- 300万円を効率的に運用する方法が知りたい
- リスクを管理しながら資産を増やす方法が知りたい
- 運用計画の立案方法と実行する際の注意点が知りたい
昨今、資産運用を検討する人の割合は増加傾向にある。
始めるタイミングとして、「ある一定の資産が貯まってから」と考えている方もいるだろう。
そこで本記事では、300万円で始める資産運用を具体例に、運用の基本から具体的な戦略、さらにリスク管理の方法までを詳しく解説する。
また、おすすめの相談先についても紹介するので、これから運用を始めようと考えているあなたにぜひ役立ててほしい。
資産運用の基本
資産運用とは、自分の資産を増やすための投資のことだ。
リスクはあるが、お金に働いてもらうことでインフレに負けない資産を形成することが可能となる。
ここでは、資産運用の基本を確認したうえで、始める際のポイントを説明しよう。
資産運用とは?
資産運用とは、自分の資産を増やすために行う投資活動の総称である。
具体的には、保有資産を預貯金や株式、投資信託、不動産などに投資し、その投資による利回りを得ることで、資産を増やしていくことを指す。
資産運用の大きなメリットとして、以下3点が考えられる。
インフレに負けない資産が形成できる
インフレとは、モノやサービスの価格が継続的に上昇することをいう。
現在、日本は超低金利の環境にあり、現金や預貯金で保有していても利息はほとんどゼロに近い。
そのため、インフレが進行している際にはお金の価値がインフレによる物価上昇に追いつかず、実質的なお金の価値が目減りする可能性がある。
そこで、お金を株式や投資信託などで運用することで、インフレ率を上回るリターンを狙うことができるのだ。
複利効果で効率よく資産を増やせる
複利とは、元本に運用で得た利益を加算して再投資し、増えた元本でさらに利益が増えていくという、利益が利益を生む仕組みのことだ。
複利効果を活用した長期的な資産運用によって、少額からでも大きな資産形成を目指すことが可能となる。
将来の夢や目標を実現できる
資産運用で得た利益を活用することで、将来の夢や目標の実現にも役立つはずだ。
たとえば、住宅のための資金を準備したり、子どもの教育費を貯めたりすることができる。
資産運用の始め方
資産運用を始めるにあたっては、以下の3つのポイントを整理しておこう。
資産運用の目的設定
まずは資産運用を始める目的を明確にしよう。
例えば、老後の生活資金のために60歳までに2,000万円貯める、10年後起業するための資金500万円を準備する、などが挙げられる。
目的によって適した運用方法やリスク許容度が変わってくるため、まずは目的を具体的に明確にすることが重要である。
余剰資金の把握
続いて、資産運用に回せる余剰資金(余裕資金)を把握しよう。
資産運用には元本割れのリスクが伴うため、生活費に影響が出ない範囲で行うことが重要となる。
また、運用期間によっても、必要な余剰資金は変わってくる。
たとえば、運用期間を長期で見込むのであれば、少ない余剰資金でスタートすることも可能である。
リスク許容度の把握
自分がどの程度のリスクを許容できるのかについてもしっかりと把握する必要がある。
リスク許容度が高いほど、ハイリターンが見込める投資方法に挑戦できるが、その分、元本割れのリスクも高くなる。
これらのポイントを押さえたうえで、自分に合った資産運用を始めることが重要である。
資産運用の種類
一口に資産運用といっても、さまざまな種類がある。
代表的なものを以下で紹介しよう。
株式投資
企業の株式を購入し、企業の成長や利益の上昇に連動して、株価上昇が期待できる。
ハイリターンが期待できる一方、元本割れのリスクもある。
投資信託
投資信託とは、複数の投資家から集めた資金で運用の専門家が投資を行い、その運用益を投資家に分配する金融商品のことだ。
国内外問わず、株式、債券、不動産などに分散運用するので、投資家からするとリスクを抑えながらある程度のリターンを狙うことができる。
不動産投資
不動産を購入し、家賃収入や売却益で利益を得る投資方法。
長期的な運用に向いているが、初期費用や管理費用などのコストがかかるため、注意が必要である。
債券
債券とは、国や地方公共団体、企業などが資金を調達するために発行する有価証券の一種のこと。
イメージとしては借用証書のようなもので、発行体は投資家からお金を借りるために債券を発行する。投資家は期間中に定期的に利子を受け取ったり、満期まで保有すれば元本を受け取ることができる。
国や地方公共団体など信用力の高い発行体の債券であれば、よりローリスク・ローリターンといえるだろう。
ロボアドバイザー
人工知能(AI)を活用した資産運用サービスである。
ロボアドバイザーは、ユーザーのリスク許容度や目標に合わせたポートフォリオを作成し、リバランスも自動で行ってくれる。
資産運用の知識や経験がなくても、簡単に運用を始めることができるところはメリットといえる。
300万円の効率的な運用戦略を紹介
資産運用を行うにあたって、まずは以下の投資3原則をきちんと認識しておこう。
- 分散投資 : 複数の投資先に分散投資することで、リスクを抑えることができる
- 長期投資 : 長期的に投資することで、短期的な変動の影響を受けにくくなる
- リバランス : 投資先の比率が大きくずれないように、定期的にポートフォリオを見直して調整を行う
運用対象選定における重要ポイント
何の資産で運用していくかを決めるには、以下のポイントを整理することが重要だ。
- 自分の目的やリスク許容度に合っているか
- 手数料が低いか
自分の目的やリスク許容度に合っているか
前述のとおり、自分の目的やリスク許容度を明確にすることが運用対象を決める際に大切となってくる。
老後の生活資金を準備するのであれば、安定したリターンを重視する必要があるだろう。
一方、将来の夢を実現するために若いうちから資金を貯めるのであれば、ある程度のリスクを取ってリターンを狙うこともできる。
手数料が低いか
運用対象を選定する際には、かかる手数料も考慮しておきたい。
手数料が高いと、最終的なリターンが目減りする可能性があるため、できるだけ手数料が低い投資先を選ぶようにしよう。
この方針を踏まえ、具体的な300万円の運用戦略について解説しよう。
300万円の資金を最適に活用する方法
投資戦略はリスクとリターンを考慮して組み立てていく必要があるが、ここでは株式投資と投資信託を組み合わせた基本的かつ効率的な運用法を解説する。
株式投資のポイント
株式投資は、高いリターンが見込める可能性がある一方で、元本割れの可能性も高いという特徴がある。
また、どの投資手法を採用するかによって、リスクとリターンが変わってくる。
主な投資手法は、以下の通りだ。
- バリュー株投資: 現在の株価が実態よりも低い銘柄を見つけ、その銘柄を安く買い入れる手法
- 成長株投資: 将来の成長が期待される企業に投資する手法
- デイトレード・スイングトレード: 短期的な値動きに注目し、短期間で取引を行う手法
また、株式投資の対象となる個別銘柄の選択基準はさまざまあるが、一般的には以下のような点を意識して選定することが多いだろう。
- 業績と成長性を判断する
- 投資先企業の決算報告書や有価証券報告書から、収益性と成長可能性を見極める
- 配当利回りを確認する
- 利益配分方針を示す指標であり、成長性とのバランスが大切となる
- PER(株価収益率)を使う
- PERが低いほど割安感があるといえる
- 分散投資(リスク分散)を心がける
- 業種や銘柄数を絞り過ぎるとリスクが集中するため、適度に分散すべき
投資信託のポイント
投資信託は、複数の投資先に分散投資できるため、リスクを抑えやすい投資方法である。
金融機関によって取り扱っている銘柄はまちまちだが、口座を開設していれば簡単に購入することができる。
投資信託は、インデックスファンドとアクティブファンドという大きく2種類に分類することができる。
- インデックスファンド
- インデックスファンドは、特定の指数(日経平均株価やTOPIXなど)に連動するよう設計された投資信託である。
- 長期的に見て指数と同じ値動きをするため、大きく損をすることはない代わりに、市場平均を大きく超えるリターンは期待できない。
- 比較的に手数料が安く抑えられている点もメリットといえる。
- アクティブファンド
- アクティブファンドは、特定の指数を上回る成績を目指して設計された投資信託である。
- インデックスファンドと比べ、手数料は高くなるが、市場平均を大きく超えインデックスファンド以上のリターンを狙ったファンドだ。
具体的な運用戦略
上記のポイントを踏まえた上で、株式投資と投資信託を組み合わせた具体的な運用戦略の例を紹介しよう。
300万円の資金のうち、株式投資を3割、投資信託を6割、預貯金を1割とするポートフォリオである。
運用戦略の例 | 投資額 (資金300万円) | 特徴 | ポートフォリオ の割合 |
---|---|---|---|
株式投資 | 90万円 | ハイリターンが見込める一方、リスクも高い | 3割程度 |
投資信託 | 180万円 | 複数の投資先に分散投資できるため、リスクを抑えやすい | 6割程度 |
預貯金 | 30万円 | すぐに資金が必要になったときに備える | 1割程度 |
全ての金額を1種類の投資信託に集中するのでなく、国内・国外や株式・債券など2−3銘柄に分散させるのが良いだろう。
長期に運用するのであれば、手数料の安いインデックスファンドに手堅く投資することをおすすめする。
また、すぐに資金が必要になったときに備えるため、ポートフォリオの1割程度は換金しやすい預貯金の口座に確保しておくと安心だ。
このポートフォリオは、あくまでも一例であり、自分の目的やリスク許容度に合わせて、また定期的にバランスを見直して、適宜比率を調整すべきである。
運用期間と目標リターン
運用期間と目標リターンは、それぞれの目的に合わせて設定することが重要だ。
運用期間が短い場合は、低リスクで安定したリターンを狙う
運用期間が短く数年程度の場合は、短期的な変動の影響を受けにくい、低リスクで安定したリターンを狙う必要がある。
とくに、1年以内に資金が必要になる場合は、預貯金や国債などの安全資産に投資するのがよいだろう。
運用期間が長い場合は、ハイリスクで高いリターンを狙う
運用期間が10年以上と長い場合は、長期的な成長を見込んだ高いリターンを狙うこともできる。
20年以上の運用期間を想定している場合は、株式投資などのリスクの高い投資先も候補になるだろう。
資産運用におけるリスク管理の重要性
資産運用においては、リスク管理も非常に重要となる。
適切にリスクを管理することで、以下のようなメリットが得られる。
- 損失の拡大を抑えることができる
- 目標リターンを達成しやすくなる
- 資産運用を継続しやすくなる
資産運用におけるリスクとは
資産運用におけるリスクとは、投資で損失を被ったり大きく利益を減らしたりしてしまうことだろう。
主なリスクには、以下のものが挙げられる。
- 元本割れリスク:投資先の価格が下落して、元本を下回ってしまうリスク
- 為替リスク:投資先の資産が外国通貨で運用されている場合、為替レートの変動によって損失を被るリスク
- 金利変動リスク:投資先の資産の利回りが下落して、リターンが低下するリスク
- 信用リスク:投資先の企業や国が倒産して、元本が回収できなくなるリスク
投資においてリスクをゼロにすることはできないが、リスクを適切に管理すれば損失を最小限にすることはできるだろう。
具体的なリスクヘッジの方法については次の段落で解説する。
リスクへの対策
資産運用におけるリスクへの対策(リスクヘッジ)としては、以下を検討すべきである。
分散投資
複数の投資先に分散投資することで、リスクを抑えることができる。
株式投資のみに資本を集中するのではなく、投資信託や債券など、さまざまな投資先を組み合わせて運用することでリスクヘッジとなる。
長期投資
長期投資は、短期的な変動の影響を受けにくいというメリットがある。
資産運用の目標やリスク許容度に応じて、長期投資の割合を検討しよう。
ポートフォリオの見直し
投資先の状況や市場環境の変化に応じて、ポートフォリオの見直しを行う。
定期的に投資先の状況を確認し、必要に応じて投資先の比率を調整しよう。資産運用におけるリスクヘッジは、簡単にできることではない。
長期的な視点で、適切なリスク管理を行うことが重要となる。
分散投資の効果とその実践方法
分散投資は、複数の投資先に分散することで、リスクを抑える効果がある。
たとえば、国内株式投資のみに投資する場合、日本の株式市場の下落によって大きな損失を被る可能性がある。
しかし、国内株式投資と海外株式投資や投資信託などを組み合わせることで、資産全体における日本の株式市場の下落の影響を最小限にとどめることができるかもしれない。
分散投資を実践する方法としては、以下のようなものが考えられる。
株式投資と投資信託を組み合わせる
株式投資と投資信託を組み合わせることで、株式市場の下落の影響を抑えることができる。
株式はハイリターンが見込める一方で、リスクも高い投資先である。
一方、投資信託は複数の投資先に分散投資できるため、リスクを抑えやすいといえるだろう。
異なる地域や業種の投資先に投資する
異なる地域や国、あるいは別な業種の投資先に投資することで、景気や業界の状況によって特定の投資先の価格が下落した場合の影響を抑えることができる。
インデックスファンドでの投資を行う
指数連動型のインデックスファンドは、その投資信託そのものが分散投資をコンセプトとしたものだ。
手数料も低く、長期に保有する場合は、相対的に高いパフォーマンスが期待できるだろう。
長期投資のメリットとポートフォリオの見直し
長期投資は、短期的な変動の影響を受けにくいというメリットがある。
たとえば、1年間の値動きで見ると株式市場は大きく変動している。
しかし、10年、20年という長期的な視点で見ると、株式市場は相対的に右肩上がりで推移してきている。
また、長期間の投資においては、複利効果でさらにリターンを増やすこともできる。
ただ、長期投資を行う際には、定期的にポートフォリオの見直しを行うことが重要となる。
長い年月が経ち当初のポートフォリオ配分が変わってくることで、最適なリターンを得られず、リスクだけ高くなるかもしれない。
投資先の比率が大きくずれないように、半年から1年のサイクルで定期的に投資先の状況を見直し、必要に応じて調整を行うようにしたい。
資産運用は誰に相談するべきか?
資産運用は長期&分散で行うのが良い、ということは理解できても、具体的に運用資産の選定や個別銘柄の評価などを、すべて独力で行うのはかなり難しいだろう。
そのため、資産運用の専門家からアドバイスをもらい、運用を成功へと導くためのサポートを受けることをおすすめする。
資産運用は専門家に相談しよう
資産運用に関する知識や経験が豊富な専門家は、あなたに合った最適な運用方法をアドバイスしてくれるだろう。
資産運用の相談先としては、以下のようにさまざまな専門家がいる。
- 証券会社
- 銀行
- FP
- IFA(独立系金融アドバイザー)
証券会社や銀行では、投資信託や国債などの金融商品を販売しているため、その商品に関する情報を得ることができる。
また、FPは資産形成のパートナーとしてライフプランの作成に携わる。
ただし、具体的な金融商品の提案や取引の仲介ができない点には注意したい。
そして、中でも相談先としておすすめしたいのがIFAだ。
IFAからは、中立的な立場からの資産運用に関する全般的なアドバイスが期待できる。
続く段落でその役割やメリットについて詳しく解説する。
IFAの役割とメリット
資産運用の相談先としておすすめなのが、IFAである。
IFAは金融機関に所属せず、独立した立場の専門家である。
そのため、決まった金融機関の商品やサービスを提案するのでなく、顧客目線でのアドバイスを提供してくれる。
また、会社都合の異動や転勤がないことから、運用中のリスク管理も含め長期的な資産形成の支援を受けることができるのも大きなメリットだ。
IFAを上手に活用することで、効率的な資産運用が可能となるだろう。
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「資産運用ナビ」を上手に活用して、自分にぴったりのIFAを見つけて、ぜひ効果的な資産運用をすすめてほしい。
まとめ
資産運用を始める際には、まず運用目的と自分のリスク許容度を定め、それに基づいて運用可能な金額を判断する必要がある。
また、資産運用にはさまざまなリスクが存在することを理解したうえで、長期・分散投資を実践することが効率的な資産形成につながる。
また、資産運用においては、自分に合った運用方法を選び、定期的にポートフォリオを見直すことも欠かせない。
ただ、これらすべてを独力で行うのは難しいのも事実。
専門家に相談し適切なアドバイスを受けながら、リスクを抑え賢い投資判断ができるようになろう。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用すれば、長期的かつ中立的なアドバイスが可能なIFAの中から、自分に合ったアドバイザーを簡単に見つけることができる。
ぜひあなたの資産運用にも役立ててほしい。