- 60代からでも生命保険が必要なのかが分からない
- 60代向けの生命保険の選び方を理解したい
- 60代で加入すべきおすすめの生命保険が知りたい
この記事では、60代で生命保険に加入する必要性について解説する。
60代を超えて、定年を迎える頃になると収入が減るため、支出の見直しを始める人もいるだろう。
限られた収入の中で、不要な支出はなくしたいが、このとき生命保険はどうすればよいのだろうか?
60代になると生命保険の目的が変わるため、保険の見直しや新規加入を考えた方がよい。
60代での生命保険の目的や必要性、その世代での保険の選び方、おすすめの保険までを紹介するので60代の人は参考にしてほしい。
選び方を知る前に!60代での生命保険の必要性
ここでは、60代での生命保険の必要性について解説する。
自分に万一のことがあった場合には、生命保険が、残された家族の生活費や子どもの教育費などへの備えになる。
一家の稼ぎ手は、万一の場合でも家族への経済的責任を果たすために生命保険に加入するが、60代になるとその責任は減っていく。
しかし経済的責任が減る60代でも、保険に加入している人が多いのは、なぜだろうか?
60代でも保険に加入している人の目的を説明する。
60代での生命保険の加入状況
60代でも、多くの人が生命保険に加入している。
実際には、どのくらいの人が生命保険に加入しているかを見てみよう。
年齢 | 世帯主の生命保険加入率※1 |
---|---|
平均値 | 84.9% |
29歳以下 | 63.5% |
30~34歳 | 87.8% |
35~39歳 | 83.3% |
40~44歳 | 88.6% |
45~49歳 | 89.6% |
50~54歳 | 90.3% |
55~59歳 | 91.8% |
60~64歳 | 89.3% |
65~69歳 | 90.8% |
70~74歳 | 82.4% |
75~79歳 | 79.1% |
80~84歳 | 68.1% |
85~89歳 | 56.6% |
90歳以上 | 30.4%※2 |
※1 平均値:P9「〈図表Ⅰ−6〉 世帯主の加入率の推移」2021年の値を引用
年齢別値:P10「〈図表Ⅰ−7〉 世帯主の加入率(世帯主年齢別)」全生保の値を引用※2 この値を算出した調査サンプルの数は30未満
このように60代での生命保険の加入率は、平均値を超えて、約90%もある。
60代は経済的責任が減っている
結婚・出産により家族が増えることで、経済的責任も大きくなる。
子どもの人数や進路によっては、さらに子どもにかかる費用が増えるため、その責任はさらに大きくなる。
このため多くの人は、自分に万一のことがあったときの備えとして、家族のため生命保険に加入する。
しかし60代になると子どもが独立し、子どもの生活費や教育費がなくなるため、経済的責任も減っていく。
それでもなお、保険加入率が高いのは、なぜだろうか?
60代になると保険の目的が変わる
ここでは60代の人が、どのような保険に加入しているのか見ていこう。
下記の表では、世帯主が加入している生命保険の死亡保険金額を。
年齢別にまとめたので確認してほしい。
年齢 | 世帯主が加入している 生命保険の死亡保険金額※1 |
---|---|
平均値 | 1,386万円 |
29歳以下 | 1,440万円 |
30~34歳 | 1,793万円 |
35~39歳 | 1,945万円 |
40~44歳 | 1,964万円 |
45~49歳 | 2,040万円 |
50~54歳 | 1,650万円 |
55~59歳 | 1,545万円 |
60~64歳 | 1,215万円 |
65~69歳 | 772万円 |
70~74歳 | 788万円 |
75~79歳 | 592万円 |
80~84歳 | 580万円 |
85~89歳 | 557万円 |
90歳以上 | 353万円※2 |
※1 平均値:P28「〈図表Ⅰ−34〉 世帯主の普通死亡保険金額」2021年全生保の値を引用
年齢別値:P29「〈図表Ⅰ−36〉 世帯主の普通死亡保険金額(世帯主年齢別)」全生保の値を引用
※2 この値を算出した調査サンプルの数は30未満
この表では45〜49歳でピークとなる死亡保険金額は、それ以降下落し、65歳以下では1,000万円を割り込んでいる。
これは世帯主の経済的責任が減ることにともない、万一の備えである死亡保険金額も下がるからだ。
しかし死亡保険金額が下がる60代でも、保険加入率は約90%と高いことから、保険の目的自体が変わっているのではないだろうか?
60代での生命保険の必要性
高齢になれば、三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)などの発病リスクが高まる。
女性の場合には、高齢になると、骨粗しょう症によるケガ(骨折)のリスクも拡大する。
また仮に要介護状態になった場合でも、より快適な環境で過ごすためには、医療保障だけではなく介護保障も充実させる必要がある。
これらのことから、60代になれば生命保険の目的は家族のための万一の備えから、自分のための医療や介護への備えに変わる。
このため60代になれば、医療や介護に手厚い保障内容になるように、保険を見直す必要がある。
相続税対策手段としての生命保険
医療や介護だけを考えるならば、死亡保険金はないが、これらの保障が手厚い医療保険や介護保険も選択肢に入るだろう。
本当に死亡保険金は、不要だろうか?
自分が亡くなると、自分の老齢年金がなくなるため、残された配偶者が得られる年金の額も減る。
不動産や貯金などの資産を配偶者が相続すれば、生活費の足しにはなるが、相続税の対象にもなる。
みなし相続財産として扱われる生命保険の死亡保険金は、一定の金額まで非課税となるので、残された家族に多くの金額が残せる。
不動産や預金など通常の財産とは、別枠で相続税を計算。みなし相続財産には控除枠(500万円×法定相続人の数)があり、その金額内であれば相続税は発生しない。
<例>妻と子ども2人の場合:この場合では法定相続人は3人となるため1,500万円(=500万円×3人)までになる
60代の生命保険の選び方
ここまで60代の人の生命保険の必要性を説明した。
60代になれば生命保険の加入目的が変わるため、現在加入中の生命保険の保障内容が十分でなければ、保険を見直す必要がある。
ここでは、現在加入中の生命保険を見直す場合での、60代の生命保険の選び方を解説する。
さらに、過去に病歴がある人や健康状態に不安がある人にも、加入できる保険も紹介する。
保険を選ぶ際の参考にしてほしい。
60代は医療や介護の保障が充実した保険を選ぶ
年を取るごとに、病気やケガ、さらには要介護状態になるリスクが高まる。
病気やケガには国民健康保険などの公的医療保険制度、要介護状態になった場合には介護保険制度といった社会保障制度もある。
しかし昨今では、少子高齢化にともない医療費が我が国の財政を圧迫しているため、今後いつ制度が見直されてもおかしくない。
また公的医療保険制度や介護保険制度だけでは、快適な療養環境を手に入れることは難しいだろう。
このため、医療や介護の保障が充実した保険に加入して、自分の身は自分で守らなければならない。
60代は終身保険の切り替えも検討する
現在、定期保険に加入している人は、終身保険への切り替えを検討すべきだ。
定期保険は、被保険者(保険の対象者)の年齢が高くなるほど、保険料も高額になる。
また80歳を超えると、定期保険の更新や他の保険への新規加入ができなくなることもある。
一方で終身保険は、被保険者が亡くなるまで保障が続くため、将来の医療保障や介護保障の不安はなくなるはずだ。
終身保険に切り替える際には、保障内容が充実している医療特約や介護特約を付けるようにしよう。
健康状態に不安のある60代でも加入できる生命保険
過去に病歴がある人や健康状態に不安がある人のなかには、生命保険の加入をあきらめている人はいないだろうか?
既往歴がある人や健康状態の悪い人は、保険会社の診査に通過しない場合もある。
そのような場合には、引受基準緩和型保険や無選択型保険も検討しよう。
長所 | 短所 | |
---|---|---|
引受基準緩和型保険(限定告知型保険・選択緩和型保険) | 一般的な生命保険と比べて、審査基準が低い 加入前の持病も保障対象に含まれる | 一般的な生命保険と比べて、保険料が高い 保険加入から一定期間は、保険金の金額が減らされることがある |
無選択型保険 | 生命保険の加入時に、健康状態に関する情報提供を、保険会社に報告する必要はない。このため健康状態に関係なく保険に加入できる。 | 引受基準緩和型保険よりも保険料が高く、保険金の設定金額は低い 保険加入から一定期間は、以下のような制限が付けられる場合がある 保障対象外になる 保険金の金額が減らされる |
60代におすすめする生命保険3選
これまで述べたように60代の人が加入すべき生命保険は、「医療や介護の保障が充実した終身保険」だ。
このことを前提に、60代の人におすすめする生命保険を三つ紹介する。
さらに高齢になると保険料は高くなるが、この負担を減らす方法も説明する。
明治安田生命“ベストスタイル”
この生命保険は、「必要な保障を必要な分だけ」というコンセプトを持った保険商品だ。
この保険では、30の特約を自分のニーズに合わせて組み合わせることで、自分だけの生命保険が作れる。
「終身保険特約」を軸に、以下の医療保障と介護保障から必要な特約を加えれば、60代に適した生命保険が出来上がる。
- 医療保障
- 入院治療保障特約
- 入院初期一時金給付特約
- 新・入院特約
- 終身入院特約
- 退院後通院治療保障特約
- 外来時手術保障特約
- 先進医療保障特約
- 特定損傷給付特約
- 傷害特約
- 早期発見・治療支援特約
- 重症化予防支援特約
- 重度疾病継続保障特約
- がん保障特約
- がん・上皮内新生物保障特約
- 特定自費診療がん薬物治療保障特約
- がん検診支援給付金付女性がん保障特約
- 介護保障
- 新・介護保障特約
- 介護サポート終身年金特約
この保険は医療保障が充実しており、30もある特約のうち16が医療保障の特約だ。
しかし特約が多すぎることは、この保険のデメリットでもある。
つまり必要な保障内容が曖昧であると、付けるべき特約を迷うことや、余分な特約を付けてしまう恐れもある。
第一生命“ジャスト”
この生命保険は、14の保険のなかから必要なものを選んで、自分に合った保障を作る「組立型総合保険」だ。
14の保険から「終身保険」を軸にして、医療保障と介護保障から必要なものを加えれば、60代に合った生命保険が出来上がる。
- 医療保障
- 総合医療一時金保険
- 先進医療保険
- 女性特定治療保険
- 特定損傷保険
- 介護保障
- 介護・身体障害所得保障保険
- 3大疾病・介護・身体障害保険
- 軽度3大疾病・介護・身体障害保険
- 認知症保険
朝日生命“やさしさプラス”
この生命保険も必要な保障を組み合わせるタイプの保険だが、この保険は保障内容を最新のものに更新できる。
例えば医療技術の進化によって保障内容も更新されると、すでに加入している医療保障を最新版に変えることも可能だ。
この15の保険から「終身保険」を軸に、医療保障と介護保障から必要な保険を加えると、60代向けの保険が出来上がる。
- 医療保障
- 医療保険
- 継続入院時収入保障保険〈療養サポート〉
- 生活習慣病保険
- がん保険
- 介護保障
- 軽度介護定期保険/軽度介護終身保険〈要支援保険〉
- 介護終身年金保険
- 介護一時金保険
- 認知症介護終身年金保険
- 認知症介護一時金保険
この保険の女性加入者には、「女性のための健康相談サービス」が無料で受けられる。
【女性のための健康相談サービス】
女性の保険加入者は女性の専門相談員に、育児・介護・女性特有の病気に関して電話で相談できる。
相談員は保健師・看護師・助産師・管理栄養士・ケアマネージャーなどが担当。場合によっては、内科・婦人科・産婦人科・泌尿器科・皮膚科の女性医師が加わる場合もある。
このように、「いつ保険に加入するか」で最適なプランは異なる。また同じ60代であっても、性別や独身・既婚などのステイタスによってその最適解は変わってくる。
年齢別におすすめの保険や60代におすすめの保険をまとめたこちらの記事も参考にしていただくと、より60代が気をつけるべきポイントへの理解も深まるだろう。
保険料の負担を減らす方法
60代で保険を見直す場合には、保険料が高額になってしまう場合もあるだろう。
そのときは保険料の負担を抑えるために、退職金の活用を検討してみてはどうだろうか?
退職金の一部を使って、保険料の一時払いや頭金払いをすれば、保険料は割引かれる。
- 一時払い:保険料総額を一括で払う方法
- 頭金払い:保険料総額の一部を最初に払い込む方法
また健康体割引制度がある保険会社であれば、この制度に該当する人は、ぜひ活用しよう。
以下の場合のいずれかに該当すれば、保険料が割引かれる制度
- 健康診断結果が、保険会社が規定する水準以下である場合
- ニコチン検査の結果、1年以上喫煙していないことが確認できた場合
健康診断の結果に関係なく、診断結果を提出すれば、保険料を割引く保険会社もある
60代の生命保険の選び方のポイントは医療保障や介護保障が充実した終身保険を選ぶこと
この記事では、60代が生命保険に加入すべき必要性や保険の選び方、60代におすすめの生命保険を解説した。
この世代では、家族に対する経済的責任が減るかわりに、老後の医療費や介護費の備えが必要になってくる。
このため保険も、医療や介護に手厚い保障にするため、これまで加入していた保険の見直しが必要になる。
保険を見直す際に疑問や不安があれば、保険のプロに相談すると、的確なアドバイスが得られるだろう。
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