- がん保険の特徴や利点について詳しく知りたい
- 生命保険料控除を活用したがん保険の節税の仕組みについて学びたい
- 自分に最適ながん保険の見つけ方を知りたい
皆さんはがん保険が生命保険料控除の対象であることはご存知だろうか?
がん保険の保険料は高額になるケースも多いため、万が一のリスクに備えながら、これを上手に活用することで納税額を減らす節税対策についてもきちんと理解したいところだ。
そこで本記事では、がん保険の基本的な内容から、節税効果を最大限利用する方法まで詳しく解説する。
また、がん保険選びのポイントについても述べるので、ぜひ参考にしてがん保険を上手に活用できるようになってほしい。
節税もできるがん保険の基礎知識
テレビCMや最近はインターネットやSNS等でも広告を見かけることも多いが、がん保険は名前こそ知っているものの詳細はよく分からない人も多いかもしれない。
万が一のリスクに備えることは大事だが、定期的に保険料を負担するからには自身が加入するがん保険の概要や仕組みをしっかり把握することが重要だ。
ここでは、そもそもがん保険とは何か、なぜ必要なのか、がん保険の特徴やメリットデメリットを解説する。
がん保険の加入を検討している人はぜひ参考にしてみてほしい。
がん保険とは
がん保険とは文字通り「がんに対する保障に特化した保険」である。一般的な医療保険は基本的に病気やけがの種類にかかわらず保障されることが多いが、がん保険は「がん以外の病気やけが」については保障の対象外となる。
保障対象を限定していることもあり、総合的な医療保険に比べると保険料も割安になる傾向がある。
一般的にがんは悪性新生物を指すことが多いが、保険商品によっては上皮内新生物も保証対象となることもある。
がんと診断されて通院や入院、治療等を行うと契約内容に基づいて各種給付金が支払われる。
がん保険の特徴
がん保険に加入すると主に以下の保障を受けられる。
- 診断給付金
- 治療給付金
- 入院給付金
- 通院給付金
- 手術給付金
- 先進医療給付金
通常の医療保険と異なり、例えばがんと診断された場合に診断給付金として一時金が支給されるのも大きな特徴である。
さらに治療目的で入院したときにも給付金が出るため、がん治療を始めるにあたって起こり得る経済的不安が軽減されるのもメリットの1つだ。
例えばアフラック生命保険株式会社が提供するがん保険「WINGS」の場合、初めてがんと診断されると50万円、上皮内新生物だと5万円支給される。
診断が確定してから2年以上経過した後に所定の治療を受けると1回あたりがんの場合は50万円、入院や通院給付金は1日あたり1万円もらえる。
同じがん保険でも商品設計や保障内容によって大きく異なるので、契約前に必ず確認しよう。
保険商品や契約プランによって給付金の金額や適用条件等が異なり、これら以外の給付金を受けられるケースもある。
なお、がん保険の基礎知識についてはこちらの記事でも解説しているので、気になる方はぜひ参考にしてほしい。
がん保険のメリット・デメリット
では、そんながん保険に加入するメリットやデメリットにはどのようなものがあるのだろうか。
- 診断給付金や通院給付金など、医療保険では保障が薄くなりがちな部分も対応できる
- 高額治療に対応するための特約も複数あり、カスタマイズも可能
- 入院支払い限度日数が存在しない商品もある
- 保障が適用されない免責期間が存在する
- がん以外の病気やけがは基本的に対象外となる
さきほどのアフラック生命の場合、初めてがんと診断されると50万円の給付金を受け取れる。
商品や契約プランによっては100万円や200万円もらえるケースもある。
診断給付金は特に用途を限定されているわけではないため、例えば公的医療保険制度では対象外となる差額ベッド代や入院中の食事代等に充てることも可能である。
商品によっては初回だけでなく複数回給付金が支払われるプランもあり、その際は万一がんが再発した場合も改めて受給できる点が大きな魅力だ。
がん治療は先進医療や抗がん剤治療、放射線治療などの選択肢も数多くあるが、公的医療保険制度の保障対象外となり、高額療養費制度も適用されずに経済的な負担が大きくなるおそれがある。
経済的負担を心配するあまり本当は受けたい治療を受けられず、本人だけでなく周りの家族も躊躇するケースもあるだろう。
その点がん保険は高度治療に対応した商品や特約も豊富にあるため、本人のニーズに合わせてカスタマイズできる点が大きな特徴でありメリットだ。
また、がんは通常の病気やけがと異なり再発するおそれもある病気である。
1度治療して通院や入院が終了したとしても今後いつ罹患するか誰にも予測できない。
もちろん再発せずに健康に過ごせるのが一番だが、絶対に罹患しない保証はないため、万が一に備えてがん保険に加入するのも1つの方法である。
がん保険はメリットも多いがデメリットも存在するので確認しよう。
がん保険には加入後一定期間は保障が適用されない免責期間が設けられていることが少なくない。
例えば90日の免責期間が設定されていると、この間にがんと診断されても保障の対象外となる。
また、がん保険は通常の医療保険とは異なるため、がん以外の病気やけがにも対応しているわけではないので要注意だ。
がん以外の病気やけがも含めて幅広く保障を希望する場合は、別で医療保険に加入する必要がある。
がん保険はなぜ必要なのか
がんをはじめ病気に備える保険は民間医療保険も存在するため、それとは別でがん保険に加入する必要があるのか疑問に思う人も多いだろう。
医療保険は病気やけがを総合的に保障し、がん保険はがんに特化してリスクに備えるイメージが強いかもしれないが、具体的にどう違うのだろうか。
医療保険はあらゆる病気やけがによる通院や入院等に対する保障を受けられるのが大きな特徴だ。
がん保険と同様に入院や通院、手術等の給付金が支払われるが、入院支払い限度日数が設定されている点に注意する必要がある。
1回の入院あたり30日、60日、90日、120日など保険商品やプランによって異なり、限度日数が増えるほど保険料も割高になる傾向がある。
診断給付金もないケースが多いため、がんをはじめ所定の病気やけがに罹患して診断が確定しても一時金がもらえるわけではない。
先進医療や薬物治療、放射線治療などの選択肢もがん保険ほどは用意されていないこともあり、これらの治療を希望する場合は通常の医療保険のみだと保障が不足する可能性もある。
- 診断給付金を確保して医療費の自己負担分や治療中の生活費等に充てたい
- 1入院あたりの支払い限度日数を無制限にしたい
- 先進医療や抗がん剤治療等の選択肢を増やして自己負担を抑えたい
上記のようなニーズがある場合は公的医療保険や通常の民間医療保険とは別でがん保険に加入して対策する必要があるだろう。
がん保険と節税の関係
がん保険に加入すると節税になるといわれることもあるが、これは生命保険料控除が適用されるためだ。
所得税法第76条により医療費等支払事由に基因して保険金等が支払われる場合は生命保険料控除の対象となるとされており、がん保険も含まれる。
なお、がん保険の契約加入時期によって取り扱いが変化し、2011年12月31日以前に締結したものは旧生命保険契約等(旧契約)とされ、2012年1月1日以降に締結したものは介護医療保険契約等(新契約)とされる。
旧契約と新契約で所得税の控除額が変わり、年間の支払保険料等の金額によって分類されていて前者は最大5万円、後者は最大4万円となる。
また、住民税も控除可能で前者は最大3万5000円、後者は2万8000円だ。
生命保険料控除はあくまで実際に保険料を負担している人の所得から控除できるものだ。
つまり保険契約者でない場合でも実際に保険料の支払いを行っていれば生命保険料控除を利用可能である。
契約者ではあるが保険料を支払っていない場合は利用できないので注意しよう。
生命保険料控除を利用する際は、例えば会社員の場合は基本的に年末調整で手続きを行う。
保険会社が発行する生命保険料控除証明書を給与所得者の保険料控除等申告書に添付して勤務先に提出しよう。
ただし年末調整で生命保険料控除の手続きをしていない、給与収入が年間2000万円を超える、会社員ではなく自営業者や会社経営者等の場合は確定申告をする必要があるので忘れないようにしよう。
従来は書面での手続きが多かったが、勤務先によっては電子化されているケースもある。
今回から変更されるようなケースもあるため、勤務先からの案内は必ず確認することをおすすめする。
自分に最適な節税できるがん保険の選び方
がん保険といっても世の中には多数の商品が存在するため、自身に最適ながん保険はどのように選べばいいのか悩む人も多いだろう。
もちろん人それぞれさまざまな考え方や価値観、選び方があるが以下のような内容を参考に判断してみてはいかがだろうか。
医療保険とがん保険の使い分けと注意点
さきほど医療保険との違いも解説したが、がん保険と医療保険はそれぞれどこまで保障してくれるのか把握しておくことは非常に重要だ。
例えば通院や入院で治療等にかかる費用だけでなく、がんに罹患することで働けなくなり家計が厳しくなることが不安な場合は、診断給付金が一時金として支給されるがん保険の加入も検討する価値がある。
それぞれメリットデメリットがあるため、自身がどの部分の保障を重視したいのかによって判断が分かれる。
がん保険と医療保険は保障内容も似ている部分が多く重複しやすい。
もちろん保障内容が重複すること自体は悪いことではないが、特定の部分のみに集中して本来必要となる部分の保障が抜けてしまっては意味がない。
例えば医療保険で総合的にカバーしたうえで、がん保険は診断給付金の部分を手厚くするなどそれぞれのデメリットを補填する形で加入するのも良いだろう。
保険料のバランスを見極める
保障を手厚くするためにはがん保険と医療保険の両方に加入すると良いが、その分保険料の負担が大きくなる点に注意する必要がある。
万が一のリスクに備えるために保険でカバーすることは重要だが、家計を圧迫して現在の生活に支障をきたす事態になれば本末転倒である。
加入検討時は収入も多く家計に余裕があったため複数の保険に加入したが、その後転職や退職、独立だけでなく結婚や子育て、第二子以降の誕生等によって生活環境が大きく変わり、保険料の支払いが困難となる可能性もゼロではない。
保険料の支払いを続けることが困難となり、やむを得ず解約すると元本割れするリスクもある。
そのようなリスクを避けるためにも、家計全体に対して保険料はどのくらいの割合でかけられるのか予算を組むことをおすすめする。
生活環境やライフプランを考慮する
生活環境は今後も含めて常に変化する可能性がある前提で対策する必要がある。
例えば現在独身の場合は、今後大切なパートナーと結婚する可能性もあるだろう。
すでに結婚していて将来的に子どもが欲しい場合は、何人希望するのかによってライフプランは大きく変わる。
病気やけが、家族の介護等の不測の事態が発生する可能性もゼロではない。
もちろんリスクを挙げ始めるとキリがないが、最低限まずは現在起こり得るリスクを整理し、経済的負担はどのくらい発生するのか家族とよく話し合っておくことが重要だ。
がん保険による節税を活用し自分に最適な保険選びをしよう
本記事では、がん保険の基本的な内容から、節税効果を最大限利用する方法まで詳しく解説した。
がん保険は、入院が長期化したり先進医療など高額な医療費がかかるがん治療にとっては欠かせないものである。
しかし保険料が日々の負担になることもあり、そのために生命保険料控除を活用した節税対策は有効な手段と言えるだろう。
ただ、重要なことはあなたに必要な保障内容を備えたがん保険を見つけることだ。
今回紹介したがん保険選びのポイントを参考に、自分にとって最適ながん保険を選ぶことで、安心した生活を送れるようになってほしい。
もし一人で保険を偉ぶことに少しでも疑問や不安があれば、保険のプロに相談することをお勧めする。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、あなたに必要ながん保険を見つけることができるはずだ。
また、保険のプロは数多く存在し、その中から自分にとって最適な担当を見つけるのは難しいだろう。
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