- 月々5,000円で学資保険に加入するメリットとデメリットが知りたい
- 月々5,000円で学資保険に加入する際の注意点が知りたい
- 安い保険料でも受け取れる保険金の金額を上げる方法が知りたい
学資保険とは、一定期間にわたり保険料を払い込み、時期が来た際に子どもの教育資金を保険金や祝い金として受け取ることが出来る、貯蓄型の保険のことである。
学資保険に入りたいが、月々の保険料負担は抑えたいという人も多いだろう。
例えば、月々5,000円という比較的安価な金額でも学資保険に入っておくべきなのだろうか。
この点、仮に0歳から18歳まで月々5,000円の保険料で積み立てると、およそ100万円の資金が用意できるので、十分加入するメリットはあると言えるだろう。
ただ、もう少しまとまった金額を貯蓄したいという方へ向け、保険金の額を上げる方法や学資保険以外の教育資金の貯蓄方法も解説する。
ぜひ本記事を学資保険を利用するかどうかの判断材料としてほしい。
学資保険のメリットと月々5,000円で利用する際の注意点
始めに学資保険のメリットと月々5,000円で始める場合の注意点について紹介する。
学資保険のメリット
学資保険にはさまざまなメリットが挙げられるが、ここでは3点紹介する。
- 半ば強制的にお金を貯められる
学資保険は毎月口座から自動的に保険料の引き落としがされるため、貯蓄が苦手な人でも半ば強制的にお金を貯めることが可能だ。貯蓄が苦手な人にとっては大きなメリットと言えるだろう。また途中解約してしまうと、これまで支払ってきた保険料より低い返戻金になる可能性が高いため、損をしないために解約を控える人も多い特徴がある。
- 銀行に預けるより増える
銀行の定期預金の金利は0.002%ほどと極めて低いが、学資保険であれば満期時になると平均して105%前後の返戻率となることから、銀行に預けるより増えるメリットがある。もちろん定期預金の金利は各銀行によって異なるうえ、高まる可能性もあるだろう。しかし未だ日本では量的緩和政策が適用されているため、銀行に預けてもほとんど増えることがない。しかし学資保険であれば、銀行に預けるより大きく増やすことが可能となるメリットが挙げられる。
- 親が亡くなった場合は保険料の支払いが免除される
また万が一親が亡くなってしまった場合や高度障害などの理由で保険料の支払いができなくなった場合、その後の保険料の支払いが免除される保険料払込免除特約がある点も大きなメリットといえるだろう。さらに契約した満期に満額保証される。
月々5,000円の保険料の注意点
月々5,000円の保険料を支払う場合、10年で60万円、17年で102万円支払うことになるが、そもそも教育費用としては足りないことが想定できる。
文部科学省の「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」と「令和3年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」のデータをまとめると、4年間の納入額の目安は以下の表の通りとなる。
大学の種類 | 4年間の納入額の目安 |
私立高専 | 412万円 |
私立短期大学 | 444万円 |
国立大学 | 324万円 |
私立大学・文系 | 464万円 |
私立大学・理系 | 616万円 |
私立大学・医師系 | 1,928万円 |
国立大学院 | 162万円(2年分) |
私立大学院 | 208万円(2年分) |
さらに学生の1年間の生活費は100万円前後であると、日本学生支援機構が発表した「平成30年度学生生活調査 | JASSO」から読み取ることができる。そのため、大学生活を4年間と仮定すると、おおよそ800万円〜1,000万円近い費用が必要となることがわかる。
そのため毎月5,000円の保険料の学資保険で受け取れる満期受取金では足りないということが分かるだろう。
月々5,000円でも学資保険の保険金を上げる方法
学資保険は返戻率が高くなるほど、受取金額が高くなるため、お得になるということだ。ここでは返戻率を高める方法を4つ紹介する。
学資保険の保険料の払込期間を短くする
返戻率を高める方法としては「払込期間を短くする」ことが挙げられる。
学資保険の払込期間は以下の通りさまざまな年数が挙げられる。
- 10歳まで
- 15歳まで
- 17歳まで
- 18歳まで
- 20歳まで
- 22歳まで
- 一括払い
払込期間が短ければ短いほど、運用できる金額が多く、期間も長くなるため、返戻率は高くなる特徴がある。
例えばアフラックの学資保険で比較してみると「18歳まで払い込み」する場合と「10歳まで払い込み」するケースでは以下の通りとなる。
18歳まで払い込み | 10歳まで払い込み | |
契約者情報 | 契約者の年齢:30歳 子どもの年齢:0歳 満期受取金:300万円 | |
月々の保険料 | 13,230円 | 23,550円 |
累計払込保険料 | 2,857,680円 | 2,826,000円 |
返戻率 | 104.9% | 106.1% |
上記の表を見てわかる通り、払込期間が短いほど月々の保険料は高まるが、累計払込保険料を抑えることができ、返戻率を高めることができる。
とはいえ、上記の例では8年間での支払差額は約3万円程度であるため、月々の保険料を抑えたいという方は無理に払込期間を短くしない方が良いだろう。
学資保険の保険料を適切な額に設定する方法については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひあわせてチェックしてほしい。
学資保険の満期時期を遅くする
満期時期を遅くすることで保険料を運用する年数も長くなるため、返戻率を高めることができる。
満期時期は一般的に以下の4つから選択できる。
- 17歳満期
- 18歳満期
- 20歳満期
- 22歳満期
満期が遅くなるほど得られる収益も高くなる傾向にある。
そのため払込期間を10年とし、22歳満期にすると返戻率を高めることが可能となる。
ただし満期時期を選択できない商品もあるため、事前に保険商品を確認しておこう。
学資保険に早く加入する
学資保険は子どもが生まれる前などに加入すると、返戻率を高めることができる。
保険料の運営期間を長く確保することができるためだ。学資保険は子どもの年齢が6歳前後までと定めている保険会社も多いが、妊娠中でも加入することができる。
万が一妊娠中に亡くなってしまった場合、契約は無効となり、支払い済みの保険料は返還されるため、妊娠中から加入する方も多い。
少しでも返戻率を高めたい方は、いち早く加入するのも一つの方法だ。
保険会社を比較する
返戻率を高める方法としては保険会社を比較することが大切。
保険会社によって返戻率が異なるためだ。以下の表はソニー生命とアフラックの学資保険を比較したものである。
ソニー生命 | アフラック | |
契約者(親)の年齢:30歳 子どもの年齢:0歳 払込期間:17年 | ||
満期受取金 | 600万円 | |
月支払額 | 28,620円 | 27,920円 |
累計払込保険料 | 5,838,480円 | 5,695,680円 |
返戻率 | 102.7% | 105.3% |
上記の表を見てわかる通り、アフラックの学資保険の方が返戻率が高いことが分かる。
もちろん保険会社によって保障内容も異なるため、返戻率だけで選ぶのはおすすめできないが、少しでも累計払込保険料を抑えたい方は各社比較してから加入しよう。
月々5,000円の学資保険では足りない?学資保険以外で教育資金を調達する方法とは
奨学金を利用する
奨学金とは学費や生活費などの費用を負担を軽減するため、資金を給付または貸与する制度のこと。
主に日本学生支援機構の奨学金が利用されることが多く、「給付型奨学金」、「第一種奨学金」(無利子貸与)、「第二種奨学金」(有利子貸与)の3種類に分かれる。
低所得世帯などの方を対象とした奨学金であり、給付型という名前の通り、返済する必要がない。
日本学生支援機構の場合、その採用基準は「学力基準」「家計基準」「資産基準」から成り立っている。
- 入学後1年を経過していない人の場合、次の1〜3のいずれかに該当すること。
- 高等学校等における評定平均値が3.5以上であること、又は、入学者選抜試験の成績が入学者の上位2分の>1の範囲に属すること
- 高等学校卒業程度認定試験の合格者であること
- 将来、社会で自立し、活躍する目標を持って学修する意欲を有していることが、学修計画書等により確認できること
- 入学後1年以上を経過した人の場合、次の1、2のいずれかに該当すること。
- GPA(平均成績)等が在学する学部等における上位-2分の1の範囲に属すること
- 修得した単位数が標準単位数以上であり、かつ、将来、社会で自立し、活躍する目標を持って学修する意欲を有していることが、学修計画書により確認できること。
- 【第1区分】 あなたと生計維持者の市町村民税所得割が非課税であること。
- 【第2区分】 あなたと生計維持者の支給額算定基準額(※)の合計が100円以上25,600円未満であること。
- 【第3区分】 あなたと生計維持者の支給額算定基準額(※)の合計が25,600円以上51,300円未満であること。
上記の条件を満たしていた場合、申し込みすることが可能となり、最大91万円の給付金を受け取ることができる。また他の奨学金と併用することも可能だ。
第一種奨学金とは無利子貸与の奨学金である。将来的に返済する必要はあるが、利息が付かない特徴がある。
第一種奨学金は学校の種類や通学環境などによって以下の表の通り上限支給額が定められている。
国立 | 私立 | ||||
自宅 | 自宅外 | 自宅 | 自宅外 | ||
最高月額 | 大学 | 45,000円 | 51,000円 | 54,000円 | 64,000円 |
短大・専門 | 45,000円 | 51,000円 | 54,000円 | 60,000円 | |
その他月額 | 大学専門・短大 | 30,000円 20,000円 | 40,000円 30,000円 20,000円 | 40,000円 30,000円 20,000円 | 50,000円 40,000円 30,000円 20,000円 |
また成績基準も予約採用の場合は高校1年生から申し込みまでの成績が平均3.5以上、在学採用で大学や専門などの場合は高校2年生から3年生までの成績が平均3.5以上である必要がある。
その他にも収入基準が設けられていることが多い。詳しくは第一種奨学金を確認してみてほしい。
第二種奨学金は有利子貸与の奨学金のこと。
学校の種類や通学環境などに関係なく、月2万円〜12万円の中から希望する金額を設定することができる。
しかし有利子(上限3%)であるため、多く借りると後々の返済額が増えてしまうため注意しなければいけない。
第二種奨学金にもさまざまな審査基準が設けられているが、特別難しい条件がないため、ほとんどのケースで利用することが可能だ。
ただし世帯年収1,100万円以上の方は対象外となるため注意してほしい。
より詳しく知りたい方は第二種奨学金を確認してほしい。
低解約返戻金型終身保険や外貨建て保険を利用する
低解約返戻金型終身保険とは、他の保険と比較すると解約返戻金が抑えられる分、保険料が安い商品のこと。
保険料の払い込みが完了すると、返戻率は大きくなる特徴がある。
また、外貨建て保険は払い込んだ保険料がドルやユーロに換算されて運用される保険のことだ。
日本より金利の高い外貨にすることで高利率で運用することができる。
外貨建て保険は為替の影響を受けるが、いずれの保険も将来的に大きな資金にできる可能性があり教育費用として利用する方も増えている。
学資保険に月々5,000円で加入すると100万円程度を積み立てられる!
本記事では、学資保険のメリットや月々5,000円など、安価な保険料で加入する際の注意点を解説した。
また、受け取る保険金の額を上げる方法や学資保険以外の教育資金調達法について説明した。
学資保険に月々5,000円で加入すると、大体100万円程度の金額を積み立てることができる。
この金額は目安であり、保険料の払込期間や支払い回数を調整することで金額を上げることも可能になる。
また、奨学金や外貨建て保険など別の方法も利用できるので、選択肢は色々考えておくほうがいいだろう。
もし、一人で判断するのが不安だという人は、保険のプロに相談することも検討してほしい。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、学資保険を適切に管理することができるはずだ。
ただ、保険のプロは数多く存在し、自分にとって最適な担当なのかをすぐに見定めることもまた難しい。
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