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生命保険の保険料はどう決まるのか?仕組みや保険料の月額平均額を解説

この記事で解決できるお悩み
  • 生命保険の保険料の計算方法が知りたい
  • 生命保険の保険料の月額平均が知りたい
  • 自分に最適な生命保険がどれなのか分からない

生命保険の保険料はどうやって決定されているのか、あなたは知っているだろうか。

保険料の計算方法や月額平均額を知り、また生命保険を選ぶポイントを理解することで自分に最適な生命保険を選ぶことができるようになるだろう。

本記事では、生命保険の保険料の計算方法や月額の平均額を説明し、最後に自分に合う生命保険を選ぶためのポイントについて解説する。

生命保険への加入を検討する際の参考材料としてほしい。

目次

生命保険の保険料の計算方法

生命保険の保険料の計算方法 生命保険ナビ

生命保険は「助け合い」や「相互扶助」という考え方によって成り立っている。

多数の契約者が保険料を支払い、その中の誰かが死亡した場合や病気になった場合に保険金を受け取れるという仕組みだ。

一人ひとりが支払う保険料はそれほど大きくなくても、多数で保険料を支払うことで、万が一の際にまとまったお金を準備しやすくなる。

そのため、保険料の金額については公正・公平に決まる必要があり、正しく運用されなくてはならない。

まずは、生命保険の保険料がどのように決まるかや、基本的な考え方・仕組み、具体的な計算方法について理解していこう。

純保険料と付加保険料

生命保険の契約者が保険会社に払い込むお金を保険料と呼ぶが、保険料には「純保険料」と「付加保険料」の2種類がある。

「純保険料」は、死亡や怪我・病気など万が一の際に支払われる保険金や給付金を賄う部分の保険料だ。

相互扶助が根底にある生命保険においては、「収支相当の原則」が保険料の基本的な考え方となる。

これは、加入者から集めた保険料と支払う保険金が等しくなるという考え方で、計算式にすると下記の通りだ。

保険金×死亡者数=保険料×契約者数

純保険料はこの考え方に従って、契約者から集めた保険料と、将来支払う予定の保険金の総額が等しくなるようにしている。

そのため、純保険料部分については保険会社の利益とはならず、加入者の中で分配される。

これに対して、保険会社の利益や経費にあたるのが「付加保険料」だ。

保険会社が生命保険商品を販売するためには、商品の企画・開発にかかるコストや、従業員に支払う人件費、CMやパンフレットなどの広告宣伝費などさまざまな費用がかかる。

会社を運営していくためには、これらの費用に加えて利益もしっかりとあげる必要があるため、付加保険料を純保険料に上乗せしている。

純保険料の金額は保険会社によってそれほど差は出にくいが、経費や利益によって変動する付加保険料部分は、保険会社の規模や形態などによっても異なる。

一般的に、営業店舗や営業員を多数有する対面の保険会社の方が、インターネットで手続きを完結するネット系保険会社に比べて、付加保険料が高くなりやすい。

予定率とその構成要素

純保険料や付加保険料をいくらに設定するかにあたっては「予定率」という数値を使って計算する。

予定率の構成要素は以下の3つだ。

  • 予定死亡率
  • 予定利率
  • 予定事業比率

このうち、純保険料の算出に用いられるのが予定死亡率と予定利率だ。

予定死亡率とは、過去の統計をもとに男女別や年齢別の死亡者数を予測して算出した確率のことだ。

仮に、生存数が10万人で死亡者数が70人のときの死亡率は0.07%となる。

このように算出された死亡率をもとに、将来支払う保険金の総額を予測し、加入者から集める保険料を逆算する。

例えば、20代の人と50代の人とでは、若い人の方が死亡する確率は低いため、保障内容が同じだとすると保険料は割安になる。

生命保険のように死亡によって保険金を支払うタイプの保険は、死亡率が高いほど保険料が高くなり、死亡率が低いほど保険料が安くなる傾向がある。

予定利率とは、保険会社が資産運用によって得られると見込んだ利回りのことだ。

保険会社は加入者から預かった保険料をそのままにしておくのではなく、金融商品で運用している。

仮に1年後に1,000万円を支払う場合、何も運用しないと1,000万円を加入者から集める必要がある。

ところが、年間10%の利回りが期待できる資産で運用すれば、1,000万円から10%を割り引いた約909万円のお金を保険料として集めれば足りるのだ。

実際には、予定利率はもっとも長期間での運用を想定した上で複雑な計算によって求められるが、考え方としては、上記の通りだ。

つまり、保険料は将来必要な保険金の金額を予定される運用利率で割り引いた金額となる。

この割り引かれる利率を予定利率といい、予定利率が高いほど保険料を安く設定しやすくなる。逆に、予定利率が低いとその分保険料は高くなりやすい。

予定事業比率は、付加保険料の算出に使われる数値で、主に保険会社の事業運営上必要なコスト・経費の比率だ。人件費や広告宣伝費、管理費などの費用を予測し、付加保険料として上乗せする。

実際の計算方法

保険料の計算を行う際には、「生命表」というものを使って算定する。

生命表とは、一定期間における性別や年齢別の死亡状況をまとめた表のことで、特定の性別・年齢の人が1年以内に死亡する確率や平均余命を知ることができる。

生命表には、国民全体を対象として厚労省が作成する完全生命表や簡易生命表などがある。

それでは、実際の生命表を用いて、保険料を算出してみよう。

第23回生命表における20歳男性の死亡率は0.00044となっている。これは20歳男性が10万人いるとして1年間に44人が亡くなる可能性があることを示している。

ここで、保険加入者が10万人で、死亡時に支払われる保険金が500万円だとすると、必要な保険料は下記の通り計算できる。

必要な保険料=500万円(保険金)×44人(想定される死亡者数)=2億2,000万円

この2億2,000万円を加入者数10万人で割ると、一人当たりの保険料は2,200円と算出される。

実際にはより複雑な数値を用いて計算するが、純保険料が算出される仕組みは上記のとおりだ。

生命表を用いて計算された純保険料に、保険会社ごとの予定事業比率から算出される付加保険料を足したものが、加入者が支払う保険料となる。

生命保険の保険料の月額平均はどれくらいか

生命保険の保険料の月額平均はどれくらいか 生命保険ナビ

生命保険への加入を検討している方の中には、一般的にどのくらいの保険料が妥当なのか気になる方も多いのではないだろうか。

1世帯あたりの平均的な保険料や年代・年収別の平均的な保険料について確認していこう。

1世帯辺りの平均

生命保険文化センターの2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査によると、2009年〜2021年の世帯年間払込保険料は下記の通りだ。

なお、世帯年間払込保険料とは、生命保険に加入している世帯における保険料払込期間中の保険契約について、1年間に払い込む保険料の世帯総額の平均額を示している。

調査年度平均年間払込保険料(全生保)
2021年37.1万円
2018年38.2万円
2015年38.5万円
2012年41.6万円
2009年45.4万円
出典:公益財団法人生命保険文化センター 2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査

2021年の平均年間保険料は37.1万円と、1ヶ月にすると約3万円となる。

時系列で見ると、2009年〜2015年で保険料の金額は減少傾向が続いており、2015年以降はほぼ横ばいとなっている。

近年はインターネットで手続きを完結できる安価な保険も増えてきたため、保険料が下がってきたと推測できる。

年代ごとの平均

続いて、2021年度調査における世帯主の年齢別に見た世帯年間払込保険料は下記の通りだ。

世帯主の年齢平均年間払込保険料(全生保)
全体37.1万円
29歳以下21.5万円
30〜34歳26.2万円
35〜39歳38.2万円
40〜44歳34.8万円
45〜49歳37.5万円
50〜54歳43.2万円
55〜59歳43.6万円
60〜64歳38.4万円
65〜69歳43.6万円
70〜74歳33.7万円
75〜79歳31.4万円
80〜84歳28.6万円
85〜89歳35.8万円
90歳以上25.6万円
出典:公益財団法人生命保険文化センター 2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査 

世帯主年齢別に見た平均年間払込保険料は、20代〜60代の年代では世帯主の年齢が上がるにつれて金額も概ね上がっているのがわかる。

平均保険料の金額は65〜69歳でピークを迎え、それ以降の年齢になると保険料は右肩下がりとなっている。

特に、保険料の金額が大きく上がっているのが「30〜34歳」から「35〜39歳」の層だ。

30代は、結婚や出産、住宅購入などのライフイベントが発生しやすいため、保険に加入する必要性を感じる人が増えるためだと考えられる。

年収別の平均

世帯年収別に見た年間払込保険料は下記の通りだ。

世帯年収平均年間払込保険料(全生保)
200万円未満20.5万円
200〜300万円未満28.0万円
300〜400万円未満31.5万円
400〜500万円未満30.6万円
500〜600万円未満31.9万円
600〜700万円未満32.9万円
700〜1,000万円未満43.4万円
1,000万円以上57.9万円
出典:公益財団法人生命保険文化センター 2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査

世帯年収が上がるにつれて年間払込保険料の金額も上がる傾向がある。特に、世帯年収700万円以上の世帯からの上がり方が顕著だ。

一般的に、世帯年収が上がるほどその世帯で保険に加入している人の年齢も上がりやすく、保険料も上がりやすいと考えられる。

加えて、年収が高い世代ほど、保障のニーズ以外だけでなく節税ニーズや次の世代にお金を残すニーズなど、さまざまな目的によって保険に加入する世帯が多くなるのも理由に挙げられる。

さらに、生命保険に加入している世帯において、世帯年間払込保険料の世帯年収に占める割合を示した世帯年間払込保険料対世帯年収比率は下記の通りだ。

世帯年収世帯年間払込保険料対世帯年収比率(全生保)
200万円未満11.6%
200〜300万円未満11.2%
300〜400万円未満9.0%
400〜500万円未満6.8%
500〜600万円未満5.8%
600〜700万円未満5.1%
700〜1,000万円未満5.2%
1,000万円以上4.2%
出典:公益財団法人生命保険文化センター 2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査

世帯年収別に保険料比率を見ると、世帯年収が低いほど年収に対する保険料の比率が高く、世帯年収300万円未満の層では1割を超えている。

自分に最適な生命保険を見極める方法

自分に最適な生命保険を見極める方法 生命保険ナビ

一口に生命保険といっても、その種類はさまざまだ。

自分にどんな保険が適しているのかや、どんなポイントに気をつけて保険を選べば良いかのか気になる方も多いだろう。

生命保険を選ぶ際は、以下の3つのポイントに注意したい。

  • 自分のライフステージに合わせた保険を選ぶ
  • 保険料と保障内容が適切か考慮する
  • 保険会社を複数社回って比較してみる

自分のライフステージに合わせた保険を選ぶ

まずは、自分のライフステージや加入目的に適した保険を選ぶことが重要だ。

「何のために生命保険に加入するのか」によって必要な保障は変わってくる。

例えば、結婚や子供の誕生などで家族の生活費を担う立場になった場合は、万一の事態に備える死亡保障や働けなくなったときに備える就業不能保障が適しているだろう。

逆に、独身で働き始めたばかりの方などは、医療保障やがん保障など予期せぬ病気に備える保険が必要になるかもしれない。

主な保障ニーズと保険の種類や特約をまとめると下記の通りとなる。

ニーズ主な保険や特約
病気や怪我に備えたい医療保険/入院特約/入院治療保障特約など
がんに備えたいがん保険/がん保障特約/がん・上皮内新生物保障特約など
病気や怪我で働けなくなる場合に備えたい就業不能保険/給与・家計サポート特約など
介護に備えたい介護保険/介護保障特約など
自分の死亡に備えたい終身保険/定期保険/収入保障保険/家計保障年金特約など

自分や家族の年齢、家族構成、今後予定しているライフイベントなどを整理して、今の自分に何が必要なのかを考えることから始めてみよう。

「何に備えるか」が明確になれば、必要な保険期間も自然と決まるだろう。

一生涯保障が必要であれば終身タイプ、一定期間の保障が必要ならば定期タイプの保険を選ぶと良い。

終身タイプの保険は生涯にわたって保障が続くため安心感を得やすいという一方、定期タイプに比べると保険料が割高になりやすい。

それぞれのメリット・デメリットを把握した上で、うまく組み合わせることで、家計の負担を抑えつつ必要な保障を得られるだろう。

保険料と保障内容が適切か考慮する

「何に備えるか」や「どのくらいの期間保障が必要か」が決まったら、保険料と保障内容が適切かを確認しよう。

一般的に、保険金額が大きかったり保障内容が充実したりするほど、支払う保険料の金額も大きくなる。

保険料の金額が大きくなりすぎることで家計を圧迫してしまわないためにも、自分にとって必要な保障内容・保険金額を理解することが重要だ。

日本では、公的年金や公的医療保険など社会保障制度が準備されている。

まずは、どんなときにどんな社会保障制度を利用できるのかを知っておくことで、足りない部分に民間の保険で備えやすくなる。

世帯年収や家族の年齢、勤務形態などによって受けられる給付の内容が変わってくるため、まずは自分がどのような給付・支援を受けられるのかチェックしてみよう。

保険会社を数社回って比較してみる

どんな保険に入りたいかが決まったら、複数の保険会社の商品を比較して検討しよう。

上記で説明した通り、同じような保障の保険であっても付加保険料によって支払う保険料の金額が変わってくる。

また、つけられる特約や保険会社のサービスも異なってくるため、複数の保険会社を回って比較するのは重要だ。

何かあった時のサポート体制や、顧客向けサービスの使いやすさなど、さまざまな観点を総合的に判断しよう。

しかし、自分一人で何社もの保険会社を回ったり、さまざまな保険商品を比較したりするのは手間がかかる。

保険商品の中には複雑な商品性のものも多いため、保険についてあまり詳しくないという方は、たくさんのパンフレットを集めてもうまく比較できないかもしれない。

そんな方は、保険の専門家に相談しながら生命保険を選ぶのも一つの手だ。

中立的なアドバイザーに相談すれば、複数の保険会社の商品を比較しつつ、自分に適した保険商品を紹介してくれる。

税制や社会保障制度にも強いアドバイザーを選べば、万が一の際に自分が受けられるサポートや利用できる制度などについても知ることが可能だ。

「生命保険ナビ」を利用すれば、自分のニーズに合った保険のプロを検索して、気軽に相談できる。

新しく保険に加入したいと考えている方や、現在の保険を見直したいと考えている方は、ぜひ一度利用してみてほしい。

まとめ

まとめ 生命保険ナビ

本記事では、生命保険の保険料の計算方法や月額の平均額、自分に合う生命保険を選ぶためのポイントについて解説した。生命保険は純保険料と付加保険料で計算されている。

このうち保険会社毎に料金の差が出やすいのは付加保険料であり、比較することで自分に最適な保険料の会社か確認することができる。

ただ、一人で会社毎に比較を行っていくのは大変だろう。

そんな時は保険のプロに相談することも検討しよう。

一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、的確に必要な保険を選択することができる。

ただ、生命保険のプロは数多く存在し、自分にとって最適な担当なのかを見極めることもまた難しい。

マッチングサイト「生命保険ナビ」を使えば、自身の条件に合った保険のプロを簡単に見つけることができる。

無料で利用できるので、是非活用してほしい。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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