型医療保険」と「引受基準緩和型医療保険」の違い
無選択型医療保険と引受基準緩和型医療保険にはどのような違いがあるのか。
持病や既往歴のある人への対応や保険料の違い等もあるが、ここでは主に告知項目数と保障の免責有無、保障期間の違いを紹介する。
無選択型医療保険は保険加入時に健康状態を告知する必要が全くない。
一方で引受基準緩和型医療保険は3〜5個程度の項目に該当するかどうか保険会社に伝える必要がある。
そのため保険加入のハードルは無選択型医療保険のほうが低く、持病や既往歴があって民間の医療保険に加入できないケースを抑えられる。
保障内容自体は通常の医療保険とあまり変わらないが、無選択型医療保険の場合は加入から一定期間について一般的に保障対象外となる。
引受基準緩和型医療保険の場合は支払い削減期間が存在して一定期間、保険金や給付金が少なくなることが多い。
無選択型医療保険は一般的に掛け捨てと呼ばれる定期タイプの商品のみであり、終身保険や養老保険はない。
引受基準緩和型医療保険は定期保険の他に終身タイプの商品も存在するので、自身のニーズに合わせて選ぶことが可能だ。
「引受基準緩和型医療保険」を選ぶ人とは
保険会社への告知項目が少ないため、指定の内容に当てはまらない持病や既往歴がある場合は加入できる可能性が高い。
通常の医療保険では、健康状態を理由に審査を通過できなかった人は引受基準緩和型医療保険も選択肢の1つとなるだろう。
無選択型医療保険と異なり定期タイプだけでなく終身タイプも存在し、保障内容も通常の医療保険と基本的に変わらない。
ただし加入から一定期間は保険金が通常よりも少ない支払い削減期間が設けられていることが多く、保険料も割高になりやすい点には要注意だ。
無選択型医療保険の実例
ここからは具体的に無選択型医療保険に当てはまる商品は何があるのか、商品の概要や仕組みと注意点、無選択型医療保険の選ぶポイント、自分に合った保険の選び方について解説する。
結論からいえば無選択型医療保険は通常の医療保険に比べると選択肢が少ない。
その一方で無数にある商品から取捨選択する時間や手間が省けるメリットがある。
無選択型医療保険の具体的な商品
例えばChubb損害保険株式会社が提供する「まかせて安心医療保険」が有名だ。
満16歳から満70歳までの方が健康告知や医師の診断の必要がなく入院や手術歴があっても加入できる医療保険であり、医療と損害補償の両面からカバーするのが大きな特徴である。
女性特有の病気を手厚くカバーする女性専用プランも用意されており、対象者にとっては嬉しいポイントだ。
病気やけがによる入院1日あたりの補償額によって複数コースが用意されており、1万円、7,000円、5,000円、3,000円の4パターンが存在する。
保険料の支払い余力や自身に必要な保障内容等によって、どのプランを選択するべきか検討しよう。
月払い保険料も選択コースと契約年齢によって変わる。例えば1万円のコースを30歳で契約した場合は8,970円である。
同じプランでも40歳は1万30円、50歳は1万3,380円かかり、年齢が上がるほど保険料も高くなる。
無選択型医療保険はほとんどの場合、加入から一定期間保障対象外となるが、「まかせて安心医療保険」も医療補償は保険始期日から90日間は対象外となるので注意しよう。
無選択型医療保険の選ぶポイント
無選択型医療保険は医師による診査や健康状態の告知を必要としないため、非常に扱いやすい商品と思われるかもしれないが、安易な加入はおすすめできない。
というのも通常の医療保険に比べると保険料が割高となる傾向があるだけでなく、加入から一定期間保障対象外となり、定期タイプの商品のみで保険期間も短く、長期的な保障を求める場合はデメリットも大きい。
健康状態に不安がある場合もまずは通常の医療保険に加入できないか検討し、加入が難しい場合は健康状態の告知項目が少ない引受基準緩和型医療保険も検討することをおすすめする。
無選択型医療保険はあくまで他に選択肢がなかった場合の最終手段として活用すると良いだろう。
自分に合った保険の選び方
自身に合った保険商品を選ぶためにもニーズや抱えるリスク、保険に求めるものを明確にすることは非常に重要である。
- 保障内容は自身のニーズやリスク対策に合っているか
- 保障対象外の期間や条件等の確認を行った上で問題ないか
- 保険加入後のサポートの有無や内容を把握しているか
最低限まずは上記を確認することをおすすめする。定期的に保険料を負担する以上、いざというときに保険金や給付金が支給されなければ意味がない。
自身にとって保険金等が必要となるタイミングと保障対象外の期間が被っていないか確認することも欠かせない。
長い人生においてライフステージも変化し続ける。
結婚や出産、転職や退職等の変化に応じて保険へのニーズも変わることを想定し、柔軟に対応できる商品を選ぶのも重要だ。
まとめ
無選択型医療保険は、健康告知が不要となっており、誰でも入りやすい保険となっている。
この記事では、無選択型医療保険とは何なのか、そのメリット・デメリット、無選択型医療保険の実例などを紹介、解説した。
またよく比較対象とされる「引受基準緩和型医療保険」との違いについても詳しく解説している。
しかし、自分一人で最適な保険を選ぶには、専門的なアドバイスが必要になることもあるだろう。
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