- 女性特有の疾患に対応した医療保険について知りたい
- 年代ごとに、女性に必要な医療保険を具体的に知りたい
- 女性が医療保険を選ぶためのポイントを把握したい
少子高齢化が進む日本では、老後の生活に備え医療保険への加入を検討する人が増えてきている。
そんな医療保険に、女性特有の病気に備える特約を含むものがあることをご存じだろうか。
子宮頸がんなどの一部の疾病は、若い女性でも発症のリスクがある。
そのため、早い段階から女性向けの医療保険に関する知識を持っておくことで、将来への備えを充実させることができるはずだ。
そこで本記事では、「女性に必要な医療保険」というテーマで解説を行う。
女性向けの医療保険に加入するべきか、悩んでいるという方にはぜひ参考にしてほしい。
女性のための医療保険とは
まずは、医療保険の概要から女性向けの医療保険の特徴や必要性について解説する。
医療保険とは
医療保険(ここでは民間の医療保険)とは、公的医療保険ではカバーしきれない医療費に備えるため任意で加入する保険のことだ。
公的医療保険は全国民を対象に加入が義務づけられている。
一方、医療保険は公的保険の対象外となる医療費や治療に付随する費用の不足分への備えとして、個人の意思で加入できる。
公的医療保険は治療費の一部を保障するが、入院時の食事代や差額ベッド代などは対象外だ。
医療保険は、契約時に決められた一定額を給付するため、このような自己負担の部分に対処することができる。
経済的負担を軽減し、治療に専念できるようにするのが医療保険の役割だといえる。
医療保険は、保険会社が販売し契約した上で保険料を支払い保障が開始される。
また、商品ごとに給付金額や種類などの保障内容もさまざまで、複数ある商品の中から自分の健康状態やニーズに合った商品を選ぶことが重要となる。
近年、入院日数の短縮と入院1回あたりの医療費の増加が進んでいる。
また医療技術の進歩に伴い、先進医療など治療内容の選択肢も増えている。
希望する治療や療養体制を実現させるためにも、万一のときの資金確保は欠かせない。
そのため、医療保険で経済的負担を和らげる備えをしておくことが、今後より一層重要となってくると考えられる。
女性向け医療保険の特徴
女性向け医療保険とは、女性がかかりやすい病気や女性特有のトラブルへの保障に特化した保険のことだ。
一般の医療保険よりも女性の病気への保障を手厚くすることで、経済的な不安を軽減することができる。
おおまかな保障内容は大きく分けて3つある。
- 女性特有の病気の保障
- 乳房・子宮・卵巣に関わる手術や入院、女性特有のがん診断時は一般の病気に比べ給付金が2倍、上乗せされるなど
- 不妊治療の費用の保障
- 体外受精、顕微授精のための採卵、胚移植を行った場合、回数に応じて一定額が給付されるなど
- 出産リスクの保障
- 帝王切開時に入院費用や給付金が支払われる、出産のたびにお祝い金が支払われるなど
女性向け保険の保障期間は、期間が決まっている「定期型」と一生涯保障が続く「終身型」の2種類がある。
定期型の中には5年・10年・15年と年数で決まっているもの、50歳まで・60歳までと年齢で決まっているものがある。
終身型の中には解約返戻金付きの商品もあり、解約時や満期時に払い込んだ保険料と利息が戻ってくる場合がある。
なぜ女性向け医療保険が必要なのか
女性向け医療保険の必要性を検討するために、女性の入院リスクについて見ていこう。
厚生労働省の資料によると、入院患者数を男女別で見た場合「男」は558.6千人、「女」652.8千人と女性の方が多く、全体に占める割合の53.3%となっている。
これは、妊娠出産の機会があること、女性特有の病気や身体のトラブルがありそれをケアする機会が多いことが影響しているといえる。
また、女性の平均寿命が男性よりも長く、病気やケガと向き合う時間がその分長くなることも一因だろう。
がんの罹患部位についても確認しておきたい。女性のがん罹患数の上位5部位は「乳房、大腸、肺、胃、子宮」であり、女性特有の部位(乳房・子宮)のがんが占める割合は、29.2%と3割近くとなっている。
つまり、入院の機会が多く、特定部位のがんになる可能性もあることから、女性向け医療保険で手厚い保障を備える必要があるといえるのだ。
- 参考:厚生労働省「全国がん登録 罹患数・率 報告 2019」(2023年11月)、厚生労働省「令和2年(2020) 患者調査(確定数)の概況」(2023年11月)
年代別!女性が加入すべき医療保険とは?
女性向けの医療保険を検討する際は、それぞれの年齢に合わせた備えが必要だ。
ここでは年代ごとに想定される女性の健康リスクと、それに必要な保障を解説する。併せておすすめの保険商品も紹介するので参考にしてほしい。
なお、「どんな人が医療保険に加入するのか」によって最適な保険商品は変わる。
属性別におすすめの医療保険についてまとめた記事もあるので、比較していただくとより理解が深まるはずだ。
20代から30代女性の健康リスクと必要な保障
20代は重い病気にかかる可能性は低いが、それでも病気のリスクがゼロではない。
そのため最低限の医療保険は必要だ。
30代は乳がん・子宮頸がんの罹患率が上がり始める。高まるがんリスクに備え、保障を手厚くしていきたい。
また、この時期は妊娠・出産のトラブルを抱えることがある。近年は、帝王切開による出産が増加しており、5人に1人が帝王切開を経験する。
帝王切開は通常より入院が長引き、その分費用がかさむため疾病だけでなく、妊娠や出産の保障も備えておくと安心だ。
おすすめの保険:【ライフネット生命】じぶんへの保険3レディース
女性特有の疾病や異常分娩で入院した際に、入院給付金が上乗せされる女性入院給付金の保障がある。
入院が5日以内と短期間であっても、一律5日分の女性入院給付金を受け取れる。
日帰り入院や外来の手術も保障の対象となっているため、軽度の疾病でもしっかり給付金を受け取れる。
入院給付特約は5,000円から15,000円の間で選択でき、予算に応じて選びやすい。
終身タイプの保険であるため保険料は一生涯上がらない。年齢が若い20代30代のうちに加入しておくメリットが大きい商品だと言えるだろう。
40代女性の健康リスクと必要な保障
40代になると乳がんや子宮がん、卵巣がんといった女性特有の器官にまつわるがんになるリスクが大きく上がる。
特に乳がんの罹患率は40代後半から50代にかけて急激に高まる。
閉経に伴うホルモンバランスの乱れも始まることから、日々の不調を更年期障害と捉えていたら、がんだったということもある。
そのため、がんの早期発見を支援するための保障が付いているものが頼りになる。
おすすめの保険:【明治安田生命】ベストスタイル健康キャッシュバック
乳がん検診または子宮頸がん検診を受診し、「異常指摘なし」の場合は2年に1度「がん検診支援給付金」として2万円を受け取れる。
検診への意識も高まりがんの早期発見に備えられる保険だ。
検診の結果、がんや上皮内がんと診断された場合は一時金・入院手術費用の給付がある。
また、自費診療となる薬物治療や先進医療の保障にも対応し、最新の医療技術も費用の心配をすることなく選択できる。
早期発見だけではなく、罹患した場合の治療から最新技術を用いた治療まで一貫したサポートがあり心強い。
- 明治安田生命「ベストスタイル健康キャッシュバック女性がん早期発見サポート」(2023年11月)
50代女性の健康リスクと必要な保障
50代になると、体力の衰えやホルモンバランスの影響で不調を感じることが多く、怪我や病気の可能性はさらに高まる。
閉経に伴う更年期症状が本格化し、人によっては病院でホルモン治療や薬物療法が必要なこともある。
骨粗しょう症、うつ病の発症などのリスクも生じる。
また、がんのリスクも50代を境に上昇するものが多い。
厚生労働省のデータによると50代は特に乳がんの罹患率が高く、子宮がんの罹患率も55歳から60歳にかけてピークを迎える。
その他の部位でも、大腸がんは50代前半から増加傾向が見られ、胃と肺は、50代後半から増え始めている。
そのため、50代の保険に必要な保障は、手厚い入院費用とがん治療へのサポートだろう。
おすすめの保険:【SONPOひまわり生命】女性のための医療保険フェミニーヌ
肺がん・胃がんなどのすべてのがんによる入院を保障するが、特に女性特有のがんについては重点的に手厚い保障を備えている。
通常の入院は日額10,000円だが、乳がん・子宮がんなど女性特有の病気入院については日額15,000円となっている。
日帰り入院、海外での入院も保障対象としているため安心だ。
また、退院翌日から180日以内の通院は日額10,000円の保障があり、経過観察や検査でも給付金がある点も魅力だろう。
- 参考:SONPOひまわり生命「女性のための医療保険フェミニーヌ」
- 参考:厚生労働省「患者調査 入院受療率(人口10万対)性・年齢階級 × 傷病分類別)」、厚生労働省「全国がん登録罹患数・率報告 平成31年度(令和元年度)P20,P46」
女性が医療保険を選ぶ際のポイントとは
ここまで年代別の健康リスクや必要な保障について解説した。
しかし、収入や家族の状況によってひとりひとり必要な保障は異なる。
そこで最後の章では、女性が自分に合った医療保険を選ぶ際に気を付けるべきポイントを解説する。
重視したい保障から必要額を絞り込む
女性向け保険のメリットを最大限に活かすなら、自分のニーズに一番応えてくれるものを選ぶ必要がある。
祝い金や返戻金も魅力だが、まずは保険の主な機能である「保障の部分」を重視するべきだ。
万一の時に必要な保障と適切な金額は、次のような手順で検討してほしい。
なぜ女性向けの保険に入るのかによって、必要な保障内容も違ってくる。
まずは女性にまつわる健康リスクで抱えている経済的な不安を整理しよう。
- 将来子どもを持ちたいが不妊治療も想定している
- 妊娠出産時のトラブルが心配
- 親戚にがんが多いのでもしものときの費用が不安
などそれぞれ気になることを洗い出し、どの不安やリスクを保険で軽減したいか、優先度を決めていく。
次に、想定したリスクが起こったときの経済的損失を想定する。
発生する医療費、雑費だけではなく、休職などで減ってしまう収入も加味する。
そのうえでどのぐらいの費用が必要かを見積もる。
想定した額から預貯金や公的保障で賄える部分を差し引き、保険金の必要額を算出する。
これをもとに、どの保険で賄うことができるかを選択する。
大切なのは、自身や家族の状況にあてはめてシミュレーションすることだ。
不安や必要額を具体化することで、どの保険を選ぶべきかが明確になるだろう。
できるだけ早めに保険に加入しておく
保険はできるだけ早めに検討し、加入することをおすすめする。理由は2つある。
選べる保険の選択肢が増える
保険の契約時は、過去の病歴や現在の健康状態を申告する「告知」が必要だ。
この告知で入院・手術歴があると、希望通りの保険に加入できないことがある。
妊娠時も保険に加入できない、もしくは特定の部位を保障しないなど条件がつくこともある。
帝王切開を一度行った場合は、出産時の保障が制限付きになる場合も考えられる。
健康であるうちに早めに保険を検討すれば、商品の選択肢が広く条件の良いものを選びやすい。
保険料を抑えられる
医療保険は、若いうちに加入するほど保険料が安い。
保険料は申し込み時点の年齢に応じて決まる。年齢が上がるほど病気リスクが上昇するため保険料も増額される。
同じ保障でも若いうちに契約するとコストを下げられるのだ。
特に終身タイプの保険は、一生涯保険料が変わらないため、早めに契約しておくことのメリットが大きい。
ライフステージに合わせて保障内容を見直す
保険は一度入って終わりではなく、定期的なメンテナンスが必要だ。
加入した当初は自分にとって最適な保険だったとしても、年齢や職業、家族の状況が変化すれば適切な保障内容・保障額も変わってくる。
特に女性は、結婚や出産、育児などさまざまな選択肢があり、男性以上にライフステージの変化が多い。
当初予定していたライフプランとは異なる状況になる場合も多いだろう。
また、年齢とともに直面する病気のリスクも移り変わることから、保険は年齢や家族の状況で切り分けて、こまめに見直すものと心得ておくと良いだろう。
また、自分自身に大きな変化はなくても、医療技術や公的保険制度の変化によって新たな保障や特約が発売され、入り直した方が良い場合もある。
女性向け保険についても、今後より魅力的な商品が発売され、時代の情勢にあったものが開発されるだろう。
そのため、既存の契約を大切にしつつも、新しい商品や保障内容の情報収集は続けてほしい。
なお、保険の見直しを行う際は、安さだけにこだわり、大切な保障を見落とさないよう注意したい。
本当に必要なものを適切な保険料で払ってこその保険だ。
自分自身にとって必要なものをしっかりと見極めたうえで安心の備えをしたい。
まとめ
本記事では、「女性に必要な医療保険」というテーマで解説を行った。
女性には若いうちから子宮頸がんなどの病気のリスクがあり、高齢になればそのリスクはさらに増す。
そのため、女性向け医療保険で独自の保障を備えておく必要があるのだ。
また、早めに加入を検討することでより条件がいい保険を選べるので、合わせて覚えておこう。
ただ、一口に女性向け保険と言っても実際には数多くの商品が存在する。
自分がどの保険に加入するべきかの判断に迷ったら、保険のプロに相談することも選択肢となる。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、自分に必要な女性保険を選ぶことができるはずだ。
また、保険のプロは数多く存在し、その中から自分にとって最適な担当を見つけるのは難しいだろう。
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