- 保険料が戻ってくる医療保険の仕組みが知りたい
- 保険料が戻ってくる医療保険が本当にお得なのかわからない
- 保険料が戻ってくる医療保険の中でおすすめの商品を知りたい
少子高齢化が進む日本では、老後の生活に備え医療保険への加入を検討する人が増えてきている。
そんな医療保険にはいくつかの種類があるが、中でも支払った保険料が戻ってくるタイプがあることをご存知だろうか。
本記事では、保険料が戻ってくる医療保険の仕組みを解説し、「本当にお得かどうか」を検証していく。
また、実際の保険商品についても紹介する。
ぜひ本記事を参考に、自分が選ぶべき医療保険がどれなのかを選択できるようになってほしい。
保険料が戻ってくる医療保険の概要
医療保険といえば、病気やケガの際に保障として保険金や給付金が受け取れるものの、何もなければ保険料が戻ってこない、いわゆる掛け捨てが基本だ。
ただ、医療保険のなかには一定期間において何も無かった場合、保険料が戻ってくる仕組みのものがある。
保険料が戻ってくる医療保険の仕組み
保険料が戻ってくる医療保険は、数社の保険会社から提供されている。
本記事の最後に具体的な保険の概要をお伝えしているので、参考にしてほしい。
各社によって相違点はあるが、契約年齢によって設定された年齢までに病気・ケガによる各種給付金の受け取りが無い場合、その年齢までに払い込んだ保険料が全額還付される。
還付されるお金は健康還付給付金と名づけている保険会社が多い。
本記事ではこのような保険を、還付金型保険と定義し、詳しい解説をお届けする。
保険料が戻ってくる医療保険のメリット
医療保険のネックは掛け捨ての仕組みだ。
解約したときに解約返戻金が設定されているものもあるが、あくまで少数であり、医療保険の大多数は掛け捨て型を採用している。
医療保険に加入するも病気やケガに見舞れる機会がなかった場合、掛け捨ての保険では保険料が戻ってくることはない。
その点、健康還付給付金付きは一定期間後に戻ってくるため、貯蓄性のある保険といえる。
また、加入途中で入院や手術があった場合、給付金の給付の対象外にはならず、当該入院・手術の保険金を給付金から控除する計算になる。
つまり保険金の支払いが給付金(払済保険料相当額)を超えない限り、何かしら還付金は受け取れるということだ。
還付金型保険に加入していれば、普段の生活でも元気でいようとするモチベーションにつながる。
暴飲暴食や飲酒・喫煙など不健康行為を見直すきっかけにもなるだろう。
また毎月の保険料支払も掛け捨てにならないと考えるだけで、貯蓄の一種と考えることができる。
更なるメリットは、年齢を重ねても入りやすい点だ。
医療保険の傾向として、40代・50代になってからの医療保険は保険料が高く、加入に抵抗感がある。
ただ還付金保険は毎月の保険料が高くとも、いずれは返ってくると考えることができる。
保険料が戻ってくる医療保険のデメリット
保険料が戻ってくる医療保険のデメリットは、健康還付給付金の支給年齢まで長く待たなければならない点だ。
一例として、楽天生命が提供している健康還付給付金付き保険の受け取り年齢を見てみよう。
ほかの保険会社も、下図の契約年齢と給付金受取年齢は類似したものだ。
楽天生命スーパー医療保険戻るんですにおける還付金の受取年齢
契約年齢 | 20~40歳 | 41~50歳 | 51~55歳 | 56~60歳 | 61~70歳 |
---|---|---|---|---|---|
給付受取年齢 | 60歳or70歳 | 70歳 | 75歳 | 80歳 | 85歳 |
上記年齢を見ると、保険加入後20-30年後に還付金を受け取れることがわかる。
当然、該当の年齢時に死亡していれば受け取れない。
還付金保険を検討する場合は、この死亡リスクに留意したい。
このときのデメリットは、医療保険の加入を継続していなければならない点だ。
30歳で加入したとすると、60歳まで加入を継続していれば健康還付給付金を受け取ることができる。
ただ、医療保険は継続的に見直し、その時々に備えた医療保険に入り直すことがお勧めとされている。
以前は、三大疾病など重い病気に罹患したときに備え、入院給付金や手術給付金に重きを置いた保障内容にすることが主流だった。
近年医療技術が革新的に進み、一部のがん治療は入院せず、日帰りで帰宅することも可能となった。
この場合、入院給付金を受け取れず、支給される保険金額が低下する恐れが生じている。
その代わり、定期的に通院する通院保障や抗がん剤治療、放射線治療などに重きが置かれている。
これは夢物語かもしれないが、今日の医療機関は急速にオンライン診療が導入されている。
もしかしたら10数年後には、病院に通院することすら珍しいようになるのかもしれない。
そうすると現在の還付金設定をしている保険ではなく、オンライン治療給付金のような保障を備えている保険が重視される可能性がある。
還付金を目標に長く加入するのか、時代の変化やライフスタイルに合わせて医療保険を見直していくのかによって、健康還付給付金付きの保険の評価も変わるだろう。
またこの数年、ストレスなどによるメンタル保障を導入する医療保険が増えた。
オンライン診療のようにハードルが高いもののほかにも、必要な医療保障が変わる可能性はあるといえる。
保険料が戻ってくる医療保険はお得なのか
このような背景をまとめたが、結局のところ保険料が戻ってくる医療保険はお得なのだろうか。
通常の医療保険とシミュレーションで比較しよう
通常の医療保険とシミュレーションで比較してみよう。
30歳男性が月々3,000円を保険料として拠出し、60歳に健康還付給付金を受け取るとする。
また、入院給付金を1日5,000円、手術給付金を入院日額の20倍とする。
(1)還付金相当額 保険加入期間30年(360月)×3,000円=108万円
(2)40歳の胃潰瘍における給付金 5,000円×10日+手術給付金10万円=15万円
(3):(1)ー(2)=93万円
通常の医療保険ならば(3)はないため、(2)以外の保険料は掛け捨てとなる。
この93万円に重きをおくか、前項にて考察した医療保険を定期的に変えるニーズを前提とするかによって、どちらがお得か判断することができるだろう。
月々の保険料が3,000円なら108万円の還付だが、仮に毎月10,000円を支払っていたら、400万円近くが戻ってくることになる。
大きな額の還付が実現できるのなら、印象が変わるかもしれない。
当然、還付金付きの保険は現時点で考えられるさまざまな保障をつけているため、40年後も最新の保障内容である可能性もまた、十分に考えられる。
前項にてオンライン診療の可能性を論じたが、入院や手術治療が無くなることは考えられないため、医療保険としては効果的だとする考え方も根強い。
おすすめな人の特徴とは
では健康還付金付き医療保険にお勧めの人は、どのようなタイプなのだろうか。
保険料が戻ってくる医療保険を選ぶ際の注意点
還付型保険を選ぶ際のポイントは終身型の医療保険を選ぶことだ。
医療保険には終身型と更新型があるが、更新型の際に保険料が上がると、見直しや解約事由に繋がりやすい。
保険料負担を抑えるためにも、終身型に加入することをお勧めする。
また、還付金給付まで解約しないために、保障が充実しているものをお勧めする。
保険料が安く、かつ保障も限定的なものでは、ライフプランが変わった時のニーズの変化に対応できなくなる可能性が高い。
このようにあらかじめ解約しないことを前提に保障内容の検討を進めるようにしたい。
保険料が戻ってくる医療保険を紹介
具体的に、保険料が戻る還付型の医療保険を紹介していこう。
楽天生命【スーパー医療保険戻るんです】
一生涯の保障が可能だ。入院・通院・手術を総合的にカバーすることができる。
また日帰り入院から保障するため、今後より日帰り治療が増えても問題ないだろう。
楽天生命のため、保険料の払い込みに楽天ポイントを使うことができる。
手術給付金は支払回数無制限で保障される点もありがたい。
東京海上日動あんしん生命【メディカルKit R】
還付金型保険としては最初に販売された保険だ。主契約も充実しているが、さまざまな特約をプラスすることで医療環境の変化に柔軟に対応することができる。
ライフプランに合わせて特約を付けたり、削ったりすることで還付金に向けて保険を継続することができる。
主な特約は先進医療特約、女性疾病保障特約、がん特定治療保障特約などがある。
なお特約の保険料は還付金の対象にならないが、特約部分から支払われた保険金や給付金は還付金の控除対象外となることに注意したい。
メットライフ生命【リターンボーナスつき終身医療保険】
メットライフ生命の還付金型保険で特徴的なのは、保険加入中に身体障害状態などに該当した場合、その後の保険料の払い込みが免除される点だ。
保障は継続するほか、還付金も受け取ることができる。
還付金の受取は保険料払込が終了したときだが、5年後や10年後に受け取るよう設定変更することもできる。
保険料が戻ってくる医療保険の仕組みを理解して自分に最適な保険選びを行おう
本記事では、保険料が戻ってくる医療保険の仕組みを解説し、「本当にお得かどうか」を検証した。
また、実際の保険商品についても紹介した。
保険料が戻ってくる医療保険は、保険料が戻ってくる分、健康維持のモチベーションを高めやすいというメリットがある。
一方、保険料が割高になるというデメリットもあり、加入するには個人の事情に合わせた慎重な判断が必要になる。
そのため、保険料が戻ってくるタイプの医療保険に入るべきか一人では判断できないという人は、保険のプロに相談することも検討しよう。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、あなたに必要な医療保険を選択することができるはずだ。
ただ、保険のプロは数多く存在し、自分にとって最適な担当なのかをすぐに見定めることは難しい。
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