- 法人向けの医療保険の概要が知りたい
- 法人向けの医療保険のメリットやデメリットを知りたい
- 法人向けの医療保険を選ぶ時のポイントが知りたい
個人で加入するのが一般的な医療保険だが、法人が契約者になることも可能であることをご存じだろうか。
会社の経営者や役員を被保険者にすることで、医療保険金を法人の経営資金として扱えるメリットがある。
では、法人が契約する医療保険にはデメリットはないのだろうか。
本記事では、法人向け医療保険の特徴やメリット・デメリットを解説する。
さらに保険を選ぶ時のポイントについても説明する。
会社で法人向け医療保険を検討している経営者や役員の方には、ぜひ参考にしてほしい。
法人向け医療保険とは
「法人向けの医療保険についてよくわからない」「法人向け医療保険の名義を変更する際の注意点を知りたい」という人も多いだろう。
ここでは、法人向け医療保険の特徴や仕組み、名義変更する際の注意点を紹介する。
また、個人で加入する保険と法人で加入する保険との間にある違いについても解説しているので、ぜひ参考にしてほしい。
法人向け医療保険
法人向け医療保険とは、経営者や従業員を被保険者として契約する保険のことだ。
被保険者が病気やケガによって入院や通院、手術が必要になったりすると給付金が支払われる。
一般的に契約者は法人、被保険者は経営者・役員・従業員、保険金受取人は法人・被保険者だ。
法人向け医療保険の名義変更をする際の注意点
法人向け医療保険は社長の退任に合わせて個人名義への変更が可能だ。
メリットがあるため活用する人も多いが、名義変更をする際には税務処理に注意が必要である。
保険の名義を変更することは、契約を社長個人へ支給していることと同じことを意味する。
そのため、保険契約の評価額を社長個人に譲渡することになるのだ。
つまり、解約返戻金のある保険は解約返戻金相当額、ない保険は入院日額の10倍が評価額として見なされる。
税務処理をしないまま名義変更をすると脱税になるため、必ず顧問の税理士に相談してから実施するようにしよう。
個人で加入する医療保険との違いとは
個人で加入する医療保険との違いは支払う保険料と受け取る給付金の経理処理だ。
法人契約では一定の条件で保険料が損金算入されるのに対して、個人契約では生命保険料控除が適用される。
生命保険料控除とは、生命保険の保険料に応じて所得税と住民税が軽減される制度だ。
所得税12万円、住民税7万円までが生命保険料控除の控除額として設定されている。
法人が医療保険に加入した場合は、保険の種類によって経理処理が異なる。
また、個人が給付金を受け取った場合は非課税だ。受け取った給付金は治療や今後の生活に必要なお金であるため、税金は課せられない。
一方で、法人が給付金を受け取った場合は利益と見なされ、雑収入として処理される。
給付金を経営者や従業員に支給する場合は見舞金として経費にできるが、「社会通念上相当とされる金額」までしか認められていない。
明確な金額は設定されていないものの、過去の判例を参考にすると入院1回につき5万円が妥当だろう。
「社会通念上相当とされる金額」を上回っている場合は、給与と見なされて所得税の対象になる。
法人向け医療保険のメリットとデメリット
「法人で保険を契約するとどんなメリットがあるのか」「法人の医療保険にはどんなメリットがあるのか」など、疑問を抱いている人もいるだろう。
法人向け医療保険に加入することによって節税メリットがあることは何となく知っているものの、実際にどのようなメリットがあるのか知らない人も多い。
ここでは経営者が法人向け医療保険のメリット・デメリット、従業員が法人向け医療保険を使うメリット・デメリットを紹介する。
法人向けの医療保険を経理処理する方法についても解説しているのでぜひ参考にしてほしい。
経営者が法人向け医療保険を使うメリットとデメリット
法人向け医療保険で経営者を被保険者にすると、社長が働けなくなった場合でも収入を確保できたり、払込期間が終了した後に名義変更すると保険料負担なしで保障を継続できたりするメリットがある。
経営者の力によって成り立っている企業は多く存在しており、社長がケガや病気で離脱すると経営が苦しくなるケースもあるだろう。
法人向け医療保険に加入していれば、万が一の場合にも保険金を経営資金として活用できる。
また、経営者が退任した後でも名義を個人に変更すると保障の継続が可能だ。
すでに払込期間が終了しているため、社長は保険料を支払うことなく満期まで保障を継続できる。
従業員が法人向け医療保険を使うメリットとデメリット
法人向け医療保険で従業員を被保険者にするメリットは、人材を確保しやすくなったり、満足度を高められたりすることだ。
福利厚生が充実しているため、応募してくる人材が多くなりやすい。
また、入社後も安心して働ける環境が整備されており、満足度が高まりやすいと言えるだろう。
一方で、退職した時点で保険が解約されてしまう点はデメリットだ。被保険者である従業員が退職すると、保険は解約しなければならない。
そのため、従業員は退職した時点で、これまで加入していた医療保険の保障がなくなってしまう。
法人向けの医療保険を経理処理する方法
法人向け医療保険は2019年7月に税制改正が行われたことによって、経理処理に新しいルールができた。
変更されたのは、資産計上と損金計上の割合が契約している保険の解約返戻金の大きさによって変動する点だ。
最高解約返戻率が50%を下回っていたり、各被保険者の年間保険料が30万円以下だったりすると、保険料は全額損金として処理できる。
つまり、保険料を会社の経費にできるのだ。被保険者ごとに30万円以下であれば問題ないため、10人が年間保険料30万円の保険に加入すると300万円が経費として認められる。
解約返戻率によって損金算入できる割合は違う。貯蓄性の強い保険は資産計上されて全額を損金に算入できないため、目的に合った保険を選ぶようにしよう。
法人向け医療保険を選ぶ時のポイント
「法人向けの医療保険を選ぶ際のポイントがわからない」「どんなことに注意しながら選ぶべきか教えてほしい」という人も多いだろう。
法人向けの医療保険はメリットが多く活用する余地がある一方で、制度が非常に難しい。
専門的な用語も多いため、詳しく調べる気が起こらない人もいるだろう。
保険に詳しくない人でも選ぶ際に注意できるように、ポイントを紹介する。
法人向け医療保険を選ぶ際には以下のポイントを意識してほしい。
- 保険金の取り扱いを確認しておく
- 保険金の受取人を法人にする
- 会社のキャッシュフローを考えて加入時期を検討する
それぞれについて詳しく説明しているので、ぜひチェックしてほしい。
保険金の取り扱いを確認しておく
保険金がどのような取り扱いになるのか確認しておこう。
保険の種類によっては保険金や解約返戻金が雑収入として見なされて、法人税の課税対象となるケースがある。
必要以上に税金を支払って経営に悪影響を与えないように、保険金については必ずチェックしておくべきだ。
また、支払った保険料がどのような扱いになるかも、保険の種類によって異なる。
全額経費に算入しようと思っていたが、資産に計上される可能性もある。
保険金と保険料がどのような計算になるのか、必ず確認しておこう。
保険金の受取人を法人にする
会社として万が一の場合に備える目的であるならば、保険金の受取人は法人にしておこう。
受取人が従業員やその親族の場合、会社としては恩恵を受けられないからだ。
契約者は法人、被保険者を社長として養老保険に加入している場合、満期を迎えたことによる満期保険金は給与として支払われることになり、法人としては経費処理が必要にならない。
ただ、個人が受け取った保険金は一時所得となるため、税金がかかってしまうのだ。
効果的に活用すれば税金を抑えられるだけに、非常にもったいないだろう。
保険金の受取人は法人に設定し、節税メリットを享受できるようにしよう。
会社のキャッシュフローを考えて加入時期を検討する
保険料を支払うと現金が出ていくことを意味する。経営においては現金が非常に重要だ。
売掛債権があっても手元に現金がなければ、借金を返せずに倒産してしまう可能性があるからだ。
事業計画や収支状況を整理し、キャッシュフローに問題がない時期に加入しよう。
ただ、「保険金の受取人を個人と法人のどちらにすべきかわからない」「キャッシュフローを考えながら保険に加入するタイミングを図るのが難しい」という人もいるだろう。
そんな人におすすめなのが、保険のプロに相談することだ。
保険のプロとは、保険制度や商品に関する情報量を豊富に有しており、常に新しい知識を収集している人のことを指す。
いつでも新しい情報を収集しているため、相談に来た顧客に合わせて最適な商品を提案したり、制度の活用方法を伝えたりすることが可能だ。
また、保険契約後のサポートにも注力しているため、保険請求のタイミングや保障を見直したい時にも頼ることができるのだ。
トラブルの多い保険の請求に関してわからないことも多いだろうが、保険のプロに頼ることで未然に困ることを回避できる。
ただ、保険のプロは多く存在しており、自分に合った担当を見つけるのは難しい。
それぞれ得意なジャンルが異なり、依頼した人が質問した制度に詳しくない可能性もある。
保険のプロの全員が認知症に関する保険制度に詳しいとは限らないのだ。
トラブルを回避するために相性の良い担当と出会いたいなら、顧客と保険のプロをつなぐマッチングサービスである「生命保険ナビ」がおすすめだ。
希望の条件を入力するだけで、適切な保険のプロを紹介してくれる。
無料で利用できるので、活用してみてはどうだろうか。
まとめ
本記事では、本記事では、法人向け医療保険の特徴やメリットとデメリットを解説した。
さらに保険を選ぶ時のポイントについても説明した。法人向け医療保険に加入することで、会社の経営リスクに対応する事ができる。
ただ、保険金を受け取る際に、法人税や所得税がかかる場合がある。
保険金の取り扱いは、慎重に行うべきだろう。
法人向け医療保険をうまく活用できるか不安な人は、保険のプロに相談することも検討しよう。
会社の状況に合わせたアドバイスをもらうことで、法人向け医療保険の運用を適切に行うことができるはずだ。
また、保険のプロは数多く存在し、その中から自分に最適な担当を見つけるのは難しいだろう。
そんな時はマッチングサイトである「生命保険ナビ」を使えば、自身の条件に合った保険のプロを簡単に見つけることができる。
無料で利用できるので、是非活用してほしい。