- 月30万円から始める積立投資の効果的な運用戦略を知りたい
- 積立投資のリスクを理解し、適切に管理したい
- 積立投資の相談を誰にすれば良いのかわからない
毎月30万円の積立投資で資産運用を始めたいとお考えの方へ。
本記事では、積立投資の基本戦略から効果を最大化するための運用戦略、そしてリスク管理の方法までを詳しく解説する。
目標に合わせた長期投資で安定した資産成長を目指すためのガイドラインとして、ぜひ本記事を参考にしてほしい。
また、積立投資以外の資産運用について詳しく知りたい方はこちらを参考にしてほしい。
毎月30万円から始める投資に効果的な戦略
毎月30万円から始めるにあたって、まずは積立投資の基本を理解しよう。
その上で、効率的な運用戦略や始める前に確認するべき事項について解説していく。
積立投資の基本
積立投資とは定期的に投資商品を購入することだ。
積立投資はこれから資産を形成する世代に特に支持されており、最も一般的なのは毎月商品を購入する形だ。
ここでは以下2つの積立投資の基本について解説する。
- 定額を投資する
- 基本的に投資する商品は変更しない
定額を投資する
積立投資では決められたタイミングで定額を投資する。
はじめに投資する日や買い付ける商品、引き落とし口座を設定するだけで、あとは自動で投資が行える。
つまり投資しない月があったり、毎月投資金額を変更したりする投資に積立投資の効果は期待できない。
自分でタイミングを計って投資をしたい方には、積立投資はおすすめできない。
基本的に投資する商品は変更しない
積立投資では投資する商品を基本的には変更しない。
積立投資のメリットは後述する「投資タイミングを分散させること」と「複利効果を得られること」の2つだ。
投資商品が頻繁に変わると、これらの効果を得られなくなってしまう。
また含み益のある商品を売却すると、その含み益に対して約20%の税金が課せられる。
税金を支払ってしまうと運用効率が下がり、複利の効果も得にくくなる。
そのため積立投資では頻繁に投資商品の変更をしてはいけない。
月30万円の投資に効率的な運用戦略
基本をおさえたところで、月30万円の投資を効率的に行える運用戦略について解説する。
一般的には投資信託による積立投資をおすすめする。
投資信託は、一つの商品でさまざまな資産(株式、債券、不動産など)に投資しており、少ない金額でも分散投資が実践できる。
ただ、商品によって値動きの大きさ(=リスク)が異なる。
そこでここではリスク許容度が高い方と低い方に分けて、おすすめの投資信託を解説する。
リスク許容度が高い方向け
リスク許容度が高い方は、株式100%の投資信託がおすすめだ。
株式100%の投資信託の中で1つだけおすすめを挙げるとするなら「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を推す。
この投資信託は「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」への連動を目指しており、全世界の株式への投資を行う。世界経済が成長する恩恵を直に受けられる投資信託といえる。
設定日から基準価額(投資信託の株価のようなもの)は基本的に右肩上がりで、2023年5月末時点でおよそ3.5倍にまで成長している。
また純資産総額も順調に増えており、投資家から人気も高いとわかる。
これまでも順調に成長しており、かつ投資家からの資金も集まっているため、繰越償還(当初想定されていた期間より前に運用が終了すること)などの心配が少なく、投資初心者でも安心した保有できる商品といえる。
リスク許容度が低い方向け
株式100%の投資信託は怖いという方には、バランスファンドをおすすめする。
特に「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」がおすすめだ。
この投資信託は株式・債券・不動産(リート)にバランスよく投資している。具体的な配分は下記を参照してほしい。
- 国内株式
- 12.5%
- 先進国株式
- 12.5%
- 新興国株式
- 12.5%
- 国内債券
- 12.5%
- 先進国債券
- 12.5%
- 新興国債券
- 12.5%
- 国内リート
- 12.5%
- 先進国リート
- 12.5%
複数の資産に分散投資しているため1つの資産の価値が下落しても、別の資産の値上がりによって、資産全体の価値の下落を限定できる。
個別に商品を購入して分散投資するには多額のお金が必要だ。また後述するリバランスの手間もかかる。
しかし、この商品は証券会社によっては100円から購入できるため、多額の購入資金は必要ない。
またリバランスは運用会社が行ってくれるため、投資家の手間はほとんどかからない。
これらの理由から投資初心者にもおすすめできる投資信託といえる。
投資期間と目標設定の重要性
自分に適した投資商品を選ぶためには「投資期間」と「目標設定」が重要だ。
なぜなら投資する商品ごとにおおよそのリターンが決まっているからだ。
たとえば先述した株式100%の投資信託に期待できるリターンは、年間でおよそ4%〜5%といわれている。
バランスファンドは商品構成にもよるが、債券や不動産を含んでいるならば、株式100%の商品よりも期待できる利回りは落ちる。
投資期間や投資目的に合わない商品を選んでしまうと、投資を続けたとしても資産額が目標額に届かないといったことは十分に起こり得る。
そのため投資を始める前には、投資できる期間と投資目的を定め、目的に合う商品を選定しよう。
毎月30万円から始める投資のコツ
一般に、資産運用では長期・分散投資を実践することでその効果を高めることができる。
そこでこの章では、積立投資におけるリスクを踏まえ、長期投資と分散投資のメリットと実践方法について解説する。
毎月30万円の積立投資で考えられるリスク
積立投資は基本的に有効な資産運用の手段であるが、考えられるリスクとしては以下の3つが挙げられる。
- 右肩下がり・右肩上がりを続ける相場では効率が悪い
- 短期間で大きなリターンは得られない
- 手数料がかかる
特に短期間で大きなリターンを得たい方には向いていないため、積立投資が自分に合っているか合っていないか、確認するためにも読んでほしい。
右肩下がり・右肩上がりを続ける相場では効率が悪い
積立投資は右肩下がりまたは、右肩上がりを続ける相場では効率が悪い。
価格が下落し続ける相場の積立投資は、平均購入単価を下げられるが、長期投資していても含み損を抱えたままになる。
右肩下がりの相場で最も効率の良い投資方法は、価格の底を見極めての一括投資だ。
ただ簡単に価格の底を見分けることはできないので、投資初心者にはおすすめしない。
一方で価格が上昇し続ける相場は、購入のたびに平均購入単価が高くなるため、結果論ではあるが投資のタイミングを分散する意味がない。
右肩上がりの相場では、投資を始めるタイミングでの一括投資が効率的だ。
これらの理由から積立投資は、右肩下がりまたは右肩上がりでの相場では効率が悪い。
積立投資は万能のように語られるが、このようなデメリットもあることは理解しておこう。
短期間で大きなリターンは得られない
積立投資では、短期的に大きな利益を得ることは難しい。
投資商品ごとの利回りは大まかに決まっているが、投資のリターンは投資資金の大きさにも関係する。
利回り5%の投資商品を例に、投資資金の大きさによるリターンの違いについてシミュレーションする。
- 投資資金30万円×利回り5%=リターン1万5,000円
- 投資資金3,000万円×利回り5%=リターン150万円
長期のシミュレーションで、投資資金によって利回りが同じでも最終的なリターンは全く違うことが理解できたと思う。
要するに投資資金が多ければリターンも大きく、一方で投資資金が少ないとリターンは小さくなる。
特に積立投資を始めたばかりの頃は投資資金も少ない。
そのため、積立投資で短期的に大きなリターンを得ることは難しくなってしまう。
手数料がかかる
投資には手数料がかかる。特に先述した投資信託を積立投資する場合、気を付けるべき手数料は「購入手数料」と「信託報酬」の2つだ。
購入手数料は文字通り、投資商品を購入するたびにかかる手数料。
購入手数料が無料の商品もあるが、一般的には1回の購入額に対して1%〜3%程度が一般的だ。
仮に購入手数料が1%の商品を30万円分購入すると、毎月3,000円の手数料がかかる。
一方で信託報酬とは、投資信託を保有している間にかかる手数料だ。相場は年0.5%〜2.5%である。
投資対象が同じであっても、商品が違えば手数料が何倍も違うことはよくある。
手数料を多く支払ってしまえば、その分投資家が得られるリターンは減ってしまう。
投資のリターンを高めたい場合は、手数料がいくらかかるのかもしっかりとチェックしよう。
長期投資と分散投資のメリットと実践方法
ここでは「長期投資」と「分散投資」について以下の3つを解説する。
投資タイミングと投資対象を分散できる
長期投資では投資タイミングを分散できるため、高値掴みを防げる。
積立投資を長期で行う場合、毎月決まった日に購入するため、自然と投資タイミングが分散される。
そのため投資タイミングを読む必要がなく、仕事や家事に忙しい方であっても投資を続けやすい。
また、分散投資では複数の投資対象に分散して投資を行う。
そのため1つの投資対象が下落しても、他の投資対象がその下落をカバーし、資産全体へのダメージを抑えられる。
最も簡単な方法は「投資信託」の積立投資
最も簡単に「長期投資」と「分散投資」を行う方法は「投資信託」の積立投資だ。
投資信託であれば、1つの商品を購入するだけで複数の投資対象に分散投資ができる。
たとえば株式を投資対象とする投資信託では、商品によっては1つで数百から数千の企業に投資が可能だ。
個別に企業の株を買い分散投資を行おうと思うと、数百万円から数千万円程度のお金が必要になる。
この点、投資信託であれば最低100円から購入が可能で、投資初心者でも簡単に分散投資が実践できる。
また、投資信託はその分散性から長期的に考えても商品の価値がゼロになることは考えにくい。
初心者でも安心して長期保有できるのが投資信託の魅力だ。
手軽に「長期投資」「分散投資」を行いたい場合は、投資信託の積立投資がおすすめだ。
毎月30万円から投資を始めるためのステップ
積立投資の基本について理解したところで、続くこの章ではその効果を最大化する運用戦略について、以下3つの観点から解説する。
- 投資計画の立案方法
- 自分に適した運用戦略の重要性
- ポートフォリオの定期的な見直しとリバランスの重要性
投資計画の立案方法
投資計画を立案するためには、運用目的の明確化とリスク許容度の把握が重要だ。
運用目的を決めると、投資期間や目標金額が定まり、投資の方針を決めやすくなる。
運用目的とは、例えば以下のようなものが該当する。
- 子供の学費を準備したい
- 結婚資金を準備したい
- 老後の生活費を準備したい
特に初心者の方は、運用目的を決めないと多少の値下がり・値上がりで売却したい衝動に駆られてしまう傾向にある。
積立投資を継続するためには、運用目的を定め、その目的に向かって投資をするのがおすすめだ。
またリスク許容度の把握も重要だ。リスク許容度とは、投資において各個人が耐えられる損失額の大きさのことだ。
リスク許容度の高い方は大きな損失を抱えても動じない一方で、リスク許容度の低い方は少ない損失にも耐えられない恐れがある。
リスク許容度は主に以下の要素で決まってくる。
- 年齢
- 収入
- 貯蓄額
- 扶養家族の有無
- 投資経験
一般に、若く、高収入かつ投資経験のある方ほどリスク許容度が高いと判断され、リスクの高い投資を行っても問題ないだろう。
一方で、高齢で、低所得かつこれまでの投資経験がない方はリスク許容度が低く、より安全性の高い投資を行うべきだ。
リスク許容度は投資を継続する上で重要な要素だ。
リスク許容度を超えた投資を行ってしまうと、値動きや損失額にドキドキしてしまい長期投資を実践できなくなる。
投資初心者ほどリスク許容度を低めに見積もり、安全性の高い投資計画を策定してほしい。
自分に適した運用戦略の重要性
投資を継続させ資産の成長を実現するためには、あなたにあった運用戦略が重要だ。
一般的に語られる運用戦略が必ずしもあなたに適しているとは限らない。
あなたの運用目的やリスク許容度にあった運用戦略を策定しなければ、投資を続けても目標の資産額にならない、そもそも投資を継続できないといった事態に陥ってしまうだろう。
不幸な事態を招かないためにも、自分に適した運用戦略を策定するべきだ。
ポートフォリオの定期的な見直しとリバランスの重要性
また、長期にわたる投資においては、定期的な運用状況の見直しが必要になる。
1度作成したポートフォリオ(保有資産の割合)であっても、年齢を重ねることで最適なものではなくなっていく可能性が高い。
投資を始めた頃はリスク許容度が高くても、年齢を重ねるにつれリスク許容度が低くなるケースは珍しくない。
自分のリスク許容度にあった投資を続けるためには、ポートフォリオの定期的な見直し欠かせない。
またリスクの取りすぎを防ぐためには、リバランスも重要だ。
リバランスとは、相場の変動に合わせて、資産比率を事前に決めたポートフォリオ通りに戻すことだ。
投資を継続していると、相場状況によって資産が値上がりまたは値下がりし、これにより資産比率も変化する。
資産比率が変化すると、想定以上にリスクを取りすぎたり、反対にリターンが得にくくなったりする。そのような事態を防ぐためにも、定期的なリバランスが重要なのだ。
リバランスは価格が上昇した資産を売却、または価格が下落した資産を買い増すことによって行う。
面倒に感じられるかもしれないが、投資を続ける上では非常に重要なことだ。
半年から年1回のタイミングで忘れずに見直し、リバランスを行うようにしよう。
毎月30万円から投資を始めるなら誰に相談するべき?
投資の成功には、投資計画や運用戦略の策定から、ポートフォリオの見直し、リバランスといった一連の流れが欠かせない。
しかしこれらは非常に手間がかかる上に難易度も高い。そのため、特に投資初心者であれば、専門家の力を借りて投資を実行するのがおすすめだ。
専門家に運用相談をする必要性
投資初心者こそ専門家に運用相談をするべきだ。
積立投資を成功させるために、運用戦略の策定が重要なことは前述の通りだ。
ただ運用目的やリスク許容度を考慮してそれらを策定するのは、投資初心者にとって簡単なことではない。
この点、専門家であれば豊富な知識と経験からあなたに最適な投資計画や運用戦略をアドバイスできる。
また、年齢を重ねてからのポートフォリオの見直しやリバランスのアドバイスも受けられるため、投資初心者には心強い味方だ。
ただ「専門家といっても誰に頼ればいいのだろう」と悩む方もいるだろう。
おすすめの専門家はIFAだ。つづけてIFAについて解説していく。
IFAの強みとは?
IFAとは「独立系ファイナンシャルアドバイザー」のことだ。
つまり、金融機関をはじめとした組織に所属していないお金の専門家といえる。
金融機関に所属していると、組織のしがらみから顧客本位のアドバイスをもらうことが難しい。
組織に所属していないIFAであれば、顧客ファーストのアドバイスが期待できるというわけだ。
また、IFAは複数の金融機関と提携し、会社の垣根を超えた商品のカスタマイズが可能である。
運用の選択肢が広がることは、自分にあった運用戦略を実行する上で大きなメリットとなる。
もちろん豊富な商品知識から的確なアドバイスを受けられるため、投資初心者であっても安心だ。
資産運用相談サービス「資産運用ナビ」を活用しよう
「IFAに興味があっても探し方がわからない」とお考えの方もいるだろう。
おすすめは資産運用相談サービス「資産運用ナビ」の活用だ。
「資産運用ナビ」は簡単な条件を入力するだけで、あなたに合うIFAを数人自動で抽出してくれる。
面談前に専門家の経歴やプロフィールを確認できるため、ミスマッチを防止できる。
また相談は無料のため、納得するまで専門家からのアドバイスを受けられるのも魅力だ。
資産運用に悩んでいる方は、一度「資産運用ナビ」を活用してIFAからのアドバイスを受けてみてはどうだろうか。
毎月30万円から投資を継続していこう
積立投資を長期間続けることで複利の効果が期待できる。
投資におけるリスクを理解した上で、長期・分散投資を実践して積立投資の効果を高めよう。
運用目的とリスク許容度をもとに、自分に合った運用法を見つけることも重要だ。
「資産運用ナビ」を活用して自分に合った専門家を見つけ、リスク管理と賢い投資戦略による資産拡大を目指そう。