- 医療保険に付けた特約を途中で外すことができるのか分からない
- 医療保険の特約を解約する時の注意点が知りたい
- 医療保険を見直す際のポイントが知りたい
医療保険に特約をつけると、保障内容を広げることができる。この特約には様々な種類があり、必要に応じて付加できるため利便性が高い。
しかしながら、ライフステージの変化とともにこれらが不要になることもあるだろう。
その際には、医療保険の特約だけを解約したいと考える人もいるだろう。
果たしてそれは可能なのだろうか。
そこで本記事では、「医療保険の特約を途中で外すことはできるのか?」という点について徹底解説する。
医療保険に付けた特約を外したいと思っている人はぜひ参考にしてほしい。
医療保険の特約は解約できるのか
医療保険に限らず、保険はメインの保障となる主契約と、保障内容をより手厚く補うための特約に分かれている。
医療保険の特約は契約者の任意で解約できるが、解約手続きには保険会社が定めた所定の手続きが必要である。
解約するための方法や、解約に適切なタイミングや期間はあるのだろうか。
本章では、以下の項目に対して、それぞれ解説する。
- 特約を解約する方法とは?
- 特約の解約前に検討しておくべきポイント
- 特約解約のベストなタイミングとは?
特約を解約することを検討している場合は、ぜひ参考にしてほしい。
特約を解約する方法とは?
特約を解約する方法には、紙面による解約手続きと電話による解約手続き、さらにインターネット上での解約手続きがある。
紙面による手続きは、特約解約の中で最も一般的な方法である。
紙面での特約を解約する場合は、解約請求書に必要な事項を記載して保険会社に提出する必要がある。
また、紙面での解約は対面での手続きを必須としない。
そのため、契約者の現住所あてに特約解約の請求書を送ってもらい、必要事項を記載して保険会社に返送することでの解約もできる。
書面で解約を受け付ける場合は、保険会社の募集人や電話の担当者に解約の意思を伝えるだけでは足りないのだ。
また、解約日として処理される日は、基本的に書類が保険会社に受領されて処理された日となる。
そのため、年末年始や大型連休などの保険会社の営業外の日に解約書類が到着すると、解約日が月を跨いだり遅くなる可能性がある。
解約を急いでいる場合は注意しよう。
電話での解約手続きは、解約請求書の手続きを専用のコールセンターに電話して手続きする方法である。
書面での解約手続きと違って、依頼した日に解約書類が入るため、すぐに解約したい場合にメリットがある手続き方法といえる。
例えば、オリックス生命の場合、電話で解約の手続きを実施して、完了の通知が後日郵送される。
ただし、解約手続きは契約者の意思確認が必要なので、保険会社によっては取り入れていない場合もある。
これには、なりすましや本人以外からの解約依頼を拒否する目的がある。
また、電話での対応可能時間が決まっているので、保険会社が休日の場合などは対応していない場合もある。
保険会社が電話での解約手続きが対応可能なのか、受付可能時間がいつなのか確認しておく必要があるだろう。
最後に、インターネットで専用サイトにアクセスして、手続きを完了させる方法もある。
受付は原則24時間対応しているので、電話ができない人も手軽に解約の手続きが可能である。
SOMPOひまわり生命では、契約者専用ページである「マイリンククロス」から、解約の手続きができる。
ただし、各保険会社の独自システムや、契約者専用のサイトから手続きする必要がある。
証券番号や専用ページのパスワードなども管理しておく必要があるだろう。
特約の解約前に検討しておくべきポイント
特約を解約するうえで、事前に「現契約を見直す必要性があるか」を検討しておく必要があるだろう。
医療保険の特約は、メインの保障を手厚くする目的で加入している。
特約を外した場合、主契約をカバーしていた保障部分が手薄くなるため、自分にとって必要な保障内容になっていない可能性もある。
特約を解約した場合は、保障を元に戻せない。
ライフプランを踏まえて、どのような医療保険でどういった特約を準備しておく必要があるか、検討する必要があるだろう。
場合によっては、新たに販売されている医療保険のほうが、保険料も変わらず充実した保障内容を準備できる可能性もある。
そのため、特約を解約する前に医療保険の内容を見直してみると良いだろう。
とはいえ、こういった見直しについては保険の専門的な知識が必要になる。
実際に見直す場合は、知識や知見が豊富にある保険の専門家からアドバイスを受けると良い。
特約解約のベストなタイミングとは?
特約解約の適切なタイミングは、医療保険を見直した場合や保険料の請求時期など、個別のケースによって異なる。
例えば、保険を新たに見直す場合、新たに契約した保険が有効になった場合に特約を解約する流れになる。
というのも、保険の申し込み手続きをしたとしても、効力が有効になるまでに時間がかかる可能性がある。
契約の効力がない状態で特約を解約してしまった場合、その期間は保障のない無保険の期間になる。
万が一、病気や事故によって入院や手術が発生しても保障されない可能性がある。
そのため、新たに保険を見直す場合は、保障が有効になったうえで特約を解約するのが適切な解約タイミングといえるだろう。
保険の見直しをせずに特約を解約する場合は、保険料の請求時期までに特約を解約するのが適切なタイミングといえる。
保険料の請求時期は、保険会社や保険料の領収方法によっても異なるので、あらかじめ保険会社に確認しておく必要がある。
例えば、月払いで契約している場合に前月末に解約の処理がされていないと、一月分余分に保険料が発生してしまう。
仮に、当月分の保険料が請求されても月内に解約処理がされた場合、返金されるのか確認しておくと良い。
保険会社によっては、月内に解約処理されると領収した保険料が返金される場合もある。
以上から、保険を見直さない場合に保険料が請求されない、もしくは請求されても返金されるタイミングが特約の解約に適切と言える。
医療保険の特約を解約する際の注意点
医療保険の特約を解約するうえで、いくつかのデメリットがある点について考慮しておく必要があるだろう。
医療保険の特約を解約する場合の注意点は、主に以下の3点となる。
- 保障がなくなる
- 中途付加できない特約もある
- 他の特約も解約されることがある
新たに保険を見直すかどうかにかかわらず、解約を検討している場合は参考にしておきたい。
保障がなくなる
医療保険の特約を解約した場合、それまでカバーされていた保障内容は失われる。
医療保険としての保障が手薄になるので、自身のライフプランに沿った保障内容になっていない可能性がある点には注意が必要だ。
また、特約を解約した後も「中途付加」という形で、特約を再び付加することができる。
しかし、特約を付加するタイミングの年齢によって保険料が決まるので、これまでと同じ保険料にはならずに損してしまうだろう。
また、保険料が高くなるだけでなく、保険会社が審査によって中途付加を見送る場合もある。
新たに特約を中途付加する場合は、健康状態を告知する義務がある。そのため、健康状態によっては中途付加できない場合がある。
健康状態や年齢といった要件で、特約を元に戻せないリスクがあるのだ。
そのため、特約を本当に解約すべきかは慎重に検討しておく必要があるだろう。
他の特約も解約されることがある
保険商品によっては、ある特約を解約してしまうと、別の特約も一緒に解約されてしまう可能性がある。
特約の保障内容が異なっている場合でも、異なる特約と同時に契約することで付加できるものがある。
そのため、解約を希望する特約によっては、他の特約も解約しなければいけない。
例えば、SOMPOひまわり生命の医療保険を考えてみよう。
この保険で「医療用新がん外来治療給付特約」を付加する場合、「医療用新がん診断給付特約」も同時に付加する必要がある。
そのため、「医療用新がん診断給付特約」を解約してしまうと「医療用新がん外来治療給付特約」もあわせて解約される。
どちらか片方だけを解約することはできないため、注意が必要だ。
中途付加できない特約もある
そもそも、特約の中には中途付加ができないものもある。
健康状態や年齢にかかわらず、中途付加ができなければ、解約してしまうと二度と元に戻せない。
そのため、もし解約してしまった特約を再び準備したいのであれば、新たに保険を契約する必要がある。
また、これまで支払っていた保険料も掛け捨ての場合は戻ってこない。
解約返戻金も、契約してから短期間で解約してしまった場合は、もらえる金額はほんのわずかだ。
基本的に、解約手続きをする場合、必要な保障が準備できているのか、新たに保険を見直す必要がないかを確認する必要がある。
医療保険を見直す際のポイント
ここまで、医療保険の特約を解約する際の注意点について解説してきた。
ただ、特約を解約したいときは、医療保険の本契約も同時に見直したいと思っていることも多いのではないか。
そこでここからは、既に医療保険に加入している場合にどのようなポイントを踏まえて見直せばよいか解説する。
入院日数はどれくらいなのか
一般的に、医療保険は病気やけがでかかる治療費に対して備える保険である。
そのため、基本的には入院や手術など、病気やけがをした場合の治療行為に給付金を支払う内容となっている。
ただ、病気やけがを取り巻く治療の状況は日進月歩で変わっている。
厚生労働省が調査した「令和2年患者調査」によると、令和2年の平均在院日数は病院で33.3日、一般診療所では19日であった。
平成29年と比較して上昇したものの、昭和62年は病院で47.3日、一般診療所で26日だったので、病院に滞在する日数は徐々に減少しているといえる。
そのため、入院が短期化している状況に見合う内容が望ましいといえるだろう。
また、医療保険は結婚や出産といったライフプランが変化した場合も同様に、以下のポイントを踏まえて見直す必要性がある。
- ライフプランにあわせた保障内容となっているか
- ライフプランに見合う保障をどのような保険で準備するか
- 現契約の保険よりライフプランにマッチした商品がないか
それぞれのポイントについて確認しよう。
ライフプランにあわせた保障内容となっているか
ライフプランにあわせた保障内容となっているかを確認することから始めると良いだろう。
医療保険を準備する目的は、病気やけがへの「治療費の確保」だけでなく、働けない場合に備え「収入の補てん」を目的に準備する場合もある。
独身の場合であれば、収入が減少しても生活に困るケースは少ないだろう。
しかし、配偶者や子供がいて世帯主となっている場合、収入が減少すると生活に影響を及ぼす可能性が高い。
その場合は、治療費だけでなく収入をカバーする目的でも準備する必要がある。
一方で、子どもが経済的に独立した場合は、収入の補てんまでカバーする必要性がなくなる。
子どもの独立によって必要以上に保険料を支払いすぎていないか、再度検討する必要があるだろう。
このように、世帯状況によってどのような目的で医療保険を準備するかが異なる。
そのため、まずはライフプランに対して医療保険がどのような目的で準備されたものなのか確認すると良い。
ライフプランに見合う保障をどのような保険で準備するか
ライフプランに見合う保障がどのようなものかを検討したら、次に保障ごとにどのようなジャンルの保険で準備するかを検討すると良い。
例えば、治療費と病気にかかった場合の収入減を補う目的で医療保険を準備する場合もあれば、収入の補てんを「就業不能保障保険」のような、医療保険とは異なるジャンルの保険で準備する場合もある。
どのような保険を利用してライフプランに潜むリスクに備えるべきか、検討すると良いだろう。
現契約の保険よりライフプランにマッチした商品がないか
ライフプランに見合う保障をどの保険でカバーするか検討したら、現在契約している保険よりも自分に合った保険がないか、考える必要がある。
その際に、特約を追加して不足分をカバーするという方法もあるだろう。
特約を付加する場合は、新たに保険をすべて見直すよりも保険料を安くできる可能性がある。
しかし、中途付加できない特約や、そもそも契約してから年数が経過している医療保険だと、特約自体が最新の医療実態に見合っていない可能性が高い。
そのため、せっかく準備しても満足に保障がカバーできないリスクがある。
新たに医療保険を見直す場合は、最新の医療実態に見合った保障内容で販売されているので、保障面では充実する可能性が高いだろう。
ただ、保険料が高額になる可能性があることは考慮しておく必要がある。
どちらで準備すべきかは、現契約の内容や健康状態、また保険料といった個別の事情で異なる。
自分の状況を分析し、適した方法で保険を選ぶようにしよう。
まとめ
本記事では、「医療保険の特約を途中で外すことができるのか?」という点を解説した。
医療保険に付けた特約は、契約の途中で外すことが可能だ。
ただ、解約時は手続きが必要だったり、途中で再度付けたいと思っても付けられない特約があることには注意しておこう。
また、特約を解約する際に医療保険の見直しをしておきたいと考える人もいるだろう。
新しい医療保険に入るべきか、現在加入している医療保険の保障内容を変更すべきか、自分に合った方法で最適なものを見つけてほしい。
しかし、自分一人で医療保険の見直しや新しいものを選ぶのに不安がある人もいるだろう。
そんな時は、保険のプロに相談することでスムーズに希望の保険を見つけ出せる可能性がある。
保険のプロに相談することで、自分に必要な医療保険を見つけることができるだろう。
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