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資産1億円でリタイアは可能? リタイアするために必要な計画とは

この記事で解決できるお悩み
  • 資産が1億円あればリタイアできるのか知りたい
  • リタイア後に必要な生活費をどのように見積もればいいのか分からない
  • リタイアを目指す資産運用の適切な戦略と相談先が知りたい

「資金が十分なら定年前にリタイアしたい」「早期退職にはどのぐらいの資産が必要だろうか」会社組織の一員としての生活を苦痛に感じ、早期退職したいと考える人もいるだろう。

アーリーリタイアには十分な資産を確保する必要があるが、どのぐらい必要なのだろうか。

巷では漠然と1億円ぐらいを目指すなどと言われているが、実際に1億円で引退は可能なのか。

この記事では、1億円でリタイアすると、どんな生活が待っているのかを解説する。

さらに、1億円の資産を形成するための運用計画についてもまとめた。

結論を述べると、1億円という大金であっても漠然と消費するだけでは、資金が底を尽きてしまう可能性が高い。

そこで、リタイア後の資産管理の方法についても記している。

お読みいただくことで、リタイアを目指すための運用戦略からリタイア後の資産防衛策までが分かる。

早期リタイアにかかわるお金の全体像を把握し、引退年齢を自らの意思で決定できる備えをしよう。

目次

資産1億円でリタイアするとどんな生活が送れるのか

まずは、1億円でリタイアした場合の生活を具体的にみていく。リタイア後の生活は長く続く。

インフレや予期せぬ出費の懸念と、対策についても確認しておこう。

資産1億円でリタイアはできる

平均的な生活であれば、試算上1億円で早期退職は可能だ。例えば50歳でリタイアした場合、公的年金が支給される65歳まで15年ある。

15年分の生活費を確保できれば、暮らしは成り立つ。総務省の家計調査報告によると、2人以上世帯の生活費平均は月31万3,300円だった。

年間支出が400万円として、15年分にあたる6,000万円の資産があれば生活できる。65歳以降も残り4,000万と支給される年金でやっていける可能性が高い。

ただし、この試算は支給される年金額や寿命を考慮していない。社会保険や税金も含まれていない。

1億円でリタイアしたいなら、単に貯金を切り崩すだけではどこかで資産が底を尽きてしまう危険がある。

1億円の早期退職はどのような生活が送れるのか

1億円で家計調査平均額の生活を送れば、実現は難しくない。それぞれの支出品目を見ながら、具体的な生活を考えてみよう。

1か月の消費支出の内訳(2人以上の世帯)

スクロールできます
費目金額具体例
食費83,816円野菜・肉類など
住居16,482円家賃・設備修繕など
光熱・水道25,614円電気・ガス代など
家具・家事用品11,619円家庭用家具・寝具など
被服・履物11,269円洋服・被服関連サービスなど
保健医療14,929円保健医療サービスや用品など
交通通信40,495円自動車やネット通信費など
教育24,487円授業料・教材費など
教養娯楽29.738円教養娯楽サービスや用品など
その他54,841円仕送りや諸雑費など
合計313,300円
総務省「家 計 調 査 報 告-2024年(令和6年)4月分-」を参照し作成

上記支出の住居費には住宅ローンは含まれていない。賃貸の場合、実際の家賃は16,482円よりも高くなるだろう。

したがってローン完済済みの持ち家があり、必要な日用品を揃え、普通の食事、外出先で贅沢しないという生活なら実現できる。

1億円の資金を切り崩すだけなら、目減りしていく資産を気にしながら生活を維持する暮らしになる。

リタイア後は、旅行や外食、趣味を楽しめる自由な時間が豊富にある。人生を満喫し、悠々自適に暮らしたいという思いもあるはずだ。

夢や、やりたいことを実現したいとなれば、もっと資産に余裕があったほうが良い。

豊かな暮らしのためには、資産運用を活用しながら支出を補っていくことも考える必要がある。

リタイア後のインフレや予期せぬ支出への対策

リタイア後の生活が長くなれば、インフレや予想外の支出はどちらも避けられない。対策として、ある程度予測を立て余裕をもって資金を備えておきたい。

インフレについては、過去の物価上昇率を参考に今後のインフレを考えておこう。総務省の調査によると、過去10年の物価上昇率は1%〜3%だった。

日本銀行は、消費者物価の上昇目標率を前年比2%としている。投資で利回り2%以上の運用を行えば、インフレへの備えができるだろう。

想定外の支出については、自身のライフプランを緻密に作成し、家族がいれば子どものことも含め今後考えられる出費について把握しておきたい。

生活費の1、2年分は預金など流動性の高い金融資産で準備すると安心だ。また、収入経路を完全に途絶えさせるのではなく、運用で資金を確保するということも考えておきたい。

資産1億円でリタイアするための計画の立て方

アーリーリタイアを実現するには、適切な投資を通じて資産を大きくすることが近道となる。

この章では、1億円達成のための資産形成手順を解説していく。

早期退職後の必要資金の見積もり

リタイア後に必要な資金を把握するには、まず現在の1か月分の出費を計算しよう。

次に退職後の生活スタイルを想定し、現在の出費から毎月の固定費(家賃・光熱費など)、変動費(食費・娯楽費など)を調整していく。

リタイア後は、現役時代とは異なる出費が生じる。例えば、在宅が増えることによって光熱費が増加する。

社会保険料の種類変更で金額が変わることもある。現役時とリタイア後の変化を正確に捉え数字に落とし込んでほしい。

退職後の1か月の生活費が定まったら、1年分を算出し、リタイア後から平均寿命まで生きるとしてどのくらい費用が必要なのかを考えよう。

さらに、次のような万が一の出費についても検討し必要資金に加えていく。

  • 病気やケガなどの医療費
  • 介護費用
  • リフォーム代
  • 子どもの教育費

リタイアまでに必要な資金は1億円で十分か、余裕を持って見積もっておきたい。

目標金額までの資産形成計画

必要額が決まれば、投資と支出コントロールの2つで資産形成を進めていく。投資には入念な運用計画が欠かせない。

目標額と投資できる金額、運用可能期間から、必要な運用利回りを算出してほしい。そして、利回り目標に合わせて、投資商品の種類と配分を決めていく。

投資後は、細やかな資産管理を実施する。定期的に運用状況を確認し、リバランスを行い、経済情勢や市場の値動きに合わせ柔軟に投資商品を入れ替えたい。

フレキシブルに投資戦略を練り、効果的な運用を心がけていこう。

さらに投資と合わせて支出コントロールも重視していく。無駄な消費を避け、将来のための運用資金を確保していこう。

ライフプランを立て、いつ、どのようにお金を使うかを決めておくと無理なく貯蓄ができる。

1億円でリタイアするための運用法の選択

資産1億円の形成を目指す際に、検討してほしい運用方法を紹介する。

株式投資

成長性の高い個別銘柄への投資によって高いリターンが期待できる。高配当株の収益を再投資し、複利で資産効果を高めることも可能だ。

しかし、リスクも高くなる傾向にあるため、分散投資を心がけ、長期的な視点で運用することが重要である。

不動産投資

賃貸用の物件を購入し、家賃収入を得ることで、安定した資産形成が実現する。物件の価値が上昇すれば大きな売却益も見込める。

初期投資額が大きくなる点と、物件管理に手間がかかる点には注意が必要だ。

投資信託

プロの運用会社が多数の銘柄に分散投資を行うため、リスクを抑えながら効果的な運用ができる。維持管理が比較的簡単で気軽に投資をしやすい。

さまざまな種類の投資信託を組み合わせることで、最適な運用体制を構築できる。

ヘッジファンド

さまざまな運用手法を駆使して利益を追及するヘッジファンドは、高い利回りが期待できる。

その分リスクは高くなるため、投資対象や手数料などを慎重に検討する必要がある。

資産1億円でリタイアしたら資産はどう管理するべきか

1億円を取り崩しながら暮らしていく場合、どのような資産管理が必要になるのだろうか。

具体的な運用方法について解説する。

資産寿命を伸ばすことの重要性

リタイア後の生活設計で最も重要なポイントは、資産寿命を伸ばすことである。

なぜなら、想定以上に長生きをした場合、準備した資産だけでは不足してしまうリスクがあるからだ。

近年、医療の進歩により、平均寿命は延びの一途をたどっている。現在の平均寿命は男性が81歳、女性は87歳であるが、今後、90歳、あるいは100歳を超えることも考えられる。

長寿は喜ばしいことだが、リスクにもなりうるのだ。加えて、将来の年金制度の動向も不透明な部分が残されている。

リタイア後の収入源として年金を見込んでいたものの、支給開始時期の先送りや、支給額の減額などが実施されれば、大きな痛手となりかねない。  

こうした事態に備えるには、リタイア後も運用を続けながら、資産を維持していく必要がある。

分散投資への意識と実践例

リタイア後の資産運用は、分散投資を意識し、低リスクな運用を実践してほしい。

投資は1つの運用商品に集中させてしまうと、マイナスの局面で資産全体に大きな影響を及ぼしてしまう。

そこで異なる種類の資産に複数投資すれば、値下がりの影響が限定され、損失を最小限に抑えられる。

資産の配分を表すポートフォリオを作成する際は、損失を補い合えるよう、値動きが異なる資産を選ぶと良い。

例えば、株式と債券、円建てとドル建て、国内投資と海外投資などの組み合わせが考えられる。

リスクを相殺できる投資対象を検討するのが難しい場合は、バランス型の投資信託を選ぶと良い。

バランス型の投資信託は、複数の資産種類や投資先が組み込まれており、1つの商品で自然と分散投資が叶う。

投資対象の選定に加え、積立投資のように投資タイミングを分ける方法も、分散投資の一種だ。

一度に大口投資するよりも、時期を分散して投資することで値動きリスクを低減できる。

定期的なポートフォリオ見直しの必要性

作成したポートフォリオは一度構築したら終わりではなく、市場環境の変化に合わせて常にメンテナンスが必要だ。

運用期間の経過とともに、保有資産の割合は変化していく。

例えば株式と投資信託の配分を50:50としていたポートフォリオが、株式の値上がりにより70:30のバランスへ変わることも考えられる。

当初の配分が崩れてしまうと、元のリスク許容度から外れてしまう恐れがある。

そこで重要なのが「リバランス」と呼ばれる作業だ。売買を行い、割合を従来の比率に戻すことで、再びリスク許容度に見合ったポートフォリオとする。

また、自身の生活スタイルの変化に合わせてポートフォリオを見直す必要もある。

収入や支出、家族構成の変化に合わせ、運用プランやリスク許容度を見直し、適宜ポートフォリオの調整を行ってほしい。

資産1億円でリタイアするための資産運用は誰に相談するべき?

1億円でのリタイアは、第三者からアドバイスを受けることでより実現に近づく。

ここでは、運用のプロに相談するメリットと、より効果を高めるIFAの活用について解説する。

運用を専門家に相談する意義

1億円という大きな目標金額を達成するには、大局的な視点と緻密な準備を両立させる必要がある。

達成後に資金を維持させる方法についても、あらゆるパターンを想定し、検討しなければならない。

投資において長期的な計画や意思決定が必要なときには、資産運用の専門家に相談する方法がある。

これまで多くの投資を手掛けてきた専門家は、豊富な知識と経験を有している。過去の成功例だけではなく、現在の状況ならどんな手段をとるべきかも提案可能だ。

さらに、投資成果を左右する重要な要素として「情報」が挙げられる。

市況の動向を示す新鮮な情報を専門家から直接入手できれば、的確な投資行動が取れる。

運用の専門家は多様化しているが、中でもフレキシブルな対応ができるIFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)が近年支持されている。

IFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)とは何か

IFAは銀行や証券会社に所属せず、独立の立場で投資のアドバイスを行う資産運用の専門家だ。

営業ノルマや販促商品の影響を受けないため、中立の立場で顧客第一の提案ができる。

商品の紹介だけではなく、コンサルティングに特化し、資産状況や希望する運用成果と客観的な分析に基づいて、最適なポートフォリオの構築を行う。

「金融商品仲介業者」としての登録もしているため、商品の売買手続きもでき、一般的なファイナンシャル・プランナーよりも、踏み込んだ対応も可能だ。

また、転勤や異動がないため、長期で同じ担当者が運用管理やアドバイスを担える点も見逃せない。

変化する運用実績や投資方針に応じて都度相談ができれば、適切な投資判断を素早く実施できる。

安心かつ効果的な資産運用を実施するにあたって、IFAは心強い存在となるだろう。

IFA検索サービス「資産運用ナビ」の活用法

資産形成を効果的に進めるには、自身に合ったIFAの選定が欠かせない。しかし、個人で最適なアドバイザーを探し出すのは難しい。

そこで活用したいのが「資産運用ナビ」だ。「資産運用ナビ」は、独自の審査基準に基づいて認定されたIFAを検索できるサービスである。

相談したい内容や地域などから、自分にマッチした専門家を簡単に探し出すことができる。

IFAのプロフィールには保有資格や経歴、運用方針なども掲載され、比較検討した上でふさわしいアドバイザーを選べる。

気になったIFAへはそのまま依頼ができ、オンラインなどで相談が可能だ。

気軽に初回相談ができるため、人柄や専門性を確かめながら正式依頼をする前の下見としても有効活用できる。

資産運用における賢明なパートナー探しの選択肢として、ぜひ活用いただきたい。

1億円リタイアには計画・管理・アドバイザーが不可欠

この記事では、資産1億円で実現可能なリタイア生活と実現のためのポイントを解説した。

資産1億円でリタイアは可能だが、リタイアしたい年齢、年金受給までの年数、退職金の額、居住地によってどのような暮らしを実現できるかは異なる。

のびのびと豊かな暮らしをしたい場合は、より多くの資金を準備した方が良いだろう。

また、長生きやインフレリスク、想定外の支出に備えるためにも、退職後の資産運用も欠かせない。

計画的に資産を維持し、できるだけ資金を目減りさせない運用を目指していこう。

1億円の資金を形成する方法やリタイア後の資産管理に不安がある方は、専門家に相談し、アドバイスを受けることを推奨する。

中でもIFAは、中立的な立場で、あなたに最適なプランを提案できる。

長期的なサポートも可能であるため、これからの人生に関わるお金の悩みをすっきりと解決してくれるだろう。

IFA検索サービス「資産運用ナビ」を利用し、安心で効果的な資産形成と資産管理をはじめてみてはいかがだろうか。

1億円のリタイアに関するQ&A

資産を1億円持っている人の割合はどのくらいですか?

野村総合研究所のデータによると、富裕層・超富裕層と呼ばれる総資産保有額1億円以上の世帯割合は全世帯数の約2.9%にあたる。

総資産保有額が1億円以上の世帯数は、2013年以降増加を続けている。

その理由は、金融資産を運用している準富裕層(5000万から1億未満)の一部が富裕層に移行したためと考えられる。

資産が1億円あれば、退職後何年暮らせますか?また、生活はどれくらい豊かにできますか?

資産1億円で暮らせる年数は、どのような生活環境を求めるかによって異なる。

仮に一般的な生活費水準である月額30万円とすると、年間支出は360万円だ。

1億円から360万円を毎年支出すれば、資産は約27年で底をつく。

一方、贅沢な生活を送りたい場合は、生活費月額50万円は必要だろう。

年間支出は600万円となり、1億円の資産は約16年しかもたない。

このように節約した生活なら長期間は暮らせるが、ある程度豊かな生活を望むなら、期間は大幅に短縮される。

退職後の生活設計は、運用をしながら資産寿命を伸ばしていくことが重要だ。

1億円の資産を運用する際、考慮するべきリスクとは何ですか?

1億円という大きな額の運用は、小さな誤差を見逃しがちだ。

例えば、数%の運用利回りの差異を気にしない、手数料をよく確認しないまま投資をしてしまうなどが考えられる。

たった数%の違いであっても、大きな資金を長期で運用すると数百万、数千万円単位の差になることもある。

資金はたくさんあるから大丈夫だろうと投資判断が甘くならないよう気を付けたい。

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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