- 学資保険の祝い金がどんなものか知りたい
- 学資保険の祝い金と税金の関係が分からない
- 祝い金を賢く使うためのポイントが知りたい
学資保険の加入を検討する中で、祝い金という言葉を耳にしたことはあるだろうか。
祝い金とは学資保険でもらえる保険金の一種のことである。
では、満期保険金との違いはどこにあるのだろうか。また、祝い金を賢く使うにはどんな点に気をつければいいのだろうか。
そこで本記事では、「学資保険の祝い金とはどんなものなのか」について解説する。
ぜひ参考にして、祝い金に関する知識を深め、有効に活用できるようになろう。
学資保険の祝い金とは?
文部科学省が調査した「国公私立大学の授業料等の推移」によると、各大学の授業料は国立大学で53万5,800円、公立大学は53万8,743円、私立大学は90万4,146円となる。
学資保険は、将来必要になる子どもの教育資金を準備する目的で、子どもが生まれたら加入している人が多い。
学資保険には、さまざまな商品の特徴がある。その中でも、学資保険で大きく異なる特徴が祝い金と満期保険金である。
本章では、祝い金と満期保険金の違いや、受け取るタイミングについて解説する。
学資保険の祝い金と満期保険金の違い
祝い金は、子どもが進学するタイミングに合わせて、学資保険から一定の祝い金が支払われる。
祝い金が支払われるタイミングは、商品によって異なるが小学校や中学校、高校と進学すると祝い金が支払われることが多い。
祝い金は、各年齢で同額のケースと、年齢によって祝い金が異なる商品がある。
こうした祝い金が設定されている理由は、進学先に応じて教育資金が必要にあるからである。
文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」によると、学習費の総額は、以下の通りになる。
幼稚園から高校まですべて公立の場合、学習費の総額は以下の通りになる。
- 幼稚園:約48万円
- 小学校:約180万円
- 中学校:約159万円
- 高校:約153万円
合計すると約570万円となる。また、高校のみ私立の場合は以下の通りである。
- 幼稚園:約48万円
- 小学校:約180万円
- 中学校:約159万円
- 高校:約315万円
合計すると約732万円となる。次に、中学から私立の場合は学習費が1,000万円を超える。
- 幼稚園:約48万円
- 小学校:約180万円
- 中学校:約429万円
- 高校:約315万円
合計すると、約1,008万円となる。最後に、小学校から私立の場合、学習費の総額は以下の通りになる。
- 幼稚園:約48万円
- 小学校:約996万円
- 中学校:約429万円
- 高校:約315万円
合計すると約1,788万円なので、学習費はかなり高額になる。
幼稚園まで私立になった場合、学習費の総額はおよそ約1,830万円となる。
このように、進学先によって教育費が異なる。
さらに、私立学校に進学すると教育費が公立に比べ高額になりやすい。
進学先に必要な教育費をまかなう目的で、学資保険の祝い金が支払われる。
一方、満期保険金は学資保険が満期になった場合に支払われる資金である。
満期が18歳の場合、満期金は18歳で支払われる。
満期保険金は、一括して支払われるタイプと、満期到達後、分割して支払われるタイプがある。
学資保険の祝い金を受け取るタイミング
祝い金を受け取るタイミングは、商品ごとに異なる。
一例として、学資保険として受け取る満期金のトータルが200万円の場合、祝い金がどのタイミングでいくら受け取れるかシミュレーションする。
- 10歳:10万円
- 中学生入学:20万円
- 高校生入学:20万円
- 大学入学:50万円
- 満期保険金:100万円
このように、祝い金は商品によって支払われ方や金額も異なるので、契約前に確認したうえで準備するのが良いだろう。
学資保険の祝い金の額と計算方法
祝い金の額は、契約する金額によって異なる。
一般的に、契約金額が多ければ祝い金も多くなる。
例えば、満期金のトータルが300万円の場合、祝い金は一例として以下のようになる。
- 10歳:20万円
- 中学生入学:30万円
- 高校生入学:30万円
- 大学入学:70万円
- 満期保険金:150万円
もしくは、祝い金の額は変わらず満期保険金だけが増額されるパターンもある。
契約する商品で祝い金がいくらになるか、また受け取れるタイミングも異なる。
事前にどのタイミングで祝い金を受け取りたいか、確認したうえで準備すると良い。
また、祝い金は各保険会社によって計算方法が異なるので、少しでも返戻率が高い学資保険を選ぶと良いだろう。
学資保険の祝い金にかかる税金の仕組みと対応策
学資保険は、子どもが一定の年齢に達するまで保険料を積み立てて、一定のタイミングで祝い金や満期金を支払う保険だが、祝い金や満期金には税金がかかる。
祝い金がどのような税金の区分になるかは、契約しているパターンによって変わる。
学資保険で受け取る祝い金に、どのような税金がかかるのか、種類や処理方法について解説する。
学資保険の祝い金にかかる税金
学資保険の祝い金にかかる税金は、保険料を支払う人(契約者)と、祝い金や満期金の受取人がどのような関係性かによって異なる。
- 契約者と受取人が同一で満期金が一括受け取り:所得税(一時所得)
- 契約者と受取人が同一で満期金が年金受け取り:所得税(雑所得)
一時所得は、労務や役務の対価として受け取った一時的な資金に対して発生する。
祝い金や満期金を一括して受け取る場合に、一時所得として扱う必要がある。
次に、雑所得は祝い金を年金形式で受け取った場合にかかる。
雑所得とは、利子所得や配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得および一時所得のいずれにも該当しない所得である。
学資保険の一時所得・雑所得の処理方法
一時所得税がかかるかどうかは、満期金と支払った保険料が関係する。
一時所得税の計算式は、以下の通りである。
特別控除額を差し引いて、余った金額の2分の1が一時所得となる。
例えば、満期保険金が300万円で、支払保険料の合計が240万円だった場合を計算する。
10万円の2分の1である5万円が一時所得となる。
次に、満期保険金が300万円で支払保険料の合計が290万円だった場合、特別控除額50万円を下回るので、一時所得はかからない。
そのため、満期金と支払保険料の総額が50万円未満であれば一時所得を考慮する必要がない。
一方、雑所得は以下の方法で計算する。
雑所得は、一時所得のように特別控除額がない。
計算式で算出した額が25万円以上だと、年金を受け取る場合に源泉徴収が行われる。
そのため、年金から税金を引いた金額が受け取れる。
学資保険の祝い金の節税方法
祝い金を節税する方法は、一時所得で受取金と保険料の支払額の差額が特別控除額である50万円を下回ると節税できる。
満期金を一括して受け取る場合であれば、一時所得となる。
また、学資保険を契約していると、生命保険料控除が利用できる。
生命保険料控除は、支払った保険料に応じて所得税や住民税が軽減できるメリットがある。
学資保険の祝い金を賢く使うためのポイント
学資保険に加入する一番の目的は、子どもの教育資金を準備することだ。そのため、祝い金や満期金は将来必要になる大切な資産であり、その使い方もまた重要になる。
とはいえ、学資保険の使いみちを必ずしも教育資金とする必要はない。
受け取った満期金は、進学後の就職や結婚資金に使うという選択肢もあるのだ。
そこでここでは、祝い金をより賢く使うためのポイントを、以下の観点から利用する。
- 教育資金に活用
- 長期的な資金で活用
- その他の有効な方法
教育資金として活用する以外に、どのような使い方ができるかを知るための参考にしてほしい。
教育資金に活用
基本的な使い方としては、教育資金に活用する。
特に活用するタイミングとしては、大学の教育資金である。
文部科学省が調査した「国公私立大学の授業料等の推移」のなかで、各大学の4年分の学費と入学金を合計すると以下の通りになる。
- 国立大学:242万5,200円
- 公立大学:254万7,327円
- 私立大学:386万6,469円
さらに、大学生の場合は下宿などの費用が追加でかかる場合もある。
そのため、授業料以外の資金も準備する必要があるだろう。また、進学先が公立か私立によっても教育費のかかり方が大きく異なる。
実際に、公立小学生の学習費は総額で約35万円になるのに対し、私立小学校だと約167万円で、1年で約5倍の学習費に違いがある。
教育資金がいくらになるか見通しによっては、予定通り教育費として学資保険を使う必要がある。
長期的な資金で活用
目先の教育資金として活用せずに、将来の資金として活用するケースもある。
学資保険を準備して満期金を受け取っても、教育費以外にも利用可能である。
その場合は、子どもの就職や結婚資金としての活用も可能である。
満期金をそのまま受け取るだけではなく、さらに資金を増やすことができないか確認すると良い。
長期的な資金として活用するために、満期金の受け取り時期を先延ばして、保険会社に運用してもらい資金を増やすことも考えられる。
例えば、満期金が受け取れる年齢が22歳になった場合と18歳になった場合で、満期金の返戻率が1%ほど異なる。
このように、満期金の受け取り期間をできるだけ遅く設定すれば、受け取れる資金も増え、長期的な目的で準備できる。
できるだけ満期金の受け取り時期を遅めに設定して、教育資金より先の目的で使えるようにすると良い。
その他の有効な方法
その他の有効な使いみちとしては、そのまま運用して自分たちの老後資金や住宅ローンの繰り上げ返済資金に充てるのも有効である。
その場合は、運用する期間が長くなるので、より利率が高い金融商品に預け替えると良いだろう。
一般的に、金利の高い金融商品には株式や投資信託がある。
積極的に資産を増やしたいのであれば検討すると良いだろう。
特に、2024年から拡充したNISAに預けるための資金に活用しても良いだろう。
また、より安定的に運用を希望する場合は、一時払い終身保険に預けると良いだろう。
特に、外貨建て一時払い終身保険は、生命保険の商品の中でも金利が高く準備できる期待値が高い。
ただし為替リスクがあるため、元本割れの可能性があることも考えなければならない。
まとまった資産を比較的安定的に運用したい人は検討すると良い。
最後に、元本割れのリスクをできるだけ低く抑えたい場合は、銀行などの定期預金を検討すると良いだろう。
銀行の定期預金は、長らく低金利の時代が続き、10年物の定期預金でも金利が0.002%で推移していた。
しかし、10月末に日銀がイールドカーブコントロールを事実上撤廃したため、11月から定期預金の金利が上昇した。
その結果、主要メガバンクでは10年物の定期預金の金利が0.2%まで引き上げられている。
株式や投資信託、生命保険より利回りは低いが、すぐに引き出せる点がメリットなので、もしすぐにお金を使いたいのであれば、定期預金を検討すると良い。
以上から、お金の使いみちによって預ける商品も異なる。
どの金融商品に預けるかは、使いみちや資産状況などによって異なる。
そのため、資産運用の専門家に相談すると良いだろう。
学資保険の祝い金を賢く使おう!
本記事では、「学資保険の祝い金とはどんなものなのか」について解説した。
学資保険の祝い金は、各進学時に保険金を分割して受け取る方法で、教育資金が必要なタイミングで都度お金が受け取れる点がメリットである。
ただし、祝い金の受け取り方によっては税金がかかるので、どのように受け取るかは良く把握しておく必要があるだろう。
また、祝い金の使い方は契約した人の自由ではあるものの、教育費として使わなくなる可能性もある。
どのように使うかは、契約後でもよく考えておく必要があるだろう。
保険の選択や祝い金の活用法について疑問や不安があれば、保険のプロに相談することで自分に必要な学資保険を見つけることができるだろう。
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