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【3968】セグエグループ株式会社 代表取締役社長 愛須康之氏「国策の一環としてのサイバーセキュリティに注力!」

※本コラムは2022年9月7日に実施したIRインタビューをもとにしております。

ITインフラセキュリティ技術の会社として、さまざまなITソリューションを提供しているセグエグループ株式会社。デジタルトランスフォーメーションによりIT(デジタル)技術の生活や社会への浸透が加速していくなか、セキュリティの重要度はますます高まっています。

今後のビジネス展望などについて、代表取締役社長の愛須康之氏に伺いました。

目次

セグエグループ株式会社のビジネスの概要

セグエグループ株式会社を一言で表すと

ITインフラセキュリティの技術会社です。

設立当初はITインフラの構築を中心に展開し、その後、セキュリティプロダクトの販売を始めました。

今はIoT/OTが進化するなか、さまざまなデバイスがネットワークにつながれています。パソコンのようにウィルスやマルウェア対策ソフト等のエンドポイントセキュリティが実装できないデバイスも多くあり、セキュリティ対策としてITインフラと情報セキュリティの技術両方を理解していることがとても重要となってきています。それら技術をともに高度なレベルで持ち合わせているのが私どもと認識していただければと思います。

創業の経緯

最初に勤めたのが大阪のデータ通信機器の商社でした。当時、データ通信は大学や研究所等で大型計算機やスーパーコンピュータの高速計算、処理に利用するのが主流で、私はもっぱら大阪大学等の旧帝国大学、国公立大学を担当するセールスエンジニアとして働いていました。

そこで大学の先生と仲良くなり、いろいろな話を聞くなかで、今は大型コンピュータを研究室や自宅から繋いで使っているけれども、近い将来、すべてのコンピュータがインターネットに繋がるようになる、新たな情報利活用時代が来ると確信しました。そのなかで、徐々に企業によるインターネットの活用にフォーカスして、LANなどインターネットのインフラを構築していく仕事をし始めていました。

当時、この分野の製品は米国のCISCOシステムズが最大手で、私はそこの製品を扱いたいと思っていたのですが、CISCOの競合製品を取り扱っていたため企業方針でCISCOを扱うことができなかった。それなら独立して新しい会社を興そうということになり、1995年にジェイズ・コミュニケーションを立ち上げました。

当時、大阪でLANの技術を持っている会社は少なくて、大半が東京の会社でした。

新幹線で3時間程度の距離とはいえ、いつでも対応してもらえるように大阪の会社を求める声は多く、起業後は仕事がどんどんと入ってきて売上が1億、3億、4億円というように伸びていきました。

この勢いで売上を連続して成長させたいと考え、事業を推進していきましたが、4年目くらいに伸び悩みが見られ、業界経験が長く、技術を理解していた私が営業する属人的なビジネスだけでは大きな成長は難しいと考えました。つまり技術と営業両方を分かっている必要があったのです。

そこでもうひとつ、誰でもが売れる仕組み(新しいビジネスモデル)をつくろうと考えました。当時、ECビジネスが拡大している時期だったのですが、ECである以上は、決済でクレジットカード番号を扱います。その情報(サーバー)を守るためのセキュリティ製品(ファイアウォール)を販売するプロダクト事業を、そのビジネスモデルの柱にして、私のような業界経験者以外の営業担当者でも売上をつくれるようにしたのです。

その相乗効果によって事業が大きく伸びたので、ジェイズ・コミュニケーションとして2006年3月の上場を目指したのですが、上場直前になって出資先の企業が民事再生となり頓挫してしまいました。

その後、リーマンショックなどがあり、なかなか上場のチャンスに恵まれなかったのですが、2014年に持株会社であるセグエグループを設立し、前回の上場チャレンジから10年後の2016年に上場させることができました。

事業内容について

事業セグメントは単一で、ITソリューション事業ということになるのですが、ビジネスの性質上、区分を3つに分けています。

【3968】セグエグループ株式会社 代表取締役社長 愛須康之氏「国策の一環としてのサイバーセキュリティに注力!」わたしのIFAコラム
セグエグループ株式会社 2022年12月期 第2四半期 決算説明会資料 より引用

1つめはVADビジネスで、セキュリティ先進国である米国やイギリス、イスラエルのメーカーから最先端技術を搭載した製品を輸入して、日本国内で提供しています。これは私どもが1999年より手掛けています。

2つめは自社開発ビジネスです。インターネット分離ソリューションのサーバ型仮想ブラウザである「RevoWorks SCVX」、ローカル仮想ブラウザである「RevoWorks Browser」、セキュアテレワークソリューションの「RevoWorks Desktop」や認証、ワンタイムパスワード、シングルサインオンの「WisePoint」などを自社開発して販売、サービス提供しています。

【3968】セグエグループ株式会社 代表取締役社長 愛須康之氏「国策の一環としてのサイバーセキュリティに注力!」わたしのIFAコラム
セグエグループ株式会社 2022年12月期 第2四半期 決算説明会資料 より引用

そして3つめがプロフェッショナルサービスを軸とするシステムインテグレーションビジネスです。これはクライアントの要望に応じてITインフラセキュリティの製品と設計や構築、導入サポートを組み合わせて展開する、提案力、技術力が必要な、創業時からのビジネスです。

【3968】セグエグループ株式会社 代表取締役社長 愛須康之氏「国策の一環としてのサイバーセキュリティに注力!」わたしのIFAコラム
セグエグループ株式会社 2022年12月期 第2四半期 決算説明会資料 より引用

中長期の成長イメージとそのための施策

今後の人材採用の施策

人材採用は、なかなか難しい状況にあるのは事実です。特にこの1、2年で、デジタルネイティブ世代の採用が取り合いになっています。米国では、情報系大学の新卒者に日本円にして1,000万円以上の初任給を出している企業も多くなってきています。その煽りが日本にも徐々に押し寄せています。

日本のネット系ベンチャー企業も、新卒採用の年収が数年前までは360万円程でしたが、IT技術者は500万円以上にするなど差を付けています。技術職は別枠で考えざるを得なくなってきています。

私どもとしては、新卒、中途を含めて、グループを挙げて採用プロジェクトに注力しています。高度なIT人材については難易度の高い試験を受けていただき、それにパスすれば相応の報酬を提示しますし、新規事業の会社をどんどん立ち上げて、その立ち上げ、黎明期のメンバーとして高度IT人材に入っていただきます。

これまでグループ全体で新卒採用が20数名程度だったのですが、2024年以降はこれを50名~にする予定です。

【3968】セグエグループ株式会社 代表取締役社長 愛須康之氏「国策の一環としてのサイバーセキュリティに注力!」わたしのIFAコラム
セグエグループ株式会社 2022年12月期 第2四半期 決算説明会資料 より引用

中長期的な製品開発の方向性とは

VADビジネスの取引先はメガベンチャーと言われているような、それこそグローバルで何千億円、あるいはひとつのプロダクト開発で20億円、30億円の予算をかけられるような会社なので、そこと製品開発で張り合っても仕方がありません。ですから、そういうところがまだ進出していないような、これからの技術エリアを開発する、もしくは昔からあるけれども、まだそれほど市場規模が伸びていないニッチな部分を狙って開発することを考えています。

2つめは認証基盤とセキュアブラウザを組み合わせた、ID管理、IDaaSのようなビジネスモデルを進めていきます。私たちもそれを実現させるのに必要な要素技術は持っているので、それをサービス化する予定です。

3つめはグローバルに伸びている製品のアドオンです。グローバルに展開されている製品は日本国内でも売れますが、日本国内でしか使われていないようなニッチな製品をグローバルに展開しようとしても、なかなか売れません。なぜなら十分なサポート体制を敷くことができないからです。ですから、グローバルに売れている製品に私たちの付加価値を乗せてパッケージ化することを進めていきます。

VADビジネスと自社開発ビジネス、システムインテグレーションビジネスの3事業について

イメージ的には、売上総利益ベースで30%ずつくらい伸びていければ良いと考えています。

売上高で見ると、自社開発ビジネスはVADビジネスやシステムインテグレーションビジネスに比べて小さいのですが、売上総利益では全体の19%を占めています。つまり粗利率が高いのです。だから価値があると考えています。VADビジネスやシステムインテグレーションビジネスも伸ばしながら、自社開発ビジネスについてはそれらを上回るスピードを持って成長させ、全体の33%まで伸ばしていきたいと考えています。

【3968】セグエグループ株式会社 代表取締役社長 愛須康之氏「国策の一環としてのサイバーセキュリティに注力!」わたしのIFAコラム
セグエグループ株式会社 2022年12月期 第2四半期 決算説明会資料 より引用

投資家の皆様へメッセージ

セグエグループのPERは、上場以来20~25倍をキープしていたのですが、現在は12倍程度。これは、いささか安すぎると見ています。

というのも、業界的にはかなり強いフォローが吹いているからです。地政学的リスクが増大し、防衛費倍増が打ち出されているなかで、その予算がどこに使われるのかということですが、戦車やイージス艦、戦闘機に加えて、第四の戦場と言われるサイバー空間での戦いが激化しています。

事実、今年は昨年に比べて、日本へのサイバー攻撃が7倍くらいに増えています。防衛省もサイバー対策にはかなりの予算を割いてくるでしょう。サイバーセキュリティは国策のひとつであり、これからさらに重要で、需要が増してきます。私たちがセキュリティエンジニア採用を大幅に拡大して高度なセキュリティエンジニアを育成していくことは社会貢献、国益への貢献につながっていくものと確信しています。セグエグループの今後の成長にご期待ください。

セグエグループ株式会社 (SegueGroup Co.,Ltd.)

本社所在地:東京都中央区新川1-16-3 住友不動産茅場町ビル

設立:2014年12月1日

資本金:5億1,476万6,815円(2021年12月31日現在)

上場市場:東証プライム(2016年12月上場)

証券コード:3968

※本コラムは情報提供を目的としたものであり、個別銘柄の推奨や、金融商品の紹介、周旋を行うものではございません。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。投資家とIFA(資産アドバイザー)とのマッチングサイト「わたしのIFA」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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