- 預金封鎖により引き起こされるリスクを知りたい
- 生命保険が預金封鎖に対するリスク対策になり得るのか知りたい
- リスク対策としてのおすすめの生命保険が知りたい
預金封鎖とは、政府によって金融機関の口座を止められ、自由にお金を動かせなくなる状態のことを指す。
もしも預金封鎖が引き起こされた場合、あなたにどんなリスクがあるのだろうか。また、生命保険は預金封鎖へのリスク対策になり得るのか。
今回はこのような疑問に関する答えを解説していく。
常日頃から金融リスクに直面する可能性を持つ私たち全てにとって、このような問いへの理解は非常に重要である。
ぜひ本記事を参考に、あらゆるリスクから保険を活用し、自分の将来を守ってほしい。
預金封鎖とは何か
預金封鎖とは、簡単にいえば「銀行に預けたお金が自由に引き出せなくなる」状況のこと。
国の財政が悪化した時に立て直す対策として政府が実施するもので、近年だと2021年にレバノンで預金封鎖が行われた事例がある。
なぜ預金封鎖が起こるのか、その背景やプロセスを過去の事例も交えながら解説していく。
預金封鎖が発生する背景となる経済状況
預金封鎖は財政の悪化が原因で起こるが、厳密にいえば”赤字続き×債務過多”の状況が続きすぎた時に起こりやすい。
また、物価の価値が過度に上がり、お金そのものの価値が下がる「ハイパーインフレ」に陥った時も預金封鎖が発生しやすいと言われている。
日本で近々預金封鎖が行われるとは考えにくいが、もし起こるとすれば日本が重大な経済危機に陥っていると考えられるだろう。
預金封鎖が行われる具体的なプロセス
財政が悪化した時は、次のような手順で国が市場に出回るお金を管理し、インフレを避ける対策をしなければならない。
- 預金を差押え、預金者が自由にお金を動かせないようにする
- 預金額に対して税金を課す
- 預金額+税金で回収した金額が国の財源となる
- 1〜3を経済が回復するまで繰り返す
例えば「A銀行が倒産するらしい」と噂が流れた場合、A銀行の預金者は慌てて預金を引き出そうと店頭に殺到する、いわゆる”取り付け騒ぎ”が起こることが想定できる。
これを防ぐために、A銀行の経済が安定するまでに一時的に資産の引き出しを制限する行為が「預金封鎖」というわけだ。
これは銀行を国家に置き換えた場合も同じ。
国家がハイパーインフレを巻き起こすほどの経済困難になった場合、市場に出回る通貨を制限し、インフレを抑えるのが国家レベルの預金封鎖にあたる。
また、預金に対して課せられた税金は預金から直接徴収するため、預金者は納税を回避できない。
事態の大小によって預金封鎖の期間は異なり、私たちは預金額がいつまで減り続けるのか、ただ見守ることしかできなくなるのだ。
一方でアメリカのような基軸通貨国(各国の価値基準となる通貨)は、貨幣の価値が急激に暴落することがそもそもあり得ないので、預金封鎖は行われない。
預金封鎖の過去事例とその影響
直近だと2021年にレバノン、日本でも1946年に経済の悪化による預金封鎖が行われた。
1946年の2月16日、第二次世界大戦後で危機的な経済困難に陥っていた日本政府は「総合インフレ対策」を発表。
その内容は、同年2月17日から預金封鎖を開始し、現行されている10円以上の紙幣は3月2日限りで無効にするというものだった。
また、5円以上を強制的に預入させて、生活費や事業費は”新円”でなら払い出してもよいという条件をつけた、「新円切り替え」という対策も実施した。
同年8月に、政府は「経済対策本部」を設置。預金封鎖のような金融対策の他にも、物資の生産や配給・労務の調整を目的として、財閥の解体・農地改革などが行われた。
労働者の地位を守るために、労働基準法や労働組合法が作られたのもこの頃である。
このように、預金封鎖が起こると単にお金の出し入れが制限されるだけでなく、人々の暮らしや働き方にも大きな変化が及ぶのだ。
預金封鎖の影響と生命保険の役割
もしも再び日本で預金封鎖が起こると、「企業が従業員へ給与を支払えない」「預金が動かせず、支払いを滞納してしまう」など、我々の日常生活に大きな支障が出る。
社会全体で考えると、「円安が進む」「景気の悪化・企業の倒産」「失業率の増加」など、もはや世界から見た日本の信用が大きく低下する事態になりかねない。
このような万が一の事態に備えて、死亡・入院・教育・老後資金を目的として、生命保険に加入している人も多いだろう。
しかし、あらゆる資産が差し押さえられる可能性がある預金封鎖時に、生命保険は本当に我々に味方してくれるのだろうか?
ここからは、預金封鎖時に生命保険が受ける影響について解説していく。
生命保険会社への影響とその可能性
生命保険のような金融商品は、「預金保険制度」によって保護されており、万が一金融機関が破綻した際にも預金者へ保険金が支払われるようになっている。
また、国全体が深刻な金融危機に陥った場合は、内閣総理大臣が開いた会議の意向を受けて、次に挙げるような例外措置が取られる場合もある。
- 金融機関の資本を増強させる(金融機関の体力を強化する)
- 特例的な資金援助(一定額保証を超えた資金援助など)
- 預金保険機構による全株式の取得
このように、生活や会社の運営に必要とする決済機能の安全を確保すべく、決済に必要な利息のつかない預金については全額保護されることになっている。
しかし、結論からいえば預金封鎖時に生命保険が受ける影響は「全くもって未定である」というのが答え。
日本で近年これまでの預金封鎖が起こることは考えにくいが、可能性はゼロではないということを視野に入れておこう。
預金封鎖時に生命保険はどうなるのか
預金封鎖では、預金の他に株や不動産といった資産も差し押さえられる可能性があり、生命保険も必ずしも安全とは言えない。
預金封鎖は事態の大小によって実施規模が異なるため、生命保険がどうなるかという質問については「一切未定」というのが回答となる。
しかし、株や預金に比べると生命保険は病気や怪我といった”命に関わる資産”となるため、差し押さえられる優先順位は低いとも考えられる。
「子供の学費のために貯蓄型の生命保険で資産運用している」など、明確な目標を持って生命保険を取り入れている方は、今一度見直してみるのも良いだろう。
預金封鎖時のリスク対策としての生命保険
預金封鎖時のリスク対策として注目されている生命保険が「外貨建て生命保険」である。
円建ての生命保険に比べると為替や金利変動のリスクはあるものの、高い利率が維持しながら通貨で資産のリスク分散ができるのだ。
そのため、投資という意味でも運用している人も多いが、ある程度の資産と為替に関する知識が必要になるだろう。
預金封鎖に備えるための生命保険の活用方法
預金封鎖に備えるためには、「資産を預金以外の株や不動産に変えておくこと」がいちばんの対策となる。
手元に金利なしで現金が残せる「タンス預金」も少額ならば悪くないが、預金封鎖時は急激な物価の上昇が考えられ、保有するお金の価値が大幅に下がる可能性も。
物価が上がるスピードに現金や預金だけではなかなか追いつくことができないので、物価に伴って資産価値が変化する株や不動産を資産として分散しておくと良いだろう。
預金封鎖自体を逃れる対策としては、「資産を海外の銀行等へ移行する」という手段もある。
預金封鎖は”日本が”経済困難に陥った際に、”日本で”行われる金融対策なので、海外の銀行へ移した資産は影響を受けないということだ。
しかし、海外でも預け先の国によっては日本同様に預金封鎖が起こる可能性もあるので、より資産の安全性を保てる国選びは慎重に行いたいものだ。
また、究極の場合円安を加味して海外移住を検討するという選択肢もある。
生命保険選びにおけるリスク管理のポイント
預金封鎖を見越した生命保険選びにおいて、できるだけリスクを回避するためのポイントをまとめてみた。
- ライフプランを立てて加入目的を明確にする
- 保障が必要なのはいつまでかを考える
- 保険金・給付金の額は適切であるかを考える
- 払込期間は適切であるかを考える
- 国内の預金封鎖を見越して海外資産の保有も考える
生命保険を選ぶ時に、何よりも大切なのがライフプランの作成だ。
結婚・出産などこの先起こりうるイベントを想定して、どんなプランで生命保険へ加入するのか、目的を明確にすることは非常に重要である。
また、選ぶ商品は目的に沿った保険金が受け取れるのか、そのために支払う金額は適切か、などを細かく確認しておこう。
預金封鎖が起こることを想定して考えるのならば、国内の貨幣価値が変わることも想定して海外資産の保有も視野に入れておくべき。
しかし、海外資産でも選ぶ国によってはリスクが高い地域も存在するため、初心者は専門家に相談して商品を選ぶのが良いだろう。
日々の資産管理で意識すべきこと
今のところすぐに国内で預金封鎖が起こるとは考えにくいが、預金封鎖はある日突然起こるかもしれない。
起こってからできる対策は少なく、自分の資産管理は”日々の積み重ね”が重要であることがおわかりいただけたはずだ。
そこで、我々が日々の生活で意識すべき資産管理のポイントをまとめてみた。
- 家計管理をする
- ライフプランを立てる
- 金融の知識を身につける
- 専門家に相談する
資産管理のポイントは、入ってくるお金を増やし、出ていくお金を最小限に留めることである。
特に、お金が出ていく蛇口を閉める役割をするのが「家計管理」だ。
そして、管理したお金をできるだけ価値を落とさず、賢く保有していくために必要なのが、生命保険を含めた資産の効率的な運用である。
このように、資産を適切に管理するためにも明確なライフプランの作成は重要であり、それを実現していくために必要なのが金融知識というわけだ。
しかし、お金の正解をゼロから全て学んでいくのは難しいため、FPなど専門家の力を借りるというのも一つの手段である。
預金封鎖が発生した場合の行動指針
万が一預金封鎖が起こっても、解除になるまで全く預金が引き出せないわけではない。
実際1946年に行われた日本の預金封鎖でも、預金は「第一封鎖預金」と「第二封鎖預金」に分けられて、条件付きだが生活費等は引き出すことはできた。
預金封鎖が起こったら、まずは当面の生活費を確保すること。
海外資産などで分けて保有している分を生活費に充てたい場合、引き出しまでにかかる期間や方法を事前に把握しておくと良いだろう。
預金封鎖に備えるためにも自分に合った生命保険を選ぼう
預金封鎖が生じた際、生命保険が受ける影響について現時点で断言することは難しい。
しかしながら大事なことは、このような万一の事態に備え、リスク対策としての保険に対する知識を深めることや、日々の資産管理を正しく行うことである。
特に保険に関しては、自身のライフプランを元に、保険期間や保障内容、支払う保険料などから総合的に商品を選ぶことが求められる。
このように、どの保険が自分のリスク対策に最適なのかを判断するのは容易なことではない。
ここで役立つのが、「生命保険ナビ」だ。
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