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勤続10年の退職金相場とは?公務員・医療関係・サラリーマンを例に解説

この記事で解決できるお悩み
  • 勤続10年の退職金相場がどのくらいか知りたい
  • 職種別(公務員、医療関係、サラリーマン)の退職金の違いが知りたい
  • 退職金の計算方法と影響する要因を理解したい

働く多くの人にとって、退職金の金額がいくらになるのかは大きな関心事であろう。

この記事では、勤続10年という一つの節目を具体例に、退職金の平均相場や計算基準を解説する。

また、公務員、医師・看護師、サラリーマンを例に、それぞれの退職金相場と特徴についても解説する。

この記事を読めば、退職金の見込み額を理解し、今後のライフプランに役立てることができるはずだ。

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目次

勤続10年の退職金相場はいくら?

勤続年数10年という節目を迎えて退職をする場合、いったいどのくらいの退職金が支給されるのだろうか。

ここでは、一般的な退職金の計算基準とともに勤続年数別の相場について解説していく。

退職金の計算基準

退職金の計算基準は会社ごとにそれぞれ異なるものを採用しているが、一般的には以下のいずれかの方法で計算される。

定額制勤続年数に応じて支給金額が決定される仕組み。
基本給連動型退職時の基本給と勤続年数をもとに計算される仕組み。
ポイント制退職時の基本給や役職、勤続年数、退職理由などをポイントに換算し、ポイントに応じた金額が決定される仕組み。
別テーブル制勤続年数ごとの基準額を設定し、役職や退職理由をかけ合わせたテーブル(表)を作成して金額を決定する仕組み。

上記のいずれのパターンであっても勤続年数が退職金の計算に影響している。

退職金規程を確かめ、どういった方法で退職金額が計算されるのか把握しておこう。

勤続年数別の退職金相場

厚生労働省中央労働委員会の「令和3年賃金事情等総合調査」では、職種や学歴、産業で区分した「モデル退職金」が公表されている。

モデル退職金とは、学校を卒業後直ちに入社して標準的に昇進したもので設定されたモデル条件(学歴や年齢、勤続年数)に該当する者の退職金のことを指す。

以下の表は、公表されたモデル退職金を勤続年数別にまとめたものだ。

スクロールできます
勤続年数事務・技術(総合職)・大学卒事務・技術(総合職)・高校卒生産・高校卒
勤続3年690千円522千円549千円
勤続5年1,180千円894千円950千円
勤続10年3,102千円2,142千円2,401千円
勤続15年5,779千円4,035千円4,224千円
勤続20年9,531千円6,647千円6,909千円
勤続25年13,938千円10,050千円10,187千円
勤続30年19,154千円13,679千円13,653千円
勤続35年23,649千円16,694千円17,269千円
60歳25,280千円19,252千円16,577千円
定年25,639千円19,712千円18,397千円
出典:厚生労働省中央労働委員会「令和3年賃金事情等総合調査」

勤続年数が10年程度の場合、退職金は200万〜300万円ほどの支給額が相場となっている。

もちろん退職時点の給与や企業の規模、会社への貢献度なども考慮されるため一概に200万〜300万円とは言えないが、おおよその目安として把握しておくと良いだろう。

勤続10年の退職金相場を職種別に解説!特徴と計算方法

次に、勤続年数10年前後の退職金の相場について職種別に解説する。

本記事では以下の3つの職種について特徴や簡単な計算方法などを紹介していく。

  • 公務員
  • 医師・看護師
  • サラリーマン

自分自身の職種の相場や特徴を踏まえ、今後の資金計画に役立てよう。

勤続10年の公務員の退職金相場

公務員の退職金については、法律や条例などによって定められている。

国家公務員は「国家公務員退職手当法」によって、地方公務員は各地方の条例で制度が定められていることが特徴だ。

公務員の退職金は「退職時点の給与月額×支給率×調整率」で算出される。

ベースとなる給与月額に勤続年数や退職事由別に設定される支給率等を掛け合わせることで退職金額が計算できる仕組みだ。

平成30年1月1日から採用されている国家公務員退職手当支給割合(調整率を乗じた後のもの)では、自己都合による勤続年数10年の支給割合は「5.022」となっている。

仮に退職時点の給与月額が30万円だった場合は「30万円×5.022=1,506,600円」となる。

なお、地方公務員の退職金額については各地方の条例で定めているため、自治体によって金額が異なる点に注意が必要だ。

勤続年数10年であれば、おおよそ150万円程度を目安として考えておくと良いだろう。

勤続10年の医師・看護師の退職金相場

医師(勤務医)や看護師の退職金については、所属している医療機関によって大きな差が生じる。

大学病院や公立病院などの規模が大きい医療機関は退職金制度を設けているケースが多いが、小規模な病院・クリニック等では退職金制度自体がない場合もある。

就業規則や退職金規程を確認し、制度の有無について確認しておくことが大切だ。

また、退職金は雇用主が従業員に対して支払う性質のものであるため、自身が雇用主となる開業医には原則として退職金制度はない。

小規模企業共済などの制度を活用し、退職時に受け取れる資金を準備しておくと良いだろう。

医師・看護師の退職金の計算方法は、会社員などと同様に勤続年数をもとに計算されるケースが多い。

勤続年数が10年ほどであれば、医師・看護師ともに200〜300万円程度が相場となる。

繰り返しになるが、勤務先によって退職金制度の有無や計算方法が異なるため、就業規則等を確認しておこう。

勤続10年のサラリーマンの退職金相場

公務員とは違い、サラリーマンの退職金制度は法律で定められているものではないため、医師・看護師と同様に退職金が支給されないケースがある。

特に企業規模が小さい場合は退職金制度がないケースが多く、退職後の資金計画に影響が生じる可能性がある点に注意が必要だ。

計算方法についても法律や条例で定められる公務員とは違って、各企業が異なる計算方法を導入している。

前述の通り「定額制」「基本給連動型」「ポイント制」「別テーブル制」の4つの計算方法が一般的であるため、勤め先がどの計算方法を導入しているか確認しておこう。

勤続年数10年のサラリーマンの退職金については、150万円程度が相場と言われている。

しかし、企業の規模が大きかったり、金融・商社など業種全体でベースとなる給与が高かったりする場合は、支給される退職金額も大きくなる。

退職後の資金計画を立てるためにも、あらかじめ計算方法を把握してどの程度の退職金が支給されるのかを把握しておこう。

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退職金の受け取り方と税金の仕組み

勤続年数10年の退職金相場をある程度把握したところで、次に受け取る際に考慮すべきポイントについて解説していく。

退職金は大きく分けると2つの受け取り方があり、税金の仕組みも異なるため把握しておく必要がある。

ここでは、退職金の受け取り方や税金の種類、税効果を考慮した受け取り方について解説していく。

退職金の受け取り方

退職金は、すべて一括で支給される「退職一時金」と数年にわたって分割支給される「退職年金」の2種類の受け取り方がある。

企業によっては一時金と年金を併用できる場合もある。

退職一時金の場合、受け取った退職金は「退職所得」の対象だ。

給与や賞与などの所得とは分けて税金の計算が行われ、退職所得控除が適用される点が一時金で受け取る場合の特徴である。

退職年金の場合、毎年受け取る退職金は「雑所得」の対象となる。

給与や賞与、公的年金等の所得と合算して税金の計算が行われることが大きな特徴だ。

受け取り方によって税金が大きく異なるため、退職金における税金の仕組みを理解した上で税効果を考慮した受け取り方を検討しよう。

退職金にかかる税金の種類

退職金にかかる税金は大きく分けて以下の3種類が挙げられる。

  • 所得税
  • 住民税
  • 復興特別所得税

所得税は、個人の所得に対してかかる税金のことで、1年間のすべての所得から控除を差し引いた課税所得に税率を掛けることで税額が計算される。

税率は所得が多いほど高くなる仕組みとなっている。

住民税は、一定以上の所得がある人が居住している地域に対して納める税金のことだ。

所得税同様に課税所得に一定の税率(10%)を掛けることで税額が計算される。

復興特別所得税は、東日本大震災の復興財源に充当するために2037年まで所得税に上乗せされる税金のことだ。

所得税の2.1%に相当する額を納める必要がある。

一時金形式・年金形式のどちらで受給する場合も上記3つの税金は課されるが、控除などの適用によって税負担は異なる。

税金の種類と仕組みを理解した上で、退職金の受け取り方法を検討しよう。

勤続10年の方が考えるべき税効果を考慮した受け取り方

税金の負担を軽減させることを考えるのであれば、退職一時金として受け取ることをおすすめする。

一時金形式をおすすめする理由は以下の2点だ。

  • 退職所得控除が適用される
  • ほかの所得と分けて税額を計算する

退職一時金として受け取る場合、退職金は「退職所得」の対象となり、退職所得控除が適用される。

退職所得控除は勤続年数に応じて適用される仕組みとなっており、まとまった金額が控除できるため税負担を軽減しやすいことが特徴だ。

例えば勤続年数が10年の場合、退職所得控除は400万円となる。

先ほどまで解説してきた通り、勤続年数10年の退職金相場は150万〜300万円程度となるため、控除額を引くと課税所得が残らない。

税金を負担せずに退職金を受け取れる可能性があるのだ。

年金形式で受け取る場合の雑所得には、退職所得控除のような多額の控除が設けられていないため、税金の負担は比較的大きくなってしまう。

控除がある分、退職一時金で受け取った方が税負担は軽減しやすい。

また、退職所得は給与や賞与、公的年金などの所得とは分けて税額が計算される。

一方で雑所得の場合、給与や賞与、公的年金と合算することになるため、課税所得が大きくなりやすい。

前述の通り、所得税は課税所得が多いほど税率が高くなるため、ほかの所得と合算すると税負担が大きくなるリスクがある。

こうした点からも税負担を考えるのであれば年金形式ではなく、一時金形式で受け取った方が良いと言えるだろう。

もちろん退職後の資金計画によっては分割して受け取った方が良い場合もある。

税負担と資金計画を総合的に考慮し、最適な受け取り方を検討しよう。

勤続10年の退職金相場で考える適切な管理法

ここまで退職金の相場や税金の仕組みなどを解説してきたが、実際に受け取った退職金をどのように活用すべきか悩んでいる方も多いだろう。

住宅ローンの返済や老後の趣味の資金などを考えている方も多いだろうが、退職金は資産運用に活用する重要性が高い。

ここでは、老後生活にかかる費用や退職金の活用法、退職金の管理・運用における専門家の重要性について解説していく。

老後生活にかかる費用と現金で保有するリスク

以前、日本では「老後2,000万円問題」が話題となった。

老後2,000万円問題とは、夫婦二人暮らしの高齢者が老後生活を送っていく場合、公的年金以外に2,000万円の資産が必要であるという試算結果である。

さらに近年の物価上昇の影響で老後の支出が増えるという見方もあり、3,000万円が必要という意見も出てきている。

こうした状況を踏まえると、まとまった金額が支給される退職金であっても現金で保有していてはカバーできないリスクがある。

投資をしたことがない人にとっては「現金で保有しておくことが最も安心」と感じるかもしれないが、現金や預貯金で保有していても資産はほとんど増えない。

今後も継続的に物価が上昇した場合、資産は増えない一方で支出はどんどん増えていく。

これから老後に必要とされる資産が4,000万円・5,000万円と増えていく可能性もあるだろう。

退職金を株式や債券などの金融商品で運用すれば資産が増える可能性がある。

上手く退職金を増やしていければ、物価の上昇スピードに追いつくことも可能だ。

せっかく支給された退職金は現金・預貯金のまま放置するのではなく、投資による運用で増やすことを目指していこう。

長期資金計画の重要性

退職金は長期的な資金計画のもと運用していくことが重要となる。

長期資金計画を立てるべき理由は大きく以下の2点だ。

  • 退職後の人生が長い
  • 長期運用の方がリターンが安定する

日本は現在「人生100年時代」と言われており、長寿化が進んでいる。

厚生労働省の「令和4年簡易生命表」によると、日本人の平均寿命は男性が81.05歳、女性が87.09歳となっている。

仮に65歳で退職した場合、平均寿命の通り考えても約20年、100歳まで生きると仮定した場合は約35年も退職後の生活を送っていく必要がある。

長い人生を歩むことを踏まえた長期的な資金計画を立てることが大切だ。

また、短期的にリターンを狙いに行く運用を行うと、失敗したときに大きな損失を抱える危険性がある。

短い期間でリターンを得るためにはある程度のリスクを取って運用しなければならないためだ。

長期目線で運用を行う場合、短期的な価格変動の影響は受けにくく、リターンが安定しやすい。

安全な運用を実現するという観点からも、長期的な資金計画のもと退職金を運用した方が良い。

退職金の管理・運用における専門家の重要性

退職金運用の必要性や長期的な資金計画の重要性を解説したものの、これまで投資をしたことがない人にとっては退職金の管理・運用を自身で行うことのハードルが高いと言えるだろう。

退職金運用でお困りの方は、資産運用の専門家に相談することをおすすめする。

運用の専門家に相談すべき理由として「自分に合った最適な運用戦略をサポートしてくれる」という点が挙げられる。

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勤続10年の退職金相場は職種によって異なる

退職金の金額は勤続年数によって大きく異なっており、職種によっても差が生じる。

受け取り方によってかかる税金も異なり、手取り額にも影響するため、正確に理解しておくことが大切だ。

また、退職後の生活を安心して過ごすためにも、受け取った退職金は長期的な資金計画のもとで運用を行うことが重要となる。

管理・運用について疑問や不安を感じる場合は、専門家からアドバイスを受けると良いだろう。

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勤続10年の退職金相場に関するQ&A

勤続10年での退職金の平均はどれくらいですか?

勤続年数が10年の場合、退職金は平均的に200万〜300万円程度が相場となっている。

職種や業種、企業規模によっても大きく異なるため、勤め先で採用している退職金の計算基準をもとに概算しておくことをおすすめする。

退職金の計算方法はどのようになっていますか?

退職金の計算基準は会社ごとにそれぞれ異なるものを採用しているが、一般的には以下のいずれかの方法で計算される。

定額制勤続年数に応じて支給金額が決定される仕組み。
基本給連動型退職時の基本給と勤続年数をもとに計算される仕組み。
ポイント制退職時の基本給や役職、勤続年数、退職理由などをポイントに換算し、ポイントに応じた金額が決定される仕組み。
別テーブル制勤続年数ごとの基準額を設定し、役職や退職理由をかけ合わせたテーブル(表)を作成して金額を決定する仕組み。

職種によって退職金はどのように異なりますか?

職種によって退職金支給額には差があり、退職金制度自体の有無も異なる。

公務員の場合は退職金制度が法律や条例で定められている一方、医師・看護師やサラリーマンは法律による定めはない。

勤め先によっては退職金制度を設けていない可能性がある点に注意が必要だ。

なお、勤続年数が10年程度の場合、公務員・サラリーマンは150万円程度、医師・看護師は200万〜300万円程度が相場となっている。

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。投資家とIFA(資産アドバイザー)とのマッチングサイト「わたしのIFA」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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