- 長期投資におすすめの商品が知りたい
- 長期投資のメリットとデメリットを理解したい
- なぜ長期投資が資産形成に最適なのか知りたい
長期投資は、時間をかけて資産を育てる効果的な投資戦略だ。安定的な成長と高いリターンを目指し、複利効果やリスク分散のメリットを活かせる。
本記事では、長期投資の基本から具体的な商品選びのポイント、おすすめのポートフォリオまで、幅広く解説する。
初心者から上級者まで、長期投資の魅力と成功のコツを学ぼう。
長期投資は資産形成に最適な手法

長期投資とは、時間をかけて資産を育てることで、安定的な成長と高いリターンを目指す投資戦略だ。
資産形成において非常に効果的な手法として、広く活用されている。
ここでは、長期投資に関する理解を深めよう。
長期投資の定義
長期投資の期間について、一般的には10年以上の運用期間を指す傾向だ。
具体的には、10年から50年程度の期間で資産を運用することを、長期投資と呼ぶ。
長期投資のメリット
長期投資の代表的なメリットは、次の通りだ。
複利効果が期待できる
長期投資の大きなメリットの1つが複利効果だ。
複利とは、元利(元本+利益)に対して利益が発生する仕組みである。長期間にわたって投資を続けることで、複利の効果が大きく働く。
時間の経過とともに、加速度的に資産が増えていくのが複利の特徴だ。複利効果を得やすい長期投資は、資産を増やしやすい投資手法である。
リスクを分散しやすい
長期投資がリスク分散しやすい理由は、次の2つである。
- 時間の分散
- 投資のタイミングを分散できる
- 長期保有
- 市場の長期的な成長の恩恵を受けやすい
時間の分散は、長期投資において重要なリスク回避の手法だ。具体的には以下の効果が期待できる。
- ドルコスト平均法の活用
- 定期的に一定額を投資することで、市場の高低に関わらず平均的な価格で購入できる
- タイミング・リスクの軽減
- 一度に大きな金額を投資したことによる大きな損失を被るリスクを軽減
- 心理的バイアスの回避
- 定期的な投資により、市場の値動きに左右された感情的な判断を避けやすくなる
上記に加えて、複数の資産に分散投資するとさらにリスクを軽減できる。
具体的には、株式、債券、不動産など異なる資産クラスへの投資が、リスクを軽減するために欠かせない。
投資にかかる時間と労力の節減が可能
長期投資は、投資にかかる時間と労力を大幅に節減できる効果的な投資手法だ。その理由は以下の通りである。
- 日々の相場変動を気にする必要がない
- 頻繁な売買が不要
長期的な企業価値の成長に注目する長期投資では、短期的な市場の変動に一喜一憂する必要がない。
投資家は長期的な視点で資産の成長を見守れる。そのため、日々の相場チェックにかける時間と労力の、大幅な削減が可能だ。
運用コストの抑制が可能
長期投資を選ぶと、時間や能力に加えて売買にかかるコストを抑える効果が期待できる。これは、売買の頻度が少ないことに起因する。
- 取引回数の減少に伴う手数料総額の抑制
- 取引回数の減少に伴う税金の削減
投資において取引するたびに、証券会社に支払う手数料が発生する。
しかし取引の回数が少ない長期投資では、手数料が発生する機会が少ないため、運用コストの削減が可能だ。
長期投資と短期投資を比較
長期投資と短期投資の違いを比較したものが、下の表だ。
特徴 | 長期投資 | 短期投資 |
---|---|---|
投資期間 | 10年以上が一般的 | 1日〜1年程度 |
主な投資手法 | 積立投資、分散投資 | デイトレード、スイングトレード |
利益の発生源 | キャピタルゲイン+インカムゲイン | 主にキャピタルゲイン |
リスク | 比較的低い | 比較的高い |
値動きに求められる対応 | 短期的な変動を気にしない | 日々の値動きに敏感に反応 |
時間と労力面でのコスト | 少ない | 多い |
なお、上記表のデイトレードとは、1日以内で取引を完結させる手法だ。スイングトレードは、数日から数週間の期間で取引する手法である。
キャピタルゲインとは、資産を売却したときに得られる利益のことだ。
インカムゲインは、資産を保有している間に定期的に得られる配当金などの収入のことである。
長期投資は安定的な資産形成を目指す投資家に、短期投資は積極的に利益を追求する投資家に適しているといえる。
長期投資と短期投資の使い分け方
長期投資と短期投資は、次の観点で使い分けることが大切だ。長期投資と短期投資、それぞれがおすすめな人について説明する。
長期投資がおすすめな人
長期投資がおすすめな人は、次の通りだ。
- 投資初心者
- 安定的な資産形成を目指す人
- 時間的余裕が少ない人
- 大きなリスクを取れない人
はじめて資産運用する人であれば、リスクを抑えながら大きく資産を育てる効果が期待できる、長期投資をおすすめする。
短期投資がおすすめな人
短期投資がおすすめな人は、次の通りだ。
- 専門知識や経験が豊富な人
- 積極的な資産形成を目指す人
- 時間的余裕がある人
- リスク許容度が高い人
長期投資に適したおすすめの運用法5選

長期投資におすすめの運用法には、次の5つの商品がある。それぞれについて、詳しく説明しよう。
1.インデックスファンド
インデックスファンドでは、選んだ指数(日経平均株価やS&P500)と同じ動きをするように、その指数を構成する株式をほぼ同じ比率で購入し、保有する。
これにより、市場平均と同等のパフォーマンスを、低コストで実現することを目指すのが特徴だ。
インデックスファンドが長期投資に適している理由
- 低コストで運用可能
- 分散投資
- 指数を構成する多数の銘柄に自動的に投資されるため、リスクを分散しやすい
- 透明性が高い
- 投資対象が明確で、運用状況が把握しやすい
- 市場平均のリターンを期待できる
長期目線の運用における投資のポイント
インデックスファンドの投資では、次の点に注意しよう。
- 定期的な積立投資を設定し、コツコツと資産を増やす
- 同じインデックスを追従するファンド間で信託報酬を比較し、低コストのものを選ぶ
- 分配金再投資型を選択し、複利効果を最大限に活用
- 売買回数を抑えることで、取引にかかるコストを最小限に抑える
- 国内株式、海外株式、債券など、複数の資産クラスに分散投資
- 運用実績や人生の目標の変化に応じて、定期的に投資計画を見直し
商品を選ぶ基準
インデックスファンドの商品選びでは、次の基準に基づいて選定したい。
- 投資対象と投資地域
- 純資産総額の規模
- 運用コスト
インデックスファンドでは、投資対象と地域の組み合わせによってリスクとリターンが変動する。
なお投資対象とは、株式や債券、といった金融商品のことだ。投資地域とは、日本や米国、欧州といった地域を指す。
一般的に、債権・不動産・株式の順に、リスクが高くなる。また先進国より新興国のほうが、リスクもリターンも大きい傾向だ。
リスクの許容度に合わせて、対象と地域の組み合わせを検討しなければならない。
またインデックスファンドには、一定以上の規模の運用資産が必要だ。
資産規模が大きいとは、人気があることであると同時に、分散投資が可能であったり、運用体制が充実していたり、といったメリットが期待できる。
これらに加えて、とくに長期投資を考えるなら、運用コストにも配慮したい。信託報酬が高いほど運用コストが増大し、利益率は減少する。
ただし、信託報酬は安ければよいとは言い切れない。運用方法や投資対象資産によって、適正なコストは異なるためだ。
インデックスファンドを選ぶなら、同じ運用方法という基準で比較した場合に、信託報酬が低いものを選ぶよう意識したい。
具体的なおすすめ銘柄
インデックスファンドのおすすめ銘柄は、次の通りだ(2025年1月時点)。
- eMAXISSlim米国株式(S&P500)
- 信託報酬0.0937%・純資産総額6兆1285億円
- eMAXISSlim全世界株式(オール・カントリー)
- 受益者還元型信託報酬率を採用し、純資産総額に応じて信託報酬率が引き下げられる
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- 信託報酬0.0638%、純資産総額1兆9768億円
これらの投資信託は低コストで、純資産総額も大きく、長期投資におすすめだ。
- 出典:東京スター銀行「インデックスファンドとはどんな投資信託?おすすめの商品や選び方まで解説!」・MUFG「インデックスファンド・カカクコム投資・資産運用・Kabutan「米国株の投資信託(インデックスファンド)おすすめ8選!【指数ごとに紹介】」・ZaiONLINE「インデックスファンド「信託報酬」比較ランキング!「オルカン」「S&P500」など投資対象別に“実質コスト”を比較し、一番お得なおすすめファンドを紹介!」
2.ETF
ETF(上場投資信託)は、株式市場の動きを追跡する投資商品だ。
特定の指数(例:日経平均株価やS&P500)と同じ動きをするように設計されており、株式と同じように証券取引所で売買できる。
一つの商品で多数の銘柄に分散投資できるため、リスクを抑えやすい。また、運用コストが低いのが特徴だ。
ETFが長期投資に適している理由
ETFが長期投資に適している理由は以下の通りである。
- 指数に連動するため 頻繁な売買が不要で運用の手間が少ない
- 1つの商品で国内外の複数の銘柄に分散投資できる
- 運用コストが低い
- 定期積立投資でドルコスト平均法の効果を得やすい
長期目線の運用における投資のポイント
ETFを活用した長期投資では、次の点に注意したい。
- 取引量が多く流動性が高いETFを選び、売買しやすさを確保する。
- 市場価格と基準価額の乖離を定期的に確認し、大きな乖離がある場合は注意
- 売買手数料と信託報酬を考慮し、総コストを抑える戦略を立てる
- 市場の変動に左右されにくいドルコスト平均法を活用
- 分配金を受け取る場合は、効率的な再投資方法を検討
- 市場の動きに応じて、定期的にポートフォリオを調整する
なおドルコスト平均法とは、価格が変動する投資対象に対して、一定期間ごとに一定金額分ずつ購入していく投資手法である。
商品を選ぶ基準
ETFの商品を選ぶ際は、次のポイントをチェックしよう。
- 信託報酬の低さ
- 長期投資では、わずかな費用の差が大きな影響を与えるため
- 純資産総額
- 規模が大きい投資信託は流動性が高く、コストを抑えやすい
- トラッキングエラー
- 指数との乖離が小さい投資信託を選ぶ
- 運用会社の信頼性
- 安定した運用実績のある会社の投資信託を選ぶ
- チャートの上昇トレンド
- 過去の値動きを確認し、上昇傾向にあるものを選ぶ
具体的なおすすめ銘柄
ETFのおすすめ銘柄は、以下の通りだ(2025年1月時点)。
- NEXTFUNDS日経225連動型上場投信
- 日本を代表する225銘柄に投資
- バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)
- 米国の高配当株式に投資
- iシェアーズ・コア米国高配当株ETF(HDV)
- 米国の高配当株式に投資
3.個別株式
個別株式とは、特定の企業が発行する株式のことだ。単一の企業に直接投資する形態をとる点で、ETFやインデックスファンドとは異なる。
個別株式が長期投資に適している理由
個別株式が長期投資に適している理由には、以下の点が挙げられる。
- 企業の成長に直接投資できる
- 株主としての権利を行使できる
- 投資家自身が知識や視野を広げる機会を得られる
- 応援したい企業に投資できる
個別株式の長期投資は、企業の直接的な成長に参加し、株主権を行使できる点で魅力的だ。
また、投資家自身の知識や視野を広げ、共感する企業を応援できるため、金銭的リターン以上の価値を提供する投資方法といえる。
個別株式を長期目線で運用する際のポイント
個別株式を長期目線で運用する際のポイントは、次の通りだ。
- 経営者の資質を評価
- 業界動向を把握
- 企業の成長可能性を重視
- 財務の健全性を確認
長期投資では、企業の将来性が重要だ。上述のように多角的な視点から、企業の成長性と将来性を確認しよう。
個別株式の商品を選ぶ基準
個別株式の商品を選ぶ際は、次の基準をもとに総合的に精査しよう。
- 長期的に競争力を維持できる企業
- 競合他社が容易に参入できない市場ポジションを持つ企業
- 負債が少なく、キャッシュフローが安定している企業
- 継続的に配当を増やしている企業
- 企業のブランド力
- 技術革新や新規事業への取り組みを評価
- 長期的なビジョンを持ち、株主重視の経営方針を持つ経営者がいる企業
個別株式の具体的なおすすめ銘柄
個別株式の、おすすめ銘柄を紹介する(2025年1月時点)。
- ファーストリテイリング(9983)
- ユニクロを展開し、グローバルなアパレル市場で成長を続けている
- キーエンス(6861)
- ファクトリーオートメーション用センサーのリーディングカンパニーで、高い利益率を誇る
- 任天堂(7974)
- ゲーム業界で強力な知的財産を有し、ハードウェアとソフトウェアの両面で競争力がある
4.債券
債券とは、国や企業などが資金を調達するために発行する有価証券だ。
投資家は債券を購入することで、発行体にお金を貸し、定期的に利子を受け取る。満期日には、元本が返済されるのが債券の特徴だ。
債券が長期投資に適している理由
債券が長期投資に適している理由は、次のとおりだ。
- 定期的な利子収入が期待できる
- 満期まで保有すれば、通常は元本が保証される
- 長期保有により、利子の再投資で複利効果が期待できる
- 株式とは異なる値動きをするため、ポートフォリオのリスク分散に効果的
このように債券は、安定性と予測可能性が高い投資手段といえる。
債券を長期目線で運用するポイント
債券を長期目線で運用する際は、次のポイントを意識しよう。
- 分散投資
- 異なる発行体や満期日の債券に分散投資する
- ラダー戦略
- 満期日の異なる債券を組み合わせて、金利変動リスクを軽減
- 信用力の確認
- 発行体の信用力を定期的にチェック
- 金利動向の把握
- 長期的な金利トレンドを把握し、運用戦略に反映させる
債券投資の運用では、リスク分散と市場動向への適応が重要だ。
債券を選ぶ基準
債券を選ぶ際は、次の基準に則って選定しよう。
- 発行元の信用力
- 格付けが高いほど安全性が高くなるが、利回りは低くなる傾向
- 利回り
- 高利回りは高リスクを意味する場合もあるので注意が必要
- 満期日
- 一般的に、満期が長いほど利回りは高くなるが、価格変動リスクも大きくなる点に注意
- 通貨
- 円建てと外貨建てがあり、外貨建ての場合、為替リスクを考慮する必要がある
- 流動性
- 流動性が低いと、売却時に不利な価格での取引を強いられる可能性
債券を選択する際は、上記を総合的に評価し、投資目的とリスク許容度に合わせて選ぶことが大切だ。
債券の具体的なおすすめ銘柄
債券の具体的なおすすめ銘柄として、以下が挙げられる(2025年1月時点)。
銘柄名 | 通貨 | 利率 | 満期/残存期間 | 利回り |
---|---|---|---|---|
トヨタモータークレジットコーポレーション社債 | 米ドル | 2.70〜5.70% | 2030年1月満期(約5年) | – |
10年国債(#376) | 円 | 0.900% | 9年8ヶ月 | 0.98%(税引後0.79%) |
第92回株式会社クレディセゾン社債 | 円 | 0.400% | 2年5ヶ月 | 0.78%(税引後0.70%) |
5.REIT
REITは投資家から集めた資金で不動産に投資し、その賃貸収入や売却益を投資家に分配する金融商品だ。
なおREITとは、不動産投資信託(RealEstateInvestmentTrust)の略称である。
REITが長期投資に適している理由
REITが長期投資に適している理由は、次の通りだ。
- 不動産からの賃貸収入により、安定した分配金が期待できる
- 不動産価値は一般的にインフレに連動して上昇するため、インフレヘッジとして機能
- 複数の不動産に投資することで、リスクを分散できる
- 上場REITは株式と同様に取引所で売買できるため、流動性が高い
REITの長期目線の運用におけるポイント
REITを長期目線で運用するなら、次のポイントが重要だ。
- 市場の変動に左右されにくいドルコスト平均法を活用
- 異なる種類の不動産や地域に投資するREITを組み合わせる
- 分配金を再投資することで複利効果を最大化
- 短期的な市場変動に惑わされず、長期的な成長を重視
REITの長期運用では、定期的な積立と分散投資が基本戦略だ。
さらに、分配金の再投資と長期的視点の維持により、複利効果と安定成長を目指すことが重要である。
REITの商品を選ぶ基準
REITの商品を選ぶ際の基準は、次の通りだ。
- 保有する不動産の種類、立地、テナントの質を確認
- 負債比率や資金調達能力を評価
- 過去の分配金の安定性や資産価値の成長を確認
- 信託報酬などの運用コストが低いものを選ぶ
- 取引量が多く、流動性の高いREITを選ぶ
REITを選ぶ際は、保有不動産の質、財務健全性、運用実績、コスト、流動性を総合的に評価しよう。
とくに、安定した分配金と資産価値の成長が見込めることにくわえて、運用コストが低く、取引しやすいREITを選ぼう。
REITの具体的なおすすめ銘柄
REITの、具体的なおすすめ銘柄を紹介する(2025年1月時点)。
- 日本都市ファンド投資法人
- 総合型REITで、多様な不動産ポートフォリオを有する
- 日本ホテル&レジデンシャル投資法人
- ホテルと住宅に特化したREITで、インバウンド需要の回復に期待
- ユナイテッド・アーバン投資法人
- 複合型REITで、多様な不動産タイプに投資
- 出典:ZAIMONLINE「【日本株】2025年・新春の「おすすめ10万円株」2銘柄を紹介!インバウンドで過去最高益の「高島屋」、リスキリング関連の「リンクアンドモチベーション」に注目」「【日本株】2025年新春の「高配当株&少額で買える株」ランキング!配当利回り5%超の「商船三井」、株式分割で買いやすくなった「ソフトバンク」がランクイン!」・MINKABU「【国内REIT】新NISA成長投資枠利回りランキング」
長期投資の商品選びのポイント

長期投資の商品選びでは、次の3点が重要だ。
1.投資目標とリスク許容度に応じた商品を選択
長期投資を考える場合は、投資に先立って立てた自分自身の目標、およびリスクの許容度にあった商品を選びたい。
投資目標の例をあげるなら、次のようなものが考えられる。
- 老後資金の準備
- 子供の教育資金
- 住宅ローンの頭金
目標は、具体的に設定しよう。目標達成までに必要な期間と金額を明確にすることで、長期投資の商品を適切に選びやすくなる。
また目標と同時に、リスク許容度について慎重に検討しなければならない。
リスク許容度とはつまり、どの程度まで価格変動を受け入れられるか、ということである。
リスク許容度は、投資する人の年齢や家族構成、収入状況、保有資産、投資経験などを加味して総合的に判断する。
一般的に年齢が若く時間的な余裕がある人ほど、リスク許容度が高くなる傾向が顕著だ。
また、分散投資も重要だ。地域、資産クラス、投資スタイルなどを分散させることで、リスクを軽減しやすくなる。
2.低コストの商品を選択
長期投資では、運用コストが低い商品を選択しよう。1回あたりの金額は大きくない場合でも、運用コストが積み重なれば、大きな額になりかねない。
とくに信託報酬(運用管理費用)は、毎年かかる費用だ。できるだけ低いものを選ぶことが重要である。
低コストの商品としては、インデックスファンドやETF(上場投資信託)が挙げられる。
これらは市場平均並みの運用成績を目指すパッシブ運用をおこなうため、運用コストを抑えやすい。
3.過去の実績と評判を確認
長期投資を考えるなら、当該金融商品の過去の運用実績を確認しよう。このとき、短期的な実績のみならず、長期間の実績のチェックが重要だ。
過去の運用実績は、運用会社のウェブサイトや販売会社のウェブサイトに公開されている、月次報告書(マンスリーレポート)などで確認できる。
このとき、同じ投資対象の他の商品とも比較しよう。
運用の参考となる指標であるベンチマークに対して、どの程度のパフォーマンスを出しているかを確認するのだ。
また、運用会社の評判や運用体制も考慮に入れたい。長期的に安定した運用をおこなっている会社の商品を選べば、安心して投資を続けられる。
併せて、投資には常にリスクが伴うことを念頭に、定期的に投資方針や選択した商品を見直すことも大切だ。
長期投資には分散投資が必須!おすすめのポートフォリオとは

長期投資では、リスクを抑えるための分散投資が欠かせない。
ここでは、長期投資における分散投資の重要性とともに、分散投資の方法やおすすめのポートフォリオの例について具体的に紹介する。
長期投資における分散投資の重要性
分散投資は「卵を一つのカゴに盛るな」という格言にたとえられるように、リスクを分散させる効果につながる。
具体的には、異なる資産クラス(株式、債券、不動産など)や地域に投資することで、一つの資産が下落しても他の資産でカバーできる可能性が高まる。
分散投資の具体的な方法
分散投資には、主に次の3つの方法がある。
資産分散
資産分散とは、異なる特性を持つ資産クラスに投資を分散することだ。具体的には、次のような商品がある。
- 株式
- 債券
- REIT(不動産投資信託)
資産分散すれば、仮にある資産が下落しても、他の資産でカバーできる可能性が残されている。
地域分散
地域分散とは、さまざまな国や地域の資産に投資を分散することを意味する。
各国・地域の経済状況や成長率は、それぞれに異なる。複数の国・地域に投資することで、特定の国のリスクに偏ることを防ぐ効果につながる。
時間分散
時間分散とは、投資のタイミングを分散させる投資手法のことだ。
一度に全額を投資するのではなく、定期的に少額ずつ投資することで、市場の短期的な変動による影響を抑えられる。
この方法はドルコスト平均法とも呼ばれ、高値づかみのリスクを軽減する効果がある。
なお、高値づかみとは、株価が上昇している局面で株式を購入したものの、その後株価が下落して損失を被ることだ。
- 出典:オリックス銀行「ドルコスト平均法とは?仕組みやメリット・デメリット・リスク、投資方法などを解説!」・auじぶん銀行「投資初心者必見!株式投資で失敗してしまう原因とは?」・東海東京証券「高値づかみ(たかねづかみ)」
長期投資を実践する際におすすめのポートフォリオの例
長期投資を実践する際のおすすめポートフォリオの例をいくつか紹介しよう。
投資目的やリスク・リターン特性に応じて、以下のようなポートフォリオが考えられる。
安定重視型ポートフォリオ
安定性を重視する投資家向けのポートフォリオは、次の通りだ。
- 国内債券
- 40%
- 国内株式
- 20%
- 外国債券
- 20%
- 外国株式
- 20%
このポートフォリオでは、債券の比率を高くすることで価格変動リスクを抑えつつ、一定の利回りを確保することを目指す。
バランス型ポートフォリオ
以下は、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のポートフォリオを参考にしたバランスの取れたポートフォリオだ。
- 国内株式
- 25%
- 海外株式
- 25%
- 国内債券
- 25%
- 海外債券
- 25%
このポートフォリオはリスクとリターンのバランスが取れている点で、長期的な資産形成に適している。
- 出典:年金積立金管理運用独立行政法人「長期分散投資の強化」・投資のコンシェルジュ「GPIFに学ぶ、ポートフォリオ運用が個人投資家にも重要な理由」・松井証券「投資と上手に付き合うには?」・
成長重視型ポートフォリオ
高いリターンを求める投資家向けのポートフォリオを、紹介しよう。
- 国内株式
- 30%
- 海外株式
- 40%
- 国内債券
- 15%
- 海外債券
- 15%
このポートフォリオは、株式の比率を高めることで長期的な成長を目指すのに適している。
- 出典:資産運用ナビ「ポートフォリオ徹底解剖!おすすめの組み立て方・戦略・管理法を完全解説」・年金積立金管理運用独立行政法人「長期分散投資の強化」・投資のコンシェルジュ「GPIFに学ぶ、ポートフォリオ運用が個人投資家にも重要な理由」・松井証券「投資と上手に付き合うには?」
長期投資を成功させるためのポイント

長期投資を成功させるには、次のポイントを押さえなければならない。
- 出典:資産運用ナビ「資産運用はプロに相談しよう!運用成功への道筋とおすすめの相談先を紹介」・日本総研「若年層における投資拡大の背景と今後の課題」・会社員のための不動産投資マガジン「投資の基本!長期投資のメリット、デメリットやおすすめの投資方法を紹介」
短期的な市場変動に左右されずに積立を継続
長期投資の成功の鍵は、継続的に投資をおこなうことに尽きる。市場の短期的な変動に惑わされてはならない。
株式市場は、短期的には上下動を繰り返す。しかし長期的には上昇傾向にあるのが定石だ。
定期的な積立投資をおこなえば、市場の高値や安値に関わらず平均的な価格で投資できる。
感情に左右されない投資判断
投資における敵は、投資家自身の感情だ。
市場が上昇しているときは楽観的になり、下落しているときは悲観的になりやすいものだろう。
しかし、こうした感情に基づいて投資判断すると、「高値で買い、安値で売る」という最悪の結果につながりかねない。
感情に左右されない投資判断するためには、事前に投資方針を決め、それに従って行動すしよう。
市場環境やライフステージの変化に応じてポートフォリオを調整
長期投資といっても、同じポートフォリオを維持し続けるわけではない。市場環境の変化や自身のライフステージの変化に応じて、適切にポートフォリオを調整しよう。
定期的にリバランスすることで、当初設定した資産配分を維持できる。
NISAやiDeCoなどの非課税制度も活用
長期投資では、複利効果を最大限に活用することが重要だ。そのためには、税金の影響を最小限に抑える必要がある。
具体的には、NISAやiDeCoなどの非課税制度を活用することで、投資収益にかかる税金を抑え、より効率的な資産形成が可能になる。
これらの制度を上手く組み合わせることで、税制優遇を最大限に活用できる。
専門家に相談するのも手
投資に関する知識や経験が不足している場合は、投資の専門家に相談するのも良い方法だ。
専門家は、あなたの財務状況や人生の目標に合わせて、適切なアドバイスを提供するだろう。
ただし、専門家に相談する際は、その専門家の資格や経験、報酬体系などをよく確認しよう。
長期投資は「資産運用ナビ」で見つけた専門家と進めるのがおすすめ

長期投資こそ、専門家とともに進めることが大切だ。その理由について、詳しく説明する。
長期投資の難しさとは何か
長期投資には、メリットが多い反面、以下のような難しさをはらんでいる。
- 将来予測が困難
- 長期的な市場動向の正確な予測は容易ではない
- 時間がかかる
- 短期的な成果を求める投資家には不向き
- 失敗した場合の挽回が難しい
- 長期投資で失敗すると、挽回が困難な場合がある
専門家に相談しながら進めることでより効果的な運用が期待できる
長期投資に伴う課題を克服する有効な方法はいくつもある。その中でも高い効果が期待できるのが、専門家のアドバイスを受けることだ。
長期投資に関してできる専門家には、次のようなものがある。
- 独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)
- ファイナンシャルプランナー(FP)
- 証券アナリスト
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この中で、身近でもっとも身近で投資に関する先に渡る相談に対応できるのが、独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)だ。
専門家に相談すべき理由
専門家に相談することで、次のような効果が期待できる。
- 専門知識の活用
- 投資のプロの知識とノウハウを活用できる
- 客観的な視点
- 感情に左右されない冷静な判断が可能
- リスク管理
- 適切なリスク分散や運用方針の策定のサポートを受けられる
- 最新情報の入手
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長期の資産運用に関するQ&A
