GMOクリック証券（FXネオ）と松井証券FX（MATSUI FX）は何が違う？2つのサービスの違いを解説

この記事では、GMOクリック証券が提供する「FXネオ」、松井証券のFXサービス「松井証券FX（MATSUI FX）」を紹介する。

初心者にとっては、どこの会社に口座を作ってFXを始めればよいか、迷ってしまうこともあるだろう。

今回紹介する2社のFXサービスは、いずれも初心者に使いやすいものになっているが、それぞれ特徴がある。

よりよいFX取引を行うためには、それぞれの特徴やサービスを理解し、自分にあったサービスを選ぶべきだ。

このためFXサービスで選ぶうえでのポイントも解説するので、FX取引を始めるうえでの参考にしてほしい。

GMOクリック証券（FXネオ）と松井証券FX（MATSUI FX）の主な違い

FXネオを提供しているGMOクリック証券、松井証券FX（MATSUI FX）の松井証券はともに証券会社だ。

株式や投資信託などの金融商品も取り扱っているが、両社はともにFXサービスに注力している。

また両社は、実店舗を持たないネット証券会社でもある。

店舗にともなう経費や店舗スタッフの人件費などのコストが発生しないため、両社とも手数料を抑えたサービスを展開している。

両社の特徴を見ていこう。

GMOクリック証券の特徴

GMOクリック証券は、インターネット関連事業などを展開するGMOグループのなかで証券事業を担う企業だ。

同社でのFX口座開設数は826,540口座と国内第2位を誇る（2024年5月時点）。

口座数だけではなく取引額も多く、外国為替の最多取引額企業として、2023年12月にはギネス記録に認定された。

また同社のFX口座と、GMOグループのGMOあおぞらネット銀行の銀行口座を連携すれば、以下のメリットも得られる。

以上のようにGMOグループのシナジーを活かせる点も、GMOクリック証券のサービスの特徴だ。

• 出典：GMOクリック証券株式会社「口座数／売買代金実績」
• 出典：GMOクリック証券株式会社「FX取引高がギネス世界記録に認定されました！」

松井証券の特徴

松井証券は、日本で最初にインターネット株式取引を開始した独立系証券会社だ。

FXの分野でも、GMOクリック証券の設立される前となる2001年からサービスを開始している、老舗的存在といえる。

当時パソコンに不慣れなユーザーに対する丁寧なサポートが、今も同社には根付いており、顧客サポートへの評価は高い。

HDI-Japanが主催する「HDI格付けベンチマーク」にて、13年連続で最高評価を獲得していることも、その一例だ。

オリコンの調査結果による、ネット証券の2023年顧客満足度ランキングでも、初心者部門で第1位を受賞している。

これらのことから松井証券では、FX取引に不安を感じている初心者にも、手厚いサポートを提供してくれるはずだ。

• HDI： ITサポートサービスにおける世界最大のメンバーシップ団体。HDI-JAPANは、その日本拠点。
• 出典：松井証券株式会社「受賞履歴(一覧)」

GMOクリック証券と松井証券の概要

これまで両社のサービスの特徴を解説してきたが、下記の表では、両社の基本情報を紹介する。

両社とも信用力が高く、安心してFX取引が行える企業といえるだろう。

	GMOクリック証券	松井証券
創立	2005年	1931年
営業収益	323.96億円	402.07億円
格付※1	BBB+	BBB+
FX自社サービス	FXネオ※2	松井証券FX（MATSUI FX）
サービスの特徴	GMOグループのシナジーを活かしたサービスを展開	ユーザーへのサポートが手厚いサービスを提供
	詳しくはこちら

GMOクリック証券（FXネオ）と松井証券FX（MATSUI FX）のそれぞれの特徴の比較とメリット

ここでは、GMOクリック証券と松井証券が提供するFXサービスの特徴を、それぞれ解説する。

GMOクリック証券のFXネオ、松井証券の松井証券FX（MATSUI FX）では、ともにFX取引にかかる運用コストが割安だ。

両方とも取引手数料が無料であるうえ、スプレッドも業界最狭水準だ。

一方で両サービスともに、取り扱い通貨ペア（交換通貨の組み合わせ）は少なく、20種類しかない。

通貨ペアが155種類も取り扱うサクソバンク証券などと比べて、物足りなさを感じる人もいるかもしれない。

種類が多いと迷ってしまう初心者には、厳選されたラインナップから選べることは、むしろメリットともいえるだろう。

FXネオと松井証券FX（MATSUI FX）は、初心者がFX取引を始めやすいサービスだが、それぞれのサービス内容には違いもある。

ここでは、両者を選ぶうえで、それぞれのサービスの特徴やメリットを解説する。

※スプレッド：FX取引で通貨売買する際の通貨売却時と通貨購入時の価格差。通貨売買が頻繁に行われるFX取引では、この価格差の幅が狭ければ狭いほど、コストが抑えた取引が可能になる。例えば米ドル/円の場合のスプレッドは、両サービスともに原則固定0.2銭だ。

GMOクリック証券のFXネオ：特徴

FXネオでのFX取引で得られるスワップポイントは、業界トップクラスだ。

※スワップポイント：FX取引をする際の通貨間の「金利の差」のこと。

例えば低金利の日本円から高金利の米ドルへの買い取引の場合では、米ドルを所有している間、この金利差が毎日受け取れる。なおスワップポイントは日々変動する。

以下の表で、日本円から外貨買いをした場合のスワップポイントについて、松井証券FX（MATSUI FX）と比較する。

	FXネオ	松井証券FX（MATSUI FX）
米ドル/円	780円	756円
ユーロ/円	651円	492円

FXでは通貨売買による為替差益だけではなく、通貨を所有することで得られる安定的な利益（金利差益）をスワップポイントで狙える。

特にFXネオを利用すれば、より多くの安定的利益（インカムゲイン）が得られるのだ。

GMOクリック証券のFXネオ：メリットと注意点

FXネオは、初心者から上級者までが、ストレスを感じることなくFX取引ができるツールを用意している。

ツール名	内容
GMOクリック FXneo	初心者も扱いやすい画面になっており、為替レートやニュース、損益状況などが1画面でコンパクトにまとめられている スマートフォンやスマートウォッチ向けのアプリも用意されており、市況の確認から発注まで、外出先でも気軽に行える
はっちゅう君FXプラス	取引に必要な機能を、ユーザーにあわせて、フリーレイアウトで自由にカスタマイズできる ワンクリックでの即時注文ができるチャートからの注文・変更も可能
プラチナチャート	為替と株価指数・国債・金・原油などの相関を比較チャートで確認しながら、ワンクリックで即時注文が可能

さらに資金を使わずデモ取引もできるため、FX未経験者でも、デモ取引でFX取引の練習ができる。

このように多くの魅力を持つFXネオだが、注意すべき点もある。

FXネオを使ったFX取引では、通常銘柄での通貨ペアの場合には、一度の発注で最大100万通貨までしかできない。

松井証券をはじめロスカット時の手数料が無料な証券会社があるにもかかわらず、FXネオでは手数料が発生することにも注意しよう。＊松井証券FX（MATSUI FX）では、最大200万通貨まで。

ロスカットとは

FX取引中に一定額以上の損失が発生すると、証券会社によって強制決済が行われる仕組みのこと。

松井証券FX（MATSUI FX）：特徴

FXの最低取引単位は1,000通貨であるのが一般的だが、松井証券FX（MATSUI FX）では、1通貨単位から取引が可能だ。

「FX取引に慣れるまで少額での取引から始めたい」と考えている人も、安心して始められるはずだ。

さらに下記の通りコールセンターは深夜24時まで対応してくれるため、平日会社からの帰宅後でも問い合わせができる。

コールセンターのオペレーターは、インターネットを通じてユーザーのパソコン画面を共有し、画面を見ながら操作方法などを説明してくれる。

以上のことから松井証券FX（MATSUI FX）では、初心者でも不安なく、FX取引が始められるだろう。

松井証券FX（MATSUI FX）：メリットと注意点

松井証券FX（MATSUI FX）では、老舗ネット証券としてのノウハウを活かしたツールが用意されている。

ツール名	内容
松井証券 FXアプリ	FX取引向けのしたスマートフォンアプリタップするだけで即時発注ができる「為替ボード」を使って、複数の為替レートを一度に確認できる 取引スタイルに応じた各種リアルタイムチャートが閲覧でき、パソコン並みの豊富なテクニカル分析も行える 市況情報や各国要人の発言などのニュース、各種の重要な経済指標の速報が閲覧できる
FXトレーダー・プラス	即時発注も可能だが、取引数量・益出し幅などの取引条件を事前に設定すれば、タイミングを逃さず自動取引も可能 「テクニカルチャート」により、多彩な分析ができる設定した経済指標やマーケットの急変動をLINEで通知される

自動売買では、例えば「××円値下がれば買い、〇〇円値上がれば売る」などの設定をすれば、リピート注文も可能だ。

一定の値幅で価格が上下する相場では、自動的に利益をコツコツ積み上げていくこともできるだろう。

利便性の高いサービスが用意されている松井証券FX（MATSUI FX）だが、先に述べたようにスワップポイントが高くないことが残念な点だ。

GMOクリック証券（FXネオ）と松井証券FX（MATSUI FX）はどちらを選ぶべきか

ここまでGMOクリック証券と松井証券のFXサービスを、それぞれ紹介してきた。

しかし、なかには「どちらのFXサービスが自分にあっているのか？」と悩まれる人もいるだろう。

ここでは、FX口座を選ぶポイントを紹介するので、参考にしてほしい。

さらにFXネオと松井証券FX（MATSUI FX）について、向いている性格やタイプを、それぞれ解説する。

自分は、どちらのタイプに近いのかという点でも考えてみよう。

初心者がFX口座を選ぶときのポイント

初心者がFX口座を選ぶ際に重視すべきポイントをまとめ、今回紹介した2社のサービスと照らし合わせたので確認しよう。

重視すべきポイント	今回紹介する証券会社
	GMOクリック証券	松井証券
①信頼できる証券会社か？	〇	〇
②取引コスト（スプレッドや手数料）は割安か？	〇	〇
③初心者にも使いやすい取引ツールが用意されているか？	〇	〇
④初心者へのサポートは手厚いか？	△	〇
⑤初心者がFX取引に慣れるための環境が用意されているか？	〇	△

上記①については、今回紹介するGMOクリック証券も松井証券も信頼できる証券会社だ。

また②③についても、FXネオと松井証券FX（MATSUI FX）は、他のFXサービスと比べても優れていると評価できる。

ただし④では、コールセンターの対応時間、サポートの手厚さなどでは業界トップクラスの松井証券FX（MATSUI FX）が優れている。

一方、FXネオでのデモ取引の環境を使えば、FX未経験者でもFX取引に慣れることができるだろう。

GMOクリック証券（FXネオ）が向いている人

GMOクリック証券（FXネオ）は、長期投資によって高いスワップポイントを貯めたい人に向いている。

またGMOクリック証券には、トレーダー用コミュニティサービスである「トレードアイランド」が利用できる。

このサービスでは、自身の取引結果を随時確認できるだけではなく、他のトレーダーの取引履歴も確認し参考にすることも可能だ。

さらに、X（旧Twitter）では、このサービス参加者によるコミュニティも形成されている。

このため他のトレーダーと交流を持ちたい人にも向いているサービスだ。

松井証券の松井証券FX（MATSUI FX）が向いている人

松井証券FX（MATSUI FX）は、パソコンやスマートフォンの操作が苦手な人に向いている。

システムの操作で困ったことがあれば、月〜金曜日の24時まで、コールセンターが相談に乗ってくれる。

さらにオペレーターは、インターネットを通じてユーザーのパソコン画面を共有しながら、説明してくれるのだ。

そして1通貨単位から取引できるため、少額からFX取引を始めたい人にも、このFXサービスは向いているだろう。

GMOクリック証券（FXネオ）と松井証券FX（MATSUI FX）、違いを比較して最適なサービスを選ぼう

この記事では、GMOクリック証券が提供する「FXネオ」、松井証券のFXサービス「松井証券FX（MATSUI FX）」を紹介した。

いずれの証券会社も信頼性が高く、FX取引では長期にわたる実績を誇る企業でもあるため、両社ともにサービスも充実している。

なかでもFXネオは、FX取引が不慣れな人でも、デモ取引で練習ができる。

またスワップポイントが高いため、通貨交換による為替売買益だけではなく、インカムゲインも期待できるメリットがある。

一方の松井証券FX（MATSUI FX）では、少額から始められるため、初心者でも安心して始められる。

さらにコールセンターでの手厚いサポートは、パソコンやスマートフォンの操作が苦手な人にもメリットは大きいはずだ。

本文で述べた「FX口座を選ぶポイント」も参考にして、自分にあったサービスを選び、FXを始めよう。

GMOクリック証券（FXネオ）と松井証券FX（MATSUI FX）の違いに関するQ＆A