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つみたてNISAの資産はいつ引き出す?売却手順と注意点を全解説

この記事で解決できるお悩み
  • つみたてNISA口座の資産を売却する手順や税金に関する注意点を理解したい
  • 資産を売却する適切なタイミングが知りたい
  • 新NISAをどのように活用するべきか知りたい

2024年から新しくなった新NISAだが、旧NISAで運用していた資産はいつ引き出せばいいのだろうか。

今回の記事では、つみたてNISA口座で資産を売却する際の手順と税金を中心に解説していくので、資産を売却するか悩んでいる方は参考にしてほしい。

目次

つみたてNISAの引き出し手順と税金の仕組み

つみたてNISA口座の資産売却手順と税金の仕組みについて解説するので、どのような流れかを把握していこう。

新NISA開始後のつみたてNISA口座の取り扱い

2024年から新NISAがはじまったが、旧NISA口座(つみたてNISA)とは別枠での扱いになり、ロールオーバー(移管)はできない。

旧NISA制度内容も変更されず、旧NISAはそのままの継続になるので間違えないようにしよう。

旧NISA取扱

一般NISA非課税期間:5年間
最長2027年まで
つみたてNISA非課税期間:20年間
最長2042年まで
ジュニアNSIA制度終了
子どもが18歳になるまで非課税
※新規買い付け:2023年末まで
参照:七十七銀行「新NISAへの移行はどうする?新旧NISAのフル活用方法を解説」

つみたてNISAの資産売却のプロセスと資金の受け取り方法

旧NISAで保有している資産を売却し、資産を現金として受け取る場合は以下の流れになる。

資産の売却/受け取り方法

  1. 保有している資産の中から、売却したい金融商品を選ぶ
  2. 「全額」「口数指定」「金額指定」から売却方法を選ぶ
  3. 売却内容を確認し、売却する
  4. 指定している口座にお金が振り込まれる

一般的な流れは以上になるが、証券会社によって流れが異なるケースもあるので、公式サイトを確認しながら作業を進めるといいだろう。

つみたてNISAの売却利益に対する税金の仕組み

つみたてNISAは、非課税期間が終わるまでの間に売却した場合は税金は発生しない。

そのため、つみたてNISAの非課税枠をフル活用したい方は、非課税期間が終わるまでの間に売却するのも1つの選択肢である。

しかし、非課税期間以降も保有したい場合は、課税口座に移した上で運用を続けるといいだろう。

課税口座で運用を続けると、投資信託で得た「普通分配金」「譲渡益」に対して税金が発生するので気を付けよう。

つみたてNISAの非課税期間終了後の選択肢

  • 非課税期間中に売却
  • 課税口座に移し、運用継続

課税口座に移した場合、すべての金額(評価額)に対して税金が発生する訳ではなく、取得費用(元本)や手数料を引いたリターンに対して課税されるので覚えておこう。

なお、NISA口座から課税口座に移ったタイミングの時価が新しい取得価格になるのだ。

具体的な数字を使って解説するので、以下を確認してほしい。

【税金の求め方】

  1. 総額(評価額)-非課税期間終了時の時価や手数料=所得
  2. 所得×20.315%

内訳:(所得税15%+復興特約絶税0.315%)+住民税5%

例:つみたてNISA→課税口座
  1. つみたてNISA期間中に投資信託を100万円で購入→利益が50万円発生
  2. 非課税期間終了後、課税口座へ資産が映る(利益50万円には課税されない)

※終了時点で時価が150万円であったため、取得費が150万円になる

  1. 課税期間で30万円のリターンが発生し、評価額180万円になる
  2. 評価額180万円から元本(150万円)と手数料(3万円とする)が引かれた27万円が課税対象金額になる
  3. [課税対象金額27万円]×[税率20.315%]=[税額5万円4,850円]

つみたてNISAの引き出しのタイミングはいつが良いのか

つみたてNISAで運用していた資産は、いつ売却すべきなのだろうか。

ここでは、つみたてNISAのメリットや判断基準などを紹介するので、ぜひ参考にしてほしい。

つみたてNISAにおける長期運用のメリット

長期運用はリスクを軽減させる効果があるので、相性がつみたてNISAと非常にいい。

また、運用期間が長ければ長いほど「複利」の効果を発揮するので、資産を効率的に増やせるメリットがあるのだ。

また、つみたてNISAと新NISAの併用が可能になるため、「現在つみたてNISAで保有している資産+新NISAの1,800万円」が最大非課税枠になるメリットもある。

つみたてNISAは「非課税期間の上限」があるが、うまく活用して資産形成を行っていくといいだろう。

※複利:リターン(利益)を受け取らずに元本に組み入れて運用すること

つみたてNISAの資産を売却するかの判断基準

つみたてNISAにある資産を売却するか悩んだ場合、以下のような判断基準で決めるといいだろう。

  • 現金が必要なタイミングが近い未来にあるか(結婚・マイホーム購入など)
  • 現在、現金が必要かどうか(例:ケガをしたため入院している)
  • 保有資産の運用成績はどうか など

この判断基準は参考例のため、「どうしたらいいんだろう…」と決断することに不安がある方は資産運用の専門家に相談するといいだろう。

下記「NISAに関する相談先はどこがいい?」にて詳細を紹介しているので、ぜひ参考にしてほしい。

つみたてNISAの資産はいつ売却するべきか

いつ売却すべきか悩んでいる方に向けてシーン別に解説するので、「今売却すべきか」についてしっかりと検討してみてほしい。

  • 現金が必要なタイミングがある→タイミングに合わせて引き出す
  • 税金を支払いたくない→非課税期間が終わるまでに売却
  • 管理がややこしいので口座をまとめたい→資産を売却し、新NISAで商品を購入する
  • 旧NISAと新NISAのフル活用がしたい→非課税期間が終わるまで保有し、売却する など
  • 長期運用ならではの複利効果を得たい→課税口座に移して20年以上運用する など

つみたてNISAで資産を引き出す前に知っておきたい新NISAの活用法

2024年から新しくなった新NISAの活用法を解説していくので、賢く資産運用を進めていこう。

つみたてNISAと新NISA「つみたて投資枠」の比較

つみたてNISAと新NISAの「つみたて投資枠」は、どのようなポイントが異なるのだろうか。

スクロールできます
旧NISA新NISA
枠の併用一般NISAとつみたてNISAの併用不可成長投資枠とつみたて投資枠の併用可能
非課税枠(上限)800万円1,800万円
非課税枠(年間)40万円120万円
非課税期間20年間恒久化
比較成長投資枠とつみたて投資枠:併用不可→併用可
非課税枠(合計):800万円→1,800万円(成長投資枠1,200万円)
非課税枠(年間):40万円→120万円
非課税期間:最大5年/20年→恒久化

このように、大きく制度が改定されたおかげで資産形成ができる環境が整った。

旧NISAだけではなく、新NISAも活用しながら運用すれば、より豊かな結果を手に入れられるだろう。

なお、新NISAの始め方についてはこちらの記事でも解説しているので、さらに詳しく知りたいという方はぜひチェックしてほしい。

新NISAを活用するメリット

新NISAを活用するメリットは、以下のとおりである。

新NISAを活用するメリット
  • 最大1,800万円分から得た利益を非課税にできる
  • 非課税期間が恒久化したため、長期運用と相性がいい
  • 成長投資枠と併用できるので、株式投資にチャレンジできる
  • 旧NISAと新NISAが別枠のため、多くの資産の運用が可能になる
  • つみたて投資枠で購入できる商品を成長投資枠でも購入できるため、旧NISAよりも投資信託を拡大できる
  • 投資信託と株式投資を組み合わせれば、リターンを狙いながら株主優待を受けられる など

旧NISAでは一般NISAとつみたてNISAの併用ができなかったが、新NISAはつみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能なため、より効率的な運用を実現させられるのだ。

長期的な資産形成のために気を付けるべきポイント

長期的な資産形成のために気を付けるべきポイントがあるため、事前に把握しておこう。

長期運用はすぐにリターン(利益)を得られない

コツコツと時間をかけてリターンを得る方法のため、短時間では大きなリターンを得られないので理解しておこう。

複利効果を大きくするためにはなるべく引き出さない

複利効果を大きくするためには、なるべく資産を引き出さない方法がおすすめだ。

引き出さないためにも、生活防衛資金を確保する・現金と金融商品のバランスを調整するなどを行ってから運用しよう。

生活防衛資金を確保してから運用する

生活防衛資金とは、病気などのリスクに備えるお金のことを指し、資産運用を行う前に準備しておくことが重要だ。

「運用に慣れておきたい」と考える方は、金融機関によっては毎月100円から投資信託をはじめられるので少額からスタートさせ、資産運用自体に慣れておくのもおすすめである。

無理をせずに投資額を決める

「運用を継続させる」ことでリターンを得るため、「積み立てるのがきつい…」と感じてしまう投資額に設定するのは避けた方がいい。

無理のない範囲で継続できる投資額に設定し、将来のために資産形成をするといい結果を得られるだろう。

つみたてNISAの引き出しに迷ったら誰に相談するべき?

NISAに関する相談先を紹介するので、資産運用に不安を感じている方はぜひ活用してほしい。

NISAの活用や資産運用における専門家の重要性

旧NISAと新NISAは、資産運用を行う上で必ず押さえておきたいポイントだ。

通常、支払わなければならない税金が非課税になるため、手取り金額が大きくなり、将来のために活用できる。

しかし、NISAや資産運用は複雑なため、資産運用の知識が浅い方は不安に感じることも多いだろう。

「本当にこの金融商品でいいのかな?」

「保有している金融商品の価格が下がったけど、売却すべき?」

などの問題は、正しい知識を元に判断しなければならない。

そのようなシーンで活躍するのが、資産運用の専門家である。

資産運用の専門家に相談すれば、さまざまな悩みに寄り添ってもらえるため、リスクだけではなくストレスを軽減させながら運用を続けられるのだ。

また、相談者に合った金融商品・投資プラン・アドバイスやサポートがあれば、運用目的を達成しやすくなるため、積極的に活用していくことを推奨する。

IFAの役割とメリット

IFAとは、資産運用の専門家のことを指し、「独立系ファイナンシャルアドバイザー」と呼ばれている。

金融機関から独立した立場にいるため、証券会社の運営方針などに左右されず、相談者にとってベストな提案ができるのだ。

資産運用について相談したい場合、以下の専門家にアドバイスやサポートを求められる。

  • 銀行
  • 証券会社
  • FP(ファイナンシャルプランナー)
  • IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)

しかし、銀行・証券会社は会社の運営方針などに合わせた商品の提案をしなければならず、本当に相談者にとってベストな商品を提案しにくい傾向にある。

また、「金融商品取扱業者」の登録を受けていないFPは一般的な説明しかできず、具体的な回答をもらえない。

そのため、資産運用に特化したお金の専門家の「IFA」に相談する方が、今ある資産を効率的に増やせ活用していけるだろう。

保有資格によって異なるが、資産運用以外にも保険・不動産・相続などのサポートを行えるケースもあるので、IFAはお金の強い味方になる。

IFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用しよう

資産運用の知識の深さ・経験の豊富さ・性格の相性がいいIFAを探すことで、長期的なサポートを受けられるため、慎重に自分の条件に合ったIFAを見つける必要があるのだ。

しかし、仕事などで忙しい方は、IFA探しの時間を確保するのが難しいケースもあるだろう。

時間がない方や、より信頼できる優秀なIFAと出会いたい方は、「資産運用ナビ」を活用してほしい。

「資産運用ナビ」は、最短60秒で条件に合ったIFAとマッチングできる「IFA検索サービス」である。

通勤時間・休み時間などのスキマ時間を活用するだけで、無料でIFAを検索できるのでおすすめだ。

面談・相談は無料のため、気になっている方は気軽に「資産運用ナビ」を使って相談してみてはいかがだろうか。

つみたてNISAの資産引き出しは焦らなくてOK

つみたてNISA口座から資産を引き出す方法は、保有している金融商品を売却→口座に現金が振り込まれる流れになるので、資産を引き出す際は参考にしてほしい。

また、非課税期間中であればリターン(利益)に対して税金は発生しないが、非課税期間終了後に課税口座で発生したリターンは20.315%分課税される。

つみたてNISAの資産を売却する場合、おすすめなタイミングは「現金が必要なとき(ケガ・病気・結婚など)」だと言える。

投資信託は長期運用に意味があるので、なるべく引き出さないように意識するとより大きなリターンを得られるのだ。

新NISAは最大1,800万円分から得た利益を非課税にできるので、積極的に活用していくといいだろう。

NSIAについて疑問点などがあれば、資産運用の専門家からサポートを受けることをおすすめする。

資産運用の専門家である「IFA」は、中立的な立場から相談者にベストなアドバイスを行えるのだ。

IFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用すれば、無料で条件にあったIFAを見つけられるため試してほしい。

つみたてNISAの引き出しに関するQ&A

つみたてNISA口座の資産はいつ売却すべきですか?

つみたてNISA口座の資産は、現金が必要になったタイミング(結婚・マイカー購入・病気など)で売却するのがおすすめだ。

上記「つみたてNISAの資産はいつ売却するべきか」にて詳細を解説しているので、今後のために役立ててほしい。

売却時の税金はどのように計算されますか?

つみたてNISAの非課税期間内での解約はもちろん非課税だ。

課税口座に移管した後は、非課税期間が終了したタイミングの時価が取得費として計算されるため、以下のようになる。

【求め方】総額(評価額)-非課税期間終了時の時価や手数料=所得

所得×20.315%

上記「売却利益に対する税金の仕組み」では、具体的な数字を使って計算しているので参考にしてほしい。

売却の際に注意すべき点は何ですか?

売却の際に注意すべきポイントは、以下の通りである。

  1. 元本割れしないようにタイミングを見極める
  2. 複利効果が発揮されなくなる
  3. 換金には約1週間前後の時間がかかる

つみたてNISAの資産を売却する際に手数料はかかりますか?

一般的には金融機関での手数料はかからないが、金融商品によっては信託財産留保額が発生する場合がある。

非課税期間が終了した後、課税口座に移管した資産の運用方法にはどのような選択肢がありますか?

課税口座に移管した資産の運用方法を、いくつか紹介する。

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投資手法概要
モメンタム
投資法
株価のトレンドから判断し、上昇を続けている銘柄を狙う
パニック株
投資法
事故・災害や不祥事などで一時的に株価が急落した銘柄を購入し、その後の回復により、株価のリバウンドを期待する
高配当株投資法継続的に高配当が継続する銘柄を選び、値上がり益だけではなく高い配当も狙う
優待株投資法国内株式のなかで、値上がり益や配当以外に、株主優待のある銘柄に投資し、魅力的な株主優待を狙う
割安株投資法企業の業績や企業価値と比べて、株価が割安な銘柄に投資し、株価の上昇を期待する
成長株投資法業績が上昇している企業、需要が拡大しているサービスを提供する企業のなかから将来性のある銘柄を投資し、株価の値上がりを期待する

非課税期間の終了時に、非課税枠を使い切っていた場合には、NISAで投資中の金融商品を課税口座で買い足すことも考えてみよう。

新NISAでの投資可能な金融商品とつみたてNISAでのそれとの違いは何ですか?

「つみたてNISA」、新NISAのなかの「つみたて投資枠」での投資対象は、ともに投資信託とETFだ。

一方で新NISAのなかの「成長投資枠」では、国内海外の個別株式にも投資対象になる。

また投資信託やETFのなかには、債券やREIT(不動産)など、「成長投資枠」でしか投資できない金融商品もある。

つみたてNISA資産の適切な売却タイミングを見極めるためのポイントは?

売却するタイミングは、自分の経済状況による。

現金が必要であれば、金融商品の価格推移を見て、価格が高い状態のときに売却しよう。

一方で現金が必要でなければ、非課税期間が終了するまで保持し、それまでに現金が必要になったときに売却すべきだ。

非課税期間が終了するまで保持することで、非課税の恩恵が継続される。

新NISA制度の変更に伴い、運用戦略はどのように調整するべきですか?

新NISA制度のメリットを最大限に活用するために、新制度の特徴に応じた運用戦略を紹介する。

  • 非課税枠の拡大
    • 課税口座で投資中の金融商品のなかでNISA対象商品は、一旦売却して、NISA口座で買い直す
    • これによりこれまで課税対象だった資産も、非課税の恩恵が得られる。
  • 非課税期間の恒久化
    • 非課税枠上限(1,800万円)まで使い切る。
  • 「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の併用
    • 積立投資を行いながら、ボーナスなどでまとまった投資資金がある場合には、成長投資枠で一括投資を検討する
    • これにより高いリターンを狙う
  • 旧/新のNISA枠は別枠
    • 旧NISAは非課税期間が終了するまで維持し、非課税枠を最大限に利用する。

新NISAの「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の違いとは何ですか?

「成長投資枠」と「つみたて投資枠」との違いは、以下の比較表を参照してほしい。

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 成長投資枠つみたて投資枠
年間非課税枠240万円120万円
非課税枠上限1,800万円の内1,200万円1,800万円
非課税期間なし
投資方法一括または積立投資積立投資のみ
併用可能
投資可能商品国内海外の個別株式
投資信託
ETF
投資信託
ETF
※債券やREITの投資信託やETFは対象外

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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