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【個人年金保険の解約を考えている人へ】注意点や解約すべきタイミングを解説

この記事で解決できるお悩み
  • 個人年金保険の解約手順が分からない
  • 解約時の注意点を知りたい
  • 解約後の資産形成の選択肢について知りたい

個人年金保険の解約を考えているが、手順や注意点がわからず困っている。

また、解約後にどうすればいいのかわからない。そんな不安を抱えている方は多いのではないだろうか。

そこで本記事では、個人年金保険の解約手順や解約時の注意点、さらに解約後の資産形成の選択肢について解説する。

個人年金保険の解約について学びたいという方は、参考にしてほしい。

目次

個人年金保険の解約手順

個人年金保険の解約手順 生命保険ナビ

個人年金保険の解約はどのようにすれば可能なのか、ここでは解約手順について詳しく解説する。

手続きに不備があると解約完了までに時間がかかってしまい、保険料の負担等も増えるおそれがあるので注意しよう。

個人年金保険の解約時は保険会社への連絡と必要書類の提出を

個人年金保険を解約する意思が明確になった場合は保険会社へ連絡して、必要な手続きや書類等の案内を受ける。

保険会社のコールセンターに連絡するか、場合によっては保険担当者の訪問や店舗への来店等で手続きできるケースもあるため、必要に応じて問い合わせてみよう。

契約状況を確認するため、自身の契約番号(証券記号番号)や名前、連絡先、住所等の個人情報を質問されるほか、解約理由も詳しく聞かれる可能性があるので、急に慌てないためにも事前に準備しておくことをおすすめする。

個人年金保険の解約申請の受理と確認

解約の連絡が済むと保険会社から手続きに必要な書類が郵送で送付されることもある。

場合によっては契約者がログインできる管理ページから解約申請に必要な書類やデータのダウンロード、プリントアウトが必要となる可能性もある。

保険会社所定の解約申請書に必要事項を記入し、本人確認書類を添付して送る。

本人確認書類はマイナンバーカードや運転免許証、パスポート等があるが、内容によっては複数の本人確認書類を送らなければならないこともある。

不備による手続きの停滞や遅れを防止するためにも、必要書類の確認や準備を徹底しよう。

郵送の場合は保険会社から必要書類の一式が送付されるのに1週間程度、書類を提出してから保険会社に届いて正式に受理されるまでに1週間程度かかる可能性もある。

全体で数週間から数ヶ月程度かかることも考えられるため、時間に余裕を持って手続きすることをおすすめする。

個人年金保険を解約したいと思っても、即日解約できるわけではない点に注意しよう。

個人年金保険の解約返戻金の受け取り

解約申請が問題なく進み、保険会社に受理されて手続きが完了すると解約返戻金を受け取る。

契約している個人年金保険の商品内容や保険会社によって状況は異なるが、一般的に契約期間が長くなるほど解約返戻金も多くなる。

個人年金保険の解約時の注意点

解約時の注意点 生命保険ナビ

結論からいえば、個人年金保険を安易に途中解約することはおすすめできない。

というのも特に短期間で解約すると払い込んだ保険料よりも解約返戻金が少なくなり、元本割れするリスクが高くなるからだ。

他にも税金問題等も存在するため、思わぬ形で損害を被らないためにも解約前に必ず確認することをおすすめする。

個人年金保険の解約返戻金に税金がかかる場合がある

解約時に受け取る返戻金額によっては税金が発生することがあるので要注意だ。

今まで支払った保険料の総額よりも受け取る解約返戻金が多くなる場合は「利益を得た」とみなされて所得税の課税対象となる。

解約返戻金は給与所得等と異なり、通常は継続的に受け取るものではないため一時所得に該当する。

解約返戻金以外にも一時所得の対象となるものが存在する場合はそれらを合算したうえで課税所得が計算される。

ではどのように計算されるのか、下記の2パターンを想定して解説する。

  • 保険料総額:200万円/解約返戻金:150万円
  • 保険料総額:200万円/解約返戻金:300万円

パターン1の場合は解約返戻金よりも今まで支払った保険料総額が高いため、課税対象とはならず一時所得の確定申告を行う必要もない。

問題はパターン2の場合だ。今まで支払った保険料総額よりも解約返戻金が高く利益が出ている状態のため、納税する必要がある。

一時所得の金額は収入金額がすべて課税対象となるわけではなく、経費や控除額を差し引いた部分となり、さらに2分の1をかけた金額が課税対象となる。

総収入金額 − 収入を得るために支出した金額 − 特別控除額(最高50万円) = 一時所得の金額

一時所得の金額×1/2=課税所得

「収入を得るために支出した金額」は「その収入を生じた行為をするため、または、その収入を生じた原因の発生に伴い、直接要した金額」に限る。

経費になり得るものであれば全て計上すればいいわけでないので注意しよう。

今回の計算式は「(解約返戻金−保険料総額−50万円)×1/2」となり、解約返戻金300万円と保険料総額200万円を当てはめると課税所得は25万円となる。

一時所得は総合課税扱いとなるため、給与所得等の他の所得と合算して納税額が決まる。

個人年金保険解約手続きには時間がかかる場合も

個人年金保険の解約を希望しても自身の任意のタイミングですぐに手続きできるとは限らない。

通常でも解約に必要な書類の郵送に約2週間かかると思われ、万一解約手続きに必要な書類や本人確認書類等に不備があると、さらに時間がかかる可能性がある。

具体的にどのくらいの時間を要するのか実際に手続きをしてみないと分からない部分も多いが、最低でも1ヶ月程度はかかると考えて、早めの準備をおすすめする。

個人年金保険に入り直すときは条件が悪くなる

個人年金保険を解約したが、自身を取り巻く環境や考え方の変化等により再加入を検討するケースもあるかもしれない。その場合は条件面が悪くなることもあるので要注意だ。

なぜなら一旦解約して契約し直す場合、以前契約したときと自身の年齢や健康状態等が変わるためだ。

一般的に年齢が上がると保険料が高くなる傾向があり、場合によっては個人年金保険に加入できない可能性もある。

例えば日本生命が提供している個人年金「ニッセイ みらいのカタチ 年金保険」の申込可能年齢の上限は65歳である。つまり66歳や70歳時点で加入したいと思っても申し込みできない。

月々の保険料も「払込期間30年以上」あると5,000円程度から加入できるなど、一定の条件や実績を求められることも少なくない。

今まで加入していた個人年金保険を解約すると払込期間等の実績がなくなってしまい、文字通り「ゼロからのスタート」となる点にも注意しよう。

個人年金保険は死亡保険や医療保険とは異なるため、健康告知内容の提出や医師の診断書等は基本的に必要ない。

ただし、保険会社や商品によっては個人年金保険に加入する場合も、告知書の提出等が必要となる可能性もあるので確認しよう。

個人年金保険解約後の選択肢と対応策

個人年金保険の解約が完了しても、老後資金の準備を含めた資産形成をする必要がなくなったわけではない。

主に自身の老後資金を準備するため、個人年金保険のかわりに生命保険等の他商品に加入するなどの対策が必要だろう。

ここでは個人年金保険を解約した後の選択肢や対策について紹介するので、ぜひ参考にしてみてほしい。

解約後の選択肢①他の年金商品への切り替え

具体的にはiDeCo等の確定拠出年金の活用が考えられる。

確定拠出年金は、自身が拠出した掛金と運用益の合計金額をもとに将来の給付金額が決まる年金制度である。

主に加入者が直接資金を出す個人型確定拠出年金(iDeCo)と企業が掛金を負担する企業型確定拠出年金の2種類ある。

個人年金保険との大きな違いは将来受け取れる年金額が決まっていないことだ。

個人年金保険の定額型の場合、加入時に利率が固定されるため、万一市場が大きく変動して加入者に不利な状況になったとしても、契約時に約束した年金額を受け取れる安心感がある。

保険料の運用は保険会社が行い、加入者自身が行う必要はないため、金融知識や経験が全くない場合でも始められるのも大きなメリットである。

確定拠出年金の運用責任は本人にあるため、自身で運用商品の選定や定期的な見直しを行う必要があり、専門家ほどの知識や経験は不要だが最低限の金融知識や経験が求められる。

その一方でiDeCoの場合、掛金は全額所得控除され運用益も非課税となるのが大きな特徴だ。

なお、「どんな人が年金保険に加入するのか」によって最適な商品は異なる。

属性別におすすめの個人年金保険についてまとめた以下の記事も参考にしていただくと、より理解を深めることができるはずだ。

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解約後の選択肢②生命保険への加入

平時の日常生活にかかる費用は給与所得や預貯金などでカバーした上で、病気やけが、死亡、高度障害等が発生する有事に備えて死亡保険や医療保険といった生命保険に加入するのも1つの考え方である。

日本は国民皆保険制度が導入されていて国内居住者であれば誰でも公的医療保険を活用できる。

病気やけがをして病院に行くと窓口負担が原則3割で済むのは代表的な例だ。

大きな病気をして手術が必要となっても高額療養費制度があるため、上限を超える医療費については自己負担する必要がなくなる。

このように日本の公的医療保険制度は手厚いが、それでも完全とは言い難い。

後で返金される等して実質的に自己負担が軽減されたとしても、まずは自身が支払わなければならない機会もあるだろう。

そのような場合に預貯金が数十万円等と少ない場合は対応できない可能性がある。

そのため医療保険に加入して保障を上乗せするのも1つの方法だ。

結婚して特に幼い子どもがいる場合は、万一自身が死亡や高度障害状態となり残された家族が困窮するリスクを軽減するために死亡保険への加入も検討しよう。

個人年金保険を解約しても病気や死亡等のリスクがなくなるわけではない。

これらのリスクへの備えがしっかりできているか考え、必要に応じて対策することも重要だ。

解約後の選択肢③保険料の節約と投資

保険ではなく投資信託等の運用で老後資金を構築する方法もある。

例えばNISA制度を活用して投資信託や個別株の運用を行うケースも増えている。

NISA制度とは、NISA口座内で一定金額の範囲内で購入した金融商品の運用から得られる利益は非課税となる制度である。

通常、株式や債券などに投資をして利益や配当金を受け取ると約20%の税金が発生するが、NISAを活用すると課税されなくなるので一般投資家から注目されている制度の1つだ。

2023年11月時点においてNISA制度は主に一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAの3種類が存在する。

ただしジュニアNISAの新規口座開設は2023年末で終了し、2024年以降は継続して運用できるものの、新規購入はできない。

一般NISAとつみたてNISAも2024年以降は「新しいNISA」制度に切り替わる予定で、動向が注目されている。

現時点ではつみたてNISA制度を活用して投資信託を行う人も多いと思われる。

投資信託は投資家から集めた資金をもとにプロが運用を行い、運用益を出資金額に応じて配分する仕組みだ。

投資家は投資の専門知識や経験がなくても手軽に資産運用ができるメリットがあるが、たとえプロの運用でも絶対はなく元本割れリスクは常に存在する。

当然ながら自身がこれまで拠出した資金によって将来的な運用総額が決まるため、全く同じ投資信託を運用していても月1万円の場合と10万円の場合では規模が異なる。

少額投資ができるとはいえ、いざというときに急に数千万円や数億円の資金が手に入るわけではない。

その点、例えば死亡保険の場合は月々の保険料は数千円でも、契約内容によっては万一の際に数千万円や数億円規模の保険金や給付金が支給されるケースもある。

自身や家族が抱えるリスクや資産状況等を総合的に考慮して、投資や保険をうまく組み合わせることが重要といえる。

個人年金保険は解約は注意点を理解して慎重に決断しよう

まとめ 生命保険ナビ

本記事では、個人年金保険の解約手順や解約時の注意点、解約後の資産形成の選択肢について解説した。

個人年金保険の解約は、解約する手順を理解し、注意点を把握しておくことが大切である。

また、解約後の選択肢と対応策も様々あるということが理解できたのではないか。

しかし、一人で解約後に自分に最適な個人年金保険を見つけるのは難しいだろう。

多くの商品を比較するには、豊富な知識と膨大な時間が必要になるからだ。

もし保険の比較や自身にとって適切な保険の選択にまよったら、保険のプロに相談することも検討してみよう。

一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、あなたに必要な保険を判断することができるはずだ。

また、全国の保険のプロから自分に合った担当者を探す際には「生命保険ナビ」の活用をおすすめする。

「生命保険ナビ」は、自身の条件に合った保険のプロを簡単に見つけることができるマッチングサービスである。

気になった担当者とは無料相談もできるので、是非活用してほしい。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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