- 医療保険の支払い方法の種類が知りたい
- 医療保険の短期払いを利用するメリットやデメリットがわからない
- 医療保険は短期払いと終身払いのどちらを利用すべきか知りたい
医療保険の保険料支払い方法には、短期払いと終身払いの2種類が存在する。
短期払いは、保険期間よりも短い期間で保険料を払い終える方法で、期間が短いほど払込総額は少なくできる。
しかし、毎回の保険料は割高になるため、被保険者が死亡するまで支払いを続ける終身払いと、どちらを利用すべきか悩んでいる人もいるだろう。
そこで本記事では、両者の違いを踏まえ、医療保険の支払い方法を決めるポイントについて解説する。
どちらの支払い方法を利用するべきか悩んでいるという方には、ぜひ参考にしてほしい。
医療保険の短期払いと終身払いの概要
医療保険の保険料の支払い方法には「短期払い」と「終身払い」の2種類があり、自分にあった方法を選ぶことができる。
そのため、「どちらを選べばいいかわからない…」と悩んでしまう人も多いはずだ。
ここでは、各支払方法の特徴を中心に「保険期間と払込期間の違い」も説明していくので、1つずつ保険について学んでいこう。
保険期間と払込期間の違いとは
「保険期間」と「払込期間」というキーワードを聞くと、どのような違いがあるかイメージしにくいだろう。
では、具体的にどのような意味を指すのか解説していくので、ぜひ参考にしてほしい。
意味 | 例 | |
---|---|---|
保険期間 | 保障を受けられる期間のこと保障期間と考えると分かりやすい | 一生涯保障10年間のみの保障 |
払込期間 | 保険料を支払う期間のこと指定した年齢まで支払う「短期払い」一生涯支払い続ける「終身」がある | 65歳までの間、保険料を払い込む |
言葉の意味は以上のような違いがあり、今回紹介するのは「②払込期間」についてだ。
では、具体的に「短期払い」「終身払い」の特徴を解説していこう。
短期払いの特徴
「短期払い」とは、契約時に設定した年齢になるまでの間のみ保険料を支払い続けることを指す。
簡単に言うと、保険期間が満了する前に保険料の支払いが終わっている状態である。
期間を設定しているため、「老後の保険料を抑えたい」「子どもが大学生になるまでに金銭的負担を減らしたい」などのライフプランに合わせて考えられるのだ。
長い期間保険料を払い続けたくないと考えている人や、計画的に将来を考えている人に、おすすめの支払い方法だと言えるだろう。
終身払いの特徴
「終身払い」とは、保障を受けている間、保険料を支払い続けることを指す。
一般的には、短期払いよりも終身払いを選ぶ人が多い傾向にある。
時代に合わせて保険の保障内容は変わるため、いつでも保険の見直しを行える状況にしておきたい人におすすめの支払方法だ。
【短期払い・終身払い】メリットとデメリット
短期払い・終身払いのメリットとデメリットはどのような内容だろうか。
ここでは、各支払い方法のメリットとデメリットを紹介していくので、どのようなポイントがあるか確認していこう。
メリットだけではなく、デメリットを把握しておくことで支払方法をフル活用できるはずだ。
【短期払い】利用するメリット・デメリット
「短期払い」は、指定した年齢までの間のみ保険料を支払い続けるが、どのようなメリット・デメリットがあるかを知っているだろうか。
ここでは、短期払いのメリット・デメリットについて紹介する。
【短期払い】メリット
短期払いのメリットは、将来の計画に合わせたお金の使い方ができるということだろう。
上記でも紹介したが、「〇歳までに」「〇年間」という決まりがあるからこそプランを立てやすい傾向にある。
例えば、「老後のために保険料の負担を無くしておきたい」と考えるのであれば、定年退職をする60歳や65歳などに設定しておくといいだろう。
他にも「子どもが大学生になるとお金がかかるよね…」と不安に感じているのであれば、子どもが大学生になる前までに保険料の支払いを終わらせるのも1つの選択である。
このように、さまざまなプランや悩みに合わせて保険料の支払いを終わらせられるのは大きなメリットだと言える。
【短期払い】デメリット
短期払いのデメリットは、毎月の保険料が高くなってしまうポイントである。
終身払いと比べると、短期払いは期間が決まっているため保険料が高くなり、家計に負担がかかるケースもあるだろう。
しかし、リスクに備えるためにも、保険料を支払い続けることが重要であるため、「本当に支払続けられる保険料か」をしっかりと見極めなければならない。
現在が独身であっても「結婚したら、子どもができたら、保険料を支払い続けられるだろうか?」と考えるといいだろう。
また、家庭がある人は「子どもが増えても大丈夫かな?」「住宅ローンが重なっても払い続けられるかな?」とさまざまな面から考えていくと、短期払いが適しているか見えてくるだろう。
また、短期払いを選ぶことで、保険の見直しを行いにくくなるケースもあるのだ。
目的にあったタイミングで払い込みが終わるため、その分負担は軽くなるメリットはある。
だが、保険の補償内容は契約当時のままなので、新しい医療事情に対応できないなどのデメリットが起きてくるのだ。
「今、解約すると損をする」など不安な気持ちになると、余計に保険を見直せなくなるため、見直したくても見直せず断念する人もいることを知っておこう。
短期払いで保険料を支払うと、保険料の総額は安くなる。
しかし、これは被保険者が長生きした場合に限るのだ。
もし、何らかの原因で早くに亡くなってしまうと、終身払いの方が総額が少なく済むケースもあるのだ。
そのため、健康状態に自信があり「長生きしたい!」と考える人は、短期払いがおすすめである。
※保険によって異なる
【終身払い】利用するメリット・デメリット
「終身払い」を利用するメリット・デメリットについて解説していくので、どちらの支払方法が適しているか比べていこう。
【終身払い】メリット
終身払いを選ぶメリットは、保険料の負担が短期払いに比べて軽いことが挙げられる。
もしものシーンに備えているからこそ、生活に支障をきたすような高額な保険料にならないようにすることが大切だ。
また、保険会社が指定した状態になってしまった場合、保険料の払い込みが免除になる特約(保険料払込免除特約)を付帯させることができるのだ。
保険会社によって条件は異なるが、要介護状態・高度障害状態・がん・脳卒中・心筋梗塞などさまざまな状態が挙げられる。
働くことが難しい状態になった際に、保険料の払い込みを免除されるのは非常に助かるため、このような特約が付けられるのは大きなメリットだ。
また、終身払いを選んでいるのであれば、保険の見直しを行いやすい傾向にあるため、時代や医療事情に合わせた保険に変えられるのは嬉しいポイントだと言える。
もし、「医療の力をたくさん借りてまで長生きしたいと考えていない」という人は、終身払いを選ぶ方が支払い総額は安くなるので、考え方によっても適した支払い方法は異なる。
【終身払い】デメリット
終身払いは、短期払いに比べると「〇〇のために保険料の負担を軽くしたい」ということができなくなり、経済的負担がのしかかるのだ。
上記「短期払いを利用するメリット・デメリット」で紹介した例を用いて例えてみると、以下の通りだ。
「老後のために、保険の負担を軽くしたい」と考えている場合、終身払いを選ぶと「収入が減った定年退職後も保険料を払い続けなければならない」というデメリットが出てくる。
もう1つの例えで表すと、「子どもが大学生になるまでに経済的負担を減らしておきたい」と考えていたとしても、終身払いを選ぶと「入学金・学費・下宿・引越代などにお金がかかるタイミングでも保険料の支払いがあり、経済的負担が大きい」と言えるのだ。
このように、どちらの支払方法もメリット・デメリットがあるため、どちらが自分に適しているか見極める必要がある。
払込期間の変更は途中で可能なのか
「もし、結婚などの変化から払込期間を変更しないといけない場合できるのかな?」と不安になる人も多いだろう。
この問題に関して結論から申し上げると、「変更できる保険会社が多い」と言えるだろう。
すべての保険が途中で変更できるとは言えないため、払込期間を変更しなければならない状態になれば、まずは保険会社に相談するといいだろう。
だが、被保険者の年齢や健康状態によっては保険料が高くなるなどの変更が出てくるケースがあるため、しっかりシミュレーションなどを行おう。
以下の表では、保険料がどのように変わるかを記載しているので確認していこう。
選択している支払方法 | 変更後 | 毎月の保険料 |
---|---|---|
短期払い | 払込期間の延長 | 割安になる |
払込期間の短縮 | 割高になる |
また、終身払いを選んでいても「どうしても保険料の支払いができない…」という状態になるケースもあるだろう。
そのような場合は、下記のような方法を選べるため、「保険を解約する」という手段をすぐに選ばずに、保険会社に相談するといい。
種類 | 意味 | 向いている人 |
---|---|---|
払済保険 | 保険料の払込を終了し、保険期間や保険は変わらず、保障を受けることが可能 保険金は少なくなり、特約は消滅するため注意が必要である | 保険料を払い続けられないが、同じ期間保障を受けたいと考える人 |
延長保険 | 終身保険から定期保険に変更する方法 保障内容はそのままの内容で、保険期間が短くなる 払済保険同様、特約は消滅するので注意 | 保険料を支払い続けることができないが、同じ保障内容を受けたいと考える人 |
まとめ
保険金 | 保険期間(保障期間) | |
---|---|---|
払込保険 | 元の契約よりも保険金は減少する | 変更なし |
延長保険 | 変更なし | 保険期間(保障期間)は短くなる |
以上が払込期間を変更したいときに、選べる手段である。
医療保険の支払方法の決め方
ここでは、医療保険の支払方法を決める際の3つの基準を紹介するので、保険に加入する際の参考にしてみてはいかがだろうか。
住宅ローンと合わせて設定する
マイホームを考えている人は、住宅ローンと合わせて保険料の支払い方を考える必要がある。
多くの人は住宅ローンを利用して、マイホームの購入を検討すると予測されるが、「保険料と住宅ローンの支払いが無理のない範囲か」を確認するといいだろう。
病気になった際に、住宅ローンの支払いを滞らせないためにも保険金が高い保険に加入し、将来のことを考えて短期払いを選ぶのは危険である。
なぜなら、家計に負担がかかり、最悪のケースでは住宅ローンの返済が滞ってしまうためだ。
住宅ローンをまだ組んでいない人でも、「今後住宅ローンや車のローンを組む可能性がある」ことを配慮して考えていく方が安心である。
家計の支出が多くなる時期を避けて設定する
上記で紹介した住宅ローン以外にも、支出が多くなる時期は多い。
そのため、そのようなシーンを見越して保険料の支払い方法を考えなければならない。
例えば、「子どもがほしい」と考えている場合は、妊娠・出産だけではなく教育資金などさまざまな面でお金が必要になる。
子どもの人数が増えるほど必要なお金も増えるため、家計のバランスを取りにくくなるケースもあるのだ。
そのため、保険に加入するタイミングでライフプランを見直し、パートナーなど人生を共に歩む人がいる場合はしっかりと話し合おう。
「支出が1番多いタイミングで、保険料を支払続けられるのか」「子どもが大学生までに払い込みを終わらせることは可能か」など目的にあった視点でプランを考えよう。
保険料の総額が適切な金額におさまるようにする
医療保険以外にも、死亡保険・がん保険・火災保険・自動車保険などさまざまな保険に加入するだろう。
そのため、「保険料の総額を計算して払い続けられるか」を計算しておく必要がある。
この作業を飛ばしてしまうと、「思ったよりも保険料だけで高額になった…」と後から後悔することになるので、面倒に感じてもしっかりと考えるといい。
そうすることで、バランスよくリスクに備えられるように変わる。
自分が現在加入している保険・加入する予定の保険・毎月必ずかかる支出(例:スマホ代)・定期的にかかる支出(例:車検)などの具体的な数字を書き出し、家計に負担がかかりすぎないようバランスを整えていこう。
まとめ
本記事では、医療保険の短期払いと終身払いの違いを踏まえ、保険料の支払い方法を決めるポイントについて解説した。
短期払いを選択すると、支払い期間が定まり資金計画を立てやすくなるが、保険料を先払いするので保険の見直しはしにくくなる。
一方、終身払いは、保険料払込免除特約をつけることで、条件を満たせば保険料が免除になる。
ただ、基本的には収入が減る老後でも一定の保険料が必要になる。
支出が多くなるタイミングや住宅ローンの返済時期等を考慮して適切な支払い方法を判断してほしい。
もし、一人で判断するのが不安だという方は、保険のプロに相談することも積極的に検討しよう。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、あなたに合った医療保険の支払い方法を選択することができるはずだ。
また、保険のプロは数多く存在し、その中から自分にとって最適な担当を見つけるのは難しいだろう。
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