- オルタナティブ投資とはどのような投資なのか
- 投資初心者でもオルタナティブ投資を行うことは可能なのか
- 安全に投資を行うためにはどうすれば良いのか
オルタナティブ投資とは、株式や債券などの従来の投資手法に「代替する」投資手法である。
不動産やプライベートエクイティ(未公開株式)、ヘッジファンドなどさまざまな種類があり、世界中の投資家からの注目度も高い。
しかし、その一方でデメリットもいくつか存在しているため、自身の運用に取り入れる際には注意が必要だ。
この記事では、オルタナティブ投資のデメリットや初心者でも始めやすい投資手法について解説していく。
本記事で解説するデメリットに注意しつつ、自身の運用にオルタナティブ投資を組み入れていこう。
オルタナティブ投資のデメリット
不動産やプライベートエクイティ(未公開株式)、ヘッジファンド、コモディティ(商品)などのオルタナティブ資産に投資する際には、以下の3点に注意が必要だ。
- 仕組みが分かりにくい
- 個人投資家にとってハードルが高い
- 流動性が低い
1つ目は、投資の仕組みが分かりにくいという点である。
オルタナティブ投資は、従来とは違う投資対象に資金を投じたり、先物取引やオプション取引などの複雑なデリバティブ(金融派生商品)の手法を活用したりしている。
そのため、投資の仕組みが分かりにくく、割高なコストがかかっていることに気付かないケースがある。
また、ハイリスク・ハイリターンな投資手法であることを知らずに投資をしてしまい、大きな損失を抱えてしまうケースも少なくない。
オルタナティブ投資を始める際には、商品の仕組みやコスト、リスクについて正しく把握することが重要だ。
2つ目は、個人投資家にとってハードルが高い商品が多く存在している点だ。
例えば、オルタナティブ投資の代表的な投資先であるヘッジファンドは、富裕層や機関投資家を対象にしたファンドだ。
最低でも数千万円の資金を投じる必要があるため、個人で投資するには金額のハードルが高い。
他にも、プライベートエクイティや現物不動産など、個人投資家が気軽には手を出せない投資対象は多くある。
オルタナティブ投資を運用に取り入れるハードルが高いことを認識しておこう。
3つ目は、オルタナティブ資産の流動性が低いという点だ。
流動性とは、資産の取引の活発さや現金化のしやすさのことを指す。オルタナティブ投資は流動性が低く、現金化しづらいというデメリットがある。
例えば、ヘッジファンドは通常の投資信託のような自由な売買はできない。
解約する時期が「四半期に一度」と定められているケースも多く、流動性が低いという特徴がある。
同様に現物不動産なども自由なタイミングで売却できるとは限らず、すぐに換金できないリスクが高い。
オルタナティブ投資を始める際には、思うように現金化できない可能性があることに注意しておこう。
このようにオルタナティブ投資には、注意すべきデメリットが存在する。
しかし一方で、株式や債券以外に投資することで、「投資チャンスの拡大」や「リスク分散」といったメリットも受けられる。
初心者でも比較的始めやすいオルタナティブ投資について理解を深め、自身の運用ポートフォリオに組み込んでみよう。
初心者でも取り組みやすいオルタナティブ投資
初心者が始めやすいオルタナティブ投資の手法として、ここでは以下の3つの商品を解説していく。
- J-REIT(不動産投資信託)
- コモディティ(商品)の投資信託・ETF
- インフラファンド
1つ目は、「J-REIT(不動産投資信託)」である。
J-REITとは、不動産運用のプロが投資家から集めた資金をもとに、マンションやオフィスビル、商業施設などの不動産を運用する商品だ。
賃料収入や売却益などが投資家に分配されるため、J-REITを購入することで間接的に不動産投資ができる。
現物の不動産投資は、収益性の高い物件を探したり、物件の管理をしたりするなど、手続きの面で負担が大きい。
その上、数千万円の資金を用意して不動産を購入する必要があるため、ハードルが高い。
一方で、J-REITであれば、物件探しから管理などの手続きをプロに任せられる。
複数の不動産を運用しており、数万円から購入できるため、少額で分散効果を得られるというメリットもある。
株式や債券以外の運用先を探している場合は、J-REITで不動産運用を始めてみよう。
2つ目は、コモディティ(商品)に投資する投資信託だ。
コモディティとは、金・プラチナなどの貴金属や、原油・ガソリン等のエネルギー、トウモロコシ・大豆などの穀物のことを指す。
特に、金はそれ自体に価値があることから「有事の金」とも呼ばれており、有事の際には安全資産として買われることが多い。
伝統的資産の株式や債券が下落している局面では、現物に価値があるコモディティの価値が上昇する傾向が強く見られる。
そのため、リスクヘッジのためにコモディティを保有しておきたいところだが、金や原油などを現物で用意するのは現実的には不可能に近い。
そこで、コモディティに投資する投資信託の活用をおすすめする。
投資信託であれば、間接的にコモディティを保有することができる。
数千円程度の小口からでも購入できるため、投資初心者にもハードルが低いだろう。
株式や債券のリスクヘッジとしてコモディティに投資したい場合は、投資信託の活用を視野に入れてみよう。
3つ目は、発電所や道路などのインフラに投資する「インフラファンド」だ。
株式や債券、不動産などの資産は、価格が景気の動向に左右されやすい。
不景気になると収益性が低下し、思うようにリターンを得られない可能性がある。
一方で、発電所や道路、空港などの社会基盤(インフラ)は、景気動向に左右されにくいだけでなく、長期的な収益が見込める。
比較的安定したリターンを継続的に得られるという点で、魅力的な投資先だ。
直接インフラに投資をするのは難しいが、「インフラファンド」であれば間接的に投資することができる。
近年ではESG投資の流れもあり、環境・インフラ投資の重要性はより高まっていくと予想される。
オルタナティブ投資を検討しているのであれば、インフラファンドも選択肢のひとつとして考えてみてはいかがだろうか。
オルタナティブ投資の活用は専門家に相談しよう
オルタナティブ投資はさまざまな種類があるため、実際に運用に組み込もうとしても悩んでしまうケースは少なくない。
また、仕組みが分かりにくかったり、投資のハードルが高かったりと、投資に踏み出しづらいという人も多いだろう。
そんな人は、「IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)」に相談することをおすすめする。
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また、生命保険や相続・贈与などにも対応しており、将来のリスクや資産承継に関する相談も可能だ。
「今後のライフプランに合った運用をしたい」「プロに資産設計を任せたい」という人は、一度IFAに相談してみてはいかがだろうか。
まとめ
オルタナティブ投資には、「仕組みが分かりにくい」「流動性が低い」といったデメリットが存在している。
一方で、投資チャンスの拡大やリスク分散といった魅力もあるため、メリット・デメリットを理解した上で投資を始めよう。
また、初心者でも始めやすい商品としてJ-REITやインフラファンドなどがある。
しかし、最近、「よく分からないまま資産運用をして何百万円も損をした」という話をよく聞く。
そんな時は、「わたしのIFA」に相談をしてはいかがだろうか。
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