- 医療保険における満期の定義や満期保険金の概要が知りたい
- 医療保険が満期を迎えた際にどうするべきかがわからない
- 医療保険が満期を迎える前に準備しておくべきことを知りたい
少子高齢化が進む日本では、老後の生活に備え医療保険への加入を検討する人が増えてきている。
加入している医療保険の満期が近づき、何をすればいいのかわからないと不安に思っている方はいるだろうか。
また、満期を迎える前に準備しておくべきことはあるのだろうか。
本記事では、このような医療保険の満期に関わる疑問を解消していく。
加入している医療保険の満期が近づいているという人には、ぜひ参考にしてほしい。
医療保険の満期の定義と満期保険金の概要
医療保険には、大きく分けて「定期型保険」と「終身型保険」がある。終身型保険は保障が一生涯に渡るため、満期という概念はない。
一方で、定期型保険は「3年おき」「5年おき」など、一定のスパンで更新が行われるため、満期という概念が存在する。
まずは、医療保険の満期の定義と満期保険金の概要について確認しよう。
医療保険における満期の定義とは
民間の医療保険における「満期」とは、保険契約が終了する日を指す。
満期を迎え、更新しない場合は保険が失効し、保障を受けることができなくなる。
保険契約の効力がなくなれば、当然のことながら以降の事故や疾病に関する保障がなくなり、必要な出費はすべて自分でカバーしなければならない。
終身型の医療保険の場合は、契約者が生きている限り保障が続くことから、そもそも満期という概念がない。
自ら解約しない限り保障が続くため、任意のタイミングで解約すればいいだろう。
一方で、定期型の保険は契約時に決められた期間だけ保障が適用される。
満期のタイミングで、更新するか更新せずに保障を打ち切るか判断できる。
ライフステージや貯蓄状況を鑑みて、保障が必要と判断すれば、更新すればいいだろう。
なお、定期型保険を更新する場合、更新時に新たな保険料や条件が適用されることがある。
一般的に、医療保険は高齢になればなるほど保険料がアップする点には留意しよう。
つまり、更新時には保険料が高くなるケースがほとんどだ。
医療保険の満期保険金にかかる税金とは
医療保険の中には、満期を迎えたタイミングで満期保険金が受け取れるものがある。
例えば、医療保険に加入したものの、一度も保険金支払事由に該当しなかったとき、満期のタイミングで一定の金額が契約者に返戻されるものだ。
満期保険金を受け取ったとき、「支払った保険料よりも受け取った保険料が高い場合」、すなわち得をしたときは税金が発生する点に注意しよう。
保険金を負担している者と保険金受取人が同じ場合、所得税が発生する。
満期保険金等を一時金で受領した場合は一時所得に分類され、以下の計算式で算出した金額に所得税が課される。
満期保険金等を年金で受領した場合、雑所得に分類される。
ただし、医療保険の満期保険金は一時金として受け取るケースがほとんどなので、年金で受け取るのは稀だ。
保険金を負担していた者と保険金受取人が違う場合は、贈与税が発生する。
例えば、保険金を支払っていたのが夫で、満期保険金を受け取るのが妻の場合、贈与税の対象となる点に留意しよう。
医療保険が満期を迎えたらどうするか
定期型の医療保険に契約した場合、数年ごとのスパンで満期を迎えることになる。
満期を迎えると、更新するか解約するかの判断を迫られる。
適切な判断をするためには、解約すること・更新すること双方のメリットとデメリットを把握することが大切だ。
以下で、医療保険が満期を迎えたときに取るべき対策について解説する。
解約のメリット・デメリット
医療保険の満期を迎えた際に、更新せず解約することも可能だ。
更新せずに解約することで、以下のようなメリットが期待できる。
- 満期保険金を受け取れる(ある場合)
- 保険料負担がなくなる
- 保険を切り替えるきっかけになる
満期保険金がもらえる仕組みの医療保険の場合、解約したタイミングで所定の満期保険金がもらえる可能性がある。保険金がいくらもらえるか、そもそも満期保険金があるかどうかは、約款や保険証券を確認しよう。
また、十分な貯蓄がある場合は保険の必要性が薄れるため、解約すればいいだろう。
解約すれば保険料を支払う必要がなくなるため、出費を抑えられる。
「保険料負担を抑えたい」という場合は、解約を検討しよう。
保険商品は毎年のように新しいものが開発、販売されているため、更新のタイミングは保険を切り替えるいいタイミングと言えるだろう。
現在契約している保険商品が販売されている場合や、ライフステージや健康状態の変化により保険ニーズの変化が生じている場合は、解約に伴って新しい保険商品に切り替えやすくなるだろう。
一方で、解約には下記のようなデメリットがある点に注意が必要だ。
- 保障がなくなる
- 再加入できるとは限らない
- 満期保険金・解約返戻金が少額になることがある(もしくはゼロ)
保険を解約することで、当然のことながらその保険契約に基づく保障がなくなる。
医療保険がなくなることで、入院や手術への備えが手薄になる点は、留意するべきだろう。
新たな保険に加入しない限り、何らかの事故や疾病が発生した際の経済的なサポートが受けられなくなるため、要注意だ。
また、一度解約した後に再び同じ保険または別の保険に加入しようとすると、保険料が高くなるケースがほとんどだ。
健康状態の変化や年齢の上昇により保険料が高くなるうえに、加入条件が厳しくなることもある。
「別の保険に切り替えればいい」と考えて安易に解約すると、想定通りの保険に加入できない可能性があるので注意しよう。解約する前に、乗り換える保険の目星をつけておくことが重要だ。
保険商品によっては、契約期間が短いと満期保険金または解約返戻金が少額になることもある。
もともと満期保険金がゼロのケースもあるが、一般的に「契約期間が短いほど、受け取れる満期保険金・解約返戻金は少なくなる」点に留意しよう。
更新のメリット・デメリット
医療保険の満期を迎えた際に、保障が必要と考えている場合は更新すればいい。
医療保険を更新するメリットは、以下のとおりだ。
- 保障を継続できる
- 新しく保険を探す手間を省ける
- 難しい手続きが不要
保険を更新することで、保障を継続的に受けることができる。将来的な疾病リスクに対して備えられることから、安心感を持てるだろう。
一般的に更新時に保険料が上がるが、保険によっては保険料の上り幅が小さかったり、同じ保険料で更新できたりすることもある。
また、保険を継続すれば、新しく保険を探す手間と労力を省ける。
更新の際に新たな健康診断や審査を受ける必要もないため、諸手続きがスムーズに進む点も大きなメリットだ。
一方で、保険を更新する際には以下のデメリットがある点に注意しよう。
- 一般的に保険料が上昇する
- 細心の保険商品のほうが優れていることがある
一般的に、人間は年齢を重ねるごとに疾病リスクが高まる。
そのため、多くの医療保険では、更新時に年齢に応じて保険料が上昇する。
また、中には「ほかの保険を探すのが面倒だから」という理由で、深く考えずに更新する人も多いだろう。
現状の保険をそのまま更新することで、「最新のより良い保険商品に切り替える」機会を逃すことになる。
最新の保険商品は時代のニーズに即している特徴があるため、現在の保険と細心の保険を比較検討し、きちんと吟味することをおすすめする。
医療保険を更新する際には、自身の健康状態や経済的な状況、将来的な保障ニーズなどを考慮することが大切だ。
自分に合った保険を選べる自信がない人は、必要に応じて保険の専門家やファイナンシャルプランナーへの相談を検討しよう。
満期がない医療保険もある
医療保険の中でも、保障が一生涯続く「終身型」の保険に関しては、満期がない。
そもそも保障が「死ぬまで」なので、満期という概念が存在しないためだ。
終身型保険は、保険料が一生涯変わらないケースが多い。
例えば、20代のうちに加入した場合、安い保険料が50代・60代以降になっても続く。
終身型の医療保険は、一度契約すれば年齢を重ねても疾病に罹患しても、保険料が変わらない。
定期型保険の場合、年齢や病歴によっては「更新したくてもできない」リスクがあるため、一生涯のわたる保障を求めている人は終身型保険のほうが好相性だろう。
また、保険料が変わらないため、マネープランが立てやすくなる点も終身型保険の魅力だ。
年齢や病歴に関係なく支払う保険料を見通せるため、家計に与える影響をイメージしやすい。
医療保険が満期を迎える前に準備しておくべきこと
医療保険に契約しており、満期が近づいているときは、更新するべきか判断しなければならない。
直前になって焦らないためにも、早い段階で更新するべきかどうかを考えることが重要だ。
以下で、医療保険が満期を迎える前に準備しておくべきことについて解説する。
医療保険の保障内容を見直しておく
医療保険の満期が近づいてきたら、現在契約している医療保険の保障内容を見直しておくことが重要だ。
現在の貯蓄状況や資産状況と照らし合わせて、必要な保障内容や保障額をカバーできているか確認しよう。
現在のライフステージや健康状態に応じて、必要な医療保障の内容や範囲は変わる。
「もし保険を解約して、万が一長期入院したとき」を想定し、どのようなリスクがあるかシミュレーションしてみよう。
また、現在契約している保険の給付金や保障内容と、細心の保険の保障内容などを比較検討することも大切だ。
「保険を切り替えれば、保険料はあまり変わらないけど、保障が手厚くなる」という場合、切り替えたほうが得だ。
医療保険の更新に関する判断を誤らないためには、医療保険の保障内容を見直すことが欠かせない。
保険料と保障内容を比較検討しつつ、自身のライフステージや健康状態、経済的状況などを考慮して判断しよう。
自身のライフステージにあわせ、必要な保障内容を把握しておく
自身のライフステージを鑑みて、医療保険を更新するべきか否か考えよう。
もし十分な貯蓄があり、医療保険による保障が不要であれば更新する必要はない。
逆に、疾病リスクが高い年代や、自分が働けないことで家族に迷惑をかける場合は更新を検討するべきだ。
育ち盛りの子どもがいる家庭や、進学資金が必要になる子どもが必要になる場合、長期入院に見舞われると普段の生活にも経済的に悪影響が出てしまう。
会社員や公務員など、健康保険に加入している場合は、4日以上働けない状況になったら「傷病手当金」という給付金が支給される。
ざっくり「給料の3分の2程度」が支給されるが、傷病手当金の金額を含めて、必要な保障を検討するといいだろう。
更新するか乗り換えるかを検討する
医療費に対する備えとして、医療保険の継続が必要と判断したら、そのまま同じ保険を継続するか違う保険に乗り換えるか考える必要がある。
現在加入している保険に不満がなく、ほかの保険と比較検討しても満足できるレベルにある場合は、そのまま継続すればいいだろう。
一方で、他社の保険商品の中に現在加入している保険よりも優位な商品がある場合は、乗り換えを検討するべきだ。
「A保険の商品よりも、B保険の商品のほうが、同じ保障内容なのに保険料が安い」ということは往々にしてあり得る。
各保険会社は時代のニーズに合わせて保険商品を開発しているため、以前に契約した保険よりも優れている保険が生まれている可能性があるのだ。
面倒だからと言って「このままの保険でいいや」と判断するのではなく、きちんと複数の保険商品を比較検討することが大切だ。
保険は自分や家族を守るために大切な役割を果たしているため、多少時間をかけてでも、きちんと吟味したい。
保険の専門家やファイナンシャルプランナーに相談すれば、客観的な立場から家計や資産状況を分析し、最適な保険を提案してくれる。
自分だけで何十社もの保険会社の商品を比較検討するのは骨が折れるため、専門家を頼ることも検討してみてほしい。
まとめ
本記事では、医療保険における満期の定義と満期保険金の概要を踏まえ、医療保険の満期に関わる疑問について解説した。
満期を迎えた医療保険を何も考えずに更新すると、保険料が高額になり、損をする可能性が高い。
必ず保険の内容を見直し、満期を迎える前に解約するか更新をするかを考えておこう。
また、見直しの結果、乗り換えの必要が出てくることもあるだろう。
その際、新しくどの医療保険に加入すれば良いか、一人では判断が難しいという人は、保険のプロに相談することも検討してほしい。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、あなたに必要な医療保険を選択することができるはずだ。
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