- 学資保険の適切な払込期間を知りたい
- 学資保険の適切な保険料がどれくらいかわからない
- 学資保険を選ぶ際のポイントが知りたい
子どもの教育資金を確保する手段の一つとして学資保険が挙げられる。
決められた保険料が毎月引き落とされ自動的に貯金できるメリットがあり、加入を検討している人も多いのではないか。
ただ、学資保険の保険料を支払う期間や金額は、どれくらいがいいのかということを悩む人もいるだろう。
払込期間を10年にするとお得であると聞いたことがある人もいるかもしれないが、本当にそうなのだろうか。
本記事ではこちらの疑問について検証していく。
また、適正な保険料の選び方や自分に最適な学資保険を選ぶ際の注意点についても解説する。
学資保険の払込期間に悩んでいる方は、適切な期間や金額を知ることで、学資保険を選ぶ参考にしてもらいたい。
学資保険の払込期間を10年にするとお得なのか
学資保険の満期は、17歳や18歳、22歳など大学入学時や卒業時を目標にする。
満期に合わせて保険料を支払うのが一般的だが、保険料払込期間を短くすることで得られるメリットがある。
ここでは、学資保険の払込期間を10年にした場合のメリットや効果について解説する。
学資保険の払込期間を10年にするメリット
学資保険の返戻率を比較すれば、お得かどうかがわかる。
複数の保険会社を比較して、返戻率が高い商品を選ぶのが一般的である。
さらに返戻率は設計の仕方によって高くすることもできる。
返戻率を高くする方法のひとつとして、保険料払込期間を通常より短い10年に設定する方法がある。
基本的には、保険期間が17年なら保険料払込期間も17年とするが、保険料払込期間のみ短くする。次の章で具体的に確認する。
学資保険の払込期間ごとの返戻率の比較
保険料払込期間の違いにより、返戻率がどのように変化するかシミュレーションする。
この場合、保険料払込期間以外の条件を同一にする必要がある。
- 子:0歳
- 保険期間:17歳満期
- 保険金額:200万円
- 払込方法:月払
保険料払込期間 | 月払保険料 | 返戻率 | 保険金額 | 保険料総額 |
---|---|---|---|---|
10年(歳) | 15,800円 | 約105.4% | 2,000,000円 | 1,896,000円 |
15年(歳) | 10,720円 | 約103.6% | 2,000,000円 | 1,929,600円 |
17年(歳) | 9,540円 | 約102.7% | 2,000,000円 | 1,946,160円 |
A社の場合、保険料払込期間17年の場合の返戻率は約102.7%だが、保険料払込期間10年の場合の返戻率は約105.4%となる。
17年と10年の保険料総額を比べると、10年のほうが約5万円安くなる。この差が、返戻率に影響している。
保険料払込期間10年は、17年分の保険料を10年で支払う。
保険会社は保険料を早い時期に受け取り、長く運用できるため、保険料払込期間が短いほど返戻率は高くなる。
学資保険の払込期間を10年にする際の注意点
保険料払込期間を10年にする場合の注意点もある。
前述のシミュレーションをみると、月払保険料が高くなっていることがわかる。
17年分の保険料を10年で支払うためである。子育て世帯にとって、月払保険料9,540円から15,800円の増加は負担に感じるかもしれない。
子どもが2人、3人といればなおさらである。
返戻率は高いに越したことはない。
しかし、保険は継続しなければならないため、保険料と返戻率のバランスを考えて契約しよう。
払込期間を10年と決めたら!学資保険の適切な保険料を考えよう
学資保険は商品内容による優劣はあるが、保険設計でどれだけ返戻率を高められるかも重要である。
しかし、保険設計により毎回支払う保険料が上がることもあるため、学資保険の保険料を適切に決定しなけばならない。
ここでは、学資保険の適切な保険料について解説する。
経済状態に合わせて学資保険の払込期間を定める
子育て世帯の支出は変化しやすい。子どもの成長や進学で、支出額が増えていく。
資金計画を立て、年度ごとの経済状況に合わせた支出を考える必要がある。
保険料払込期間を10年とする保険に、子3人分として加入すると、保険料の支払時期が重なると学資保険の保険料で47,400円(15,800円×3)かかる。
第一子の学資保険加入時に、将来の加入予定も考える必要がある。
子どもの教育資金がどれくらい必要か計算しておく
学資保険に加入する際に、子どもの教育資金がどのくらい必要か計算する。
目標額を明確にし、学資保険を有効活用したい。加えて、まとまった教育資金が必要な時期も決めておかなければならない。
必要資金額と必要時期がわかれば、学資保険を設計しやすい。
学資保険で準備する金額と貯蓄で準備する金額を考え、教育資金計画を立てるとよい。
学資保険を途中解約しないように金額を決める
学資保険を途中解約してしまうと、解約返戻金はそれまでに支払った保険料総額を下回る可能性がある。
返戻率を上げるために、払込方法を年払にしたり、保険料払込期間を短くしたりすると、保険料の負担が重くなる。
途中解約しないような保険料を設定するためには、最初に予算を決め、その範囲内で最大となる返戻率を求めていく。
なお、途中解約した場合、解約返戻金を受け取れるが、その額は支払った保険料の額を下回るのが一般的である。
自分に最適な学資保険を選ぶ際のポイント
学資保険は、契約者(親)が万一のときでも教育資金を準備できる、保障と貯蓄を兼ね備えた保険である。
保険金の受取時期や保険料の払込期間などによって、商品性は変化する。ここでは、自分に最適な学資保険を選ぶ際のポイントをまとめる。
いつ満期保険金を受け取れるか確認する
満期保険金の受取時期は、商品や保険設計によって異なる。
一般的には複数の受取時期が用意されており、自由に選択できる。保険募集人との相談であれば、細かく設定できることもある。
学資保険には、満期保険金として1回のみ受け取る商品だけでなく、入園・入学時や大学入学から4年間受け取れる商品などもある。
たとえば、保険金額を200万円とした場合、
- 大学入学時に200万円
- 大学入学時と卒業時に100万円ずつ
- 中高の入学時に50万円ずつ、大学入学時に100万円
など、さまざまなパターンが考えられる。どの時期にどのくらいの資金が必要かを考え、受取時期を決めていかなければならない。
なお、受取時期を遅くするほど、返戻率は高くなる。
適切な満期保険金の金額を決めておく
学資保険は、まとまった教育資金が必要な時期に合わせて設計する。「大学入学時に200万円」が必要なら、子どもが17歳(または18歳)のときに200万円受け取れるように設計する。
また学資保険によっては、入園・入学ごとに保険金を受け取れるタイプや大学在学中に受け取れるタイプもある。
中高進学時や在学中も教育費用はかかるため、これらのタイプも有益だが、最も資金が必要となる大学・専門学校進学時に受け取れる保険金は少なくなる。
貯蓄計画を考えながら、学資保険の保険金受取時期と保険金額を決定しよう。
返戻率に注目する
学資保険では返戻率が重要となる。返戻率が高いほど、学資保険として優秀な商品といえる。
学資保険を返戻率に注目して絞り込む場合、条件を同一にしなければならないが、保険商品によって保険金受取時期が異なるため、難しい。
返戻率には次のような特徴があるため、おさえておくと、比較する際の参考になる。
- 保険料払込期間が短いほど、返戻率は高くなる。(例)10年、15年など
- 保険金を早く受け取るほど、返戻率は低くなる。(例)中高入学時など
- 保険金を遅く受け取るほど、返戻率は高くなる。(例)大学在学中など
- 払込方法をまとめるほど、返戻率は高くなる。(例)月払より半月払、半月払より年払
- 保険料払込免除特約を付帯しなければ、返戻率は高くなる。
保険会社によっては大学在学中や卒業時に保険金を受け取れるタイプがあるが、その分、返戻率は高くなる。
但し、大学入学時に資金が必要にもかかわらず、返戻率の高さのみ重視してしまうと、家庭に合った学資保険とはいえなくなる。
また保険料払込免除特約を付帯しなければ、返戻率は高くなる。
契約者が万一のときでもその後も保険料を支払い続けなければならないが、すでに終身保険や定期保険で十分な保障がある場合や健康上の理由で特約を付けられない場合などで、「特約なし」を検討できる。
学資保険の保険料の払込期間を10年にすると、満期保険金の金額が上がる!
本記事では、「学資保険の払込期間を10年にするとお得なのか」について検証し、また適正な保険料の決め方と自分に最適な学資保険を選ぶ際の注意点を解説した。
保険料の払込期間を10年にすると、返戻率が高くなり満期保険金の金額を上げることができる。
ただ、月々の保険料が高くなってしまうデメリットもあるため、実際に学資保険を選ぶ際には満期保険金を受け取る時期など複数の要素を考慮する必要がある。
もし保険の比較や自身にとって適切な保険の選択にまよったら、保険のプロに相談することも検討してみよう。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、自分に必要な保険を的確に判断することができるはずだ。
また、全国の保険のプロから自分に合った担当者を探す際には「生命保険ナビ」の活用をおすすめする。
「生命保険ナビ」は、自身の条件に合った保険のプロを簡単に見つけることができるマッチングサービスである。
気になった担当者とは無料相談もできるので、是非活用してほしい。