「オルタナティブ投資」はハイリターンが期待できるが、その分ハイリスクな傾向にある。
また、上場株式や債券などの伝統的投資とは異なる市場環境に影響されやすい。それにより、一般的な金融商品とは異なる値動きが期待できることから、「分散投資」の対象として注目されている。
本記事では、オルタナティブ投資のリスクについて詳しく解説していく。
リスクヘッジを考えている方は、ぜひ参考にしてみてはいかがだろうか?
オルタナティブ投資のリスクとは
ハイリターンが期待できるオルタナティブ投資には「相応のリスクが伴う」が、分散投資として注目されている。
- 伝統的投資に比べ「流動性が低い」傾向にある
- 「リスク分散」として投資対象に選ばれやすい
- 年金運用に占める上限は資産の5%
次の項目では、オルタナティブ投資のリスクについて解説していく。
伝統的投資に比べ「流動性が低い」傾向にある
伝統的投資とされる上場株式や債券と比べ、オルタナティブ投資は「流動性が低い」。
つまり、オルタナティブ投資をしていてお金が必要になったとしても、「自由に換金しにくい可能性がある」というリスクだ。
しかしその一方で、リスクとリターンは比例することから、オルタナティブ投資は伝統的資産である「上場株式」や「債券」に比べ、高い収益性が期待できる。
「リスク分散」として投資対象に選ばれやすい
オルタナティブ投資は、伝統的投資と呼ばれる上場株式や債券とは異なる値動きが期待できる。
それにより、特徴が異なるさまざまな投資先に資金を分散しリスクを抑えることを目指す「分散投資」として、資産運用に組み入れるケースが多い。
「分散投資のメリット」についてこちらで詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてみてはいかがだろうか?
公的年金の運用に占める割合は資産の5%が上限
日本の公的年金を管理・運用している「年金積立金管理運用独立行政法人」では、公的年金の運用に占める「オルタナティブ資産の割合は5%が上限」としている。
オルタナティブ投資の経験がない方でも、年金の運用に用いられていると知ると身近に感じるのではないだろうか?
ハイリスクの分類に入るオルタナティブ投資だが、「利回りが高い」「流動性が低い」傾向にあるため、ポートフォリオの効率性を高めることを目的に「年金の運用」に組み入れられている。
公的年金が「長期運用」「短期で現金に換金できる流動資産を保有」しているからこそ、オルタナティブ投資による「分散投資の効果」が期待できるのだろう。
非伝統的資産 オルタナティブ投資のリスク
オルタナティブ投資の種類は数多くあり、それぞれリスクが異なる。
- 為替変動リスク
- 天災リスク
- 地政学的リスク
- 価格下落リスク
- 投資詐欺リスク
- サイバー攻撃リスク
- 法規制変更リスク
- 著作権侵害リスク
- 所有権リスク
- 建物の経年価値下落リスク
- 貸し倒れリスク など
次の項目では、オルタナティブ投資に分類される「非伝統的資産への投資」の種類別で、どのようなリスクがあるのか詳しく解説していく。
リスク①コモディティの場合
オルタナティブ投資の1つである「コモディティ」は、商品を対象にした投資だ。
具体的には、先物市場で取引される金、穀物、原油だけでなく、高級バックやトレーディングカードなど投資対象が幅広い。現物商品の多くは、外貨建てで取引されている傾向にあり「為替変動リスク」が伴う。
それにより、円安になると価値が上がり、円高に傾くと価値が下がる傾向にある。
また、トウモロコシや大豆などの穀物は、「天災リスク」「地政学的リスク」があり、自然災害だけでなく、政治、軍事、社会的な問題も価格変動要因となる。
リスク②未公開株式投資の場合
未公開株式投資の場合、投資先の破綻により価格や価値が大幅に下落するリスクがある。
そのほかに、投資先の状況に応じて「追加投資が必要になる」「投資期間が長期化する」リスクも伴う。
また、未公開株式投資による詐欺詐欺リスクもある。「金融庁の登録を受けた証券会社」「未公開株発行会社」などでしか、未公開株式の売買ができないのだが、悪質業者を信じてしまい投資金だまし取られてしまう人もいる。
リスク③暗号資産の場合
暗号資産は、データ上でやりとりする電子通貨だ。そのため、サイバー攻撃により投資金を失うリスクがある。
また、暗号資産に関する法律が変更されることで、税金の負担が増したり、取引が制限されたりする可能性もある。
リスク④NFTの場合
NFTは、2014〜2017年頃から取引されるようになった歴史の浅い投資だ。それにより、法整備が追いついていないことに伴い、著作権侵害リスク、所有権リスクなどがある。
現在の日本の法律では、「デジタル所有権」が定められていない。
リスク⑤現物不動産投資の場合
賃料や、売却によるキャピタルゲインが期待できる現物不動産投資。
不動産そのものに投資するため、次のようなリスクが伴う。
- 建物の経年価値下落リスク
- 保有・管理コスト上昇リスク
- 瑕疵物件リスク
- 欠陥不動産購入リスク
- 空室リスク
- 家賃滞納リスク
- 火災リスク
- 天災リスク
不動産は経年劣化するため、保有し続けるには「修繕やメンテナンス」にコストがかかる。
また、さまざまな事情により、投資した不動産がいわゆる「ワケあり」と呼ばれる瑕疵物件となってしまう可能性もある。
そのほかに、シロアリ、建物の傾きなど「物理的な欠陥が購入後に発覚するリスク」もあるため、不動産投資を決断する前にしっかり確認することが重要だ。
リスク⑥投資型クラウドファンディングの場合
投資型クラウドファンディングは、投資先が倒産してしまうことによる「元本割れリスク」「貸し倒れリスク」がある。
さまざまな種類の投資型クラウドファンディングがあるため、事業者を見極めることが大切だ。
絶対収益型投資戦略 オルタナティブ投資のリスク
市場が上昇、下落どちらに傾いても収益を得ることを目指す「絶対収益型投資戦略」だが、リターンが期待できるぶんリスクを伴う。
- カウンターパーティーリスク
- 状況を把握しにくいリスク
- 取引コスト増大リスク
- イベントリスク
次の項目では、オルタナティブ投資に分類される「絶対収益型投資戦略」の種類別で、どのようなリスクがあるのか詳しく解説していく。
リスク⑦アービトラージ戦略の場合
アービトラージ戦略には、取引先が破綻して契約が履行されなくなってしまう「カウンターパーティーリスク」がある。
また、予想と反する値動きになると、損失が発生するリスクもある。
リスク⑧グローバルマクロ戦略の場合
グローバルマクロ戦略のリスクは、運用成果がファンドマネージャーのスキルに左右されることだ。
また、そのときの状況に合わせて運用商品の変更を行う場合もあるため、投資する側からすると「今の状況がわかりにくい」というリスクがある。
リスク⑨ロングショート戦略の場合
リスクを抑える戦略とも言われる「ロングショート戦略」。ロングショート戦略は長期投資向きで、まとまった資金が必要とされる。
それにより、短期間、少額の投資だとリターンが低くなる傾向があり、取引によるコストが増すリスクがある。
リスク⑩イベントドリブン戦略の場合
イベントドリブン戦略のリスクは、投資先の会社の経営状態が悪化し倒産することだ。会社が倒産すると、株式や債券の価値が大幅に下落し損失を被ることになる。
また、経営者の急死、自然災害、大きな事故などの予期せぬ事態により、市場が混乱したり金融商品の価値が下落したりする「イベントリスク」もある。
「絶対収益型投資戦略の種類別の特徴」については、こちらの記事で詳しく解説している。
まとめ
オルタナティブ投資の種類は多く、それぞれの特性によって「為替変動リスク」「地政学的リスク」「価格下落リスク」「投資詐欺リスク」などを伴う。
資産運用をやってみたいが、どの様にして運用して良いか悩んでいないだろうか。
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