- 学資保険の加入時に必要な「告知」がどのようなものか知りたい
- 学資保険の加入時に健康診断書が必要なのかわからない
- 学資保険の告知の際に準備すべきものや注意点を知りたい
学資保険は、一定期間にわたり保険料を払い込み、時期が来た際に子どもの教育資金を保険金や祝い金として受け取ることが出来る貯蓄型の保険である。
学資保険に限らず、保険に加入する時は健康状態などの告知が必要になる。
告知に際し、健康診断を受けて書類を用意すべきか気になる人もいるだろう。
結論から言うと、健康診断書が必要ない保険もあるが、受けて書類を用意しておくことをおすすめする。
そこで本記事では、その理由も含め、学資保険の契約時に必要な告知の詳細と注意点について解説する。
学資保険へ加入するにあたり、準備すべきことが知りたいという方は、ぜひ参考にしてほしい。
学資保険の申込時に必要な告知とは
学資保険の申し込み時には「告知」が必要となる。
告知とはどのようなものかや、誰が告知をすべきか、なぜ告知が必要となるのかを確認していこう。
学資保険の告知とは
学資保険は、将来子供のために必要となる教育資金を計画的に準備するための保険だ。
一定期間にわたって保険料を支払い、満期がくると満期保険金や祝い金としてまとまったお金を受け取れる。
学資保険の保障期間は、子供の進学や入学などのタイミングに合わせて設定できて、契約者である親に万が一のことがあった際も、確実に子供にお金を残せる手段として人気がある。
学資保険は、契約者の万が一に備えるという役割も持つため、他の生命保険と同様に「告知」が必要となる。
告知の対象となるのは、契約者や被保険者の子供となるのが一般的で、内容によっては、学資保険の契約ができない場合もある。
告知は、契約者や被保険者の健康状態や職業、過去の病歴・入院歴などについて保険会社に通知をするものだ。
例えば、明治安田生命が販売している「明治安田生命つみたて学資」という学資保険では、以下のような項目が書面で質問される。
- 下記の病気と診断を受けたことがあるか
- 悪性新生物(がん・肉腫・悪性リンパ腫・白血病を含む)または上皮内新生物(上皮内がん)
- 網膜色素変性(症)
- 過去5年以内に、下記に当てはまる事項があるか
- 病気や怪我によって継続して7日以上の入院をした、または病気や怪我で手術を受けた
- 対象となる病気で医師の診察や治療・投薬を1回でも受けた
- 上記以外の病気や怪我で、7日間以上にわたって医師の診察や治療・投薬を受けた
- 直近3ヵ月以内に、医師の診察・検査・治療・投薬を受けたか
- 過去2年以内に、健康診断または人間ドックをうけたか
- 対象となる「臓器」や「検査」の異常を指摘されたことがあるか(要再検査・要精密検査・要治療を含む)
- 下記に当てはまる事項があるか
- 視力の障害(矯正しても左右いずれかの視力が0.3以下)がある
- 聴力・言語・そしゃく機能の障害がある
- 手・足・指・背骨(脊柱)・関節に、欠損・変形・障害がある
- 身体障害者手帳の交付を受けた、または交付の申請中である
- 公的介護保険制度の要介護・要支援の認定を受けた、または認定申請中である
- 認知症・軽度認知障がい(MCI)およびそれらの疑いで医師の診察・検査を受けたことがある
- 現在、妊娠しているか
- 現在の体格(身長・体重)
学資保険に加入する人の公平性を担保するという観点から、特に過去5年以内の入院歴や手術歴が重視される。
また、がんなどの大きな病気については、診断から5年以上経っていても告知をしなくてはいけないため注意しよう。
なお、学資保険の加入条件についてはこちらの記事で解説したので、あわせてチェックしていただくとさらに理解が深まるはずだ。
学資保険は誰の健康状態について告知するべきか
学資保険には、保険料払込免除特約が付くケースが一般的だ。
これは、保険契約の期間中に契約者が死亡または高度障害状態になった場合、それ以降の保険料支払いが免除されるという特約だ。
保険料支払いが免除されたとしても、満期保険金や祝い金などは子供宛に支払われるため、将来の生活や進学に必要なお金をしっかりと確保できる。
これは、被保険者の健康状態に合わせて支払われるものなので、親が子供のために契約する場合は、親の病歴などについて明確に伝える必要がある。
仮に、祖父母が孫のためのプレゼントとして学資保険を契約する場合は、祖父母の健康の状況に関して通知をしないといけない。
なお、契約できる年齢の上限は、会社や商品によって異なるため、公式サイトや商品パンフレットなどで確認しよう。
加えて、商品や特約によっては子供の健康の状況が確認される場合もある。
近年はそれほど多くないが、子供に医療保険や死亡保険金を特約でつける場合、子供も告知が求められる。
子供が先天性の病気を持っているなどの場合、特約の付加ができないケースもある。
学資保険の申し込みに告知が必要な理由
学資保険を含む生命保険は、多数の人々が保険料を出し合うことで、万が一に備える制度だ。
相互に助け合うという精神が根底にあるため、加入者の条件は公平であるべきだという「公平性の原則」に則って仕組みが作られている。
普通の人よりもケガや死亡のリスクの高い職業に就いている人や、病気にかかる可能性の高い人は、保険金を支払う可能性も上がる。
そのため、性別や職業を確認した上で告知義務を設け、契約するための一定基準を満たした人のみが保険を契約できるようにしているのだ。
保険の公平性を保つために必要な仕組みであるため、告知が求められる場合は、正確に記載するようにしよう。
学資保険の告知に準備するべきものとは
学資保険の告知を行うためには、準備が必要となる場合もある。
ケースによっては健康診断結果などを提出することも必要だ。
一般的な告知のために準備すべきものや、告知事項に当てはまる場合の対処法を確認していく。
学資保険の告知に必要なもの
学資保険の告知には、告知書での通知、面接士との面談、健康診断結果の提出、医師による診査などの種類がある。
学資保険を契約する人の年齢や保険金額、付加する特約の内容などに応じて、告知方法や内容が異なる。
書類提出のみで申し込みが可能とされている場合、保険会社所定の告知書に現在の健康状態やこれまでの既往歴を記載するのが一般的だ。
告知書では、以下のような質問が行われる。
- 契約者の職業
- 身長・体重
- 過去2年以内の健康診断の受診有無および異常指摘の有無
- 身体障害の有無
- 入院・手術予定の有無
- (女性の場合)妊娠の有無、過去5年以内の妊娠・出産に伴う入院や手術の有無
- 過去に治療していた、もしくは現在治療している病気や怪我での受診歴や治療内容等
健康状態に関する質問で当てはまるものがある場合は、病名や受診機関名なども詳しく答える必要がある。
学資保険の加入に健康診断書が求められるケース
医師の診査不要で学資保険に加入できるとされている場合、基本的に健康診断結果の添付は必要ない。
ただし、申告した病歴や服用薬によっては、改めて健康診断結果表の提出が求められたり、医師の診査を受ける必要が生じたりするケースもある。
また、学資保険であっても保険金額が一定以上であったり、別途特約を付加したりする場合は、保険会社指定の医師の診査を受けたり、健康診断の受診結果を提出したりする必要がある。
一般的に、保険契約の際に健康診断の受診や医師の診査が必要となるのは、下記のようなケースだ。
- 健康体割引のあるプランを契約する場合
- 死亡保険金額が高額な保険を契約する場合
- 告知書の「過去○年以内に健康診断で異常を指摘されたことがあるか」という質問に該当する場合
- 保険会社から要請があった場合
医師の診査を受ける場合の主な診査内容は、告知書の項目に加えて以下の内容も加わる。
- 診査当日の身長・体重・血圧
- 尿検査
- 医師による問診
なお、医師の診査の代わりに健康診断の受診結果の提出で代替できる場合や、上記以外の内容についても診査される場合がある。
詳細や基準は保険会社によってさまざまなので、気になる方は申し込み前に確認すると良いだろう。
また、健康診断結果の提出が義務付けられていない場合でも、告知書の質問の中に「過去2年以内の健康診断の結果」という項目が含まれているケースがほとんどだ。
そのため、長期間健康診断を受けていないという方が学資保険を検討する場合、事前に健康診断を受けておくのをおすすめする。
学資保険の告知事項に該当する場合の対処法
以前受けた健康診断の結果に「要注意」や「要経過観察」という項目があった場合、保険を契約できるか不安になる方もいるだろう。
健康診断の結果に異常があったからといって、保険を契約できないわけではない。
ただし、契約内容や検査項目によっては、再度検査の必要がある場合もある。
「要注意」や「要経過観察」の場合は、結果内容をありのまま告知書に記載しよう。
内容によっては、制限がかかることもあるが、そのまま申し込めるケースも多い。
プランによっては、割高な保険料を支払うことで制限なしで契約できることもある。
「要受診」「要精密検査」などに該当する場合は、まずは契約前に再検査を受けにいくのが良いだろう。
この状態で申し込んでも、再検査か医師の診査を求められる場合が多いため、先に受診しておく方が無難だ。
「要治療」の場合も同様で、自分の体のためにもまずは病院を受診して適切な治療を受けよう。
また、学資保険の中には、引き受け基準が緩いものや、告知なしで契約できる商品も存在する。
ただし、これらの保険は一般的な学資保険とは保障内容が異なるケースが多いため、申し込み前に内容をよく確認しよう。
学資保険の告知を行う際の注意点
学資保険を契約する場合、健康状態の告知を行うのが一般的だが、その際には注意したいことがいくつかある。
保険の申し込みをスムーズに行うためにも、下記のポイントはしっかりと押さえておこう。
嘘の情報を伝えると告知義務違反となる
学資保険の申し込みの際に、現在の健康状態や既往歴を偽って通知したり、伝えるべきことを伝えていなかったりすると、告知義務違反となる。
告知義務違反に該当すると、保険金の支払事由に該当することが起きたとしても、保険金を受け取れなくなるため注意しよう。
例えば、血圧を下げる薬を服用していたのにそれを通知しなかった場合、高血圧が原因と考えられる病気で死亡した場合に死亡保険金が降りなくなる。
告知義務違反がバレると、保険契約を強制的に解除されたり、それまでに支払った保険料が返ってこなくなったりするなどのリスクもあるため、必ず正しく告知を行おう。
契約者がわざと告知義務違反をした場合だけでなく、告知するのを忘れていた場合でも告知義務違反と判断されるケースがあるため、慎重に確認した上で伝えるべきことを不足なく伝えよう。
「ここまで伝えるべきか?」と迷った場合は、念の為書いておくと安心だ。
もし、申し込み後に伝え忘れていたことに気付いた場合は、速やかに担当者に連絡して必要な手続きを取ることが大事だ。
保険会社によって学資保険の告知基準が異なる
告知書で聞かれる内容や、健康診断書・医師の診査が必要になるかどうかの基準は、保険会社によって異なる。
そのため、以前他の保険会社で契約できたとしても、別の保険会社では契約できないというケースも起こり得る。
保険会社の具体的な審査基準は明示されていないため、申し込んでみないとわからない部分もある点に注意しよう。
不安なことがある場合は、申し込み前に保険会社の担当者に聞いてみたり、保険のプロにアドバイスをもらったりするのをおすすめする。
告知なしで加入できる学資保険は保障内容に注意
学資保険は貯蓄性が強いため、商品によっては告知なしで加入できるものもある。
ただし、告知なしで入れる学資保険は、「払込免除特約」が付加されなかったり、子供に対する保障もなかったりする場合がほとんどだ。
払込免除特約は、保険期間中に契約者に万が一のことがあった場合、その後の保険料支払いを免除しつつも満期保険金や祝い金をしっかりと確保できるというメリットのある特約だ。
学資保険は、親の死亡や高度障害に備えつつ、将来の教育資金を準備できるという点が魅力的な保険なので、払込免除特約をつけられなくなってしまうとメリットがそれほどなくなってしまう。
どうしても告知なしで保険を契約したいなら、年金保険や終身保険など貯蓄型の保険で将来に向けて資産形成を図るのも良いだろう。
自分に適した保険がわからないという方は、保険のプロに相談するのをおすすめする。
「生命保険ナビ」では、自分のニーズや状況に合わせて保険の専門家を簡単にけんさくできるため、ぜひ利用してみよう。
学資保険の申込時は健康診断書を用意しよう
本記事では、学資保険の申込時に必要な告知について、準備すべきものや注意点も含めて解説を行った。
学資保険に加入する際は自分や子どもの健康状態を告知する必要があり、多くの場合、健康診断書が必要になる。
この時に嘘の情報を伝えてしまうと告知義務違反となり、保険に加入できないこともある。
必ず正しい情報を伝えるようにしてほしい。また、学資保険に加入する際は、数ある保険商品の中からご家庭の状況に合わせたものを選択する必要がある。
「保険金はいつ・どのくらい必要か」「月々の保険料はいくらが適正か」など、検討するべき事項は多く、一人では不安だという人も多いだろう。
そんな時は、保険のプロに相談することも検討してほしい。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、あなたに合った学資保険を選ぶことができ、手続きもスムーズに進められるはずだ。
ただ、保険のプロは数多く存在し、自分にとって最適な担当なのかを見定めるのは難しいだろう。
マッチングサイトである「生命保険ナビ」を使えば、自身の条件に合った保険のプロを簡単に見つけることができる。
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