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生命保険の満期保険金の受け取り金額はいくらになる?注意点を理解しておこう

この記事で解決できるお悩み
  • 生命保険の満期保険金がどれくらい受け取れるのか知りたい
  • 満期保険金が受け取れる生命保険を利用する際の注意点を理解したい
  • 満期保険金にかかる税金の仕組みを知りたい

生命保険が満期を迎えた際に受け取れる保険金について、事前にその金額を把握しておきたいという人は多いだろう。

そこで本記事では、満期保険金の計算方法や満期保険金が受けとれる生命保険を利用する際の注意点、さらに税金の仕組みについて詳しく解説する。

満期保険金の金額をあらかじめ把握しておきたいという方には、ぜひ参考にしてほしい。

目次

生命保険の満期保険金はいくら受け取れるのか

満期保険金の受け取りを楽しみにして、貯蓄性のある生命保険を選ぶ人は多いだろう。

貯蓄性のある生命保険の養老保険・学資保険・個人年金保険の3種類の保険について解説を行う。

実際の商品を使った保険料や満期保険金も紹介するので、ぜひ参考にしてほしい。

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養老保険

養老保険は「15年間」「60歳まで」など一定期間の死亡、高度障害の保障を確保する保険だ。

期間中に死亡した場合は死亡保険金が支払われ、満期まで生存していた場合は満期金が支払われる。

つまり、死亡しても生存していても保険金が必ず支払われるのが特徴だ。

そのため保険料は割高に設定されているが「一定の期間、保障を確保しながら貯蓄したい」という子育て世代の方や退職前の方におすすめである。

解約した場合は解約返戻金が受け取れるのも特徴だ。

JA共済「養老生命共済」

JA共済の「養老生命共済」で、実際にどのくらいの保険料でいくらの満期金が受け取れるか、30歳男性・共済掛金払込期間・共済期間30年でシミュレーションしたので参考にしてほしい。

なお、特約はつけず主契約のみのプランとする。

主契約(満期金)月額共済掛金
300万円8,478円
500万円14,130円
1,000万円28,260円
参考:JA共済「養老生命共済」

払い込む総額掛金は下記のとおりだ。

【300万円】8,478円 × 12ヵ月 × 30年=3,052,080円
【500万円】14,130円 × 12ヵ月 × 30年=5,086,800円
【1,000万円】28,260円 × 12ヵ月 × 30年=10,173,600円
参考:JA共済「養老生命共済」

つづいて、それぞれの返戻率を算出してみよう。

返戻率の計算方法は、満期金 ÷ 共済掛金総額で算出することが可能だ。

【300万円】3,000,000円 ÷ 3,052,080円=0.982
【500万円】5,000,000円 ÷ 5,086,800円=0.982
【1,000万円】10,000,000円 ÷ 10,173,600円=0.982
参考:JA共済「養老生命共済」

すべて98.2%の返戻率となった。「支払う金額のほうが多いなら損するのでは?」と思った人もいるだろう。

たしかに上記の金額だけ見れば支払う金額が多いことに目がいきがちになるだろう。

しかし、養老保険は単なる貯蓄ではなく、保障性もある保険であることを忘れてはならない。

たとえば預貯金で300万円貯めることにするとしよう。

万が一、1ヶ月で死亡した場合に家族に残せる金額は8,478円のみである。

しかし養老保険であれば加入後1ヶ月で死亡しても300万円を家族に残すことができるのだ。

少し元本割れはするが、この特徴は養老保険の大きな強みと言えるだろう。

学資保険

「子どもが生まれたら学資保険」というイメージを持つ人も多いだろう。

学資保険は子どもの教育費を計画的に準備するために多くの人が活用している。

各保険会社から販売されており、一定の年齢になったときや入学、進学のタイミングに合わせて祝い金や満期金を受け取ることが可能だ。

また、学資保険加入中に契約者が死亡した場合、それ以降の払込が不要になるのも安心できるポイントである。

「自分が事故や病気で亡くなっても、子どもに教育費を残してあげたい」と子どもを持つ人は思うだろう。

学資保険であれば保険料の払込は不要になり、なおかつ予定通り祝い金や満期金を子どもに残すことが可能だ。

確実に教育費を準備するために、多くの方が加入している貯蓄性の保険である。

ソニー生命「学資金準備スクエア」

返戻率が高いことで人気のソニー生命「学資金準備スクエア」を活用して、保険料と満期保険金のシミュレーションをしてみよう。

加入条件は下記のとおりだ。

加入条件
  • 契約者=30歳男性
  • 被保険者=0歳男性
  • 保険期間=18歳満期
  • 保険料払込期間=18歳
学資金(満期金)月額保険料
200万円8,980円
300万円13,470円
500万円22,450円
参考:ソニー生命「学資金準備スクエア」

支払う総額保険料は下記のとおりだ。

【200万円】8,980円 × 12ヵ月 × 30年=1,939,680円
【300万円】13,470円 × 12ヵ月 × 30年=2,909,520円
【500万円】22,450円 × 12ヵ月 × 30年=4,849,200円
参考:ソニー生命「学資金準備スクエア」

学資保険を選ぶうえで重要なポイントとなる返戻率は、満期保険金 ÷ 保険料総額 × 100の式で算出することが可能だ。

【200万円】2,000,000円 ÷ 1,939,680円 × 100=103.1
【300万円】3,000,000円 ÷ 2,909,520円 × 100=103.1
【500万円】5,000,000円 ÷ 4,849,200円 × 100=103.1
参考:ソニー生命「学資金準備スクエア」

すべて返戻率は100%を越えるため、払い込んだ総額保険料よりも多く満期保険金が支払われることがわかるだろう。

また、満期を迎えるまでの期間に契約者が死亡・高度障害状態・不慮の事故による身体障害状態(180日以内)になった場合は保険料の払込は不要となる。

子どもの教育費を確実に貯めるための手段として、学資保険は有効だ。

個人年金保険

個人年金保険とは、公的年金のプラスアルファの老後資金を確保するための保険だ。

払込終了時から年金方式で保険金を受け取る仕組みである。

一括で受け取れる商品もあるが、年金方式で受け取るよりも受取金額が少なくなる場合がほとんどだ。

支払い途中で死亡した場合は、払い込んできた総額の保険料と配当金が家族に支払われる。

上記の養老保険や学資保険と比べると保障性が低いと言えるだろう。

フコク生命「みらいプラス」

フコク生命の「みらいプラス」は、受け取る金額ではなく保険料を設定して契約する仕組みになっている。

8,000円、10,000円、15,000円、20,000円、30,000円の中から選択することが可能だ。

契約年齢30歳、年金開始年齢65歳、10年確定年金定期型で受け取れる金額を確認しよう。

月額保険料受取総額55歳まで払込受取総額60歳まで払込
8,000円2,508,000円2,966,000円
10,000円3,136,000円3,708,000円
15,000円4,500,000円5,400,000円
参考:フコク生命「個人年金保険みらいプラス」

55歳まで保険料を支払い、10年間すえ置いて65歳から受け取るパターンと、60歳まで保険料を支払い、5年間すえ置いて65歳から受け取るパターンがある。

保険料年金額55歳まで払込年金額60歳まで払込
8,000円25.08万円 × 10年間29.66万円 × 10年間
10,000円31.36万円 × 10年間37.08万円 × 10年間
15,000円47.04万円 × 10年間55.62万円 × 10年間
参考:フコク生命「個人年金保険みらいプラス」

ここからは気になる返戻率を計算してみよう。

【55歳まで】2,508,000円 ÷ 2,400,000円 × 100=104.5%
【60歳まで】2,966,000円 ÷ 2,880,000円 × 100=102.9%
参考:フコク生命「個人年金保険みらいプラス」

すえ置く期間を長くしたほうが、返戻率が良くなる結果となった。

個人年金に加入する際は、保険料との兼ね合いもあるがなるべく払込を早く終わらせることがおすすめだ。

満期保険金が受け取れる生命保険を利用する際の注意点

満期保険金がある生命保険は、万が一の備えをしながら確実に貯蓄ができて、受取人の楽しみの1つだ。

しかし

「注意すべきポイントはないのだろうか?」

「保険選びに失敗しないためにはどのような工夫があるのだろうか?」

と悩む人もいるだろう。

そこでここからは下記について解説していく。

  • 保険料が高額になりやすいため、保険料と保障内容のバランスを見極める
  • 返戻率が高い保険を選べるよう、複数の保険会社の比較検討を行う
  • 保険金の利用用途を事前に検討する

ぜひ参考にしてほしい。

保険料が高額になりやすいため、保険料と保障内容のバランスを見極める

満期保険金のある生命保険の特徴として、保険料が高額になりやすいことが挙げられる。

そのため、保険料と保障内容のバランスを見極めて満期金額を設定すべきだ。

無理な設定をして途中解約となった場合は、ほとんどが元本割れして損をしてしまう可能性が高い。

満期保険金のある生命保険は、最後まで続けるからこそ恩恵を受けられる商品がほとんどだ。

どうしても高額になりやすい保険料には注意が必要だ。

保障内容とのバランスを見極めながら、無理なく支払い続けられる保険料に設定しよう。

返戻率が高い保険を選べるよう、複数の保険会社の比較検討を行う

満期保険金を受け取れる生命保険への加入を検討しているのなら、返戻率は必ずチェックしたい項目だ。

返戻率が高いほど、払い込んだ保険料よりも多くの満期保険金を受け取れるからである。

返戻率100%は払込保険料と満期保険金が同額であることを意味し、返戻率が100%を下回ると保険料のほうが多いことを意味する。

したがって、返戻率が100%以上のものを選ぶことをおすすめする。

少しでも返戻率の高い保険を選べるように、複数の商品を比較してチェックしてほしい。

保険金の利用用途を事前に検討する

満期保険金の利用用途を事前に決めておくことも大事だ。

利用用途を明確にすることで、受け取りたい満期保険の額も決まりやすくなり、保険料を支払い続けるモチベーションにもつながるだろう。

なんとなく支払い続けるよりも「子どもの大学費用のため」「住宅購入のため」など保険金の利用用途を事前に検討しておくことをおすすめする。

生命保険の満期保険金に税金はいくらかかるのか?

「満期保険金は楽しみだけど税金はどれくらい払う必要があるのだろう」と不安に思う人も多いのではないだろうか。

満期保険金のある生命保険への加入を検討しているなら、税金についてしっかり理解しておくべきだ。

ここからは、満期保険金にかかる税金の種類と、契約者と受取人の設定で税金が変化する点、確定申告の方法を解説していく。

最後まで読めば、満期保険金に関する税金についてしっかり理解することができるだろう。

満期保険金にかかる税金の種類

満期保険金にかかる税金は、所得税か贈与税だ。

どちらに分類されるかは、契約者と受取人を誰に設定するかで決まる。

贈与税は所得税に比べてかなり高額になるため、必ず理解しておこう。

下記で詳しく解説するので、ぜひ参考にしてほしい。

契約者と受取人の関係でかかる税金は変化する点

満期保険金の税金は、契約者と受取人を誰に設定するかが重要だ。

たとえば自分で保険料を支払い、自分で満期保険金を受け取る場合は所得税、自分以外が受け取る場合は贈与税に分類される。

契約者受取人税金
AA所得税
AB贈与税

また、所得税は受け取り方によって一時所得と雑所得にさらに分類され、贈与税は受取人との関係で特例贈与と一般贈与に分類される。

所得税

満期保険金を一括で受け取る一時所得
満期保険金を年金方式で受け取る雑所得

贈与税

受取人が20歳以上の子どもや孫特例贈与
上記以外(配偶者、親など)一般贈与

確定申告の方法

満期保険金の金額によっては、確定申告が必要な場合がある。

所得税と贈与税、それぞれのケースで確認しよう。

一時所得

満期金を一括で受け取る場合にかかるのが一時所得だ。

一時所得には特別控除が適用され、下記のように計算される。

満期金-払込総額保険料-特別控除(最高50万円)× ½

特別控除があるため、満期保険金と払込総額保険料の差額が50万円以上ある場合は、確定申告が必要だ。

雑所得

満期金を一括で受け取らず、年金方式で受け取る場合は雑所得に該当する。

雑所得には控除がないので、下記のように計算される。

年金方式で受け取った金額-金額に対して支払った保険料

たとえば年金額50万円に対して支払った保険料が30万円の場合、差額の20万円を他の所得と合計して計上する必要がある。

贈与税

自分以外の受取人が満期保険金を受け取った場合、贈与税に該当し、確定申告が必要になるケースが多い。

払込保険料の総額から基礎控除の110万を差し引き、下記のように計算する。

基礎控除後の金額 × 税率ー速算控除額

110万円を差し引いた後の金額によって税率や速算控除額が異なる。

贈与税は所得税よりも高額になりやすいため、受取人の設定は慎重に考えよう。

生命保険の満期保険金をいくら受け取れるか、加入前にシミュレーションしてみよう

本記事では、満期保険金の計算方法や満期保険金が受けとれる生命保険を利用する際の注意点、さらに税金の仕組みについて詳しく解説した。

満期保険金が受け取れる生命保険の金額についてシミュレーションを行ったので、参考にしてほしい。

これらの貯蓄型の生命保険は、満期保険金を受け取れる代わりに保険料が高額になりやすいので、解約しないよう保障内容と保険料のバランスに気をつけるべきだ。

また満期保険金にかかる税金の仕組みについて正しく理解し、損をしないようにしよう。

生命保険を利用する際には、保険料の設定や受け取り時の税金の計算など考慮すべき点が多い。

もしも、自分に適した保険を探すことに少しでも疑問や不安があれば、保険のプロに相談することで最適な生命保険が見つかるだろう。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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