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【3486】株式会社グローバル・リンク・マネジメント代表取締役 金大仲氏「既存領域のノウハウを活かしたサステナブルな不動産開発による多角的な成長」

※本コラムは2023年4月5日に実施したIRインタビューをもとにしております。

株式会社グローバル・リンク・マネジメントは投資用コンパクトマンションを商材に、レジデンス領域で事業を拡大してきました。

代表取締役の金大仲氏に、高いシェアを誇る事業の強みや、領域拡大に伴う今後の成長性について教えていただきました。

目次

株式会社グローバル・リンク・マネジメントを一言で言うと

不動産を通じて豊かな社会を実現するというミッションを掲げ、不動産×環境×DXによるサステナブルな不動産運用・開発でのナンバーワンを目指す会社です。

創業来、レジデンス事業を中心に企業規模を拡大し、成長をつづけてきました。

今後は、蓄積された多様な知見を活用し新領域に横展開することで、2030年まで加速度的に成長していくというようなイメージを持っていただければと思います。   

創業の経緯

私は横浜の中華街で生まれ、幼い頃から本業の発展と共に不動産収益を上げる方法として、ビルの建設やテナント貸しを実践する飲食店を目の当たりにしてきました。

そしてここに魅力を感じ、自分でも投資用不動産を開発・所有することを目指すようになり、2005年に当社を設立いたしました。

2008年のリーマンショックは当社にとっての最初の試練の時期となりました。

ですが、幸いにも会社規模がまだ小さかったこともあり、不動産市場の価格下落は物件を仕入れるチャンスと捉えることができました。そのタイミングで仕入れた物件を投資家に提案し、以降の2、3年間では収益を伸ばすことができました。

当社は2017年に上場しておりますが、一番のターニングポイントは上場を目指すと決めた2014年頃だと思います。

販売先のターゲットを従前の個人投資家に加えて、海外投資家へアプローチや、デジタルマーケティングを活用し、プッシュ型の営業スタイルからプル型で紹介を増やすなど、新たな取り組みを進めました。

これにより、投資家数が増え、さらなる収益向上を実現できたことが上場にも繋がりました。

さらに、上場後は顧客層が個人から法人やファンドへと変化し、開発できる物件の規模や速度、ボリュームも向上いたしました。

商材としては変わらず投資用コンパクトマンションを扱ってまいりましたが、事業の効率性は格段に上がり、業績面では2022年中期経営計画では、年平均成長率(CAGR)は売上高約20%、経常利益約50%を計画し、今日までの事業発展に大きく寄与しております。(CAGRは2021年~2024年)

株式会社グローバル・リンク・マネジメント 2022年12月期決算説明資料 より引用

事業内容について

投資用コンパクトマンションの企画・開発から販売、管理、運用までをワンストップで提供しています。

東京圏内を中心に、一都三県(神奈川・千葉・埼玉)にエリアを特化した事業展開を行なっています。当社は、首都圏でのコンパクト新築マンション供給戸数は業界トップクラスに位置していますが、ナンバーワンを目指して事業拡大を図っています。

当社は「3チカ」という開発コンセプトを採用しており、「駅から近い(10分圏内)」、「都心から近い(山手線から30分圏内)」、「高い地価(長期的にニーズが見込めるエリア)」のエリアで開発を行っています。

これにより、当社が管理する物件の入居率は13年連続して約98%とほぼ満室の状態を維持できており、投資家からの信用の高さにも繋がっています。

株式会社グローバル・リンク・マネジメント 2022年12月期決算説明資料 より引用

また、そもそも業界内で高いシェアを誇ることに成功している要因として、一つには仕入れにおける圧倒的なスピードが挙げられます。

これまで約200棟の開発をしてきた豊富な実績と知見を活かし、当社は1日や2日で賃料と建築費の見積もりをし、仕入れ先である売主の方に建築プランおよび当社の購入価格を提案することができます。

仕入れ先の方は、スピーディーに買主(当社)の考えを知ることが出来るため、当社に優先的に相談していただいております。また、そのように仕入れ先の方とやり取りをすることで、既存仕入れ先から多くのリピートをしていただいています。

もちろん情報を精査するだけでなく、実際に購入してきたという実績が不動産業界では最も重要であり、この実績があると仕入情報も入手しやすくなるという循環が生まれます。

継続して「買える力」は、上場企業であることや、金融機関との良好な関係による強固な財務基盤が支えています。

さらに、取得した物件を「売る力」も強くなくては、強い買い手としての実績をなし得ることはできません。この点については、個人投資家に限らずファンドや機関投資家への豊富な売却実績を保有しています。

これら全てが揃うことで現在の我々のポジションが確立され、このビジネスモデルへの非常に高い参入障壁になっていると認識しています。

株式会社グローバル・リンク・マネジメント 2022年12月期決算説明資料 より引用

しかし、ナンバーワンを目指す上では、仕入れの部分をさらに強化する必要があると考えています。そのための施策として、すでに用地仕入事業への取り組みを進めております。

相続案件や老朽化した住宅またはオフィスを中心に、当社が地権者と入居者の権利関係を整理し、近隣の土地もまとめて仕入れるだけでなく、その土地の付加価値最大化にも貢献できる事業となっております。

株式会社グローバル・リンク・マネジメント 2022年12月期決算説明資料 より引用

中長期の成長イメージとそのための施策

環境配慮型物件を開発することを成長戦略の中心としています。すでにコンパクトマンション領域ではトップクラスの開発戸数をしており、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)やBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)5以上の環境性能を持つ物件開発を進めております。

自社開発については100%、パートナー開発においても50%を目標として定めており、この取り組みにより、入居者は電気代などのコスト削減が可能なほか、住宅内の温度調整も効率的に行われます。

環境配慮型物件の開発は設計段階から取り組むことが必要であるため、デベロッパーとしてのポジションを活かし、同業他社との差別化を図ってまいります。

足元では仕入部門の人員も増強しており、今後も継続してパイプラインを積みあげていきます。

また、販売先の機関投資家にとっても環境に配慮した物件は投資対象として魅力的であり、付加価値提供という面で彼らのニーズを捉えることができると考えています。

株式会社グローバル・リンク・マネジメント 2022年12月期決算説明資料 より引用

また、1棟バルク販売「まとめての販売」を推進してまいります。ファンドは、組成するファンドの規模が設定されていますので、その金額にかなう形でまとめて物件を取得することができれば、購入側にとっては購入コスト削減につながり非常に魅力的なのです。

もちろん我々デベロッパーとしても事業効率を高めることができ、互いのニーズがマッチしていると言えます。

しかしながら、リスクとしては世界的な金融クラッシュ等により投資家の資金が止まることも考えられます。

それでも、アジア地域においては日本の投資市場は流動性の高さに加え、未だにプラスの利回りスプレッドが期待できる数少ない市場であるため新築コンパクトマンション市場において優位性を持っており、東京が特に強みを持つ地域であるため、この領域に特化し、かつまとめて販売する戦略を持つ当社に強みがあると考えています。

株式会社グローバル・リンク・マネジメント 2022年12月期決算説明資料 より引用

不動産マーケットには波がありますが、ボラティリティに対応した適切な戦略と適切なリスク管理を行うことで、継続した事業成長が可能であると考えています。

そのため、組織としては柔軟かつスピーディーな経営判断が重要となります。これまで堅実に成長させてきたレジデンス領域が確かな事業基盤となり、新たな取り組みを進めやすい経営環境を築いております。

新たな取り組みについては、先にご説明した用地仕入事業に加えて、ビルディング事業は、中長期での収益貢献が期待されます。

中長期的に成長をする上で想定しているリスクについて、我々のようなデベロッパーにとって最も管理するべきなのは借入リスクです。仕入れに際し多額の資金を調達しており、万が一返済不能となると事業に大きな影響を及ぼします。

そこで、自社のバランスシートを利用しない「オフバランス開発」を推進しています。当社が企画を行いますが、パートナー企業に開発していただくことでリスクを軽減しています。

株式会社グローバル・リンク・マネジメント 2022年12月期決算説明資料 より引用

現状でも全体のおよそ7割がオフバランス開発ですが、事業規模拡大とともにさらにこの割合を高めていくことを理想としています。

また、売却に関しても短期間で機関投資家の方へまとめて売却することで、マーケットリスクも軽減させています。

加えて、2022年にスターアジアグループと設立しましたSAGLアドバイザーズを通じてファンドを組成し、SPC開発も進めていきます。オフバランス化だけでなく、マーケット下落時には資金調達にも対応することができます。業績面では、アセットマネジメント業務に従事することでストック収益の積み上がりの期待ができます。

株式会社グローバル・リンク・マネジメント 2022年12月期決算説明資料 より引用

また、中長期的に成長をする上での人材戦略に関しては、足元では組織の人的資本に注目し、マネジメントスタイルを変革しています。

従来は一貫して長く同じ業務に従事することでスペシャリストの育成を重視していました。ですが、ビジネスが多角化する中で、マネジメント層中心にゼネラリストを育成する必要性が高まっていると認識しています。

そのため、当社ではジョブローテーションに近い制度を導入し、社員が違う部署でキャリアチャレンジを行うことができるように力を入れています。実際に営業から管理部門へ、あるいは管理から企画部門への異動などが行われており、全ての部署のスキルを明確化・可視化し、社員のスキルとキャリアステップできる環境を整えています。

社員にとっては自分のキャリアを社内でどのようにステップアップしていくかを明確にすることで、自身の人的価値を向上させてほしいと考えています。

今後取り組んでいく新規事業の立ち上げにおいては、経験者を迎え入れるだけでなく、プロパー(新卒入社の社員)が会社のカルチャーやビジネスを理解し、さまざまなスキルを身につけた上でマネジメントからビジネスを成功させる人材が中核になることを理想としています。

そのため、営業のトップだった社員が新しい部署に異動し、経営企画や人事などで活躍することも珍しくありません。多方面のスキルを身につけることを奨励し、それが当社の特徴の一つとなっています。

投資家の皆様へメッセージ

我々のミッションは不動産を通じて豊かな社会を実現することです。

豊かな社会とは、地球環境また社会課題の解決を指しており、そしてこれを通じて我々の事業も拡大するという三方良しを目指しています。

ビジネスを通じて豊かな社会を実現し、継続的に企業価値や事業価値拡大を図ることで、サステナブルな不動産運用・開発のナンバーワンを目指してまいりますで、ご注目いただき、また応援していただけますと嬉しく思います。

株式会社グローバル・リンク・マネジメント

本社所在地:東京都渋谷区道玄坂1丁目12番1号渋谷マークシティウエスト21階

設立:2005年3月

資本金:5億53百万円(2022年12月末現在)

上場市場:東証プライム(2017年12月13日上場)

証券コード:3486

※本コラムは情報提供を目的としたものであり、個別銘柄の推奨や、金融商品の紹介、周旋を行うものではございません。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。投資家とIFA(資産アドバイザー)とのマッチングサイト「わたしのIFA」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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