1. ホーム
  2. 資産運用・資産管理
  3. ESG投資について知ろう!メリットとデメリットを徹底解説

ESG投資について知ろう!メリットとデメリットを徹底解説

この記事で解決できるお悩み
  • ESG投資のメリットとデメリットを知りたい
  • ESG投資を始めたい
  • ESG投資におすすめの金融商品が知りたい

近年、投資の中でも注目を集めているのが「ESG投資」という投資手法だ。

ただ、ESG投資はどのような投資方法なのか、ESG投資をすることによるメリットやデメリットは何なのか、といった疑問を抱えている方もいるだろう。

そこで本記事では、ESG投資とは何なのか、その概念に触れつつ、ESG投資におけるメリット・デメリット、そしてESG投資の始め方を解説する。

加えて、ESG投資におすすめの金融商品についても紹介しているため、ぜひ最後まで読んで理解を深めてほしい。

目次

ESG投資のメリット・デメリット

ESG投資に関して、ここでは以下3点について解説していく。

  • ESG投資の重要性が高まっている理由
  • ESG投資のメリット
  • ESG投資のデメリット

それぞれ見ていこう。

ESG投資の重要性が高まっている理由

ESG投資とは、Environment(環境)・Social(社会)・Governance(企業統治)の視点から、持続可能な事業を展開している企業などに投資する方法をいう。

温室効果ガス排出量の削減や障がい者雇用機会の拡充といった多様性の尊重、コンプライアンスの強化などの取組みが行われているかが、投資先選定の基準となる。

現代においてESG投資の重要性が高まっているのは、2030年までに持続可能な社会を目指すための国際目標である「SDGs」の存在が大きい。

SDGsは、環境問題や貧困、働き方改革といった世界的に取り組むべき課題を解決するために設けられた17のゴール・169のターゲットから構成されたものだ。

すなわち、SDGsに対して尽力している企業は、ESGに対しても尽力していると考えられるのである。

そのため、ESG投資はSDGsを推進するためにも重要な投資方法なのだ。

ESG投資のメリット

ESG投資のメリットとしては、主に2つ挙げられる。

ESG投資のメリット
  • 長期的な資産形成が可能
  • 社会貢献に繋がる

まず、長期的な資産形成が可能な点は、ESG投資を行う最大のメリットである。

先述したとおり、ESG投資はEnvironment(環境)・Social(社会)・Governance(企業統治)の視点から、持続可能な事業を行っているかを判断基準とした投資方法だ。

従来の株式投資においては、企業の業績などの財務状況をもとに投資先を選ぶことが主流であった。

しかし、財務状況のみで投資先を選んだ場合、ESGに対する取組みが疎かな企業に投資してしまうケースもあるだろう。

ESGに対するリスクマネジメントが十分でない企業は、将来的に淘汰されてしまい安定した収益が得られないことが考えられる。

ESGを重視した事業運営を行っている企業であれば、将来的な成長も見込めるだけでなく、投資リスクも抑えられるため、長期的に安定した収益を得ることが可能となるのだ。

また、ESG投資を行うことで社会貢献につながるのもメリットといえる。

先述したとおり、SDGsとESG投資は関わりが強い。

そのため、ESGに力を入れている企業に投資するということは、間接的に持続可能な社会の実現に寄与するということになるのだ。

ESG投資のデメリット

デメリットとして挙げられるのは、以下の3つである。

  • 投資先を選ぶのが難しい
  • 短期的なリターンが見込みづらい
  • グリーンウォッシュやブルーウォッシュに引っかかるリスクがある

投資先を選ぶのが難しい点はデメリットといえるだろう。

ESG投資は、数字として見える財務状況のみならず、環境や社会、企業統治に関して良い影響を及ぼす企業であるかを見極める必要がある。

環境や社会、企業統治に関する情報を自ら収集しなければならない点が、ESG投資の難しい部分だ。

また、短期的なリターンが見込みづらいのもデメリットの一つである。

なぜなら、ESGへの取組みによる成果は、短期間で現れるものではないからだ。

そのため、短期間で利益を得たい方には不向きな投資方法だろう。

さらに、ESG投資には「グリーンウォッシュ」や「ブルーウォッシュ」に引っかかるリスクがある。

グリーンウォッシュとは、環境に配慮した事業を展開していると見せかけている企業を指す。

一方のブルーウォッシュとは、貧困などの人権問題や障がい者支援といった取組みを行っていると見せかけている企業を指す。

これらの企業は、専門的な用語を多用していたり、曖昧な表現ばかりを利用していたりすることが少なくない。

目先の情報だけに惑わされないよう、十分に情報収集を行うことが重要だ。

ESG投資のメリットとデメリットを考慮した戦略

メリットとデメリットを踏まえ、ここからは効果的なESG投資の方法について、以下3点を解説していきたい。

  • ESG投資の始め方
  • ESG投資の投資手法
  • 投資先の評価基準

ESG投資の始め方

ESG投資を始めるにあたって、金融商品を購入する際の手順について見ていきたい。

ここでは、SBI証券の株アプリを利用した購入方法を解説していく。

  1. SBI証券株アプリにログイン
  2. 画面下部にある「銘柄検索」より購入したい銘柄を検索
  3. 個別銘柄のページにて画面上部にある「取引」を選択
  4. 「現物買い」を選択し、株数や執行条件などの注文内容を入力
  5. 画面下部の「確認」を選択し、注文内容を確認したのち「発注」を選択

通常注文だけでなく、OCO注文やIFD注文、IFDOCO注文での取引も可能であるため、自身にあった注文方法を選択してほしい。

ESG投資の投資手法

ESG投資における投資手法としては以下の7つがある。

投資手法内容
ネガティブスクリーニング環境・社会に悪い影響を及ぼすと考えられる事業を行っている業種などを省く手法
ポジティブスクリーニングESG関連指数などをもとに、同じ業種の中でもESGに対して尽力していると評価されている企業を選ぶ手法
ESGインテグレーション株式投資で重視されてきた「財務情報」に加え、ESGに関する取組み内容といった「非財務情報」を組み合わせて投資先を選定していく手法
国際規範スクリーニングESGにおける国際規範を満たさない企業を省く手法
サステナビリティ・テーマ投資サステナビリティに関するテーマに注力している企業を選ぶ手法
インパクト・コミュニティ投資社会・環境問題を解決するための事業を行う企業を対象とし、リターンのみならず社会・環境問題に対してインパクトを与えることを目的とする手法
企業エンゲージメント株主側から企業に対してESGに取り組むよう働きかけを行う手法

上記に挙げた投資手法の中で、投資額が多いのは「企業エンゲージメント」「ESGインテグレーション」「ネガティブスクリーニング」となる

投資先の評価基準

投資先の評価基準はさまざまであるが、一例として以下2つを挙げる。

  • ESGへの取組みが企業価値の向上につながっているか
  • ESGへの取組みによって企業成長や事業拡大につながっているか

先述した投資手法を用いながら、上記の評価基準に照らし、投資先を選ぶようにしよう。

ESG投資におすすめの商品を紹介

ESG投資におすすめの商品として、ここでは以下3つを紹介したい。

  • 日本電信電話(9432)
  • オムロン(6645)
  • Smart-i 国内株式ESGインデックス

それぞれ見ていこう。

日本電信電話(9432)

ESG投資の投資先としておすすめなのが「日本電信電話(NTTグループ)」だ。

日本電信電話では「環境目標2030」を設定し、CO2の排出量の大幅削減や廃棄物の再利用による「ゼロエミッション」などに取り組んでいる。

また、女性の活躍推進や障がい者雇用といった社会問題への取組みにも積極的だ。

オムロン(6645)

オムロンは、体温計や血圧測定器などの会社として認知度が高い企業だ。

2050年までに温室効果ガスの排出量をゼロにすることを目指す「オムロン カーボンゼロ」を掲げている。

それだけでなく、ゼロエミッションや電子体温計等の普及による水銀の削減などの環境問題に対して積極的に取り組んでいるのだ。

Smart-i 国内株式ESGインデックス

Smart-i 国内株式ESGインデックスは、個別の企業株ではなくさまざまな企業の株が組み合わせられた投資信託である。

この投資信託は、MSCIジャパンIMI指数の構成銘柄の中から、ESGへの取組みが高く評価されている企業に投資するものだ。

MSCIジャパンIMI指数は多くの業種によって構成されているため、Smart-i 国内株式ESGインデックスに投資すれば幅広い業種への分散投資が可能となる。

個別銘柄を選ぶのは難しいという方には、この商品への投資がおすすめだ。

メリット・デメリットを踏まえたESG投資の戦略を立てるなら誰に相談するべき?

ここでは、以下3点について解説していく。

  • ESG投資に関する疑問や不安を専門家へ相談する重要性
  • IFAの役割とメリット
  • IFA検索サービス「資産運用ナビ」の活用法

それぞれ見ていこう。

ESG投資に関する疑問や不安を専門家へ相談する重要性

ESG投資を行うにあたっては、財務情報のみならず非財務情報にも着目して投資先を選定しなければならない。

そのため、さまざまな投資手法を用いる必要があることに加え、非財務情報を収集するためには企業理解を深める必要もあり、疑問や不安を抱えることも多いのではないだろうか。

そのようなときは、資産運用に関する専門家に相談することをおすすめする。

専門家に相談すれば、投資先を選ぶために力を貸してもらえるだけでなく、企業理解を深めるための手助けもしてくれるはずだ。

IFAの役割とメリット

IFAは「独立系ファイナンシャルアドバイザー」と呼ばれ、銀行や証券会社などの金融機関に所属していない資産運用の専門家のことをいう。

IFAに相談するメリットは以下の2つだ。

IFAに相談するメリット
  • 幅広い商品を中立的な立場で提案してもらえる
  • 転勤がないため長期的な相談が可能

最大のメリットは、幅広い商品を中立的な立場から提案してもらえる点である。

銀行や証券会社などの営業担当者から商品の提案を受ける場合は、自社商品をおすすめされる。

しかし、IFAはさまざまな金融機関と業務提携し、幅広い商品を取り扱っているため、個々人にとって最適だと思われる商品を中立的な立場から提案してくれるのだ。

また、金融機関に所属する営業担当者であれば、転勤する可能性が高い。

しかし、IFAは基本的に転勤がないため、長期的に相談できるという点も大きなメリットだ。

資産運用は長期にわたるため、信頼できるアドバイザーを見つけておくことが重要となる。

IFA検索サービス「資産運用ナビ」の活用法

「IFAはどうやって探せばいいの?」

「自分にあったIFAはすぐに見つけられる?」

IFAを探す際には、このように不安に思う方もいるのではないだろうか。

そのような方には、IFA検索サービスである「資産運用ナビ」を活用してほしい。

「資産運用ナビ」とは、個人投資家とIFAをマッチングさせるサービスをいう。

オンライン上で相談内容や年齢、性別などの必要項目を入力するだけで、あなたに最適なIFAを簡単に見つけることが可能だ。

無料で利用できるため、ぜひ「資産運用ナビ」を活用して信頼できる資産運用アドバイザーを探してほしい。

ESG投資のメリットとデメリットを理解しよう

本記事では、ESG投資とは何なのかからESG投資におけるメリット・デメリット、ESG投資の始め方まで解説した。

ESG投資を行うことで、長期的な資産形成が可能であったり、社会貢献につながったりといったメリットが享受できる。

一方で、さまざまな投資手法や基準を設けながら「非財務情報」をもとに投資先を選定しなければならないだけでなく、短期的なリターンが見込みづらい、グリーンウォッシュやブルーウォッシュを見極める必要があるなどのデメリットもある。

また、おすすめの商品として企業株と投資信託を紹介したが、あくまでも一例だ。

本記事で紹介した商品以外にも数多くの商品があるため、自分に最適な商品を選択してほしい。

ただ、自分一人で投資先を選ぶのは不安だと感じる方もいるだろう。

その際には、資産運用の専門家であるIFAへ相談することを推奨する。

IFAからの具体的な助言を受ければ、自信を持ってESG投資を行えるはずだ。

そして、IFAを検索する際には「資産運用ナビ」を活用し、あなたに最適なIFAを見つけてほしい。

ESG投資のメリットデメリットに関するQ&A

ESGとSDGsの違いは何ですか?

まずESGとは、Environment(環境)・Social(社会)・Governance(企業統治)のそれぞれの頭文字をとった言葉で、これらを意識した企業経営を行うことが重要という考え方のことをいう。

一方のSDGsとは、持続可能な社会を実現するために定められた国際目標のことをいう。

SDGsを達成するために企業がESGに取り組む、といった構図となるのだ。

アメリカやヨーロッパと比較して日本でESG投資が遅れている理由は何ですか?

理由は主に2つある。

  • 目先の利益を追う「短期投資家」が多かった
  • 投資金額の多い「機関投資家」がいなかった

これらの要因によって、アメリカやヨーロッパと比較すると日本におけるESG投資が遅れているのだ。

ESG投資の一番の魅力は何ですか?

ESG投資は、持続可能な社会の実現を目指す企業に対して投資を行うことである。

そのため、社会貢献につながるという点が、一番の魅力だといえるだろう。

ESG投資を実践する際、投資対象はどのように選べばいいですか?

投資対象は、以下の観点から選択することがおすすめだ。

  • ESGへの取組みが企業価値の向上につながっているか
  • ESGへの取組みによって企業成長や事業拡大につながっているか

ただ、企業の中にはESGに配慮した事業を行っていると見せかけている「グリーンウォッシュ」や「ブルーウォッシュ」が紛れ込んでいることもある点には注意しなければならない。

IR情報などを読み込み、企業理解を深めて「グリーンウォッシュ」や「ブルーウォッシュ」を見極めることが重要だ

グリーンウォッシュやブルーウォッシュの企業を見分けるためのポイントは何ですか?

企業を見分けるポイントとして挙げられるのが、活動内容に対する透明性や具体性があるかどうかである。

定期的な報告がなされているか、報告書自体が公開されているか、報告書の内容に具体的な数値や成果が記載されているかどうかは、企業の取り組みを判断する有用な材料になるだろう。

ほかにも、短期的な取り組みだけでなく、中長期的または継続的な取り組みに力を入れているかどうかも、企業を見分けるポイントになるはずだ。

短期間でのリターンが期待しにくいESG投資では、どのような運用戦略を立てるべきですか?

投資元本に対して、短期的または中長期的なリターンを狙う元本と大別し、それぞれでリスク許容度に合わせて資産クラスを組み合わせる戦略を立てるとよいだろう。

ESG投資は中長期的なリターンを狙うための資産配分を構築し、短期的なリターンを狙いに行く資産クラスを別途設けるのがおすすめだ。

複数の資産クラスを組み合わせればリスク分散につながるため、リターンを狙う期間ごとに投資対象を分けて考えるとよいだろう。

ESG投資の中で特に注目すべき業種はありますか?

最もイメージがつきやすく、注目に値するのは、太陽光発電やバイオマス発電などのエネルギー系の業界だ。

脱炭素に向けた取り組みは必須とされているなか、再生可能エネルギーの必要性はますます高まっている。

関連して、電気自動車やエネルギーの効率化技術などを扱う業界も、今後の成長を期待できるだろう。

ESG投資のメリットを享受できるのはどのような投資家ですか?

ESG投資は成果が出るまでに時間がかかるのは先述したとおりであり、資金力に余裕がない限り、メリットを享受するのは難しいだろう。

金銭的なリターンよりも、社会貢献や環境への配慮など、間接的ながら他者貢献につながり、精神的な豊かさを求めたい投資家であれば、ESG投資のメリットをより享受できるはずだ。

長期的にポジションを取り続けられる粘り強さが求められるだろう。

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

・本サイト「資産運用ナビ」はアドバイザーナビ株式会社が運営しております。
・本サイトに掲載される情報に関しては、最大限の注意を払っておりますが、金利、手数料、その他商品情報の完全な正確性や信頼性を保証するものではありません。
・本コラムは情報提供を目的としたものであり、個別銘柄の推奨や、金融商品の紹介、周旋を行うものではございません。

目次