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加入者が死亡したら、医療保険はどうなるの?税金問題や受け取り方法について解説

この記事で解決できるお悩み
  • 保険契約者が死亡した際の返戻金や税金の問題について理解を深めたい
  • 万が一に備えて相続税の対策を行いたい
  • 医療保険の受け取りについて知識を深めたい

医療保険の契約中に万が一契約者が死亡した場合、誰が保険金を受け取り、どのような手続きが必要になるのだろうか。

また、受け取りの際には相続税に関する問題も発生する。

そのため、税金に関する知識も深めておく必要があるだろう。

本記事では、医療保険の契約者が亡くなってしまった場合に焦点を当て、保険金の受け取り方や受け取りの際に発生する税金について解説する。

医療保険への加入を検討している方、または既に加入しているという方にもぜひ最後まで読んで参考にしてほしい。

目次

 医療保険の加入者が亡くなった場合はどうなるのか

 医療保険の加入者が亡くなった場合はどうなるのか 生命保険ナビ

医療保険で支給される保険金の受取は、通常、契約者本人としていることが多いはずだ。

だが、契約者が亡くなってしまうと、保険金の請求ができなくなってしまう。

亡くなる直前まで、入院していたり手術を受けたりしているかもしれないが、亡くなってしまったら、本人が保険金を請求することはできない。

その際の保険金は誰が受け取るのか、詳しく解説しよう。

加入者が亡くなった場合の手続き

配偶者や家族が亡くなった場合、医療保険に加入しているかどうかに関わらず、まず死亡届を提出する必要がある。

通常、亡くなった日から7日以内に、亡くなった人の住所地の市区町村役場に提出しなければならない。

またしばらく経ってからになるかもしれないが、医療保険に加入していた場合には、保険会社へも連絡する必要があるだろう。

なんらかの保険金を受け取れる場合は、請求の手続きも行うことになる。

例えば、病気で亡くなったとしても、それまで病院で入院していたのなら、亡くなるまでの日数分の入院給付金も受け取れるだろう。

手術を受けていた場合は手術給付金を、通院をしていた場合は通院給付金なども同様に対象となる。

いずれにしても、保険会社へ連絡することで、保険料の引き落としも停止になるはずだ。

引き落とし手続きの停止が間に合わなかった場合は、銀行口座からの引き落とし後に返金手続きを行うことで返金されることになる。

なお、保険金を請求する際は、保険金支払請求書を書かなければならないが、それ以外にも死亡診断書や戸籍謄本、印鑑証明書など、準備しなければならない書類があるかもしれない。保険会社からの指示に従って対応しよう。

保険会社に請求書類が到着してから、調査などで時間を要する場合もあるが、5営業日程度で保険金が振り込まれるのが一般的だ。

また、保険金の請求権は、3年で消滅時効となると保険法で規定されているため、請求忘れのないように注意しよう。

受け取れる保険金は

保険会社や保険商品、加入している特約によっても異なるが、医療保険の保険金には、以下のようなものがある。

入院給付金

入院した際に支払われる保険金。

日額の保険金に、入院日数を乗じた金額が支払われる。

手術給付金

手術を受けた際に支払われる保険金

手術の種類によって支払われる金額が異なる。

入院を伴う場合と、外来治療として手術を受ける場合(日帰り)でも金額が異なる。

通院給付金

退院したあとの通院日数分支払われる保険金。

日額の保険金に、通院日数を乗じた金額が支払われる。

先進医療給付金

先進医療を受けた際に支払われる保険金。

公的医療保険(健康保険)が適用できない高額な医療技術を使った治療や手術のこと。

入院一時金

ケガや病気で入院した際に、日数に関わらず一律に支払われる保険金。

三大疾病一時金

三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)に該当した場合に、支払われる保険金。

七大疾病一時金

七大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中・慢性腎不全・肝硬変・糖尿病・高血圧性疾患)に該当した場合に、支払われる保険金。

その他、受ける治療と加入している特約によって、放射線治療給付金、移植給付金、集中治療給付金などの保険金を受け取ることもある。

保険金の受取人は

医療保険で支給される一時金や給付金などの保険金の受取人は、通常は契約者本人としていることが多いはずだ。

本人が事務手続き対応できれば問題ないが、事故や病気等で意思表示が出来ない場合には、指定代理請求人が代わりに手続きを行う。

医療保険の契約時に、事前に指定しておくのが一般的だ。

なお、本人が死亡した場合は法定相続人が請求手続きを行い、保険金を受け取ることになる。

また、医療保険に死亡保険金が出る場合は、死亡保険金の受取人を指定しておく。

受け取る際に発生する税金と節税対策方法

受け取る際に発生する税金と節税対策方法 生命保険ナビ

病気やケガによる給付金や保険金は、税法上、非課税とされている。

だが、本人が亡くなってから支給されるものは、相続税の課税対象となることがある。

課税、非課税について、詳しく確認しておこう。

また、相続税には非課税制度が設定されているので、保険金に適用できるかどうかも含めて、それも解説する。

医療保険の税法上の取扱い

医療保険の契約者が存命であれば非課税だが、亡くなったあとであれば課税対象となる。

医療保険の給付金は非課税

病気やケガが原因で受け取る医療保険の給付金は、基本的に非課税となる。

たとえば、以下の給付金や一時金が該当する。

  • 入院給付金
  • 手術給付金
  • 通院給付金
  • 三大疾病一時金
  • 七大疾病一時金

契約者本人が存命であれば、これらの保険金を自分で請求することになり、非課税となる。

なお、確定申告で医療費控除を申請する際、かかった医療費から保険金を差し引いて申告することになる。

亡くなったあとの給付金は課税対象

上記の入院給付金などを請求する前に、本人が亡くなってしまった場合、未請求の給付金は預貯金などと同様、本来の相続財産と見なされ、相続税の課税対象となる。

未請求の給付金を死亡保険金と一緒に受け取っても、相続税の非課税制度の対象とはならないので、注意が必要だ。

また、生前に受け取った入院給付金などを使い切れずに残して亡くなったとしても、本人の財産であり相続財産となるので、これも相続税の課税対象となる。

相続税の非課税制度

契約者本人が死亡し、加入していた生命保険で支払われる死亡保険金は、相続税法上は「みなし相続財産」という扱いとなる。

みなし相続財産は、もともと本人が持っていた財産ではないが、亡くなることで発生した相続財産のことだ。

なお、死亡保険金には、残された家族のための生活を守るという目的があるため、一定の金額までが非課税となる。

具体的な計算式は、以下の通りだ。

死亡保険金の非課税枠=500万円×法定相続人の数

例えば、法定相続人が4名の場合、500万円×4名=2,000万円までの死亡保険金が非課税とされる。

ただ、相続税の非課税枠は、あくまで死亡保険金に対してのもので、一緒に入院給付金を受け取ったとしても、それを合算して非課税とすることはできない。

死亡保険金とその他の給付金や一時金は、税務上の取り扱いが異なるため、正しく分けて対処することが必要となる。

税金を抑える方法

医療保険の入院給付金等を受け取る際、非課税とするには、生前に契約者本人が請求することが一般的だ。

だが、病気やケガが原因で請求事務手続きができないこともあるかもしれない。

その場合に備えて、契約時に指定代理請求人を登録しておこう。

これにより、本人が請求できない時でも、あらかじめ指定した代理人が非課税のまま、給付金を受け取ることができる。

指定代理請求人の範囲は、保険会社によって違うが、配偶者や直系血族、3親等以内の親族などと設定されていることが多い。

また、受取人変更のできる医療保険の場合は有効な対策がある。

加入後に受取人を契約者から配偶者等の親族に変更することだ。

病気や高齢になる前に受取人を変更しておけば、非課税を享受できる可能性が高まるだろう。

ただし、受取人の変更ができる医療保険は限られている。

加入している保険会社に確認してみてほしい。

自分に適した受け取り方や保険加入の際に気をつけるべきポイント

自分に適した受け取り方や保険加入の際に気をつけるべきポイント 生命保険ナビ

適切な医療保険を選び、加入する際には、自分のライフプランや保障ニーズを十分検討することが不可欠となる。

また、保険料の比較や加入のタイミング、必要性・目的の明確化など、いくつかのポイントに留意しよう。

ライフプランと保障ニーズの検討

医療保険を検討する際には、まず自分のライフプランと保障ニーズを考えよう。

どのタイミングでどのような病気やケガをして、いくらの医療費がかかる可能性があるかをイメージすることが大切となる。

実際の自分の未来を正確に予測することはできないが、年齢や健康状態、家族構成による一般的なリスクを明らかにしておくことは重要だ。

結婚や子どもの誕生、住宅購入など何歳ころにイベントが発生するのか、漠然とでも考えておき、ライフプランニングを進めておきたい。

将来に向けての収支が明確になると、不足する保障ニーズも判明するだろう。

保険加入の際に気をつけるべきポイント

医療保険に加入する際は、どんな点に気をつけるべきなのだろうか。

保険料は毎月の支払いが続くものなので、長期的な視点で比較検討することが重要となる。

また、加入する年齢によって、保険料が変わってくる。

基本的に若い時ほど保険料は安いが、医療保険の必要性は感じないことも多いだろう。

逆に高齢になってくると保険料はどんどん高くなるし、病歴がある人や健康に不安がある人は、保険に加入できなくなる可能性もある。

例えば、毎年の健康診断や人間ドックの結果から、徐々に血圧が高くなっていったり、コレステロール値が悪くなっていったりすることで、リスクが高まっていると判断することもできるはずだ。

健康状態が悪くなってくると、加入できなくなるリスクも高くなる。

保険料の金額、年齢、健康状態などをトータルに考えて、いつ加入すべきか検討しよう。

なお、以下の記事では属性別におすすめの医療保険についてまとめているので、ぜひあわせてチェックしていただきたい。

あわせて読みたい

自分に適した保険を選ぶためのポイント

同じ医療保険でも保険会社や保険商品ごとに、保障内容や保険料に差があるものだ。

複数の保険会社を比較しておきたい。

保障内容

入院日額がいくらか、入院何日目から支給されるか、入院時の一時金はあるか。

手術や通院時の保障はあるか、など保障内容は商品ごとに異なる。

自身のライフスタイルや将来の計画に合致した保障内容を確認し、必要に応じて特約も組み合わせて最適な医療保険を選択したい。

保険料

保険料と保障額のバランスがとれている商品を選びたい。

保険料は支払いが長期に続くものであり、自身の経済状況に合わせたプランを選ぼう。

過度な負担とならないよう、安心して保険を継続できるように適切な保険料となるようにしたい。

解約返戻金

医療保険は掛け捨てのものが多いが、中には貯蓄性の高いものも用意されている。

途中で解約した場合に、解約返戻金が出るものもあるので、それも踏まえて確認しておきたい。

とくにどの程度の期間継続していれば、いくらの解約返戻金が出るのか、押さえておくべきだろう。

将来、保険を見直す必要があるかもしれない。

その時のためにも、解約返戻金の額や条件に注意しておこう。

加入後の見直し

一度加入した医療保険でも、人生100年時代を迎え、ライフスタイルの変化に合わせて定期的に保険の見直しをすることが必須といえる。

例えば、結婚や出産を機に医療保険に家族を追加加入させる必要が出てくるかもしれない。

子どもの成長に合わせて保障内容を変更することも必要だろう。

また、転職や退職によって年収が減少すれば、保険料負担が上がってしまう。

その際には保険料の見直しや新しい保険商品への乗り換えを検討する必要があるかもしれない。

あるいは、高齢になり健康面で不安が大きくなると、入院や手術等の保障を充実させることも考えなければならない。

このようにライフステージや家計の変化に合わせ、加入している医療保険が自分や家族にとって最適なものであるかを、定期的に確認する必要があるのだ。

新しい保険商品も開発が進んでおり、自分にあった最新の医療保険を選ぶためにも、加入後の見直しは欠かせない。

ぜひ定期的なチェックを心がけよう。

まとめ

まとめ 生命保険ナビ

本記事では、万が一加入者が亡くなってしまった場合の保険金について解説した。

特に、受け取り方法や、税金に関する問題などについて解説したので、保険契約時の参考にしてほしい。

契約者の死亡時は他にも手続きが多く混乱してしまう可能性が高い。

そのため、事前に適切な知識を身につけることで、迅速かつ適切に手続きを進めることが可能になる。

ただ、税金も関係してくるため、自分一人で決断することに不安を感じる方も多いだろう。

そんな方は、保険のプロに相談してみよう。

「生命保険ナビ」では、保険の専門家に相談し、あなたの状況に合った適切なアドバイスを得ることが可能だ。

保険に関して少しでも疑問や不安がある方は、以下のボタンから申し込んでみてほしい。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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