- 終身保険200万円は本当に必要なのかどうか知りたい
- 終身保険200万円の月々の支払い金額を把握したい
- 自分に適した金額が知りたい
終身保険の必要保障額の目安としてよく言われる200万円。
この金額は、葬儀費用やお墓代などのおおよその金額からきている。
とはいえ、終身保険の必要補償額は本当に200万円も必要なのか?もしくは、足りるのか?
この記事では、終身保険の必要補償額の考え方と、それに対して月々いくらかかるのかについて詳しく解説していく。
あなたが終身保険を選ぶときや、見直しをするときの参考にしていただきたい。
【死亡保険金200万円】終身保険とは
終身保険とは保障が一生涯続く保険商品である。
例えば死亡保険の終身保険の場合は、加入者が死亡や高度障害状態等、あらかじめ想定された事態が発生すると保険金や給付金が残された家族等に支給される。
保障が一生涯続くのは非常にメリットが大きいが、そもそも死亡保険の終身保険とは何か、メリットやデメリット、保険金として200万円かける必要はあるのか解説する。
死亡保険の終身保険
死亡保険の終身保険は加入後一生涯保障が続く保険である。
一般的に掛け捨てと呼ばれる定期保険や満期保険金が存在する養老保険と異なり保険期間を気にする必要がないため、自身の葬儀費用や相続税対策、残された家族が生活を立て直すための費用を準備するために加入するケースが多いと考えられる。
保険期間は一生涯のため、満期保険金は存在しない。終身保険を解約しても解約返戻金を受け取れるので払い込んだ保険料がすべて無駄になるわけではない。
ただし解約するタイミングによっては払い込んだ保険料よりも解約返戻金が少なくなり、元本割れするリスクもあるので要注意だ。
終身保険のメリット・デメリット
終身保険には以下のようなメリット、デメリットが存在する。
- 保障が一生涯続くため死亡保険金を確実に受け取れる
- 途中で解約しても解約返戻金があり、死亡や高度障害状態が発生しなくても老後資金対策等ができる
- 加入時の保険料が変わらない
- 生命保険料控除の活用で節税が可能
終身保険は保障が一生涯続くため、特に誰しもいずれ訪れる死亡時には遺族に確実に資金を残せるメリットがある。
家族が死亡すると遺族は葬儀の手配や自治体への各種届出、遺品整理や相続手続き等を行う必要があり、悲しむ暇がないほど多忙となることが多い。
生活立て直しのため場合によっては引越しや転職、退職等を余儀なくされるケースもあり、経済的にも大きな負担となることも考えられる。
そのような不測の事態に備えるためにも終身保険で対策することは非常に重要だ。
終身保険は掛け捨てタイプの定期保険と異なり貯蓄性も兼ね備えているため、途中で解約しても解約返戻金を受け取ることが可能だ。
保険料の払込期間や方法によっては、保険料払込終了後は解約返戻金が保険料総額を上回ることがあり、遺族だけでなく自身の老後資金も確保できるのは非常に魅力的といえるだろう。
ただし、解約返戻金を受け取ると必ずしも得をするわけではない。
早期解約をすると支払った保険料よりも解約返戻金が少なくなり元本割れリスクがある。
加入する終身保険の種類や内容、保険料の払込状況、解約時期の状況等によって異なるため、終身保険に加入する際は将来的に解約する可能性もあると考えて、商品内容や仕組みを募集要項や営業担当者等から詳しく確認しておくことをおすすめする。
一般的に保険期間が存在する保険商品の場合は更新の概念があるため、年齢や健康状態等の変化によって保険料が上がることが多い。
ただし終身保険は解約しない限り保障が一生涯続くため、更新の概念が存在しない。
そのため保険料は加入時に定められ、途中で上がることは基本的にない点も安心材料の1つだ。
なお保険料の払込方法は大きく分けて一生涯支払い続ける終身払いと、一定期間や一定年齢まで支払い続ける短期払い(有期払いともいわれる)の2種類がある。
短期払いは途中で保険料の負担がなくなるメリットがある一方で、終身払いに比べると保険料が高くなる傾向がある。
終身保険は「生命保険料控除」を適用することで払い込んだ保険料の一部が控除され、所得税や住民税の節税が可能だ。
また万一の際に受け取れる死亡保険金には相続税の非課税枠があり、例えば子どもが2人いると1000万円までは相続税の対象外となる。
保険料だけでなく保険金の一部も節税できるのは嬉しいポイントだ。
- 定期保険や養老保険と比べて保険料が割高で、早期解約すると元本割れリスクが高くなる
- 定期的な保険の見直しが困難となる
- インフレに弱いため、将来保険金等を受け取る時に価値が目減りする可能性もある
一方で終身保険にはさまざまなデメリットもある点も無視できない。
一生涯保障を受けられる安心感を確保できる一方で保険料は割高となる傾向がある。
いまは収入も少なく、高額な保険料を負担することは難しい。
一生涯の保障はもちろん嬉しいが、保険は必要な分を必要な間のみ掛けたい場合は終身保険よりも定期保険がおすすめだ。
終身保険は文字通り長期間の加入を前提としている商品である。
そのため早期解約をすると解約返戻金が著しく少なく、元本割れする可能性が高い。
加入時に保障内容や保険金額を定める必要があるが、更新の概念がないため一度決めると変更しにくい側面もある。
ただし実際には自身や家族などの状況は時間が経つにつれて大きく変わることもある。
例えば独身時代に終身保険に加入した場合、その後結婚して子どもに恵まれ、仕事も転職や退職、複業(副業)の開始等でライフプランも大きく変わることもある。
備えるべきリスクの内容が変わって根本的に見直さなければならない状況に直面する可能性もあるが、保険料や保障内容が基本的に変わらない終身保険は対応が難しい側面がある。
そのため定期的に見直しが必要となる可能性が高い内容については定期保険でカバーするなどの工夫が重要だ。
終身保険は被保険者の死亡等の事態が発生すると、あらかじめ定められた保険金や給付金が支給される。
支給時の経済状況によって金額が調整されるわけではないため、もし物価上昇で可処分所得が下がると、保険金や解約返戻金も含めて実質的な価値が目減りするおそれもある。
例えばリンゴ1個100円で購入できる状況から1個200円出さないと購入できない時代に変わったとしよう。
物価は2倍となり購入できるモノの量は減少する。
2023年に死亡保険金1000万円の終身保険に加入し、物価が2倍となったタイミングで保険金を受け取ると見た目の数字は変化しないが実質的に使える価値は500万円に減少することが分かる。
終身保険200万円の真意
終身保険の保険金額は、保険がかけられている被保険者が死亡や高度障害状態になると受取人に支給される。
終身保険の必要保障額の目安として挙げられることも多い200万円の真意はどこにあるのだろうか。
200万円の金額は一般的な終身保険の補償額としては低めの設定と考えられる。
そのため、あくまで被保険者が亡くなった場合の葬儀費用や高度障害状態となった場合の対応等で必要な資金に充てるために掛けるものと思われる。
【死亡保険金200万円】終身保険で必要な補償額を把握しよう
必要な補償額を把握するためには、自身や家族の生活費や将来のライフプランを考える必要がある。
今回は例えば結婚して幼い子どもがいる場合、必要保障額はどう考えたらいいのか解説する。
実際は家族構成はもちろん生活費や教育費、住宅ローンなどを考慮し、将来の不測の事態に備えるために必要な保障額を計算することが重要だ。
必要な保障額の計算方法
夫や妻が死亡した場合、最低限子どもが高校や大学を卒業して独立し、年金を受け取り始めるまでにかかる可能性がある支出を計算し、将来的に受け取る可能性がある収入を差し引いて求めるのが一般的だ。
- 支出:住居費、生活費、子どもの教育費、今後必要な保険料等
- 収入:預貯金を含む資産、遺族年金、今後働いて稼ぐ収入等
主に上記の内容が挙げられるが、実際は働きたくても幼い子どもがいて勤務時間を確保できず、収入を得るのが困難となる可能性もあることも視野に入れたほうがいいかもしれない。
ケース別の必要補償額
例えば会社員だった夫が死亡し、妻と子ども1人が残される以下のケースを想定して解説する。
- 夫40歳:標準報酬額は30万円
- 妻40歳:共働きだったが夫の死亡を機に退職、子どもが独立するまで就業は困難
- 子ども0歳:保育園に通っており、大学まで全て国公立を予定している
この場合の主な収支は以下の内容が考えられる。
- 住居費:月10万円(年間120万円)
- 生活費:月15万円(年間180万円)
- 子どもの教育費:約674万円
- 遺族年金:約150万円
- 今後働いて稼ぐ収入:0円
子どもの教育費は、文部科学省が公表している学習費調査の結果と日本政策金融公庫が出している教育費負担の実態調査結果をもとに試算している。
幼稚園や保育園から大学卒業まですべて国公立系の場合は約674万円だが、すべて私立の場合は約2100万円となり負担が大きく増えることが分かる。
文系と理系のどちらに進むのかによっても教育費の内容は変わる。
一方で収入面では夫が死亡したことで遺族基礎年金や厚生年金を受給可能となる。
それぞれ受給できる可能性がある金額は以下のとおりである。
- 遺族基礎年金:102万3700円
- 遺族厚生年金:約49万3200円
合計で約150万円受け取れる計算だ。遺族厚生年金の年金額は、亡くなった人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3となる。
報酬比例部分については厚生年金の被保険者期間が300月に満たないため、計算上は300月として取り扱う点に注意しよう。
子どもが独立するまで22年かかると想定すると支出は生活費と教育費合わせて約7300万円かかる。
一方で収入は遺族年金のみの場合3300万円だ。差し引き約4000万円不足するため、これを死亡保険で補う必要がある。
一方で夫が会社員ではなく自営業者の場合は遺族厚生年金がないため、会社員の場合よりも必要補償額は上がる。
1000万円程度不足する可能性もあり、その場合は5000万円近くを死亡保険等で補填する必要がある。
必要保障額ごとにかかる月々の費用
もし保険金額4000万円の終身保険に加入する場合、月々の保険料はいくらかかるのだろうか。
オリックス生命の「終身保険RISE(ライズ)」の場合、シミュレーションサイトで保険金額は4000万円、保険料の払込期間は終身と入力すると月々の保険料は約5万2000円となる。
残された家族が働いて収入を得るため、保険金額は1000万円程度で問題ない場合は月々1万3000円程度まで下げられる可能性もある。
補償額を充実させるほど基本的には月々の保険料などの費用負担は増えるが、必要な保険金や保険料払込期間によって保険料の負担金額も変化する。
【死亡保険金200万円】終身保険の選び方のポイント
ここからは終身保険を選ぶ際にどのようなポイントに注意すればよいのか解説する。
自身が加入を検討する際の参考にしてみてほしい。
終身保険を選ぶ4つのポイント
終身保険を選ぶ際に欠かせないポイントは以下のとおりである。
- 加入目的は何か
- 必要な保険金額はいくらか
- 保険料の払込期間や方法をどうするのか
- 解約返戻金が払込保険料総額を上回るのはいつか
そもそもどのような目的で終身保険に加入するのか明確になっていなければ、保険料を支払う意味がないといっても過言ではない。
加入目的によって後述する保険金額や保険料の払込期間や方法等においてもとるべき戦略が大きく異なるからだ。
死亡時に葬儀費用や遺族の生活立て直しのために多額の資金を残したいと考える人は多いだろうが、葬儀はどのような規模で行うのか、遺族が生活するためには具体的にいくら必要で子どもの教育費等、比較的大きな出費が発生する可能性が高いものは何か整理することが重要だ。
保険も単に加入するだけでは意味がない。死亡保険の場合は遺族が安心して生活できる程度の資金を最低限残す必要があるだろう。
もちろん考え方は人それぞれだが、例えば結婚して配偶者と未就学児の子どもが2人いる場合、いざという時に200万円の保険金が支給されるだけでは足りない可能性が高い。
保険金も一括で受け取るタイプの商品だけでなく、一般的に収入保障保険と呼ばれて毎月等の定期的に受け取れるものも存在する。
一括タイプと収入保障タイプどちらが必要なのか、もしくは両方備えたほうがよいのか家族とよく話し合うことが大切だ。
保険料の払込期間や方法によって家計への影響が変わることも考えられる。
商品によって保険料の払込方法の選択有無は変わるため、払込を終了させたい年齢がある場合は逆算して検討することが重要だ。
できる限り保険料負担を抑えたい場合は終身払いが候補に上がるが、一生涯保険料を支払い続ける必要があるため、特に65歳以降に家計を圧迫しないか考慮する必要がある。
終身保険を途中で解約する場合は、解約返戻金と払込保険料総額の関係にも注目しよう。
加入期間が伸びて保険料を支払うほど解約返戻金も上がっていく形が一般的だが、できる限り早く元本割れリスクを軽減したい場合は保険料払込を終わらせることも視野に入れてみよう。
今後のライフイベントや収入を確認する
今後のライフイベントや収入の変化を考慮して保険の見直しや追加契約が必要となる場合もある。
契約内容はしっかり確認し、途中で解約や変更等が必要となるときに、具体的な手続きや費用面がどうなるのか把握しておこう。
終身保険を選ぶときの注意点
終身保険200万円の必要性は、個人の状況や家族構成、将来の見通し等によって異なる場合がある。
必要な補償額を具体的に把握し、将来のライフプランに合わせて終身保険の選択を行うことが重要だ。
終身保険は一生涯にわたって保障を受けられるメリットがある一方で、途中で見直しがしにくい側面もあるため慎重な検討と適切な金額設定が必要である。
終身保険の死亡保険金200万円は補償額としては低めの設定!保険の加入目的によって適した金額を設定しよう
本記事では、死亡保険の終身保険に関する基礎知識や自分に適した金額を設定する方法について解説した。
保険には様々な種類があり、自分に適した金額を設定することが重要である。
しかし、保険は専門性が高い分野であるため自分ひとりではわからないことも多いだろう。
そのため、「生命保険ナビ」を活用して専門家に相談することをおすすめする。
「生命保険ナビ」では、自分に適した専門家とマッチングすることができる。
信頼できる専門家とともに自分に適した保険の選択をしてほしい。