- ポートフォリオの見直し方が知りたい
- ポートフォリオを見直して投資効率を高めたい
- 資産運用にポートフォリオを効果的に活用したい
資産運用を行う際、自身の運用方針に合わせた「ポートフォリオ(資産配分)」の構築が重要となる。
そしてそのポートフォリオは一度決めたら終わりではなく、状況に応じて見直しを行い、ポートフォリオの管理をしていくことも大切なポイントだ。
本記事では、ポートフォリオを見直すべき理由や適切なタイミング、見直しの手順などを解説する。
さらには効果的なポートフォリオの活用法も紹介するので、ぜひ本記事の内容を資産形成の参考にしてほしい。
ポートフォリオ見直しの基本原則
ポートフォリオとは「どの金融資産にどの程度の比率で投資を行うか」という資産配分のことを指す。
運用方針を反映したポートフォリオを構築し、定期的な見直しの実践が重要となる。
ここでは、ポートフォリオ見直しの意義や適切な見直しのタイミングについて解説していく。
なぜポートフォリオの見直しが必要なのか
運用ポートフォリオを見直すべき理由として「状況に応じたリスク・リターンのバランスに調整できる」という点が挙げられる。
そもそもポートフォリオは、自身のリスク許容度や運用方針に合った資産配分で運用するために作成するものだ。
高リスク資産の株式や低リスク資産の債券などを組み合わせ、自分が目指すリスク・リターンのバランスに調整する。
しかし、マーケットの状況によっては資産バランスが崩れ、当初想定していたリスク・リターンと異なるバランスになってしまうケースがある。
また、自分自身の運用方針やリスク許容度の変化とギャップが生じる場合もあるだろう。
定期的にポートフォリオを見直すことで、現時点での運用方針・リスク許容度とのギャップを埋められる。
「定期検診」のような形で資産状況を見直し、最適なバランスに調整していくことが重要だ。
ポートフォリオの見直しを行う最適なタイミング
ポートフォリオの見直しは定期的に行う必要があるものの、あまり頻繁に行うと売買手数料などのコストがかさんでしまう可能性がある。
年に1回程度の頻度で資産の内容を見直すと良いだろう。
例えば年末に資産状況を見直し、整理して新年を迎えるといった流れが理想的だ。
適切な資産配分に調整した上で1年の運用のスタートを迎えると良いだろう。
また、自身のライフスタイルに変化が訪れるタイミングも見直しが必要となる。
結婚や子どもの誕生、転職、退職など、自分自身や家族を取り巻く環境が変化したときにポートフォリオの状況もチェックしておこう。
例えば退職して収入が減った場合、ある程度リスクを抑えた運用が必要となる。
ポートフォリオにおける株式の比率を下げ、債券中心の資産配分にすると良いだろう。
普段は年に1回ほどの頻度で見直しを行い、ライフスタイルが変化したときにもチェックしておこう。
ポートフォリオの見直し方
実際にポートフォリオを見直す場合、どのような流れで行えば良いのだろうか。
ここでは、見直しの手順やリバランスを行うメリット、各年代で必要なリバランスの視点について解説を行う。
ポートフォリオを見直す手順
一般的に、ポートフォリオの見直しは以下の手順で行う。
- 年に1回またはライフスタイルが変化したタイミングでリスク許容度を考える
- 資産の状況をチェックする
- リスク許容度とのギャップがある場合はリバランスを行う
- 再び運用を始める
まず、先ほど解説したように年に1回またはライフスタイルが変化したタイミングで見直しを検討する。
そしてその時点での自分自身のリスク許容度について考えよう。
例えば「子どもの進学が近いからリスクを抑えよう」「昇給して家計に余裕が出たからリスクを高めよう」といったイメージで、現時点でのリスク許容度を確認する。
次に、資産の状況をチェックしてリスク許容度とのギャップが生じていないかを確かめよう。
マーケットの変化によって資産配分が崩れていたり、自分のライフスタイル変化によってリスク許容度と乖離したりしていないかを確認する。
リスク許容度とのギャップがある場合、リバランス(資産の再配分)を行う。
値上がりして比率が高くなった資産を売却したり、相対的に比率が低い資産を追加購入したりすることで資産のバランスを適正なものに調整する取り組みだ。
リバランスが完了したら、修正後のポートフォリオで運用を再開しよう。
ポートフォリオのリバランスを行うメリット
リバランスによって得られるメリットとして、主に以下の2点が挙げられる。
- リスクの適正化
- 運用パフォーマンスの効率化
資産のリバランスの最大のメリットは、ポートフォリオにおけるリスクが適正なバランスになるという点だ。
自分にとってベストなリスク水準をキープするためにも、定期的に資産状況をチェックしてリバランスを行う必要がある。
また、リバランスによって運用パフォーマンスが効率化されるケースもある。
通常、リバランスは「値上がりした資産を売却し、相対的に割安な資産を追加購入する」という形で行われる。
つまり「安く買って高く売る」という取り組みをリバランスによって行うこととなるのだ。
適正なリスクを維持しつつ、効率的に運用を行える点がリバランスの大きなメリットである。
定期的なポートフォリオのチェックとリバランスを前提として、投資計画を作成しよう。
各年代で必要なポートフォリオのリバランスの視点
定期的に行うリバランスについては、年代によっても持つべき視点が異なる。
なぜなら、年齢によってリスク許容度が変化し、適正なリスク水準も変わっていくためだ。
20代〜30代の場合は運用期間を長く取れるため、ある程度リスクを取った運用を行える。
リバランスによって資産の比率を調整する場合でも、基本的には高リスク資産の株式を中心とした資産配分で問題ない。
一方、40代〜50代になると子どもの教育費等で支出が増え、若い世代に比べて運用期間も短くなっていく。
リバランスの際には債券やREIT(不動産投資信託)などを組み入れ、ポートフォリオの多様化を図ると良いだろう。
60代以降は「リスクを取って資産を増やすこと」よりも「堅実な運用で資産をなるべく減らさないこと」の重要性が高まる。
低リスク資産である債券を中心とした資産構成に切り替えていくことをおすすめする。
このように年代に応じて適切なリスク水準は異なり、リバランスの際に意識すべきポイントも変わってくる。
ライフステージ・年齢に合わせたリバランスを行い、最適なポートフォリオでの運用を継続しよう。
見直しだけじゃない!ポートフォリオの効果を高めるためのポイント
ポートフォリオを構築したり、リバランスしたりする際は、ポイントを的確に捉えておくことが大切だ。
効果的なポートフォリオの活用法を踏まえ、最適な資産のバランスを構築しよう。
ここでは、ポートフォリオの効果を高めるためのポイントを紹介していく。
アセットクラスごとの特性の理解
まず、アセットクラスごとの特性の理解が大切だ。アセットクラスとは、投資対象となる資産の種類・分類のことを指す。
国内株式、外国株式、国内債券、外国債券、REIT(不動産投資信託)などが挙げられる。
株式は比較的リスクが大きく、短期的に大きく価格変動が起きることが特徴の資産だ。
その分期待リターンも大きく、中長期的な収益性を狙える投資先である。
債券は相対的にリスクが小さく、堅実なリターンを狙える投資先だ。
株式の価格変動との相関性が低く、景気が下向きになって株価が下落する局面に債券価格が上昇しやすいと言われている。
株式と組み合わせることでリスクの低減が可能だ。
REITは不動産への投資を通じて収益を得る投資商品である。
不動産投資のプロが運用を行い、家賃収入や物件の売却益などを投資家に分配する仕組みだ。
不動産価格は金融市場の影響を受けにくく、株式や債券などの価格と異なる値動きをする点が特徴として挙げられる。
ポートフォリオの構築・リバランスの際には、アセットクラスごとの特徴を理解しておこう。
ポートフォリオへの適用と資産の多様化
各アセットクラスの特性を理解したら、それを自身のポートフォリオに落とし込む作業へ進む。
自身のリスク許容度に合わせて資産を配分しよう。
すでに解説した通り、年代によって許容できるリスク・リターンの大きさに違いがある。
リスク許容度が高い若年層は株式を中心とした配分で問題ないが、年齢を重ねるごとに資産の内容を変更していく必要があるのだ。
そこでポイントとなるのが「資産の多様化」である。
多様なアセットクラスを組み合わせた運用で安定的なリターンを期待できる。
先ほど解説した通り、株式と債券は反対の値動きをするケースが多く、両方を保有するとどちらか一方の損失をカバーできる可能性がある。
さらには株式や債券と異なる値動きをするREITを運用すれば、より分散効果を高められる。
各アセットクラスの特性を踏まえて、ポートフォリオを多様化させながら効果的な資産配分を検討しよう。
短期的な市場変動への対応策
ポートフォリオを構築して定期的なリバランスを行っていても、短期的な市場の変動に対応できない場合がある。
そんなときに重要となるのが「損切りルールを決めておく」ということだ。
損切りルールとは、投資対象の資産がどこまで下落したら損切りをするかという基準のことを指す。
事前に基準を決めておくことで、感情に流されることなく機械的に損切りを行える。
短期的な市場変動によって相場が急落した場合、冷静な対処は難しくなってしまう。
「もう少し待てば価格が上昇するのではないか」などと考えてしまい、売却のタイミングを見失っているうちに傷口が広がってしまうパターンは少なくない。
しかし事前に「〇%下落したら損切りをする」といった損切りルールを決めておけば、売却するタイミングを見失うことはない。ダメージが拡大する前に手を打てる。
運用資産における損切りルールをあらかじめ設定しておき、短期的な市場変動に対応できるような準備をしておこう。
ポートフォリオの見直しに関する相談は誰にするべき?
ここまでポートフォリオを見直す際のポイントや効果的な活用法を解説してきたが、すべてを完璧に実行することは容易ではない。
資産運用の専門家に相談し、アドバイスをもらいながら資産状況を見直していくことをおすすめする。
ここでは、専門家に相談する重要性やおすすめの専門家「IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)」の役割・メリットなどを解説していく。
ポートフォリオに関する悩みを専門家に相談する重要性
ポートフォリオについて専門家に相談すべき理由として「個人の状況にマッチした提案を受けられる」という点が挙げられる。
現代では、インターネットやSNSを利用すれば資産運用に関する情報は容易に収集できる。
もちろんポートフォリオの活用法や見直しのポイントなども、調べればさまざまな情報を得られるだろう。
しかし、本人の資産状況や運用目的、年齢、リスク許容度などによって最適なポートフォリオのバランスは異なる。
インターネットやSNSでは個々の状況まで考慮した情報を得ることは難しく、結局「一般的におすすめな情報」しか得られない。
しかし専門家に相談を行えば、あなたの状況を総合的に考慮した上で最適なポートフォリオの構築をサポートしてくれる。
もちろん見直しのポイントもしっかりと押さえて運用をサポートしてくれるため、安心して資産形成を行えるだろう。
ポートフォリオについて悩みを抱えている方は、資産運用の専門家への相談を視野に入れてみよう。
IFAの役割とメリット
専門家への相談を検討しているのであれば、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)が相談先としておすすめだ。
IFAとは、金融機関には所属しない独立した立場から顧客の資産運用をサポートする専門家である。
IFAは「金融商品仲介業者」として提携先の金融機関の提案・仲介を行う。
ライフプランを考慮した投資計画を作成し、そこにマッチする商品の提案・仲介が主な役割だ。
IFA自身が金融商品を取り扱っているわけではないため、手数料が高い商品を無理に勧誘される心配がない。
本当に自分に合う商品を提案してもらえる点が大きな魅力となっている。
また、IFAには原則として転勤や異動がないため、同じ担当者が継続してフォローしてくれる点もメリットとして挙げられる。
信頼できるパートナーが長期的に対応してくれるため、ポートフォリオの見直しなども安心して相談できるだろう。
資産運用やポートフォリオについての悩みがある場合は、IFAへの相談を検討してみてはいかがだろうか。
「資産運用ナビ」の利用方法
信頼できるIFAをお探しの方は「資産運用ナビ」の利用をおすすめする。
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また、IFAの紹介料や相談料も無料となっており、何回でも相談可能となっている。
気になる点や納得できない点をじっくりと相談しても、経済的な負担はかからない。
信頼できるIFAを探したいを考えている方は、ぜひこの機会に「資産運用ナビ」を利用してみてはいかがだろうか。
定期的なポートフォリオの見直しが運用成功の近道だ
運用ポートフォリオを定期的に見直すことで、状況に応じたリスク・リターンのバランスに調整できる。
年に1回またはライフステージに変化があったときにポートフォリオを見直し、自身のリスク許容度とのギャップを埋めていくことが大切だ。
また、ポートフォリオの構築に関して不安な点がある場合は、専門家への相談をおすすめする。
なかでもIFAは、中立的な立場であなたに最適なアドバイスを長期にわたって提供してくれる。
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